METAL WOLF Archive XD   作:W.B.O

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ChapterⅠ-Ⅴ ”Do you like Games(ゲームは好きか)?”

 天地を揺るがす神々の怒り、驕る人類への粛清、ソドムとゴモラを焼き尽くした天の火、ユウカの怒りとは、ゲーム開発部にとってそのように形容できるものと言えた。

 ロッカーに逃げたユズ、新入部員であるアリスは情状酌量の余地もあり直撃は免れたのだが、主要メンバーであるミドリ、そして主犯と推定されるモモイはそうはいかない。

 正座させられ説教を食らう2人、助け舟を出せるのはマイケルだけだが、彼は朝っぱらからゲームにふける4人に思うところはあるので、ユウカの気が済むまで説教をさせるつもりだった。

 

 

「まったく、真面目にやってると思ったら遊び呆けて、ミレニアムプライスまで後何日だと思ってるの!?」

 

 

 ユウカの言葉は全くの正論で、正確に言えばミレニアムプライス締め切りまで残り10日、ゲームをこの期間で作れというのは無謀もいいところであり、かの有名な『異星人が母船に帰るために通信機の部品を集めるゲーム』だって開発期間は6週間というのだから、普通は無理としか言いようがない。

 

 

「で、でも、G.Bibleさえあれば……」

 

「そのG.Bibleとやらはどこにあるというの? 無いものをねだっても、現実は変わらないわよ」

 

「G.Bibleはあるよ! 昨日手に入れて……そうだ先生、G.Bibleはどうなったの!?」

 

Oops(おっと)

 

 

 説教の最中、G.Bibleに関してモモイが突然振ってきたため、少し気が緩んでいたマイケルは出鼻をくじかれたものの、すぐに気を取り直す。

 モモイにG.Bibleを渡すという本来の目的は忘れていないため、胸ポケットからUSBメモリを取り出して見せびらかせば、モモイは目をキラキラと輝かせて正座から立ち上がった。

 まさに闇の中に一筋の光明を見つけた、そういう目である。

 

 

”説教が終わってからにしようと思ってたんだが”

 

「とんでもない、待ってたんだよ!」

 

「ちょ、ちょっとモモイ!」

 

 

 マイケルの手から毟る勢いでUSBメモリを手にしたモモイは、目を輝かせたまま座卓の上に鎮座するラップトップPCに接続すると、静止するユウカの声を振り切ってすぐさまファイルを起動させた。

 立ち上がるG.Bibleのウィンドウ、気がつけばユズもロッカーの中から出てきてゲーム開発部一同が食い入るように覗き込む。

 伝説のゲームクリエイターが残したという「最高のゲームを作る秘訣」が記された指南書、その中身見ることができるのだから、彼女もこの時ばかりは人目を気にすることはなかった。

 

 

「何なんです、これ」

 

”まあ、起死回生の一手って奴だろうか。読み終わるまで待っていてくれないか?”

 

「はぁ、別にいいですけど……」

 

 

 ゲーム開発部一同のように入れ込むことのないユウカとマイケルは、やや引いた立ち位置で彼女たちを生暖かく見守ることとして腰掛ける。

 

 

[G.Bibleの世界へようこそ。最高のゲームとはなにか……この質問に対して、世界中で様々な答えが模索され続けてきました]

 

 

 表示されるテキストの一語一語を食い入るように読み込む一同。

 「最高のゲームを作る秘訣」、その中身を1秒でも早く知るためにクリックを連打するモモイ。

 そして―――

 

 

 

******************************************************************

 

 

 

「もうだめだぁ、おしまいだぁ……」

 

「こんな……こんなことって」

 

「……どうしてモモイとミドリはこんなに落ち込んでるんでしょうか?」

 

 

 G.Bibleのプログラムが終わるのは、それほど時間がかかるものではなかった。

 ほんの少しのメッセージ、「ゲームを愛しなさい」という言葉がG.Bibleの本質。

 シナリオの出来、グラフィックの麗美さ、そんな小手先のものではない心構えを説くというのは確かに聖書(Bible)の名を冠するに相応しいだろう。

 そして、それはゲーム開発部の望むものではなかったがために、彼女たちは絶望の底へと叩き込まれてご覧の有様というわけである。

 

 

「ちょ、ちょっと……落ち込みすぎでしょ。ユズなんてロッカーに入っちゃったし……」

 

”やれやれ、思っていたものと違ったっていうことだな”

 

 

 アリスを除くゲーム開発部の3人の気落ちっぷりに、戸惑いを隠せないユウカ。

 マイケルは呆れた様子でラップトップPCを手に取り、表示されたメッセージを自らの目で確かめる。

 

―――ゲームを愛しなさい。

 

