METAL WOLF Archive XD   作:W.B.O

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 生徒が物理的に打ちのめされますが、話の展開上必要なのでご容赦ください。


Episode6 ”Confession(告白)

 爆発音と銃声がそれほど遠くない場所から響く路地裏、連邦捜査部シャーレの先生であるマイケル・ウィルソンは自らの命を狙うアリウスの刺客、錠前サオリのアンブッシュを防ぎきった後、逃げるわけでなく正面から彼女に対峙した。

 逃げても背中から撃たれるのならば、死中に活あり。むしろ懐に飛び込むほうがまだ勝機があるという判断だ。初手でナイフを無力化した以上、近接格闘のほうが命を失う可能性は少ない。

 

 

”何故奇襲がバレたのかと思っている顔をしているな。なら、私からのインストラクションだ。気配を消しすぎるとかえって不自然になる!”

 

「なっ! ガハッ!?」

 

”まだまだ!”

 

 

 奇襲失敗のショックから立ち直っていないサオリに対し、先生(マイケル)は一気に地面を蹴って距離を詰め、サオリのライフルのハンドガードを大きな手で掴むとと力いっぱい手前へと引く。サオリはたまらずバランスを崩し、彼はその無防備を晒す腹へと膝蹴りを叩き込んだ。

 強烈な一撃をもらってたまらずたじろぐサオリだが、ライフルを握られている以上距離を置くことができないため、追い打ちとして放たれる拳を躱すことが出来ない。

 

 

「あぐっ、くぅっ……くそっ! なんだ、その格闘術はっ!」

 

 

 グリップを握りしめたままの右手を打撃され、激痛が走る。しかしライフルを手放す事はできず、それでも打たれっぱなしから脱却すべく左手を振るうものの、その動きはあまりにも精彩を欠く。容易くいなされ、反撃の拳が鋭く関節に叩き込まれた。

 

 

逃げられるものかよ(You cannot escape!)!”

 

 

 なんとか距離を取ろうとするサオリに対し、先生(マイケル)はとにかくライフルを掴み、放すつもりが一切ない。もし距離を置かれてしまった場合、銃弾で貫かれてしまうのだから必死になるのもわかるというもの。

 銃を扱う手を徹底的に狙い、彼はサオリを圧倒する。近接戦闘の訓練を受け、アリウスで最も高い実力を持つはずの彼女でさえ、彼の徒手空拳(ジュージュツ)の前には成すすべがなかった。

 

 

「くっ! ぐうっ……バカな! 銃弾一発で致命傷を負うような脆弱な人間ではなかったのか!?」

 

”そいつはリサーチ不足だな。私は君が生まれるよりも前から戦場で戦っていたんだ!”

 

 

 辛うじて続けざまの攻撃を受け止めたサオリは、痛みに呻きながらも予想外の事態への困惑の言葉を発する。生身でこんなに強いなど聞いていないのだ。それに対して彼は己の強さの秘訣を口にした。

 経験から来る読み合いの差、それこそが格闘戦における絶対的なアドバンテージとなり、フィジカルの差を補っていく。当たらなければどうということはないということである。

 そしてキヴォトスで生活を続けて理解したのだが、キヴォトス人のフィジカルというのは中々にムラがあるようで、誰もが複合装甲のような防御力と岩をも砕くような膂力を持つわけではないようだ。

 今目の前で相対している少女―――錠前サオリ―――は確かに優れたフィジカルをしているが、だからといってこの打撃が効いていないわけではなく、特に集中して打撃された右手はグローブによって圧迫されるほど腫れ、グリップを握り続けることができなくなっていた。

 

 

”これでどうだ!”

 

「うあっ!」

 

 

 すくい上げるような強烈な一撃とともに愛用するアリウス製アサルトライフルは石畳の上に転がり、先生(マイケル)の連撃を受けてたたらを踏んでしまったサオリはそれを拾うことも出来ず、更に踏み込んでくる彼に対しカウンターの蹴りを放つものの軽く受け流されてしまう。態勢が崩れ、胴体が無防備になるその瞬間を見逃すマイケル・ウィルソンではない。

 

 

”知りたいか? こいつはジュージュツ、ニンジャの格闘術だ。その師は我が父、そして最強のニンジャであり友でもある―――ケン・オガワ!”

 

「ぐあっ!!」

 

 

 放たれた鋭いミドルキックを辛うじて左腕で受けるものの、勢いまでは受け止めきれず壁まで吹き飛ばされるサオリ。背中から激突した衝撃で肺の中の空気が抜け、力が入らない。

 痛みに呻く彼女の姿は痛々しいが、その目にはまだ戦う意志が宿っている。命を狙ってくるのならば大人も子供も関係ないとして彼は構えを解くことはなく、拳を強く握りしめた。

 

 

『先生、どうされたんですか!? 急に通信が―――くっ!』

 

『たった二人で私達を止められると思わないでよね!』

 

『悪い羽川、赤司に抜かれた。黒舘は……そこだな、分かりやすい動きだ。それと獅子堂、それは通らんよ』

 

