METAL WOLF Archive XD   作:W.B.O

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Chapter Ⅱ-Ⅲ ”The Ride of the HOUNDS”(猟犬の騎行)

 シロコが居なくなった―――その事実を最初に認識したのはノノミであった。

 事態が動くまでアビドス高校で寝泊まりをする対策委員の中でその日一番に起きた彼女は、対策委員会の部室に置かれていた書き置きに当然のことながら気づいて一通り読み終えた後、急いで全校を駆け回ったもののシロコの姿はどこにもなかったのだ。

 校舎裏にある駐輪スペースに停めてあったシロコの自転車も無く、すぐに皆を叩き起こした。

 

 

「シロコちゃんが……シロコちゃんが!」

 

「ふぁぁ……どうしたのさノノミちゃん、そんな顔を青ざめさせて……」

 

「シロコ先輩がどうしたのよノノミ先輩……」

 

「んん……眼鏡、眼鏡……」

 

 

 寝ぼけ眼を擦りながらホシノとセリカが起き上がる。アヤネは眼鏡を取ろうと一人悪戦苦闘。

 まだ事態を把握してない三人はぼんやりとした様子でノノミとの温度差があったが、時間が経つにつれてただ事ではない空気を感じ取っていった。

 

 

「……シロコちゃんが書き置き残して消えた!?」

 

「はい、自転車もなくなってて……」

 

「ああもう、シロコ先輩はやっぱ諦めてなかったのね! 銀行襲撃がうまく行って気が大きくなってるんだわ!」

 

「ノノミ先輩、シロコ先輩が行きそうな場所に心当たりはありますか……?」

 

 

 寝ぼけ状態から抜け出し、ようやく事態を把握した時対策委員会はそれはもう大変な騒ぎとなり、ホシノですら明らかに焦りの色を浮かべていた。

 そして、最初に問題になったのは当然のことながら()()()()()()()ということだ。

 

 

「あっ、ええっと……その、多分カイザーの施設だとは思うんですけど」

 

「例の基地の場所、ちゃんと覚えてる人居る?」

 

「……ごめんなさい、確かアビドス砂漠だというのまでは記憶してるんですが」

 

「う、うーん、私地図見てないから、わからないわ」

 

 

 シロコの狙ってる場所自体は推測できるものの、肝心の砂漠の地図、航空写真を持っているマイケルは今は居らず、彼女たちは詳細な場所を記憶していなかった。

 これはマズイと焦りの色を濃くするのはホシノだ。()()()()()が最悪の可能性を想起させ、顔は青くなり、ダラダラと冷や汗が流れていく。

 

 

「ほ、ホシノ先輩顔色ものすごく悪いけど大丈夫……?」

 

「大丈夫、大丈夫……大丈夫だよセリカちゃん、ちょっと変なこと考えちゃっただけ。そうだ、先生に聞いてみれば今のシロコちゃんの居場所がわかるかもしれないよ」

 

「……あっ、そうですね! 先生はスマホの位置情報を調べられるはずです! 先生に調べてもらえばシロコ先輩の居場所も……」

 

「ですが、先生も準備で忙しいでしょうし、邪魔になりませんか?」

 

 

 セリカに心配されたホシノであるが、慌てて誤魔化しながらも解決の糸口としてマイケルへの連絡を口にした。以前セリカ救出において彼がスマホの位置情報を瞬時に調べ上げていたのを覚えていたのだ。

 その提案にアヤネは賛同するも、ノノミはマイケル側の都合を考慮し、つい躊躇してしまう。

 対カイザーの秘密作戦が進行中ということを思えば、彼女が躊躇するのも無理はない。

 

 

「……そうだね、シロコちゃんがカイザー基地に向かったっていう話をすると先生が対応しなくちゃならなくなるか。でも、今だったらまだ()()()()()()()シロコちゃんの暴走っていう体に出来ると思うんだ」

 

「あっ、なるほど、それなら先生にあまり迷惑をかけずに済みますね」

 

 

 マイケルに対カイザーの案件を一任している以上、これ以上彼に迷惑をかけたくないという思いを抱くのは仕方がないことと言える。

 対策委員の皆は、故に真相を隠したままマイケルのモモトークにメッセージを送ることとした。

 


先生、シロコちゃんが暇だからって一人で出て行っちゃった

どこへ行ったかわからないので居場所を教えて欲しい

 

それは本当か(Are you serious)? 

まったく、シロコは後で説教だな

少し待ってくれ、今調べる

 

ありがとう先生、それと砂漠のカイザー基地の場所の情報を送ってほしいんだ

変に近づくことがないようにしておきたいから、さ

 

わかったわかった

今調べたところシロコはアビドス線を大オアシス駅方面に向かっているようだが

これは本当に大丈夫なのか?