 かつて、アメリカにおいて家庭用テレビゲームが爆発的にヒットした時代があった。

 新たな娯楽として開拓された市場に、倫理観を置き去りにした企業が一儲けを目論みルール無用で様々なゲームソフトを供給した時代。

 出せば売れる、そんな考えのもと食品メーカーすらゲーム開発に乗り出した。

 しかし、そんな熱狂に浮く時代は長く続くはずがなかった。

 

―――ゲームを愛しなさい。

 

 金儲けのためだけに作られた、需要を理解しないゲームの中身など、決して良いはずがない。

 粗製濫造されるゲームソフトに人々はに飽き飽きし、ついにはゲームそのものにそっぽを向く事態となった。

 市場は崩壊し、大量に売れ残ったゲームソフトは砂漠に埋められ、海の向こうから新たなゲーム機が入ってくるまでの間、アメリカのゲーム市場は長くはないにしても、冬の時代を迎えたのだ。

 

―――ゲームを愛しなさい。

 

 それらは、彼が生まれる前の出来事だ。

 彼自身それを経験したわけではないのだが、しかし自由市場の失敗として記録されている話。

 G.Bibleの著者も、きっとそのような経験をしたからこそこれを書いたのだろう。

 彼はそう納得し、ラップトップPCを畳んで座卓の上に戻して彼女たちに問う。

 

 

”私は真理だと思うがね、君たちは違うのか?”

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()で、誰もが知ってることじゃないかー!!」

 

 

 それに対し、モモイはそんなのは当たり前だと心の底から叫んだ。

 ―――そう、心の底から彼女はそう思っている。

 だからこそ、G.Bibleの言葉を「当たり前」で「誰もが知ってる」とした。

 

 

”違うな、違うんだよモモイ。誰もがそういう思いでゲームを作っては居ないんだ”

 

「……えっ?」

 

 

 しかしそれを否定するマイケルの発言に、モモイは言葉を失う。

 ゲームへの想いに燃える彼女には思いもよらぬもの、つまりは市場経済のルール下で行われる現実というものを彼は語った。

 

 

”あらゆるものにおいて言えるが、奉仕するかのように無償で作るというのは長続きしないのが一般的だ。人の生活、時間と引き換えに生み出されたものには本来対価が発生して然るべきものだからな、当然だろう”

 

 

 身振りを交え、彼は言葉を続ける。

 

 

”そして良いものを作るにはお金がかかる。手持ちの資金では足りないから銀行などから融資を募り、出資者の意向が反映されていく。その瞬間、クリエイター達の想いは往々にして踏みにじられるものだ。作りたいゲームは売れるためのゲームと化し、そこにゲームへの愛というものは存在しなくなっていく”

 

「……っ」

 

 

 モモイ、ミドリ、そしてロッカーの中にいるユズが唾を飲み込む。

 部費を支給される形で活動している都合上、ゲーム開発部も決して他人事ではない例えを出されて一気にマイケルの話に現実を感じたのだ。

 

 

”そしてゲームが金になるとわかれば、それに目をつけた連中が金儲けのためだけにゲームを作り始める。倫理も節度もなく、蝗害のように市場を食い荒らしていく。その果てにあるのは崩壊した市場、ゲームは見捨てられゴミとして処理される未来”

 

 

 その光景を予想し、青ざめる3人。

 ゲームを愛する彼女たちにとって、もし直視した場合耐えられるものではないだろう。

 たとえそれが、クソゲーと呼ばれるものだとしても。 

 

 

”「ゲームを愛しなさい」というG.Bible作者の言葉は、そういうものを見てきたからこそだと私は思う。作りたいゲームを作れ、それが()()()()()()()最高のゲームになるだろう……とな。君たちは、ゲームは好きか?”

 

 

 話の締めくくりに彼は問う。

 G.Bibleの作者と同じように、ゲームに対する愛はあるのかと。

 

 

「……でも、私達が作った『テイルズ・サガ・クロニクル』は」

 

”想いが空回りするなんてよくあることさ。何度壁にぶち当たろうとも、それを乗り越えるエネルギーこそ若者の特権だと思うがね”

 

 

 ただ一度の失敗で、彼女たちは自信を失ってしまった。

 故にG.Bibleを頼ったのだと今の状況なら理解できるが、彼女たちに必要なのは本当はG.Bibleではなく、背中を押す誰かの言葉だろう。

 だからこそマイケルは彼なりの解釈でG.Bible制作者の意図を代弁するが、まだ足りないのか彼女たちは消沈したままだ。

 しかし―――

 

 

「……アリスは思います。『テイルズ・サガ・クロニクル』は十分おもしろいゲームだと」

 

「あ、アリスちゃん……無理に褒めようとしなくていいよ」

 

「いいえ、それは否定します。私は心から『テイルズ・サガ・クロニクル』は面白いと本気で思っています。このゲームには愛がある……モモイ、ミドリ、ユズの想いを感じ、新たな世界を冒険するあの感覚は、まるで夢を見ているようで―――」