『本当にしつこいですねぇ貴女は』

 

『ドローンが……アカリさんと戦いながら私に向けてくるなんて、相変わらずですわねイトハさん!』

 

『あだだだだ!』

 

 

 通信の向こう、たった二人で美食研究会の逃走経路を塞ぐハスミとイトハは、先生(マイケル)の指揮を失ったことで苦戦を強いられているようだ。通信越しに美食研究会のメンバーの声が聞こえるということは、余程の乱戦なのだろう。しかし正義実現委員会の追跡部隊はすぐそこまで迫っており、余裕がないのは美食研究会の方といえた。

 だからといって放置して良いというわけではないのだが、そこまで手を回す余裕がないのはこちらも同じ。下手に手を抜くと最悪防弾していない頭を狙われかねない。それに、今ここで襲撃されていると伝えて動揺させてしまっては元も子もないだろう。少なくとも、正義実現委員会との挟撃が成功するまでは単独で耐える必要があった。

 

 

「くっ……こ、こんな……まさか……」

 

”大人しく降伏するならそれでよし、さもなくば……近接格闘の特別授業(インストラクション)を継続させてもらうだけだ”

 

「ふざ……けるなっ!」

 

 

 壁を背につけ崩れ落ち、どう動こうにも先手を取られる圧倒的不利な状況に追い込まれたサオリであったが、先生(マイケル)の降伏勧告を拒絶して左ももにあるホルスターへと手を伸ばす。

 まずい―――彼は咄嗟に掴みかかろうとするものの、文字通り血の滲むような訓練を積んだサオリが拳銃を抜くほうが早い。銃口は当たればどこでも良いとばかりに細かい狙いも付けず、腰だめに近い形で引き金が引かれる。

 弾薬に込められた火薬は一切の不良もなく込められたエネルギーを開放し、バレルによって指向性を得た弾丸はまっすぐに先生(マイケル)の左脇腹へと向い―――

 

 

 

「………な、何っ!?」

 

”こ、これは!?”

 

 

 

 完全に入ったと思った一撃が、()()()()()()()()()()()()()()()()()()明後日の方向へと着弾する。これには撃った方も撃たれた方も信じられぬといった様子で固まってしまった。

 数秒の硬直の後ようやく双方動き出したかと思えば、サオリは拳銃をまじまじと眺め、先生(マイケル)は自らの腹を何度も何度も触って確認する。当然だが、何の異常もない。拳銃は正常で、先生(マイケル)の腹に被弾痕の一つもないのだ。あまりにも不可解すぎて理解が追いつかない。

 だが、この現象は先生(マイケル)にとって心当たりのあるものだった。かつてアビドスで超重戦車の攻撃を受けても無傷だったシッテムの箱による絶対防御、それが発動したのだ。

 

 

「くっ! だが!」

 

 

 何かの間違いのはずだと再びサオリは引き金を引く。だが、その瞬間二人の間に飛び込む白い人影。放たれた銃弾は先生(マイケル)に届くことなく、その人影がすべてを受け止めた。

 

 

”君は……!”

 

「っ……大丈夫です。問題ありません、先生」

 

 

 その人物は白い外套と小さめのプレートキャリアをを身に着け、ガスマスクで顔を隠した生徒……しかし、その声は間違えようはずもない。シャーレ最初の部員の一人、守月スズミだ。

 彼女は背中で受け止めた弾丸の痛みに顔をしかめながらも、サオリに振り向き自身の愛銃を突きつける。

 

 

「そこまでです錠前サオリ。先生を殺そうとするのならば、私があなたを撃ちます」

 

「その格好……私の名前を知っているということは、お前が……お前が裏切り者か!」

 

「……裏切ってなどいませんよ、そちらが私を捨てただけですから」

 

 

 突然乱入してきた第三者、その格好があまりにもアリウスの戦闘服と同じ意匠であったこと、そして何より己の名前を知っている事から、サオリは目の前の人物こそが第二目標である()()()()()()()()()だと断じ、激昂する。

 対するスズミは冷めた目でその主張を一刀両断し、己の顔を晒さんとガスマスクへと手を掛ける。ゆっくり外されるマスクの奥にあるその顔を目にした瞬間、サオリの表情はまるで死んだはずの人間を見るかのように凍りついた。

 

 

「お、お前は……」

 

「話は後で聞かせてもらい―――危ないっ!」

 

 

 口の中が乾き、心臓が早鐘を打つ。あり得ないという言葉が口からでそうになるのをこらえながら、サオリは目の前の少女を見つめる。まるで人を人と思わぬような視線を向けてくるものの、その顔は確かに彼女の記憶の中に存在した。

 そんなサオリの混乱など知らぬと言わんばかりにスズミは引き金に掛けた指に力を込めるが、その瞬間彼女の足元に転がり落ちる何か。()()がグレネードであればまずいとスズミは咄嗟に先生(マイケル)を突き飛ばして覆いかぶさる。だが、()()から発せられたのは爆発ではなく白煙、つまり放り込まれたのは発煙弾だったのだ。