変に奥に行くとカイザー基地に向かってしまいそうだぞ

 

大丈夫だって先生

シロコちゃんだってそこまで無鉄砲じゃないよ

それじゃあ、データもありがとうね

明日のお仕事頑張って先生


 

 モモトークを閉じ、息を吐く。やっぱりと言うべきか、シロコの向かっていたところが想像通りの場所であったことにわずかに安堵した。

 そして、マイケルから得られた情報を皆に共有する。嘘をついてしまったことへの罪悪感がチクリと刺さるが、ホシノはそれを無視することにした。

 

 

「……急いでいかないとヤバイじゃない!」

 

 

 シロコの所在地、そしてカイザー基地の情報を得たセリカは大声を上げる。

 先輩が単独でカイザー基地に殴り込んでいるっぽいとわかれば、そうもなるだろう。

 

 

「そうだね、急がないとマズい。アヤネちゃん、ハンヴィーの準備をして。追いかけよう!」

 

「はい!」

 

「シロコちゃんはお尻ペンペンです!」

 

 

 急ぎハンヴィーを持ち出し、彼女たちは急いで最寄りのアビドス線の駅へと向かう。

 もとより人気のない道を全力でかっ飛ばし、たどり着いた最寄り駅の駐輪場にはシロコの自転車が停められていた。

 

 

「情報通り、電車に乗って向かったみたいだね」

 

「次の電車は……えぇ、1時間後? いくらアビドスが過疎とはいえ……」

 

「燃料は十分あります。ハンヴィーで大オアシス駅まで向かいましょう!」

 

 

 電車での追跡を諦め、ハンヴィーでの追跡を続行することにした4人。

 線路沿いに旧市街地を駆け抜け続け、昼頃にようやく大オアシス駅へと到着した彼女たちはハンヴィーを降りて周辺を捜索したが、人気はない。

 

 

「……シロコちゃん、まさかもう砂漠に入っちゃったの?」

 

「可能性はあります。ここまできたら……そうだ、シロコちゃんにモモトークを送ってみれば!」

 

 ノノミは早速スマホを取り出してモモトークに入力するが、何時まで経っても送信が完了しない。

 首を傾げて連打してみたが結果は変わらず、よく見ると右上のアンテナが表示が一本もなかった。ここは電波状況が非常に悪いようだ。

 

 

「そ、そんな……ここまできて繋がらないなんて」

 

 

 まさかの事態に顔を青くするノノミ。

 このまま帰れるわけもなく、しかし捜索しようにも砂漠に向かえばカイザー基地と接触する可能性もあり、途方に暮れてしまう。

 

 

「……みんな、ここは一旦シロコちゃんの捜索は私に任せてアビドス高校に戻って」

 

「えっ!?」

 

「ど、どういうことですかホシノ先輩」

 

 

 そんな中、口を開いたホシノの言葉に他の3人は驚きを隠せなかった。

 シロコを探し出せずに帰れるか、と反論しようとしたが、ホシノの今までにないほどの真剣な眼差しに言葉を失ってしまう。

 

 

「今は校舎をあまり空けるべきじゃないし、派手に動き回ってカイザーに嗅ぎつけられることも避けたい。大丈夫、私は昔このあたりに何度も来たことがあるからさ、シロコちゃんをささっと見つけて帰ってくるよ」

 

 

 そう言い、ホシノはハンヴィーから水の入ったカバンを取り出して背負い、ポケットからコンパスを取り出した。

 確かに彼女の言う通り、アビドス高校は今無人な上に砂漠をハンヴィーで走り回れば目立ってしまうだろう。

 アビドスを守りながらカイザーにバレないようにしたいということであれば、最も体力のあるホシノが単独で捜索に当たるのが一番なのは確かなのだ。

 

 

「ね、頼むよみんな」

 

 

 両手を合わせ、懇願するホシノの姿に3人は反論を諦めざるを得ない。

 

 

「わかりました、先輩。ここは先輩に任せます……が、絶対無事に帰ってきてください」

 

「うん、そのつもりだよ。この砂漠で誰かを失うなんて……絶対にあっちゃいけないんだ」

 

 

 3人を乗せたハンヴィーが砂煙を上げながら新市街地方向へと走り去っていく。

 それが視界から見えなくなるまで見送り―――ホシノは、全力で砂漠へと向かって駆け出した。

 

******************************************************************

 

 夕方のシャーレの会議室、機密保持も完璧に仕立て上げたその部屋でHOUND小隊とマイケルは作戦の詰めの調整を行っていた。

 目標はD.U.にあるカイザーローン本社ビル、そのサーバーを制圧し不正取引及び資金洗浄のデータログを回収、カイザーコーポレーション本社側の指示の有無の確認を行うこと。

 証拠隠滅の危険性を考慮し、入手してあるビルの設計図から推測したサーバールームの存在する上層階への部隊の直接投入、引き上げまでの手順の確認及びタイムラインの構築等、やることは多い。

 

 

「事前に把握している防衛部隊はカイザーセキュリティの一個中隊程度、我々HOUND小隊からすれば子猫みたいなものだが、舐めてかかると爪を突き立てられるぞ!」

 

