どうも、木林です。
4話くらい前で右足をぶっ飛ばされたゲール君。
そろそろこの生活も慣れて来たみたいです、、
それでは、どうぞ。
「、、ただいま、ゲール。」
「おかえりなさい。ヒナ様。」
今日も今日とてヒナ様を迎える。いつもより少し遅いお帰りだ。今日の夕飯はオムライス。喜んでくださるだろうか?
ーー ーー ーー
「ゲール、そろそろ一年が経つね。」
する事が終わり、リビングで寛いでいると、ヒナ様から話しかけられた。
「あぁ、もうヒナ様は二年生ですか。時の流れは早いですね。」
「うん。それでね、ゲール。」
「その、いつも私の事を支えてくれて、ありがとう。 私は、ゲールに会えて良かった。」
ヒナ様は少し恥ずかしそうに言葉を紡ぐ。
「ど、どうしたのですか、急に。」
「それで、ね。ゲールに、プレゼントを用意したの。」
「、、え!、、これ。」
高級感ある木箱を開けると、丁寧に包装された金属製の義足が出てきた。
「これは、、義足でしょうか?」「うん。」
〜〜 〜〜 〜〜
「はぁ、、」
「、、!どうされたのですか?副隊長?」
「あぁ、アコ。」「それがね、、」
「はぁ、ゲールさんに、プレゼントを?」
「うん、何がいいかなって。」
(あーあ!ヤツは頼まずともヒナ様からプレゼントを贈ってもらえるのか!いいなぁ!私もプレゼント贈られたいなぁ!)
笑顔で話を聞くアコの裏にはすんごいキモい願望が剥き出しである。ここでめんどくさいのはアコはゲール自体には好印象な事である。
ただ自分も空崎ヒナを愛しているが故の、嫉妬である。だがもしこれでヒナがゲール、もしくは自分以外とくっ付いたら死んでしまうかも知れない。まぁ表面上は祝福するであろうが。
彼女が最も欲するのは空崎ヒナの幸せである。
失礼だな、純愛だよ。
「そうですねえ。」
「せっかくなら、、彼がいつも身につける物はありますか?」
「え、?、、義足、かな?」「、そうですね。」
「彼は戦う事はあるでしょう?」
「そんな事はないと思うけど、、」
「何言ってるんですか!ここは"自由と混沌"のゲヘナですよ!?そこら辺歩くだけでも戦闘が起きますって!」
「まぁ、確かに?」
「なので、彼には頑丈な義足をプレゼントしては如何でしょう?」
「頑丈な義足?」「えぇ。」
「あっ!それとも、もう特別な義足を使っておられますか?」
「いや、病院からそのまま同じのを使っているはず、、」
アコはヒナのことは大切にしているし、ゲールについてもまぁまぁ大切に思っている。故にかなり的確なアドバイスをした。
「彼は義足がないと歩けません。歩けない状態だと、悪人に何されるか分かりませんよ?ただでさえ身体が脆いのに、、」
「なるほど。」
「うん、、そうだね。」
「まぁ、私も彼には副隊長を守ってもらったという恩がありますので、、」
「義足を特注できる場所ぐらいは、調べておきます。」
「、、いいの?」「はい。おまかせください。」
「ありがとう、アコ。」
(あー!いけません!ヒナ様!可愛すぎます!そんなに笑顔を向けられると、、死んでしまいます!)
アコは一瞬プレゼントの代金を自分も負担しようかとも言いかけたが、結局辞めた。
(まぁ、これは"ヒナ様"のプレゼントですからね。私が代金まで一緒にヒナ様と買ってしまえば、それは違う物になってしまうでしょう。)
この女、パーフェクトコミュニケーションを決めた。こういうところがヒナに信頼される理由である。
パーフェクトだ、天雨アコ。
ちなみに爆破犯にヒナ、及びゲールが重症を負わされた事件では、アコは死にそうなくらい鬱になっていた。
〜 数日後 〜
「副隊長!義足の特注ができる場所が見つかりました!」
「そう、分かったわ。」
(じゃあ今日の帰りに早速寄ってみようかな、、?)
「あと副隊長、今日の業務はパトロールだけです。」
「えっ、そうなの!」「はい。」
「なので、早く義足を選んであげてください。」
この世で一,二番目にヒナのことを知っている女、天雨アコ。余りにもいいヤツである。これでまともな服装をしていれば、、
ちなみにアコは本日二徹目である。何故かなぁ?
「ありがとう!アコ!」「ヒュッ」
天雨アコは死んだ。はやい!
ーー ーー ーー
「ここらあたりかな、、」
もうそろそろ着くはずだけど、、あっ。
「義肢工房 オト」
「ここかな、、?」
ガラガラ
「あぁどうも、こんにちは。」
「特注の義肢を作れると言うのはここ?」
「えぇ、まぁ、、うん。そうですね。」
そこにいたのは両腕がなく、義手の獣人だった。キセルを吹かすその姿は、貫禄を感じる。
歯切れが悪い、、何かあったのだろうか?