 

 

「これは―――まさか、姫!?」

 

「――――――」

 

 

 煙が充満し、周囲からの視界が遮断されたサオリの横に無言で現れるのは、彼女の仲間であるフルフェイスマスクの少女、秤アツコ。その手にはサオリのライフルが握られている。

 アツコがライフルを差し出しながら耳を指差す。そういえば、付けていたインカムはあの格闘戦の最中に外れて何処かへいってしまっていた。そのせいでヒヨリやミサキに支援要請を飛ばすことも出来ず、ほぼ一方的に無様を晒す羽目になったのだとサオリは顔をしかめながらライフルを左手で受け取った。

 

 

「―――」

 

「わかっている、撤退する他無い……」

 

 

 暗殺計画は失敗だ。あれほど幸運が重なってお膳立てがなされたにも関わらず、最後の最後で失敗してしまうとは。銃声を発した以上、付近の正義実現委員会はすぐにでも駆けつけてくるだろう。脱出する機会は今を逃せば無い。

 アツコが更に発煙弾を投げて周囲からの視線を完全に切った後、二人は足早にその場から去っていく。煙が晴れた時にはもう、彼女たちが確かにそこに居た痕跡は石畳の間に突き刺さるナイフしか残されていなかった。

 

 

 

******************************************************************

 

 

 煙が晴れてしばらく、先生(マイケル)の上に覆いかぶさりながらも周囲の音に耳を傾けていたスズミは、ようやく周囲がクリアになったことを確認するとゆっくりと立ち上がって周囲を見渡す。

 サオリがいたという唯一の痕跡であるナイフが石畳に突き刺さっているのを見つけた彼女は、忌々しげな表情を見せた後にそれを引き抜き、マガジンポーチの隙間へと差し込む。これはアリウスが襲撃してきたという唯一の証拠となるだろう。

 

 

「……もうこのエリアは安全になりました。先生、大丈夫ですか?」

 

”いやあ、背中が痛いね”

 

「す、すみません。急に突き飛ばしてしまって……」

 

”……ハハッ、怒ってなどいないさ。スズミの対応は何も間違ってはいないが、あれは―――

 

 

 一方仰向けに倒れていた先生(マイケル)もまた、周囲が安全になったことを独自に判断して立ち上がる。心配して声をかけてきたスズミに対し冗談めかして対応するが、その発言はちょっと笑えない。

 やらかしたことに顔を青くして頭を下げる彼女に対し、少々ばつが悪そうに弁明した彼は襲撃者について問おうとするものの、近づいてくる複数の足音に気づいてそちらへと顔を向けた。やってきたのはハスミとイトハ、そしてもう一人はあった記憶はないが、薄いピンクと薄い青のメッシュの髪をした生徒だ。

 全員それなりに制服がボロボロになっているものの、大きな怪我は無いらしい。結構な激戦であったはずだが、そこは一安心である。

 

 

「こちらで銃声が聞こえましたが……先生、お怪我はありませんか?」

 

”いや、大丈夫だ。見ての通りピンピンしてるが……美食研究会はどうしたんだ?”

 

「黒舘達なら宇沢が応援に来てくれてな、抑え込んだところに剣先がやってきてこう……ぐちゃっと一纏めだ。鰐渕のやつなんて腕が反対方向に曲がっていたが、そのうち治るだろ」

 

「ご紹介にあずかりました! 自警団のスーパースター、宇沢レイサです! あたながシャーレの先生ですか、スズミさんからよくお話を聞かせてもらっています!」

 

”これは随分と元気なお嬢さんだ。よろしくレイサ……ということは、パーティーは終わったということだな。それはよかったが……”

 

 

 ハスミやイトハの話を聞く限り、美食研究会の制圧は完了しているようだ。最後に無線で聞いた時は苦戦している様子だったが、自警団のメンバーの応援が来てから正義実現委員会の本隊到着まで持ちこたえることが出来たという。

 そのメンバーであるレイサを見ると、キラキラした目で自分を見ている。どうやらスズミの話を聞いてシャーレに興味を持っているようだ。後で入部届を出してくるかもしれない。

 まあ、何にせよ美食研究会が起こした騒動はこれにて落着。本来であれば後は事後処理なのだが、アリウスの刺客に襲われたことをどう説明するべきか。イトハとスズミだけなら誤魔化せるのだが、ハスミが居る以上はそうもいかないだろう。

 

 

「スズミさん、その服装は……」

 

「ええと、その、夜間特別警邏用の戦闘服でして……」

 

 

 まず、スズミがいつもの制服姿ではないことをハスミは咎める。対するスズミは何とか勝負服の一種だと取り繕うものの、自警団にふさわしいとは思えぬ重装備なので納得など出来るはずもなかった。

 

 

「……スズミさん、短い間とはいえ正義実現委員会で寝食を共にしたあなたを疑いたくありません。ここで何が起きたのか、正直に話してください」

 

「……」

 

「うえぇ!? す、スズミさんって元正義実現委員会だったんですか!?」

 

 