「現在のところカイザーローン本社付近で動きはない。少なくとも、欺瞞工作はうまく行っていると推測できる」

 

「他のカイザーグループの動きを監視しているが……PMCの動きが少し活発になっているよ先生、ただしD.U.での動きはない。これは……アビドス自治区方面だね、電波発信が多い」

 

 

 HOUND小隊のメンバーは作戦前にできる限りの情報収集を行う。

 決して油断せず、全力でかかるのがHOUNDなのだ。

 そんな中、カイザーの通信傍受を行っていたタエコが不穏な報告を上げた。

 

 

”アビドス自治区? あの基地はカイザーPMCのものだったか。内容の解読はできるか、タエコ”

 

「悪いけど、流石にここからじゃ距離が遠すぎるね。軍用通信ネットワークで独立してるし、アビドス自治区にいれば傍受ぐらいはできるだろうけども」

 

”Hmm...”

 

 

 アビドス自治区のカイザーPMCの活動が活発化しているというその報告は、マイケルの感心を引くのには十分であった。

 すかさず詳細を問うが、タエコは肩を竦めて首を横に振る。

 

 

(”今朝アビドスでシロコが姿を消した。その最終確認位置は大オアシス駅方面に向かう線路上……まさか、シロコは本当にカイザーPMCの基地に向かっていたのか?”)

 

 

 カイザーがアビドスで動き始める理由、朝に聞いた時はホシノがそんなことはないと誤魔化したのだが、今思えばシロコが独断でカイザーへの偵察活動を行おうとしていたのではないかと思い至り、カイザーがそれに気づいて対応するためのものではないかという仮説が成り立つ。

 表情こそ変えないものの、内心は穏やかではない。彼はすかさずシッテムの箱を覗き込んでアロナに指示を出した。

 

 

”アロナ、シロコの現在位置を特定してくれ。それと、アビドス高校の生徒の現在位置もだ”

 

『は、はい』

 

 

 今までにないほどに焦りの色がこもった声に、アロナはすかさずセントラルネットワークにアクセスしたが―――シロコとホシノの位置情報は、一切出てこなかった(NO SIGNAL)

 

 

『せ、先生! シロコさんとホシノさんの反応がありません! そんな、どうして……!?』

 

なんだと(What the Fuck)!?”

 

 

 思わず声を荒げ、席を立つ。周りのHOUND小隊のメンバーが一斉に肩を跳ね上げてマイケルを見上げた。

 その視線に気づいた彼は咳払いをし、気まずそうに椅子に座って少し気を落ち着かせてから口を開く。

 

 

”……アビドス高校の生徒が2名行方不明になった。場所は推定でアビドスの砂漠、カイザーPMC基地の近辺だ”

 

「先生、現状で作戦を完全に遂行するためには奇襲が必要だ。アビドスで生徒が行方不明になったとしても、捜索に割く余力はないだろう」

 

 

 事情を説明するマイケルに対し、トミはあくまで予定されているカイザー強制捜査を優先する姿勢を崩さない。

 当然ではあるが、彼女たちはそのためにシャーレに招集されたのだ。

 無論、彼もそれを理解しているので彼女の言動を問題視はしない。二人を助け、カイザーへの捜査に支障をきたしたらアビドスの現状を変えることはできなくなるのだから。

 

 

「先生、そのアビドスのカイザーPMC基地ですが、現在カイザーPMCの理事が駐在しているようです。彼はカイザーローン及びカイザーコンストラクションの役員でもあります」

 

”……仔細を共有してくれ”

 

 

 カイザーPMC、カイザーローン、カイザーコンストラクション、アビドスに直接関与しているカイザーグループの系列会社の経営に関与できる重要人物の存在がアリアによって告げられる。

 彼女は手元のラップトップに必要な情報を表示させた後、くるりと回してマイケルに見えるようにした。

 映し出されているのはガタイが良く、高級なスーツを纏ったロボット族の男だ。

 彼のプロフィールも並んで表示されており、どのような人物かはおおよそ察することができた。

 

 

「これは私の推測でしかありませんが、現状の対アビドス工作を現場責任者として統括しているのはこの男ではないでしょうか。であるならば……基地近くでアビドスの生徒を勾留し、これをネタにアビドス高校を脅迫する可能性が想定できます」

 

”……続けてくれ、アリア”

 

「はい、アビドス自治区の9割以上をすでにカイザーコンストラクションが入手していますが、アビドス高校近辺は未だにアビドス高校の自治区として存在しています。連邦生徒会規約において学園自治区は基本的に不可侵、それは学園のみならず企業においても適応されます。ですから、今までカイザーグループは直接的にアビドス高校への攻撃を行いませんでした」

 

 

 捲し立てるアリア。はっきりとした言葉で彼女は説明を続けていく。

 

 

「しかし、自分達の管理地域でアビドス生徒を勾留したとなれば話は変わってきます。先日の戦闘で発生したアビドス市街地の被害の責任を転嫁し、より厳しい条件をアビドス高校に課すことで目標であるアビドス自治区の乗っ取りを完遂するものと私は考えます」