 

 

 アリスが、『テイルズ・サガ・クロニクル』を通して新たな自我に目覚めたアンドロイドが、プレイしている情景を思い返しながら静かに語る。

 

 

「―――正直、バランス調整ミスやシナリオの破綻も目立ちましたが、それでも終わりが近づくにつれて惜しくなってしまいました。この夢から覚めたくない、そんな想いがアリスの中に産まれました」

 

「アリス……」

 

「だから、アリスは断言します。みんなで力を合わせれば、きっと神ゲーを作れるのだと。勇者も1人ではなく、仲間と力を合わせて魔王を倒すように!」

 

 

 最後に力強く断言するアリス。

 彼女の本心がこもったその言葉は、プレイしているからこそ開発者の心に響くもの。

 そして、呼応するようにロッカーのドアが静かに開く。

 

 

「……そうだね、アリスちゃんと先生の言う通りだよ」

 

「ゆ、ユズ……」

 

 

 ロッカーから出て来たユズの瞳には、覚悟が宿っていた。

 今までにないその気迫に、モモイが気圧される。

 

 

「ユズちゃん、どうしたの……!?」

 

「作ろう、『テイルズ・サガ・クロニクル2』を。私達の夢は、ゲーム開発部まだ終わっては居ないんだってみんなに証明するために!」

 

「ユズ……無理しなくていいのよ?」

 

「大丈夫、ユウカ先輩。まだ怖いけど、逃げてばかりじゃ先に進めないんだって今の話を聞いて思ったから……だから、部長である私が、みんなを引っ張らないと……!」

 

 

 心配するミドリとユウカを振り切るように、先程までの弱気っぷりは何処へ行ったのやら、ユズは力強く話す。

 その姿に、これ以上の心配は不要だなとマイケルは笑みを浮かべて頷いた。

 

 

「……わかった、みんなで作ろう! 私達のゲーム、私達の思いを込めて!」

 

「そうだね、どうせ後がないなら派手に一発打ち上げてみようか」

 

「新たな世界への旅立ちのために!」

 

「「「「『テイルズ・サガ・クロニクル2』を、作ろう!」」」」

 

 

 最初の落ち込みぶりは完全に消え失せ、新たな出発へと気合を入れるゲーム開発部の4人。

 その様子にようやくユウカは本来の目的を思い出し、用意した紙袋を彼女たちへと差し出す。

 

 

「これ、差し入れよ。みんなで食べてゲーム開発、頑張りなさい」

 

「ゆ、ユウカが優しい……」

 

「あら、モモイは要らないみたいね?」

 

「わー! 嘘嘘! 嘘ですー!」

 

 

 コントのようなやり取りの後に受け取った紙袋の中身を覗き込むと、入っていたのはシュークリーム。

 カスタードクリームたっぷりの、糖分補給に丁度よいとミレニアム自治区の人気店の商品だ。

 

 

「わー、やったー! ……あ、そうだ」

 

 

 ぴょんぴょん飛び跳ね、喜びを表現したモモイはふと思いついたように動きを止める。

 

 

「先生、ユウカ、時間があるなら少し手伝ってもらえないかな。私達もある程度は理解してるけど忌憚のない意見を聞きたいから―――」

 

 

 シュークリームの箱を置き、彼女が代わりに持つのはコントローラー。

 彼女が何を言いたいのか、2人はその瞬間理解する。

 

 

「―――2人にプレイしてもらいたいんだ、『テイルズ・サガ・クロニクル(私達のゲーム)』を!」

 

 

******************************************************************

 

 

 ―――コスモス世紀2354年、人類は劫火の炎に包まれた。

 

 

「これ、重複表現よね。劫火に包まれたでも十分伝わるわよ」

 

「ぐはっ!」

 

 

 『テイルズ・サガ・クロニクル』を初めて数秒、最初のテロップの時点でユウカの突っ込みが炸裂し、この部分の責任者であるモモイのハートに早速1刺し。

 だが、テロップは続いてチュートリアルが始まる。

 

 

”Bボタンを押せ?”

 

 

 コントローラーを握るマイケルは言われた通りにボタンを押すが、アメリカで普及しているゲームコントローラー*1とキヴォトス式のゲームコントローラーではAとBが逆であったため、ついうっかり指示とは逆のボタンを押してしまう。

 しかし、画面上では普通にチュートリアルが進行していた。

 

 

 ―――武器を装備しました!