 彼女は明らかに隠し事をしていると見たハスミは、少し強い口調で問う。見慣れぬ服装で挙動不審、さらには先程の美食研究会相手の戦いに参加せずにここに居るという時点で、彼女の中でスズミに対する不信感が湧き出てくるのも無理はないだろう。そして何気に元正義実現委員会所属であったという過去が暴露されたものの、この場でそれを知らないのはレイサと先生(マイケル)の二人しかいないためレイサの驚きの声はそれほど響くことはなかった。

 そしてハスミの問いかけへの返答に窮するスズミであったが、それを庇うように代わりに答えたのは先生(マイケル)だ。彼は一先ず当時の状況をある程度ぼかしながら説明する。

 

 

”暗殺者に襲われた。揉み合いになってな、その時に拳銃で撃たれたんだ。幸いにも弾は外れたが、そこでスズミがやってきて……相手は逃げ出した。ほら、そこに発煙弾のゴミがあるだろ”

 

「確かに……先生がそう仰るのならば、そうなのですね。申し訳ありませんスズミさん、疑ってしまって」

 

「いえ……私でも、今のハスミさんの立場なら私を疑うところです」

 

「ご理解感謝しますが……しかし、暗殺とはどういう事でしょうか。まさか、美食研究会は囮で……!?」

 

 

 先生(マイケル)が状況を軽く説明すると、ハスミは納得した様子でスズミへの容疑を取り下げる。ならば次に気にするのは暗殺者がどこからきたのかだ。

 美食研究会が騒動を起こし、その騒ぎに乗じてシャーレの先生を暗殺しようというというのであればまず浮かぶ容疑者はゲヘナとなるが、これは非常によろしくない理論だ。ハスミとゲヘナ、ナギサも認めるやばい化学反応を起こす公式、傍から見ても判るくらいにみるみるハスミの顔が紅潮していく。

 

 

「ゆ、許しませんゲヘナ! トリニティで狼藉を働くだけでなく、先生の命までを奪おうとするなど、言語道断!」

 

「うぉっ、声がデカいぞ羽川」

 

「ひえっ」

 

 

 激烈に怒り狂ったハスミの声に思わず耳を塞ぎながら顔をしかめるイトハと、その横で怯えた様子のレイサ。勝手にヒートアップするハスミはそんな彼女たちを無視するようにゲヘナへの怒りをぶちまける。こうなったらツルギでも連れてこないと落ち着かないだろう。

 

 

「……落ち着いてくださいハスミさん、私は犯人を知っています」

 

「やはりエデン条約など……ちょっと待ってくださいスズミさん、今なんて言いましたか?」

 

 

 ヒートアップして暴走する寸前にスズミが告げた言葉は。冷水をぶっかけるがごとくハスミの頭を急速に冷やしていく。犯人を知っているとはどういうことか、個人としてなのか組織としてなのか、問うべき内容は次から次へと浮かんでくるが、口を開く直前にイトハがそっと人差し指を押し当てた。

 

 

「羽川、尋問なんてここでするもんじゃないだろう? どうせなら、()()()()()()()()できる場所でやるべきだ。それと、宇沢をそういう面倒事に巻き込ませるのは私の趣味じゃない」

 

「あっ、いえっ、イトハ先輩、私のことはお気になさらず……」

 

「そういうわけには行かないだろう宇沢、此処から先は多分政治が絡んでくる。面倒事はイルミにまかせて、お前は帰って休め……それとも、ここで一発遊んでやろうか?」

 

「そ、それは勘弁して下さいぃぃ……」

 

「……何でしょうか、イトハさんが凄いまともに先輩をやっているのにものすごい違和感を感じるのですが」

 

「おいおい、ひどいじゃないか羽川、私はいつでも大真面目で()()()だ。さあ宇沢、事情聴取は私とスズミに任せてお前は帰れ、また明日な」

 

「は、はい。おやすみなさい、イトハ先輩」

 

 

 逸るハスミを制止しつつ明らかに場違いなレイサを帰し、先生(マイケル)、スズミ、ハスミ、イトハの4人が向き合う。他の三人の視線が集中する中、スズミは意を決して話しだした。

 

 

 

 

「―――アリウス分校、それが襲撃者の正体です」

 

 

 

 

 彼女たちがついに実力行使に出た以上、自らの秘密も隠し通すことは不可能になっていくだろう。これからの被害を抑えるためにも、ここは正義実現委員会へと正しい情報を伝えるべきだ。

 ―――たとえそれによって自身が恨まれようとも、トリニティという忘れられた楽園を守ること、それこそが彼女にとって唯一無二の正義なのだから。

 

 

 

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 戦闘に参加しなかった補習授業部のメンバー達は、遠くから聞こえる爆発音と銃声をBGMとしてスイーツを美味しくいただいていた。地球基準で見れば驚くだろうがここはキヴォトス、何時も何処かで爆発と発砲が発生しているため、この程度の事を驚くようでは生きてはいけない。トリニティの淑女たるもの、砲火後ティータイムなど朝飯前であろう。

 