 

 

 アリアは説明を終え、一礼する。

 彼女の話した内容はおおよそマイケルが予想するものと一致しており、納得できるものだ。

 だからこそ対策委員会の皆に休暇の体で待機命令を出していたのだが、シロコにはうまく伝わっていなかったらしい。

 

 

”アリアの予想は私と一致する。だが、まずは確認が優先だ……少し時間をくれ、アビドス高校と連絡を取る”

 

「聞いたな? 先生が席を外している間に作戦プランを完成させるぞ、わかったか!」

 

 

 対策委員会の面々と連絡を取るために席を立つマイケル。

 トミがHOUND小隊の面々に発破をかける声を背に、彼は会議室を後にした。

 

******************************************************************

 

 

 (失敗した。失敗した。失敗した。失敗した。失敗した。失敗した。失敗した。失敗した)

 

 

 まるで生活感の欠片もない冷たい金属製の檻、その中に押し込められたホシノは膝を抱えながら自分の判断ミスを頭の中で何度も、何度も悔やみ続けていた。

 あれからシロコを追いかけてアビドスの砂漠を進んだまでは良かったのだが、ある程度進んだところでカイザーPMCの巡回ドローンに発見された彼女はそのまま包囲されたのだ。

 包囲されただけであれば、彼女はそのまま逃げ帰ることはできたであろうが、しかし―――

 


 

『……ふん、アビドスのガキがまた一人入ってきたと思ったら貴様だったか』

 

『お前は……あの時の!』

 

 

 カイザーPMC部隊の後ろから現れたのは高級スーツを身にまとった大柄のロボット族の男、カイザーPMCの理事。

 ホシノはその姿に見覚えがあった。以前、アビドスの生徒会長が()()()()()()後にカイザーとの借金の支払いに関する話をした時の記憶が蘇る。

 あの時はスカウトをしてきた黒尽くめのヒトガタの方にばかり注意を払っていたが、確かにこの男はカイザー側の責任者という体で出てきたことを思い出した。

 

 

『一人でやってきたということは、こいつを探しに来たということか。まったく、虎穴に飛び込む愚か者ばかりだなアビドスは』

 

 

 PMC理事の言葉と共に、ぐったりとしたシロコがPMCの兵士に担がれて現れる。

 その両手は手錠で拘束されており、意識も無いようで頭の上のヘイローは消え失せていた。

 

 

『っ! シロコちゃん! お前たち! シロコちゃんに何をした!』

 

『心配するな、死んではいない。ただ気絶させただけだ。もっとも、これからどうなるかは貴様次第だがな』

 

 

 ホシノは今にも襲いかからんと『Eye of horus』を強く握るが、それを察したPMC理事は部下に命じて銃を突きつけさせる。

 キヴォトス人はたった一発の弾丸で死ぬことはない……が、痛めつけることはできるのだ。

 それを見たホシノは銃を降ろさざるを得ず、PMC理事はわざとらしく顎に手を添えてアイセンサーを細めた。

 

 

『ふむ、ここは一つ取引といこうじゃないか副生徒会長? 我々は私有地に不法侵入したアビドス生徒を拘束した。もし返してほしければ保釈金として3億円を支払ってもらおうか』

 

『さ、3億……!?』

 

 

 ホシノは絶句した。『ドロシー』の売却益でようやく2億円を手に入れた状況で3億円なんてとても払えるものではないのだ。 

 

 

『ククク、貴様たちが暴れて壊滅したアビドス市街地の被害額を加味した金額だ。支払えなければ、その分の額がアビドス高校の借金に上乗せされるだけだがな』

 

 

 ホシノの表情を見たPMC理事は満足気に顎をさすり、彼女に背を向ける。

 そのまま基地の方へ数歩進んだ後、何かを思い出したように振り向いた。

 

 

『おっと、そういえば貴様も不法侵入者だな。拘束させてもらうぞ……やれ』

 

『がっ!?』

 

 

 自らの身体に突き刺さる赤いレーザー光。途端に体の力が抜け、意識が遠くなっていく。

 完全に意識が闇に落ちる前に、彼女は己の失敗を悟った。

 


 

 一体どのくらいの時間が過ぎたのだろうか。ホシノは虚ろな目のまま顔を上げる。

 窓はなく、外の光の差し込まぬ牢獄は時が止まっているかのように感じられた。

 

 

(最初から先生に正直に話していれば……いや、シロコちゃんをきちんと昨日の時点で止められていればこうはならなかった)

 

 

 後悔は、してもしきれぬ程にある。

 せっかく先生が自分達のために連邦生徒会すら動かしてきてくれたというのに、こんなことで足を引っ張ってしまう自分があまりにも情けない。

 自罰的な思考に沈み、彼女の瞳はまるで底なしの闇を見ているかのようだった。

 

 

「……これは、これは。随分と気落ちされてますねホシノさん」

 