 

 

「嘘ーっ!? なんで一発で正解引いちゃうの!?」

 

「正解って……あ、先生Aボタンを押したんですね。モモイ、これBボタンを押したらどうなってたのか教えなさい」

 

「えーっとね、ゲームオーバーになるんだよ。予想を裏切る展開にしたくて……」

 

 

 まさかの一発クリアに驚くモモイであったが、その物言いに引っかかるものを感じたユウカが問えば、あっけなく引っ掛けであったということを自供する。

 もし引っかかっていれば笑いながらネタばらししていたのであろうが、偶然とは言え一発クリアされてしまえばしおらしい態度だ。

 

 

「……このゲームがクソゲーランキング1位になった理由が何となく分かったような気がするわ」

 

”まあまあ、次はユウカの番だ。チュートリアル戦闘らしいが、この様子じゃまともじゃなさそうだぞ”

 

「あっ、はい……コマンドバトルじゃなくてアクション要素が強めなシステムなのね。見るからに弱そうなモンスターに、こちらは剣を装備……まずは接近しないことには―――」

 

 

 ―――BAM! プニプニの攻撃が命中、即死しました。

 

 

「……ッ! スゥーハァー……どうなってるのよ戦闘バランスは!?」

 

”これはひどい”

 

 

 突然銃を持ち出され、死亡するプレイヤーキャラクター。

 思わずコントローラーを叩きつけようとするユウカであったが、なんとか深呼吸で衝動的な怒りを押さえつけて口での文句に留める。

 マイケルもこれには流石に苦笑い。

 

 

「大丈夫です! アリスもこの試練をクリアしました!」

 

「チュートリアルが試練扱い……まぁ、内容からすれば間違いじゃないよね。これでプレイを辞めた人も多そうだし」

 

「で、でも戦闘システムのチュートリアルとしては正しいから! リトライを繰り返し、攻略方法を探っていくっていうのがレトロチックゲームの醍醐味!」

 

 

 開発者が横にいることもあり、場面場面においてやりたいことはまあ分かるが、それにしたって出力の仕方が悪い。

 モモイの手癖か、ゲームオーバー時のテキストも微妙に煽り気味で、それが余計にプレイヤーへのストレスとなる。

 

 

「それに、ユズの作ったプロトタイプはもっと難しかったよ! タイミングとか滅茶苦茶シビアで……」

 

「ご、ごめんなさい。ついこのくらいなら大丈夫だろうって感じで調整しちゃって」

 

「うーん、とにかくリトライで……」

 

 

 戦闘の高難易度化の原因は、恐らく一般的なプレイヤーの力量を見誤った事による調整ミス。

 上手な人間は、下手な人間の気持ちがわからないというものか。

 とりあえずリトライするユウカであったか、ゲームには慣れてないとは言え理解力が高い彼女はゲームシステムを把握し、たちまちチュートリアルの敵を屠っていく。

 

 

「おー、さすがユウカ! いい動きだったよ!」

 

「……なんというか、上手く倒せると微妙に気持ちが良い感じがするわね」

 

”よし、次は私の番だな。ようやくストーリーが始まるのか”

 

 

 チュートリアルが終わり、ようやく『テイルズ・サガ・クロニクル』の物語が始まる。

 そして――――

 

 

******************************************************************

 

 

「????」

 

”hmm...一体なにを食べたらこういう表現が思いつくんだ? まるで宇宙が生まれる前の混沌を文字にしたようなものじゃないか”

 

 

 宇宙を背負った猫のような状態に陥り、頭の上に「?」を並べたまま停止しているユウカ。

 一方でマイケルは首を傾げすぎて身体まで傾いている様子で、どうしてそうなっているかと言えばモモイ謹製のシナリオテキストの破綻によるもの。

 何をどうしたら草食系が植物人間になるのか、そもそも何故検索しようとしなかったのか、ツッコミどころが多すぎる。

 先日このシーンで苦しんだアリスは、ドヤ顔を浮かべて高みの見物。

 

 

「大丈夫ですユウカ! 考えるのではありません、感じるのです!」

 

「余計にわけわからないわよ!」

 

 

 先達としてアドバイスを送るが、まったく体をなしていないためユウカの突っ込みが冴える。

 

 

”母親がヒロインは倫理的に大問題だろうが!”

 

「うわあっ! 先生が割とガチ目に怒った!?」

 

”それと腹違いの友人ってなんなんだ!? 辞書にこんなものは無いだろう!”

 

 

 ゲーム内で設定が明らかになるにつれ、その難解極まる内容についに臨界点を越えたマイケルは流れるように人間関係が複雑骨折している主人公周りの設定へ文句をつけ始めた。

 高いストレスに曝された結果か、そこに何時もの余裕は一切感じられない。

 あのマイケル・ウィルソンをここまで追い詰めるとは、『テイルズ・サガ・クロニクル』の恐ろしさたるや。

 その一方でここまでの大人数でゲームを囲んだ経験がないからか、ゲーム開発部一同も段々とテンションがおかしいことになっていく。

 

 

”くっ……だが私は諦めない。なぜなら私は、連邦捜査部S.C.H.A.L.E顧問、マイケル・ウィルソンだからだーっ!!”