 

「最後の銃声が聞こえてから15分は経過しているな、戦闘はもう終わったみたいだ」

 

「それじゃあ、もう少しで3人とも戻ってくるんでしょうか?」

 

 

 外の音に耳を傾けていたアズサの言葉に反応するヒフミ。彼女の言葉の通りトリニティの夜の喧騒から2つの音が消え、救急車や消防車のサイレンが成り代わる。事後処理のフェーズに入った事を理解し、イルミは左手首に巻いている時計を見た。

 

 

「……にしては遅いですね、イトハなら終わったら即舞い戻ってきそうなものですが」

 

「もしかして、ツルギ委員長に絡んだとか? イトハ先輩、いつもそうやってツルギ委員長に痛い目に遭わされてるし」

 

「いえ……だとしたら銃声がするはずなのですが、聞く限りではさっぱり。剣先ツルギのショットガン2丁は特徴的な銃声間隔ですから」

 

「それはそうですねぇ、だとしたら別で何かがあったのでしょうか?」

 

「まあ、戻ってくるまで食べれるのは良いことです。最近こういうのが出来なくてストレスが……」

 

 

 中々帰ってこない3人を待ちながら、スイーツを食べる補習授業部の面々。罪の味を楽しみながら彼女たちは思い思いに久々の自由時間を過ごしていく。その裏で何が起きているのかも知らずに。

 そろそろ未来の体重計が気になりだしたハナコやヒフミであるが、一方のイルミはそんな事は明日の自分に任せるという勢いで次のケーキを注文、早速フォークを突き刺して口に放り込もうとしたその瞬間、ドタドタと複数の足音が店に近づいてくる。やっときたかと彼女が口の中にケーキを丸々放り込んだと同時に、店の扉が勢い良く開かれた。

 

 

「白洲アズサさん、すこしお話を聞かせてもらってもよろしいでしょうか」

 

「なっ……!」

 

 

 入ってくるなりハスミはずかずかとアズサの前へとつく。ただならぬ雰囲気に店内の客や従業員がぎょっとした様子で顔を向けるが、しかしそれが正義実現委員会の副委員長によるものだと知れば、なんだ正実かと言わんばかりに視線を戻す。厄介事には関わらないのが一番だと言わんばかりだ。

 

 

「ちょ、ちょっと待ってくださいハスミさん、いきなりそんな事を言われても……それに、何でアズサちゃんを……」

 

「それは()()同行ですよねハスミさん? アズサちゃん、嫌なら断っても―――」

 

「残念ながらそれは認められません。緊急の用件ですので」

 

「そ、そんな! いくらハスミ先輩でも、それは横暴すぎます!」

 

 

 有無を言わさずアズサをしょっ引こうとするハスミに対し、ヒフミは困惑し、ハナコは冷静に根拠を求め、コハルでさえ反発する。それほどにこのハスミの対応は問題なのだが―――

 

 

「……なるほど、そういうことですか」

 

「……」

 

 

 唯一イルミはハスミの背後に居る()()()()を身に着けたスズミの姿を見て理解する。これはアリウスが何かをしてきたに違いないと、更にその後ろでイトハが大人しくしているのもそのせいだろう。先生(マイケル)すら何も言わないということは、これは正義実現委員会として発言しているものではない。

 

 

「わかりました、従いましょう。白洲アズサ、無駄な抵抗はしないように」

 

「………」

 

「そんな……イルミ先輩、アズサちゃんを引き渡すつもりですか!?」

 

「落ち着きなさい阿慈谷ヒフミ、そしてそんな目で私を見ないでもらいたい浦和ハナコ。今ここに羽川ハスミが一人で来ているその意味を考えるべきです。そうですよね、先生?」

 

”……ああ、そうだ。すまんがアズサ、もう隠し事はできなくなったと思ってくれ”

 

「……まさか、そういうことなのか」

 

 

 イルミが氷のような視線を向けてくるハナコと動転したままのヒフミ、この二人をなだめつつ視線を先生(マイケル)へと向けると、彼は腕を組んだまま険しい顔で答える。当事者たるアズサはここでようやく何が起きたのかを察したらしい。

 

 

「合宿場へ戻りましょう、そこなら話もしやすいはずです。それと羽川ハスミ、頭に血が上っているとはいえもう少し言葉は選びなさい」

 

「うっ……それはその、申し訳ありませんでしたイルミ次官……」

 

 

 少々強硬な態度を取った結果話が拗れそうになったのを反省するハスミ。いささか剣呑な雰囲気のまま、補習授業部とハスミ、そしてスズミは店を出るとトリニティの別館、補習授業部の合宿に使っている校舎へと向け歩き出した。

 

 

 

******************************************************************

 

 

 

「……何が起きたのか、説明はしていただけますよね?」

 

 

 合宿場、教室へと集まった補習授業部の面々はハスミ、そして先生(マイケル)へと視線を向ける。何故アズサを聴取しようとしたのか、その理由を今すぐにでも知りたいと特にハナコが強く言う。それに対し、答えたのは先生(マイケル)だ。パリッとしていたはずの白いスーツはよく見るとヨレヨレになっており、幾らか汚れている。