「……!?」

 

 

 ふいに掛けられる声、聞き覚えのあるそれにホシノの瞳に再び光が灯る。

 鉄扉の格子ののぞき窓から見えるのは、かつて自分を何度もスカウトしてきた黒いヒトガタ。

 後悔を胸にしまい込み、彼女は()()を睨みつけた。

 

 

「黒服……!」

 

「このような形で相まみえるのはいささか不本意ではありますが……何にせよ、このような状況に陥ったのはそちらの自業自得でしょうから」

 

 

 黒いヒトガタ―――黒服は何時もと変わらぬ様子でホシノに語りかける。

 唯一違うのは、ホシノの立場。

 

 

「私は―――」

 

 

 何度言われようとも、お前の提案なんて受け入れられないと答えようとしたホシノであるが、シロコのことを考えて言葉に詰まる。

 今回は今までと違い、自分ひとりだけの話ではないのだ。

 

 

「私の話を断る自由はもちろんあります。しかし……カイザーは正当な権利の行使によって貴女方を拘束しているのです。そうでしょう? 覆面、武装ドローンを用意した人物が自分達の家に近づいてきたら誰だってそうします」

 

 

 思わず目をそらすホシノ。それを否定する材料は残念ながら無かった。

 

 

「このままでは砂狼シロコはきっとヴァルキューレに送られ、矯正局行きになるでしょう。キヴォトスの経済の一翼を担う大企業グループを狙ったテロリストとして……アビドスの名も、悪名として広まるでしょう。ですから―――」

 

 

 黒服はホシノをじっと見ながら言葉を続ける。

 人間であれば目に当たるであろう顔に空いた穴、そこから漏れる光が僅かに狭まった。

 

 

「―――あなたにとって、決して拒めないであろう提案を一つ。私との契約を結べば、全ては丸く収まります。砂狼シロコの保釈金、アビドスの借金の半分を私どもが支払う。どうでしょうか、決して悪くない話だとは思いますが」

 

 

 話を終え、黒服はドアの隙間から一枚の紙を独房の中にそっと入れた。

 それは、先日破り捨てたものと同じキヴォトスにおいて一般的なフォーマットで印刷された退部、退学届だ。筆記用具としてボールペンが添えられている。

 

 

「それにサインをしてもらえれば、それで契約は完了です。では後ほど……」

 

 

 そう言い残し、黒服は静かに響く足音を残して場を去っていく。

 再び沈黙が支配する独房の中、再び光の失われた瞳で退学届を眺めていたホシノは、しばしの間をおいてからボールペンを手にし―――

 

 

******************************************************************

 

 

 D.U.はキヴォトスの中心であり、多くの企業オフィスの存在する経済都市でもある。

 故に、()()()()()()()()()()()()であってもビルに灯る明かりは絶えることなく、街灯とともに夜の闇を打ち消すように街並みを彩っていた。

 その中にあって特に注目を浴びるのはやはりと言うべきか、中心部に位置するサンクトゥムタワーであろう。

 そして、もう一つが物理的に目立つのではなく、その存在が注目の的である連邦捜査部シャーレの部活棟として建造された高層ビルだ。

 周囲のビルと比べて飛び抜けて高いとか、デザインが前衛的(アバンギャルド)とかではないのだが、やはり注目の組織の本部というだけはある。

 稼働開始以降、このビルの周辺の治安は大きく改善され、一般市民も安心して夜間に出歩けるようになっているのだが、その周辺の路地に複数人の人影が人目につかぬように集まっていた。

 体つきにしては大きく、丸まった頭部。それは間違いなくヘルメット団のものだ。

 

 

「……準備はいいな?」

 

「爆弾の準備は完了した。あとは設置すれば―――」

 

 

 不穏な会話。彼女らが持つカバンの中にはいくつもの爆弾が詰められており、ビルの一つくらいは崩せるだけの数がそこにはあった。

 彼女たちはD.U.に拠点を置くコトコトヘルメット団、カイザーから資金提供を受けた団体だ。

 

 

「―――設置すれば、なんです?」

 

「誰だッ!?」

 

 

 そして不意に掛けられるメンバー以外の声、ヘルメット団のメンバーが銃を構えて振り向いた瞬間、眼の前にあったのは宙を舞うピンの抜かれた閃光弾。

 

 

「拙――――!」

 

 

 それを認識できたヘルメット団の一人が言い切る前に、閃光弾は彼女たちの眼の前で起爆し、閃光と大音響が視覚と聴覚を奪う。

 投げ込まれたオーダーメイドの閃光弾による被害はそれだけにとどまらない。

 目と耳から飽和した情報を受け取った脳は処理が追いつかずに彼女たちは完全に意識を手放し、その場に卒倒することとなった。

 

 

「……こちらV4、5名制圧。爆弾を回収しました。どうぞ(over)

 

 

 倒れたヘルメット団を拘束してカバンを回収するのは白い外套に身を包み、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()プレートキャリアを装備し、フードを被りマスクで顔を隠す一人の生徒。