 

「でもゲームオーバーしたから次は私ですよ、先生!」

 

「こんな必死に『テイルズ・サガ・クロニクル』をプレイしてくれるなんて……えへへへ……」

 

「い、いやユズちゃん、これはもうムキになってるってやつでしょ……」

 

「あーっ! アリスのクリアタイムが抜かされてしまいそうです!」

 

「もうなるようになれ―ッ!!」

 

 

 最終決戦に至った時には、もうお祭り騒ぎと言っても過言ではない状態に。

 ユズもこの異様な空気に飲まれたのか、どこか恍惚とした様子でプレイ画面を見ている。

 もっとも、ミドリがツッコミをいれたように二人してムキになっているだけに過ぎないのだが。

 一方で、先程まで高みの見物をしていたアリスは自分の出したクリアタイムが更新されそうなことに焦りを見せ、その横でモモイがヤケクソになっている。

 

 

「さっきまでの先生のプレイでパターンは見切った! これで、トドメ―――!!」

 

 

 

[よくぞワシを倒した……だが、これは始まりに過ぎない。正義の力でも消せぬ炎があることを知るがいい――――ぐふっ!!]

 

 

 

「……や、やった、やったわ。ついに終わったのね!」

 

”ああ、良くやったユウカ……君がNo.1だ!”

 

 

 とうとうラスボスを倒し、クリアの喜びを分かち合うように手を取り合う2人。

 そのままマイケルが強くハグをするが、途端に正気に戻ったユウカは顔を真っ赤にしてバタバタと腕を動かしてなんとか引き剥がす。

 

 

「い、いきなりそういうのはどうかと思いますが!?」

 

”おっと、アメリカじゃハグは普通だったんだが、キヴォトスじゃまずかったかな?”

 

「せ、セクハラになりますよそういうのは!」

 

”それはすまなかった”

 

 

 耳まで真っ赤にしながらのユウカの抗議に、素直に頭を下げるマイケル。

 長く苦しい戦いは終わり、平穏が戻るゲーム開発部の部室。

 おかしくなったテンションも段々と平常に戻り、エンドロールが終わってFinの文字が表示されると、それが『テイルズ・サガ・クロニクル』が完全に終わったということを示した。

 

 

「……というわけで、なんと2時間45分でクリアだよ! これはアリスの3時間を更に上回るレコードタイムだからね!」

 

「うわーん! 負けてしまいました!」

 

「勝ってもあんまり嬉しくないような……」

 

「まぁまぁ、それと感想が聞きたいけども」

 

 

 タイミングを見計らって締めに入るモモイ。

 ゲームプレイが終わったら、次にやるべきことは当初の予定の通り、ユウカとマイケルから『テイルズ・サガ・クロニクル』の感想を聞き、問題点を指摘してもらう必要がある。

 ゲームにそれほど詳しくはなさそうな2人は、多少の事前情報はあれど色眼鏡無しで評価してくれるだろうと見込んでいるが―――

 

 

「とりあえず完走した感想だけども、ポジティブな面から先に言わせてもらうと……そうね、コントローラーを握ってモニターを見ているだけなのに、不思議とキャラと冒険しているような気分になったわね」

 

 

 プレイを思い返しながら、ユウカがまず述べるのは良かった点。

 決して悪いだけのゲームではないというのはプレイして分かったのだが、それはサポートが有るという前提を忘れてはいけない。

 

 

「ネガティブな感想は……まあ、色々あるわね。やりたいことを詰め込みすぎてネタが渋滞を起こしてるし、そのせいで負の相乗効果が出てるのか悪いところばかりが目につくのが一つ。戦闘バランスについてはプレイ中に散々言ったからこの場では省略して、あとは開発者の悪意が出過ぎているわね。簡単にクリアされたら悔しいとか思ってない?」

 

「ぎくっ」

 

 

 一方悪い点は良い点の倍以上でてくる辺り、『テイルズ・サガ・クロニクル』がクソゲーランキング1位なのは伊達ではないわけで。

 ついでに仕組まれた悪意を指摘されてしまい、その主犯であるモモイはあからさまに都合が悪いと言わんばかりに顔をそらした。

 それを見てユウカはため息を一つ、呆れた様子で肩を竦める。

 

 

”次は私だな、こういうテレビゲームをやったのは30年以上前というか……”

 

「えぇっ!? 先生、そんなにゲームやってないとか人生損してるよ!」

 

「ちょ、ちょっとお姉ちゃん、それは言い過ぎだって」

 

 

 出番が回ってきたとマイケルが口を開くが、モモイが前置きに割り込んでしまい、出鼻をくじかれる形となった彼はわざとらしくおどけながら話を続けた。

 

 