 

 

”ああ、そうだな。実はあの最中、私は暗殺者に命を狙われたんだ”

 

「あ、暗さ……っ!?」

 

「ど、どういうことなのよ!」

 

 

 先生(マイケル)の命が狙われたというその言葉に衝撃を受ける補習授業部のメンバー達。銃で死ぬことは滅多にないため麻痺しがちだが、彼女たちのような真っ当なキヴォトス人にとっても殺人というのはかなり忌避されるものでもある。

 それがまさか身近な人間がターゲットにされるなど、誰が予想できるだろうか。

 

 

”そして、襲撃者については判明している。錠前サオリ、聞き覚えはあるだろうアズサ”

 

「やはりサオリが……」

 

「えっ? えぇ!?」

 

 

 暗殺者の名前を出され、アズサは驚きと同時に納得していた。この暗殺計画のことは一切聞いていないのだが、人を殺すならばサオリが率先してやるだろうという確信があったのだ。

 そんな彼女の肯定するような言葉にコハルは混乱する。何故アズサが暗殺犯を知っているのかと。

 

 

「……そういえば、そちらの方は―――」

 

「トリニティ自警団、2年の守月スズミです。アズサさんとは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「あっ、アズサちゃんのお友達でしたか」

 

 

 同時にヒフミがスズミについて問えば、彼女は礼儀正しく自己紹介する。同時にアズサとは同じ所の出身であるということをアピール、アズサの友達だと正しく誤解したヒフミはそのままアズサの話に集中しようとし―――

 

 

「……先生が狙われたのは多分私が補習授業部に入れられたからだ」

 

「あ、アズサちゃん、何を言って……」

 

「みんなにはずっと隠していたけれども、私は本当はアリウス分校の出身だったんだ。身分を偽り、トリニティの体制転覆のために活動する潜入工作員、それが私だ。錠前サオリは同じくアリウス分校の特殊部隊、アリウススクワッドの隊長……私の戦闘技術の師でもある」

 

「………はぃ?」

 

 

 ―――深刻な表情を浮かべ、暗殺事件の原因は己で、正体はアリウスの工作員というアズサの言葉にただただ困惑する。ハナコもコハルも同様に、どういうことなのかと飲み込めていない。

 それに対し、先生(マイケル)は頭を振ってアズサの責任を否定する。彼には襲撃を受ける心当たりがあったのだ。

 

 

”いや、それは違う。これはアズサの責任ではない……私がナギサに約束したんだ、エデン条約の妨害者を見つけ出すと。私はもう真相に迫っていた、それ故に狙われたんだ”

 

「えっ、それって、まさか―――」

 

 

 アズサが息を呑む。先生(マイケル)が何かを探っているのはある程度察知していたが、それがまさかアリウスのことだったとは。

 そして彼の言葉から、自身を引き入れた協力者の正体にたどり着いていたことを初めて知った。

 

 

”ああ、そうだ。アリウスが私を狙った理由……それはミカが密告したんだろう、もうバレそうだとな”

 

「み、ミカ様が? ど、どういうことですか先生、そんなの―――」

 

「……()()()()()()()()()()()()()、そういうことでしたか」

 

 

 そこでティーパーティー、パテル派生徒会長の名が出て来たことに驚きを隠せないハスミと、ある程度察知していたが故に落ち着いた様子で受け止めるイルミ。

 一方、補習授業部の面々は話が大きくなりすぎて頭が真っ白になっていた。無理もないだろう。

 

 

”先日、ミカが訪ねてきたんだよ、ミネ団長捜索はどうなっているのかとな。その一方でトリニティの裏切り者、エデン条約の妨害者が誰であるのかということを伝えにも来た。アズサ、君がそうだとな、もっとも私はその時点でアズサのことは知っていたんだが……”

 

「……あの、先生はどうやってそれを知ったんですか?」

 

”それはなハナコ、協力者が居るのは私もなんだよ。アリウス側の事情を知る協力者がね”

 

「それってつまり―――」

 

「はい、私です。私も元はアリウスの出身でした……ですが、私は正規の手段でトリニティに入学しています。アリウスの命令とか、そういうのは一切ありません。私は私の意思でここに居ます」

 

「……すみません、少し整理する時間をください。情報密度が高すぎて頭が追いつきません」

 

 

 次々に明かされる事実、その情報の津波に飲まれて流石のハナコもキャパオーバーといった様子で頭を抱える。ハナコですらそうなのだから、他の面々など語るまでもない。

 少しの間考え込んだ後に彼女は独り言のように言葉を発した。

 

 

「アリウス分校、その名前は聞いたことはあります。トリニティへと統合することを拒み、歴史の中に消えた学園……アズサちゃんはその工作員で、ミカさんが入学のための手引をした。狙うは現行体制の転覆、ナギサさんを排除するため……」

 

「な、ナギサ様を!?」

 