 カバンの中にある爆弾を確認すると彼女は胸元にある無線機のスイッチを押し、報告を行う。

 コールサインで(名前を伏せて)報告を終えスイッチから手を話して数秒、インカムが僅かにノイズを発すると無線機の向こうで返答する生徒の声が聞こえてきた。

 

 

『V1了解した。まったく、弱くてつまらない仕事だ。先生が模擬戦の相手をしてくれるという話が無かったらやる気が出ない』

 

「そちらはどうですか?」

 

『こっちか? 既に目標エリアは制圧済みだ。あとは回収したものをシャーレに引き渡すだけだな……終わったらそうだな、エンジェル24で何か奢ってやろうか、()()()

 

「夜中のデザートは太る原因ですよ、()()()()()

 

 

 通信を切り、フードとマスクを外す。

 収納されていた長い銀髪がたなびき、左側頭部にあるサイドテールを思わせる翼をさっと整える彼女の名は守月スズミ。

 前々日からシャーレ周辺の警戒を行っていたトリニティ自警団は、HOUND小隊がヘルメット団とカイザー間の通信を傍受したことによってシャーレ襲撃を察知し、先手を取って逆に襲撃をかけることにしたのだ。

 この作戦には彼女の他にも2年及び3年の自警団員が数名参加し、その中でも最大戦力は先程彼女と話しをしていた風路イトハだろう。

 50人程度いたヘルメット団のうち半数以上を彼女が一人で撃破してかつ、なお物足りなさそうにしているのは彼女の戦闘狂的な性格が伺える。

 

 

「先生、こちらは終わりました」

 

『”ありがとうスズミ、君たち自警団のお陰でS.C.H.A.L.Eの安全は確保された。あとは我々の仕事だ、君たちは十分休んでいてくれ”』

 

 

 マイケルにも報告を忘れず行い、時計を見る。

 彼は休めと言っていたが、既に終電時刻はとうに過ぎ去りトリニティに帰るには30分以上歩いていく必要もあるので、今晩はシャーレの部屋を貸してもらおう。

 彼女は回収したカバンを担ぐと、シャーレビルに向けて歩いていった。

 

 

―――『掟無用の大捜査、カイザーの悪事を暴け!』大作戦開始まで、()()3()()()

 

 

******************************************************************

 

 

 すべてを覆う夜の闇の時間が過ぎ、東の空から太陽が登るのをアビドス高校の校舎から対策委員会の3人は結局一睡もできぬままぼんやりと眺めている。

 昨晩、帰らぬホシノとシロコを待ち続けた彼女たちにとってマイケルからのホシノ、シロコ両名の行方不明という知らせは大きな衝撃を受けるものであった。

 よりによってカイザーの手に落ちたかもしれないという言葉を聞いた時には、思わず全員で殴り込みに行きそうになったもので、それは何とかマイケルが冷静に諭したことで辛うじて未遂で済んだのだが、対策委員会のメンバーのメンタルに大きなダメージが入ったのは間違いない。

 

 

「……」

 

「………」

 

「………あーもう! それでも動けないのが凄いムカつく!」

 

 

 言葉もなく教室の時計が時を刻む音が響く中、場を支配する空気についに耐えきれなくなったセリカが大声をあげて席を立った。

 勢いよく動いた椅子がガタンと音を立てて倒れ、セリカの声と合わせて沈黙が完全に破られたことでノノミとアヤネの瞳に光が灯る。

 

 

「帰ってきたら二人には色々いってやらないと気が済まないわ! どれだけ心配したか……!」

 

 

 セリカの怒りは収まらない。勝手に動いて事態を悪化させたシロコと、ミイラ取りがミイラになったホシノ、たとえ年上で先輩だろうと許せるものではないのだ。

 兎に角、ガツンと一発カマしてやらないと彼女の怒りが収まることはないだろう。

 そんな燃え上がるセリカを見て、ノノミとアヤネは顔を見合わせた後に僅かに表情を綻ばせた。

 ショックで忘れていたが、今日は先生(マイケル)が朝から動いてカイザーを追い詰める日であり、決して彼女たちが無力なわけではないのだ。

 

 

「そうですねー、ホシノ先輩とシロコちゃん、特にシロコちゃんにはたーっぷりお説教が必要ですよね」

 

 

 ある程度の元気を取り戻したノノミが凄みのある笑みを浮かべながらパイプ椅子をまるでアームバーのようにぐぐぐっと曲げる。

 彼女も相当に怒っているのがわかるが、絵面が凄まじいので一年生の二人は思わず顔を引き攣らせた。

 完全にくの字に曲げられたパイプ椅子を部屋の隅に寄せて今日の活動方針を話し合おうとした3人であったが、そこで対策委員会の部室に近づく複数人の足音に気づき思わず腰を浮かべたが、入ってきたのは便利屋の4人であった。

 

 