”この損してるマイケルが評価するのは、ほんの小さな子供時代にプレイしたゲームの雰囲気を何となく思い出させるグラフィックだ。懐かしくて涙が出そうだよ”

 

 

 昔々、まだ家族が皆揃っていた時代、父も、母も、妹もいたあの頃を思い出し、感傷に浸る。

 古き良き時代、ああ懐かしきアメリカよ。

 とはいえ、プレイしたゲームはアメリカ製ではなく、海の向こうからやってきたモノの後継機であったのだが。

 

 

”それと、そうだな……基本コンセプトは悪くないとは思う。ただ、ユウカが言うように思いつきの違法建築(ウィンチェスター・ミステリー・ハウス)となって互いの良さをスポイルしている。中盤のイベントなんて、双方不幸自慢が過ぎて逆に笑えたな?”

 

 

 中盤で遭遇した敵のボス、いかに己が不幸で恵まれないかを嘆いていたが、それに対抗する形で勇者の仲間も不幸自慢を始めたがためにすっかりギャグみたいになってしまったシーンを思い出す。

 なお、不幸の内容は3人で考えたもののため、これはモモイ一人の責任ではない。

 

 

”後はまあ、奇をてらい過ぎだ。王道が何故王道と呼ばれるのか、その意味をちゃんと理解してくれれば文句は言うまい。シンプル・イズ・ベストって奴だ”

 

「うぅ、思ったよりガチ目の批評だった……」

 

「で、でも、ただの中傷みたいなもよりずっとためになります……」

 

 

 2人の批評が終わり、ずーんと沈み込むモモイに対し、ユズはポジティブにそれを受け取る。

 プロトタイプの時に受けた誹謗中傷に比べれば、2人の評価はまさに正当な批評であり、糧になる代物と言えるだろう。

 即座にメモに取っている辺り、彼女の本気度がうかがえるというもの。

 そしてユズが一通りメモを取り終わった段階で、ゲーム開発部部室のドアがノックされる。

 

 

「ユウカちゃん、そちらに居ますか?」

 

「ノ、ノアッ!?」

 

 

 返事を待たずに開けられたドアから顔を覗かせるのは、上から下まで白尽くめの生徒、セミナー書記を務める生塩ノア。

 予想もしない来客その2にゲーム開発部の全員のみならず、ユウカすら驚きを隠せない。

 しかし、そこでユウカは気づく。今何時だ?

 

 

「今日はセミナーの業務が無いとは言え、もう11時回ってますよ? 私と買い物に行く約束、忘れてませんか?」

 

「ご、ごめんノア……すっかり夢中になって忘れてたわ! ちょ、ちょっと待ってて」

 

「ふふっ、正直でよろしい♪」

 

 

 ノアとの約束をすっぽかすところであった事に冷や汗をかきながら頭を下げるユウカ。

 とはいえ、ノアの方はユウカが慌てふためいている様子を見て何処となく楽しげであり、2人の関係性というのが見て取れるというもの。

 慌てて身支度を整えたユウカはそのままの勢いで部屋を出ようとするが、最後に振り返り一言残す。

 

 

「ゲーム開発頑張りなさい。セミナーとしては贔屓できないけど、少なくとも個人的には応援してるわよ」

 

 

 応援してくれる人がいるという事実は、ゲーム開発部にとってプラスとなることであろう。

 最初と比べてすっかりやる気に満ち溢れた4人を見て、マイケルは満足げに頷いた。

 

 

******************************************************************

 

 

 戦闘の余波で大きく破壊され、あちこちが煤けた工場の中をエイミとリツコが並んで進む。

 『ケセド』の軍隊の骸があちこちに転がり、その数は果たして一体どれほどあるのかと数えてみる気も起きないほどに。

 工場内の電源は完全に消失しているのか、先日と違い非常灯の一つもない闇の中を手にしたライトの明かりを頼りに歩いていくと、いくつもの巨人(ゴリアテ)の骸と床一面に兵士の亡骸が散らばるフロアに到着する。

 ここは『ケセド』中枢のあったフロアであり、工場の最奥でもあった。

 

 

「エネルギー反応なし、完全にこの工場は機能を停止してるね」

 

「残骸からも有意な反応は見られないな。兵隊連中のメモリーユニットもこの調子ではだめか」

 

 

 残骸をスキャンしながら回る2人であるが、そこに得られるものは何も無い。

 『デカグラマトン』について何かしらの遺留物でもあればと思っていたのだが、あてが外れた形だ。

 

 

『まあ、末端の兵隊から得られる情報は少ないでしょう。それよりも『ケセド』本体の確認はできますか?』

 

「いや、縦穴がある……『ケセド』本体のAIユニットはこの穴の中に落ちていったのは見たが、何処まで続いているんだこの穴」

 

「底は……見えそうにないね」

 

 