「うん、私に関してはハナコの理解でほぼ間違いない。でも一つ付け足すと、アリウスの目標は桐藤ナギサのヘイローを破壊すること、私の潜入はそのために必要な内部情報の収集を目的とするものだった」

 

「最初からそれが目的なら、確かに初手から先生を殺そうという理由にはなりますが……ちょっと待ってください、それならミカさんは何故アリウスと通じているんですか? ナギサさんはミカさんの幼馴染ですよね? それを殺害しようという集団に手を貸すなんて普通考えられませんよ」

 

「それについては、アリウス側がミカに嘘をついているんだろう。アリウスはトリニティと和平を望んでいるとかそういう話を吹き込んで」

 

「……ミカさんは政治に向かないとは良く言われてますが、それはあまりにもチョロすぎますね。そしてアリウスとしては事が終われば全ての責任をミカさんに押し付けるつもりだと」

 

 

 あまりにもアリウスの目標とミカの望みが乖離しすぎていることにハナコは頭を抱える。こんなことでよくもまあ協力関係などできたものだと呆れるばかりだが、それが出来ているということは完全にミカがボンクラであるか、あるいは()()()()()()逃げられなくしているのか。

 ハナコの頭脳は得られた情報から盤面を組み立てていくが、まだピースが足りない。アズサが抵抗もせずに自白した理由は―――

 

 

「アズサちゃん、そういう事をこの場で白状するということは……」

 

「そうだ、私はアリウス分校の命令に従うつもりはない。潜入工作員をしているのも、アリウスの狙いを阻止するためだった……内側からの情報を操作すれば迂闊に動くことはできないだろうと思ってたけれど、先生を狙うのは予想外だった。こうなるともう私が情報を操作する意味がなくなったと言わざるを得ない、アリウスは強引にでも事を進めてくるはずだ」

 

「それって、つまり―――」

 

「多分、今日明日にでもアリウスは大部隊を率いてくる。先生を始末し、ナギサを排除するために。こうなった以上は私も始末されるかもしれないが……」

 

「そんな事、許すわけには……!」

 

 

 アリウスが本格的に動く可能性を提示され、ハスミの顔が紅潮する。正義実現委員会として断じて見逃すことが出来ない。怒りで頭に血が上り始めるが、その一方で残った冷静さがどうするべきかを思考する。

 その横では補習授業部の面々が顔を青くしていたが、アズサが死ぬかも知れないという可能性を提示された以上は仕方がない所だ。

 

 

「待ちなさい羽川ハスミ、聖園ミカに桐藤ナギサを確保される可能性がある以上、正義実現委員会は身動きが取れないと考えるべきでしょう。私達にできることといえば、どうにかして現場判断で対応するほかありません」

 

「イルミ次官! そんな事を言っている場合ですか!? ミカ様が内通者であるならば、直ちに拘束して―――」

 

「証拠は? 問題児の白洲アズサの証言のみで拘束するのは道理が通りませんよ、それでは正義実現委員会のクーデターと見られてしまいます。そんなのは先生だっていい顔はしないでしょう」

 

「くっ」

 

 

 正規の手続きでは目の前の危機に対応できないという事実を提示され、歯噛みするハスミ。現状で行動を起こせばクーデターというジレンマだ。それが許されるのはレッドウィンターぐらいなものだろう。

 

 

「いえ、方法は一つあります。もう一人の生徒会長、セイアちゃんにどうにかして連絡を―――」

 

”たしかにそれは一つの手段だが、ハナコ……問題があるんだ。セイアは今、生存が確認できていない。アリウスの手によって暗殺されたとされているんだ”

 

「!?」

 

 

 ハナコは対応に詰まるハスミとイルミに対して打開策を提示するものの、肝心のセイアが暗殺されたという事実を伝えられて絶句した。だが、それに対して反論する者が一人、それは白洲アズサ。

 

 

「いや、百合園セイアは生きている。実は暗殺を担当したのは私なんだ、でも……」

 

”実際には殺さなかった、そうだな? 実は生きているかもという予感こそあったが、確証がなかったんだ。今のアズサの証言でようやく生存を確信できた……よし!”

 

 

 アズサの言葉でセイアの生存の確認が取れたならば、ミネの捜索こそが現状を打破する唯一の手段となるだろう。ならばやることは一つ、いや二つ。

 

 

”聞いてくれ、今トリニティは最大の危機に直面しているといってもいいだろう。だが打つ手はまだある! セイアを探し出すことと、正義実現委員会の格納庫に収容されているメタルウルフを取り戻すことだ。ナギサを救い、ミカを止める、そのために君たちの力を貸して欲しい!”