「おっはよー♪ って目の下に隈が浮いてるじゃない。もしかして寝てない? よくないよーそういうのは」

 

「先生に頼まれてた通りにトラップを仕掛け終わったけども……何かあったのかしら?」

 

 

 アヤネの目の下に浮かぶ隈をみて思わず心配そうに声を掛けるムツキと、先程と比べればすっかり薄まったとはいえ場に漂う微妙な空気感を感じ取り微妙な顔をするアル。

 微妙なタイミングで便利屋がやってきたことに思わず困った表情を浮かべて互いの顔を見合う対策委員会であったが、対カイザーで共闘する仲間である以上この話はする必要は確かにあった。

 

 

「実は―――」

 

 

 おずおずとノノミはとシロコとホシノが行方不明になったこと、恐らくカイザーに囚われていることを便利屋に話し始める。

 話を黙って聞く便利屋の4人であったが、最初こそホシノやシロコがカイザーの手に落ちたことに憤りを見せたものの、事の始まりがシロコの独断専行であると知ると呆れ顔を見せた。

 ホシノは情状酌量の余地はあれど、シロコの行いは便利屋的にもNGらしい。

 

 

「はぁー……あなた達も苦労してるのね」

 

 

 話を聞き終え、アルは今残っている対策委員会の3人に割と本気で同情した。

 彼女の同情を苦笑で受け止める対策委員会の面々であったが、その瞬間高校からいくらか離れた場所で爆発が起き、数秒遅れて衝撃波が学校を揺らす。

 場に居た全員が色めき立ち、銃を手にして近場の窓から爆発音のした方向を眺めると、爆発による煙が立ち上っているのが見えた。それを見たハルカが口を開く。

 

 

「あ、あっちには対戦車地雷を埋設しておきました……」

 

「対戦車地雷!? えっ、ということは……」

 

「敵よ! 今アビドス高校に近づくのは(カイザー)しか居ないわ!」

 

 

 アルが叫ぶ。カタカタヘルメット団は既にアビドスから撤退し、便利屋68はこうしてアビドス側につき、先の戦いでマーケットガードも壊滅状態である以上カイザーが出せる兵力はもはや自前の軍隊、カイザーPMCしかいない。

 軍隊が敵であるならば、拠点に籠もっていては大火力で制圧されるのは確定的に明らかなので速やかに動く必要があった。

 

 

「えーっと……ノノミ、私達は遊撃のために一旦裏口から出るわ。そちらがどう戦うかは任せるけども、ここはあなた達の学校でしょう? 絶対に守り抜きなさい」

 

 

 軽くウィンクし、アルは便利屋の仲間を引き連れて部屋から駆け出していく。

 その後姿を見送った後、3人は視線を交わし、頷いた。

 アビドス高校最大の戦いが今始まる―――

 

 

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「なんだこのトラップの数は!?」

 

 

 巧妙に隠蔽された対戦車地雷を踏み、砲塔と車体が分離したうえで完全にひっくり返ったクルセイダー戦車、トリップワイヤートラップによって部隊ごと壊滅した歩兵小隊、アビドス高校に侵攻を始めたカイザーPMCの部隊はハルカによって仕掛けられたトラップによって既に大きなダメージを受けていた。

 ハルカの緻密かつ偏執的に仕掛けられた各種爆発トラップは発見が困難かつ大火力であり、さらには相当な火力があるので無視することもできない。

 完全に罠にはめられたカイザーPMCであったが、多くの犠牲を払いながらも前進を止めないのはたどり着いてしまえば僅か3名のアビドス高校を制圧することなど容易いというPMC理事の判断によるものだ。

 

 

「理事、既に部隊の大半が損害を受けています。部隊の再編を行うべきでは……」

 

「そんな必要はない! アビドス高校はもう目と鼻の先だ、前進を続けろ!」

 

 

 参謀であるPMC将校が理事に部隊再編を提案するも、理事は前進を優先してそれを拒否。

 各所で爆発を起こし、その数をじわりじわりと減らしながらもPMC部隊はアビドス高校まであと100mという所まで来たが、その時点で装甲車両の8割が被撃破、擱座、損傷退避などで失われていた。

 兵員も動員当初から大きく数を減じ、しかしそれでも400名の兵員がまだ残っている。

 

 

「進め! 目標はもうすぐだ!」

 

 

 PMCの歩兵部隊の一部が一番乗りだと駆け出すが、校門まであと50mといったところで彼らは校門から飛び出したノノミの射線に入ってしまい、正面から7.62mmのシャワーを浴びたことでその場で昏倒した。

 それをアイセンサーを細めて眺めるPMC理事は車両に据え付けられたマイクを手にし、スピーカーをONにして口を開く。

 

 

『随分と派手な歓迎をしてくれるな、アビドス高校の諸君。おっと、自己紹介が遅れたが私はカイザーPMCの理事にしてカイザーローン、カイザーコンストラクションの役員を務めているものだ』

 

 