 ヒマリにせっつかれる形で『ケセド』本体が鎮座していた場所へと近づくが、そこは大きく縦穴が続いており、『ケセド』の残骸の欠片すら見当たらない。

 『メタルウルフ』のバースト攻撃をゼロ距離で喰らい、AIユニットは黒焦げの蜂の巣になって穴に落下していくのは確かに二人共見たのだが、その残骸を探すとなると骨が折れそうだ。

 

 

「ドローンを穴の奥に投入する。念の為に有線制御のやつを使うが、映像の分析は任せた」

 

『わかりました。このミレニアム最高の清楚系美少女がしかと見届けるとしましょう』

 

「こっちは残骸の調査を継続するね」

 

 

 穴の中に光ファイバーケーブルで繋がれたドローンを放り込み、ゆっくりと降下させていくリツコと、少し離れて周囲の残骸を手当たり次第漁るエイミ。

 全くの闇の中、サーマルカメラを通じて穴の底を見ようとするが、縦穴の深さは100mを超える上に曲がっているようで、入口からは底を見ることは出来ないらしい。

 引っかからないように段々と降下していくドローンは、深度200に至った時点でついに縦穴が左右に別れるポイント、つまり穴の底へとたどり着く。

 

 

「……残骸がないな」

 

『ありませんね。残っているのは装甲シェルの破片だけでしょうか……』

 

 

 しかし、そこにあの巨大な玉座とその主である王の姿はなく、ただ細かい破片が散らばっているのみ。

 リツコもヒマリも映像越しに首を傾げるが、何度見直してもそこに『ケセド』の姿はない。

 

 

「『ビナー』の時もそうだったが、明らかに致命的ダメージを追ったメカの残骸を発見できないというのは流石におかしいんだよな」

 

『えぇ、同意しますよリツコ。これは明らかに回収をする第三者の存在が無ければ発生し得ないことです。『デカグラマトン』、これはつまりエンジニアに相当する存在があちらにはあると想定するのが妥当でしょう』

 

「……面倒くせえ話だな」

 

 

 ヒマリが話す可能性に思わず顔をしかめ、思わずぼやく。

 『ビナー』にしろ『ケセド』にしろ、復活する可能性が提示されると実働部隊側としては本当に勘弁願いたい話であった。

 何しろ双方にかなり痛い目にあわされているわけで、もう1回どころか2回もあり得るというのは普通に気が滅入るのだ。

 

 

『こちらの都合で動いてくれるものではありませんからね。ところでリツコ、1つ言っておきたいことがありますが』

 

「……なんだよ」

 

 

 これ以上は光ファイバーケーブルの長さの都合追えぬと判断し、ドローンを引き上げようとした矢先、ヒマリが突如として改まった。

 こういう時は決まって面倒な問いをしてくると経験で理解しているため、リツコは少し身構える。

 

 

『……先日の戦いにおいて、アリスは『ケセド』への攻撃に躊躇することはありませんでした。つまりアリスは『デカグラマトン』とは敵対していると考えて問題はないでしょう。となれば、古代のオーパーツという可能性だけが残ったわけです』

 

「そうだな、その通りだと思う」

 

『ここからが本題になりますが、私、ミレニアム最高の天才病弱美少女ハッカーである明星ヒマリはアリスを……ミレニアムの生徒、天童アリスを無害なものと判断しました。勇者と名乗り、危機に駆けつけるあの姿……ふふっ、全く素敵な後輩じゃないですか。もし彼女に害意があるのならば、あそこで全員を始末することぐらい容易かったのですから』

 

 

 ヒマリの言葉に、あの場面のことを思い出す。

 残弾無し、敵大型兵器(ゴリアテ)による先生への砲撃が阻止不能な所への研ぎ澄まされた一撃、まさしく勇者の登場とも言えるあの瞬間を。

 もし、彼女が害あるものならば、ヒマリの言うように全滅に追い込むくらい容易いものであっただろう。可能とする武器(スーパーノヴァMk.Ⅱ)もある。

 しかし彼女はそういう精神構造をしていないのだと、直接相対した彼女は知っている。

 天童アリスという人格は極めて無害な、善性のものだということを。

 

 

「私も異論はないな、それについてはヒマリの判断に同意する。とはいえ―――」

 

 

 少し離れて残骸の調査をしているエイミにちらりと目をやり、声が届かないであろうことを確認した後にリツコは言葉を続けた。

 

 

「あいつが……リオがどう思ってるかは、私もわからん」

 

『……意外ですね、貴女はもう少しリオに同調すると思ったのですが』

 

 

 心底意外そうな声のヒマリに少しだけむっとするが、そう思われても仕方ないかと諦め顔でリツコは応じる。

 

 

「私には私の判断基準があるんだよ、リオにはリオの判断基準があるようにな」

 

『ふむ、そういうことにしておきましょう。ところで……』

 

 

