白き永遠、LBXの世界で戦士となりて   作:赫夜叉

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1話

この世界に転生してから7年が経った。今の西暦は2034年、この時点でかつて自分がいた世界とは全く違うのが分かる。

 

「ふっ、ふっ…!」

 

俺は今自室でダンベルを交互に持ち上げていた。いずれ自分の元へ来るであろうエターナルの力。それに相応しい男になるべく、小学校に入学してから毎日筋トレをしているのだ。

 

「カツミ〜、ちょっと来てー!」

 

「ああ、今行くー!」

 

すると一階から母に呼ばれて、俺は筋トレを辞め自分の部屋を出る。

 

今の自分の名は大道カツミ。何の因果か、エターナルの変身者である大道克己と同じ名前で転生した。生まれた家である大道家はそこそこ裕福な家系で、とある企業と親密な関係だという。

 

「母さん何の用?」

 

階段を降りてリビングに入ると、そこには両親がいて、2人の間に自分と同い年くらいの女の子がいた。

 

「父さん母さん、その子は?」

 

「ああ紹介するわね。この子はうちで引き取ることになった檜山真実ちゃんよ。カツミと年は同じだから仲良くしてあげてね」

 

「分かった。俺は大道カツミ、これからよろしく」

 

「……っ」

 

俺はとりあえず自己紹介するが、彼女は顔を俯かせてしまった。

 

「まあ初対面だから、これから慣れていけばいいさ」

 

と、これで対面は終わり、俺はとりあえず部屋に戻って良いと言われたので部屋に戻り筋トレを再開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの子、檜山真実が我が家に来てから1週間が過ぎた。最初に顔を合わせた時から思っていたが、彼女は心に深い傷があるようだった。ほとんど用意された部屋から出て来なく、ご飯は俺達と一緒に食べるがやっぱり表情は暗いまま。両親は詳しく教えてくれなかったが、彼女はある理由で一家離散しなければならず、家族と離れ離れになってしまったらしい。

 

成る程……そんなことがあれば心を閉ざしてしまうのも納得がいく。俺は前世の記憶があるがあの子は7歳の女の子だ。大人でも中々受け止めきれないことなのに、子供の時にそんなことがあってはショックは相当なものだろう。

 

今は……様子を見るしかないか……。

 

 

 

 

 

 

 

 

真実side

 

窓をカーテンで仕切った真っ暗な部屋の中、私はベッドの上で蹲っていた。

 

「お兄ちゃん……どこにいるの……父さんが死んで、お兄ちゃんとも離れ離れになっちゃった………お兄ちゃんと一緒が良いよ……」

 

もうこんなのやだ……こんなに苦しいのなら、いっそ……全部楽になりたい……そう考えた私の足は自然と部屋にある窓の方へ向かっていく。

 

この部屋は2階にあるから、飛び降りでもすればタダでは済まない。

 

「お兄ちゃん……ごめん……でも私もうこの辛さに耐えられないよ……」

 

窓を開けてそこに足を乗り出した私は、そのまま飛び降りようとして………

 

 

 

 

何やってんだおい!!

 

 

 

後ろから聞こえた怒鳴り声にそれを止められた。

 

 

 

 

 

 

 

お昼になっても一向に降りてこないから母さんに言われて真実を呼びに行ったが、部屋をノックしても反応が無い。寝ているのかと思ってドアを少し開けて覗いてみたのだが、それを見た瞬間ドアを開け放ち叫んでいた。

 

何せ彼女が窓に手と足をかけ今にも飛び降りようとしていたからだ。

 

「何してんだよ!危ないだろ!」

 

真実がこちらを見て固まっている間に、俺は彼女を窓から引き剥がし、一応窓も閉め鍵を掛けた。

 

「これで大丈夫だな……」

 

「……どうして」

 

「ん?」

 

「どうして私を助けたの!?ねぇどうして!?」

 

その姿に俺は驚いた。うちに来てからずっと暗い表情で言葉もほとんど交わさなかった真実が初めて大声で喚いたからだ。

 

「私は死にたいの!なのに邪魔しないでよ!」

 

「……何だと?」

 

だが真実の放った発言に俺は強く反応した。自分で命を絶とうとしたのか?気づけば俺は彼女の胸ぐらを掴んでいた。

 

「馬鹿なことすんな、それで死んだってどうにもならねぇ。そんなんじゃ離れ離れになったお前の兄貴も浮かばれねぇよ」

 

「……ッ、じゃあどうすればいいの!?私はお兄ちゃんが大好きだった、けど離れ離れになって……会いたい……お兄ちゃんに会いたいよぉ……」

 

俺が手を離すと真実はその場にへたり込んだ。どうやら彼女とそのお兄さんはかなり仲が良かったのが窺える。兄を求め泣き崩れる真実、その姿を俺は放っておけなかった。

 

「……俺がそばにいる」

 

「……え?」

 

真実の前で膝を付き、彼女の肩に手を置く。

 

「俺じゃお前の兄貴の代わりにはなれないかもしれない。だが一緒にいてやることはできる。俺だけじゃない、父さん母さんもいる」

 

「………」

 

「それにお前の兄貴だって、お前が暗い人生を送るより、幸せな人生を送れることを望んでる筈だ」

 

「……ほんとに、一緒にいてくれる?」

 

「ああ、だからもう死にたいなんて言うな」

 

「……ッ!ゔゔうぅぅ……!!」

 

俺の言葉に真実はまた涙を流し嗚咽を漏らす。俺が抱きしめると、胸元に顔を押し付けてきた。

 

それから真実が泣き止むまで、俺は彼女を抱きしめ続けた。

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