 PMC理事の乗る車両の両翼に現れる『ドロシー』タイプの戦車が2両、主砲をアビドス高校へと向けてその動きを止めた。

 

 

『君たちの借金の相手、といえば分かってもらえるかな?』

 

 

 その言葉に、校門の裏からセリカとアヤネが姿を見せてPMC理事を睨みつける。

 全てのアビドス生徒の姿を目視で確認した理事はククッと喉を鳴らした。

 

 

『先日、我々カイザーPMCの基地にアビドス高校の生徒が攻撃を仕掛けてきた。幸いにも我々の被害が出ることなくこれを制圧することができたが、我々は君たちに責任を問わねばならない』

 

 

 シロコのことを、さも自分達が完全な被害者であるかのように述べる理事の姿に、アビドスの3人の目つきが鋭くなった。

 とはいえ、それ単体だけで見れば理事の言うことは間違っては居ないので始末に困る。

 

 

『幸いにも君たちの先輩である3年生の小鳥遊ホシノが責任を取るということになってだね、アビドス高校そのものにこの件の責任は問わないという条件で、だ』

 

 

 次はホシノの去就について話し始める理事。セリカがスコープを覗き込んで狙撃の構えを見せるが、引き金は引かない。いや、引けない。

 

 

『代償として、彼女は我がカイザーPMCへの就職という条件を飲んだ。卒業を待つではなく、即時にな。つまり、小鳥遊ホシノは退学する意向を示し、退学届を書いた。君たちにそれを届けよう』

 

 

 PMC理事の後ろから1機の小型ドローンが飛翔し、アビドス高校の校門の上に到達すると機体下部にマウントされていた箱を投下する。

 落下の衝撃で僅かに砂を巻き上げたそれを恐る恐るアヤネが空けると、中に仕舞われていたのは一枚の紙、理事がいうところのホシノのサインが入った退学届であった。

 

 

「これは……!」

 

「間違いなくホシノ先輩の筆跡です……」

 

「あいつら……シロコ先輩を人質にホシノ先輩に書かせたんだわ!」

 

 

 ホシノの退学届に驚きと怒りを顕にする3人、理事へ敵意のこもる視線を向けるが、当の理事はその程度の視線など飽きるほど浴びているので平然としている。

 

 

『ククク、これでアビドス生徒会の最後のメンバーが退学したわけだ。アビドスに最早生徒会は存在しないも同然であり、アビドス高校は学校の要件を満たさなくなった。公的なものが一切存在しない名義だけの学園など、最早誰にも助けを求めることはできない。お前たちの最後の望みであったシャーレの先生も入院しているとなれば―――』

 

 

 両翼に控えた『ドロシー』タイプの戦車の主砲が光を帯び始める。

 狙いは、アビドス高校の校舎だ。

 

 

『―――大手を振ってアビドス自治区の全てを我がカイザーの手中に収めることが出来る。手始めに君たちの大切な学校の校舎を吹き飛ばしてやろう』

 

 

 右手を振り上げ、理事が発射の号令をかけ―――ようとした瞬間、遥か遠くから一筋の光が奔り、理事の左側にいた『ドロシー』タイプの戦車は一瞬で貫かれ、搭載されたスーパーキャパシタが貫通孔から炎を噴き出し、瞬く間に火柱が上がった。

 何が起きたのかもわからず呆けるPMCの兵士と理事、その瞬間カイザーPMCの無線周波数帯に第三者の通信が割り込み、彼らのインカムから一人の男性の声が響き渡る。

 

 

『”お楽しみの最中に悪いが、此処から先は私が主催するパーテイーだ。招待状がないものはお引き取り願おうか”』

 

 

 炎が噴き上がる音に混じり、遠くから轟くヘリのローター音。そちらの方角にPMC理事が顔を向け、目を凝らすと空に謎のシルエットが浮かび上がっていた。

 アイセンサーを望遠に切り替えてその正体を探ろうとする理事であるが、次の瞬間には驚愕のあまり手にしたマイクを取り落としてしまう。

 何故なら、謎のシルエット、それはCH-53K(キングスタリオン)級の巨大な戦闘ヘリのローターマストの上に立つ人型であり、その人型は―――

 

 

『”Let's Partyyyyyyyyyy!!”』

 

 

 巨大なレールガンを右腕に持つ『メタルウルフ』であったのだから。

 

 

To be Continued in ChapterⅡ-Ⅳ ”The Ride of the HOUNDS Part.Ⅱ”




生徒向けではない最大火力のメタルウルフがついに現れます。悪どい大人や機械相手に手加減は不要ですからね。

用語解説
トリニティ自警団
原作でも存在する組織であるが、組織というよりはスズミの自警行動を真似した集団を一纏めにした原作と違い、組織として確立されている。
対外的にはスズミが設立した非公認部活として認識されているが、実際には洲根イルミが深く関与しており、中核メンバーは彼女の息がかかっているとされている。
とはいえ、正義実現委員会より小回りがきく組織であり、その必要性は疑う余地はない。
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