「ところで貴女、身体はどこも無事のようですが、、」
「あぁ、違うの。片足が無くなっちゃった人がいて、その人の為に作って欲しいの。」
「あぁ、左様ですか。」
「特注、でしたね。ささ、此方にどうぞ。」
私は奥に通された。奥は正に工房、といった雰囲気だ。なんだか見慣れない機械ばかり。
「まず、どのくらい無くなってしまわれたのですか?」
「そうね、、ふくらはぎの中間あたり、かしら。」
「はいはい、、」
サラサラ、、
「現在義足はつけておられますか?」
「うん、病院で貰った足形じゃない、棒状?の物をつけているわ。」
「ふむふむ。」
その後も質問に答えていった。
ーー ーー ーー
「成程、わかりました。」
「それにしても、、その人は貴女にとってよほど大切な人なのですな。」
「えっ、、」
「だって、他人の足のサイズや、大まかな歩き方を覚えてる人なんてそうそう居ませんよ。」
「それに、本人を連れてこないと言う事は、プレゼントですか?」
「あっ、、」シュゥゥ
「ははは、まぁ、写真提示や、細かい質問まで答えてくださったお陰で、作れそうですよ。」
「、、はい!」
「さて、それでは本題です。」
「貴女はこの特注の義足に、何を望みますか?」
「それは、、」「なんでも構いませんよ。」
「見た目、仕掛け、或いは材料。」
「どんな物でも、希望に添えますよう努力いたします。」
「じゃあ、、」
「貴方のできる最高硬度の物質で、壊れにくい義足を作れる?」
「ヴォルフスエック鋼鉄、というのの、最高純度のものがあります。」
「ですが、それは、、、」「代金なら大丈夫よ。」
「おそらくざっと見積もって、100万クレジット、と言うところです。」
た、高い!流石は最高純度。でも、これならなんとか、、
「いえ、違うのです。」「?」
「、、実は最近倉庫に賊が入りましてね、、」
「板金や、鋼鉄が持って行かれてしまったのです。」
「とりわけ最高純度の物は、新しく仕入れるにも時間がかかり、、」
「現在は、作ることが出来ないのです。」
そんなことが、、それは困る!
せっかくのプレゼント、ゲールにはいいものを贈りたいのに、、
「ですが、その賊たちの所在が分かれば、そこにある筈です。何せあんな物、素人には加工も難しいですからね。」
「転売されてたりは?」
「それはないでしょう。奴らの会話を聞いていたのですが、、テ、テンカイ?カイテン?ジャーロボを作るとか言ってましたから。」
「成程。」
「わかった。私がその泥棒をなんとかしてあげる。」
「、、!いいのですか?」
「うん、だって私は、、」
「風紀委員会だもの。」
「、、かたじけない。」
「では、こうしましょう。」
「もし、無事に材料を持ってきて頂いたのなら、半額の50万クレジットでお作りいたしましょう。」
「、、!いいの?」
「えぇ、私もアレがないと困りますからね。」
「、、はい!ありがとうございます。」
「いえいえ、では頼みましたぞ。」
「、、ところで、意匠はどうされますか?」
「、、、じゃあ、、」
ーー ーー ーー
プルルルルルル、プルルルルルル。
「はい、副隊長。何か問題が?」
「うん、アコ。」
「実はカクカクシカジカで、、」
「、、成程、恐らくその賊、と言うのはカイテンジャーの事でしょう。」
「カイテンジャー?」
「はい、なんでも様々なところから物資や資金、設計図?を奪い、何かを企んでいる最近新しく出てきた四人組の凶悪犯罪者だとか、、」
「わかった、居場所は分かる?」
「それがちょうど目撃情報が入ってきた所です!」
「じゃあオペレーター、お願い。」
「はい、お任せください!」
ーー ーー ーー
「はい、その辺りの筈です!」
「うん。」
今回の任務は私一人だけ。アコも遠隔ドローンでサポートしてくれるけど、、
コソ、コソ、コソ、
「おい、ピンク、ブラック、イエロー、今回の物資はなかなか当たりだったな!」
「あぁ、これで我々のKAITEN ロボ(仮)の試作ができる、、!」
「うん、いい純度の板金とかもあったし、、」
「やったわね!」
そこにはお寿司のネタ?の様な不思議な被り物と全身タイツをした奇妙な集団が居た。ある者は今回の成果を意気揚々と語り、またある者は廃工場の天井に括り付けられた部品?に目を輝かせる。
「、、敵を確認、数は四。」
「武装は、、」
「赤がアサルト、黒がハンドガン、黄がスナイパー、桃がグレネード。」
「どうされますか?」
「そうね、、」
流石に四対一は勝ち目が薄い、何か策を練らないと、、
「あの天井の部品、使えそう。」
私の目についたのは奴らが作っているというロボ?の部品。クレーンで吊り下げられている。アレを落とせば、、!
「アコ、アレを落とせば、、!」
「、、!はい。ですが少しお待ちを、、」
「、、?」
ビーー! ビーー! ビーー!
「、、?何だ?」
「たぶん裏口の感知装置だろ、誰か来たな、、」
「そうか、どうする?、、ブラック!」
「私は無理だ、コイツらを見てやらなくちゃ。」
「、、しょうがないなぁ。私が見てくるね。」
「ピンク、任せた。」「はーい。」
「裏口の警報らしき物を鳴らさせました。」
「釣れたのは一人ですか、、チッ。」
「アコ、そのドローン、電磁パルスがあったよね?」
「はい。」「じゃあ、、」
「あのピンクを不意打ちで気絶させてきて。」
「ですが、、副隊長が一人に、、」
「私は大丈夫。」
「あの部品を上手く使うよ。」
「、、分かりました。ご武運を、」
「うん、、よし、作戦開始。」
ー ー ー
オト工房
ゲヘナの外れにある工房。店主の趣味は面白いものを作ること。
最近腰痛が辛いらしい。
ー ー ー
因みにオト工房の由来はとあるゲームの馬鹿みてぇな武器道具を作る工房から来ています。
回転ノコギリ、爆発金槌、時限火炎瓶、、
ブラボの火薬庫はイカれてる(褒め言葉)