 ヒマリはある程度納得した様子で一旦話を切るが、それとは別の話したいことがある様子。

 穴の中から戻ってきたドローンを回収しながら、リツコは次の言葉を待った。

 

 

『戦闘中、先生の攻撃を受ける直前に『ケセド』は通信を飛ばしていました。暗号化もされていない平文でしたが、内容は解読不能な文字の羅列みたいなもので……きっと悲鳴みたいなものなのでしょう』

 

「機械が悲鳴を上げるのか、アリスみたいな人格があの『ケセド』にもあると?」

 

『それはわかりませんが、可能性としては十分有り得るかと。それと、その通信は廃墟の奥に向けて発信されていました。廃墟には別の『デカグラマトン』の仲間が居ると見たほうがよさそうでしょう』

 

「一難去ってまた一難、か……本当に面倒だな」

 

 

 『ケセド』撃破によって落ち着くはずが、次から次へと出てくる問題。

 思わず嘆くリツコであったが、その表情は言葉とは裏腹に何処か楽しみにしているようでもあった。

 

 

******************************************************************

 

 

 ―――ミレニアム自治区某所、秘匿されたリオのセーフハウスの一室。

 その部屋は、部屋全体が白く覆われ中央にメインフレームが用意されているだけの異質な装いをしていた。

 メインフレームが稼働する音だけが周囲に響き、電波が入ることもない閉ざされた空間、ネットワークにも接続されていないこの部屋の中で、生徒会長である調月リオはコンソールに出力される情報に目を通しながら、素早く何かを入力していく。

 

 

「……やはり、これは古の記録に存在する『無名の司祭』が残したものの一つ」

 

 

 彼女が調べているのはマイケルから預かったUSBメモリ、その中に秘匿されていた正体不明のフォルダ『key』、その中身。

 キヴォトスにとって未知のデータ形式であり、普通は誰にも解析出来ぬものであったのだが、今それを解析しようとしているビッグシスターは普通ではない。

 天才的頭脳と、それを己の青春を犠牲にしてまで注ぎ込む自己犠牲の精神、2つが合わさった結果生み出された合理性の悲しき怪物、それが調月リオ。

 

 

「このデータファイルは自己増殖を始めている……圧縮されたデータではなく、言うなれば種と呼べる代物かしら」

 

 

 彼女の眼の前のディスプレイに表示される情報は、メインフレームに移された『key』のデータが植物が成長するかのごとく機能を回復させようとしていることを示していた。

 一般的なファイル形式では考えられぬその挙動に、リオは方向性を与えようと様々なアプローチを試みるが芳しくはないようで、額にうっすらと汗が浮く。

 

 

「こちらの技術は途中に手を加えられるレベルには至ってないのね……つまり、データが完全に復旧してからでないと私には干渉する術がない」

 

 

 何度目かのアプローチの後、少なくとも自らが干渉できるものではないと判断したリオは手を休める。

 そして、『key』が復旧した際にどのようにすべきかを考えている最中に彼女はふとあることを思い出した。

 

 

「この『key』はアリスをAL-1Sと認識していた以上、同系統の技術で生み出された思考ロジックをしていると思ったほうが合理的、よね」

 

 

 USBメモリを受け取る時にマイケルから受けた簡易な説明、『ケセド』かどうかを問われた際に吐き捨てるように答えたという話に、彼女は『key』が感情的なものを持つと理解する。

 であるならば、アプローチの方法についてはリツコが話してくれたものが応用できるのではないだろうかと考えた。

 

 

「アリスは『テイルズ・サガ・クロニクル』をプレイすることによって今の人格になったのならば、『key』の思考ロジックが同等である場合は同じ効果が期待できる、か……合理的とは言えないけれども、何も無い中のアプローチの案の一つとしては悪くないわね」

 

 

 AI相手にゲームで知育、そんなふざけた話しがあるかと思うかもしれないが、既に実例が1件存在する以上は無視できるわけがなく。

 しかし、それを実行するには最大の壁が彼女の前に立ちはだかった。

 

 

「……条件をできる限り揃えるならもう1人必要、だけど」

 

 

 ゲームを一緒にやるような友達、そんな相手などいないと彼女は1人ため息を付く。

 幼馴染こそいるが、彼女は友達というよりライバルであり、かつての因縁からこういうものには誘いづらいのだ。

 だが、背に腹は代えられないというもの。

 

 

「『テイルズ・サガ・クロニクル』、プレイするなら経験者のリツコを呼んだほうが合理的よ」

 

 

 自分に言い聞かせるように、リオは静かに呟いた。

 

 

To be Continued in ChapterⅠ-Ⅵ ”8th Prophet(8番目の預言者)

*1
ゲームのみならず様々なコントローラーとして軍でも使用されている




 ケイちゃん、目が覚めたらテイルズ・サガ・クロニクル送りになるってよ
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