 

 

 先生(マイケル)は全身を使い、まるで演説のように呼びかける。アリウスという()()からトリニティを守る戦いへと誘うように。しかしそれは外部のものによる扇動に他ならない。だが、()()()()()()()という因子がそれを行うということは、それをただの扇動で終わらせるものではない。

 

 

「はい、トリニティを守ることが正義実現委員会のあるべき姿……その正義をアリウスに踏みにじられるわけには参りません」

 

「ハスミ先輩……!」

 

「コハル、あなたの力も必要です。今こそ肩を並べて戦うときです!」

 

「わ、わかりました!」

 

 

 ハスミとコハル、正義実現委員会の2人は素直に応じ、戦う意欲を見せる。

 

 

「元からそのつもりだ、先生。私はそのためにここに居る」

 

「アズサちゃん……私も、ナギサ様を助けたい……です!」

 

 

 アズサとヒフミ、この2人もまた戦うべき理由がある。

 

 

「私はスズミを拾い、アリウスの脅威を知ってから3年、このときのために備えていたのです。言われるまでもありません」

 

「アリウスの連中とやり合うのは楽しみなんだ、それにイルミがやるなら私もやらないとな」

 

 

 イルミとイトハもまた、トリニティを守る戦いへと身を投じる覚悟がある。

 

 

「私は―――」

 

 

 しかし、ハナコは逡巡する。この大人の言葉を聞くと()()()()()()()()()気になるものの、彼女にとってトリニティとは決して守りたいとは思えぬもの。だというのに、何故彼女たちはこうも戦う意欲に溢れているのだろうか。

 ふと横を見ると、完全武装したスズミが覚悟を決めた表情を見せている。そういえば、彼女は元アリウス分校出身だ。それが何故ここまでトリニティに肩入れして、生まれ故郷と戦う意志を持てるのか。彼女はそれが気になった。

 

 

「その、スズミさん」

 

「なんでしょうか?」

 

「スズミさんは何故トリニティにここまで肩入れを? イルミさん(ティーパーティー)と付き合いがあるのなら裏の顔、ドロドロとした権力闘争や陰湿な上下関係、それも知っているはずです」

 

「……そうですね、何故かと言われれば表現に困りますが、言葉にするならばトリニティという()()()()()()()が失われたくないから、でしょうかね」

 

「忘れられた楽園……ですか?」

 

「はい、トリニティ総合学園は紛争のない平和な学園生活のために生み出されたはずです。長い歴史の果てに最初の理念は当たり前のものとして顧みることもないようですが、それがいかに尊いものか……ハナコさん、想像できますか? 人を殺すための技術しか学べぬ学校のことを、そこで学ぶ学生の心の内を」

 

「……」

 

「アリウスが勝利するということは、そういう学校がキヴォトスに広がるということです。私はそれを許容できない、だから戦う。理不尽に従う必要もありませんし、迎合するつもりもない。私は、私の正しいと思うやり方を貫くだけ……」

 

 

 その覚悟の重さにハナコは言葉を発する事ができない。彼女といい、アズサといい、アリウスではどれだけ理不尽な目に遭い続けていたのか。ハナコは少しだけ己の自分勝手さを恥じた。

 自分には彼女のような強い意志も、貫くべき正義もない……しかし、そんな中で唯一短い間とは言え補習授業部で過ごした日々はかけがえの無いものとして感じられた。スズミがトリニティに対して抱いているのは恐らく同じ感情だろう。

 

 ―――私もその楽園(補習授業部)を失いたくない。

 

 親しくなった仲間、友人、それらを置いて逃げ出すのはあまりにも恥知らずだ。ここに来てハナコは戦うべき理由を見つけることが出来た。

 

 

「わかりました、私も……お手伝いします」

 

”よし、では勝負は日が昇ってからだ、各自悟られぬようゆっくり休んでくれ”

 

 

 アリウス(マダム)の悪意が迫りくる中、補習授業部の合宿場で小さな希望が芽生える。闇を照らすには僅かな光明かも知れないが、あるとないとでは段違いだ。それに、このくらいの窮地などかつて何度も乗り越えてきた。

 だから今回もきっとなんとかなるだろう、マイケル・ウィルソンという男はそうやって生きてきたのだから。

 

 

To be Continued in Episode7 ”Hope(希望)




 5周年記念生放送、情報量多くてやばかったですね。果たして臨戦ホシノ含む5人を手に入れることができるだろうか……そしてゲームを楽しみ、かつ直接戦闘もこなせるリオで公式と解釈が一致したので本作でもリオはやる時はやるでしょう。

 原作よりも早くアリウスが動いたことで情勢はぐちゃぐちゃになり、信じられるものは補習授業部プラスアルファの少人数のみ。それでも唯一の勝ち筋であるセイア捜索のために彼は諦めることはしません。
 また、シャーレによる事後処理が行われずに撤収したことで美食研究会がゲヘナ側に引き渡されていないという状況も生じていますし、ミカはこの話の時点ではアリウスが暗殺を仕掛けた事を知らない上、サオリはサオリで暗殺失敗とスズミとの遭遇でままならない様子。
 ただ一つ言えるのは、情勢が動くのは夜が明けてからということです。

用語解説
ケン・オガワ
ゲーム「ニンジャブレイド」の主人公。
マイケルの父親と共に2015年の東京におけるアルファワーム災害を解決に導いたニンジャである。
日系アメリカ人でバイリンガル、本作ではジュージュツをマイケル・ウィルソンに伝授したらしい。
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