METAL WOLF Archive XD   作:W.B.O

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Episode5 ”RABBIT's(兎たち)

 ウルフハント作戦―――それは、捜査機関としてのヴァルキューレと執行機関としてのSRT、本来別々である学園を1つのチームとして編成し、メタルウルフの捜索を行うという連邦生徒会防衛室が主導する特別作戦である。

 

 ヴァルキューレとSRTを同じチームとすることで学園自治区での活動を可能にするという裏技は防衛室長である不知火カヤが考案したアイデアだ。元々他学園自治区で活動可能なSRTは独自の捜査能力を持ってはいるものの、連邦生徒会長失踪後に再編されたSRTは武力組織としての色が強く、そのような権限は大幅に縮小されていた。ヴァルキューレと役割が被っていることが防衛室で問題視されたためだ。

 

 だが、このような事態に至りSRTの捜査能力が必要になったわけだが、一度下された決定を覆すのは容易ではない。多くの書類と会議、時間を浪費してようやく取り戻せるのだが―――そんな時間など、果たして何処にあるのだろうか。

 

 自分の手で取り上げたくせに―――そう言いたくなるのもわかるが、お役所仕事というのは得てしてそういうもの。そこはもう割り切るほか無い。だからこそ、カヤはそのあたりをスキップするためにヴァルキューレとSRTの合同捜査を決めたのだ。

 

 

「それで、室長殿にはどのような妙案がお有りでしょうかね? まず何処の自治区に潜伏しているかすら分からない状況ですが」

 

 

 まず最初に手を上げて質問をするのはHOUND小隊、小隊長である岸洲トミ。まるでナイフのような鋭い目つきでカヤを見る。が、それに対して反応を示したのは彼女ではなく、隣りにいるカンナであった。

 

 

「それに関しては……ハイランダーから情報提供があった。シャーレの先生が乗った貨物列車の進行ルートと、列車の重量変化のデータだ」

 

 

 トミの質問に答える形でカンナが示すのはハイランダーの鉄道路線図。D.U.から伸びた一筋の青色は、ミレニアム自治区の半ばで途切れていた。

 

 

「このデータが示すのは、ミレニアム自治区の途中で列車の重量が軽くなったということ。つまり先生のパワードスーツがここで列車から飛び降りたということになる。故にヴァルキューレはミレニアム自治区に先生が潜伏しているものと判断した」

 

「へえ……ヴァルキューレもきちんと仕事ができたんだねぇ」

「タエコ、聞こえてしまいますよ」

「あっ……やばっ」

 

 

 カンナの説明を聞きながらタエコが感心したように呟くが、その内容があまりにもヴァルキューレの事を下に見ているものであったためにアリアが窘める。SRTの学生は己の実力と学籍に誇りと自信を持っているからか、ヴァルキューレの事を下に見る傾向があった。

 

 しかし、協力するとなればそういう態度は軋轢を生むばかりなので本当は表に出すべきではない。タエコの失言は辛うじてカンナには聞こえなかったようだが、人が話している最中にひそひそ話をする悪癖はどうにかならないのかと横にいるトミは半ば呆れた表情を見せた。

 

 

「質問があります」

 

「どうぞ、ユキノ小隊長」

 

 

 カンナの説明の途中であったが、話を聞いていたユキノが突然挙手と共に質問をする。しかし彼女は慌てる様子はなくその質問を受け付けた。

 

 

「ハイランダーの提出したデータの信憑性はいかほどでしょうか? 先生に対する先の声明以降、他学園は連邦生徒会に対し敵対的な姿勢を見せつつあります。欺瞞情報の可能性もあると思いますが」

 

「それに関しては……先方が情報提供を行った際、先生の無賃乗車に対してかなり文句を述べていたので安心していいかと。少なくとも、私はそう判断した」

 

「……なるほど、ハイランダーは誰であろうと無賃乗車を許さないということですか。わかりました、こちらからは以上です」

 

 

 ユキノの心配はハイランダーが偽情報を提供したのではないかという事。しかし、カンナ説明を聞く限りではハイランダーはシャーレの先生(マイケル・ウィルソン)の味方ではなく、乗車賃を徴収したいという一点で動いている様子。ならば問題ないなとユキノは一歩下がり、カンナは説明を続ける。

 

 

「問題はミレニアムの何処に潜伏しているのかということになるが、いくつかリストアップは済ませている。そのうちの最有力候補は―――かつて連邦生徒会がその出入りを規制していた不可侵領域、廃墟だ」

 

「以前は部隊を配備していたのですが、連邦生徒会長失踪に伴い引き上げさせていました。それがまさかこのようなことになるとは当時の私は思わず……ですが、まあ過ぎたことを今更悔やんでも仕方がありませんね!」

 

 

 先生(マイケル)の潜伏箇所としてリストアップされる廃墟。補足という形でカヤが以前の状況を説明するが、実のところ連邦生徒会は撤収以降に廃墟で起きた出来事―――デカグラマトンに関する事を知らない。ミレニアムが報告していないというのもあるが、会長失踪以降の連邦生徒会が外に関心を持つ余裕がなかったからだろう。

 

 

「他にもいくつか物件、あるいはエリアも候補に含まれているが、何処から探すかに関してはそちらに一任するつもりだ。こういう場合、我々(ヴァルキューレ)では聞き込み、張り込みをメインに捜査活動を行うが―――」

 

「そのような時間的余裕がない以上、我々(SRT)のやり方で進めたい。そういうことですね」

 

「ええ、その通りですよユキノ小隊長。流石はSRTのトップエース、理解が早くて助かります」

 

 

 カンナとカヤの説明を聞き、何故SRTの捜査力が必要になったのかをユキノは理解する。単純に言えば、ヴァルキューレが基本とする捜査手法は時間がかかりすぎるのだ。

 

 

「他に質問があれば受け付けるが、何かあるか?」

 

 

 一旦説明が終わり、質問を受け付ける時間。各々取っていたメモ書きを確認しながら仲間たちと相談している中、再びユキノが一歩前に出て挙手をする。その反対の腕にはいつの間にかそれなりの大きさのケースが抱えられていた。

 

 

「……質問とは少々異なりますが、シャーレ捜索中に地下でこのようなものを発見しました。報告が遅れたことについては申し訳ありません」

 

「これは、まさか……!?」

 

「カヤ室長はこれがなにかご存知なのですか?」

 

 

 差し出されたケースを見るなりカヤは驚きに目を見開く。そしてユキノからケースを受け取ると、まるで貴重品を扱うかのような手つきでその六面を確認。なにか心当たりがあるようなその動作に、ユキノはその正体を知るべくカヤに問いかけた。

 

 

「……恐らくは、連邦生徒会長が残したものです。私は独自に彼女が残したものについて調査していましたが、やはりシャーレにもう一つあったのですね」

 

「連邦生徒会長が……」

 

「なにか書いてありますが……ふむ、”この者は―――汝らを楽園から導きし者だ”?」

 

 

 カヤが言うには、これは連邦生徒会長の残したものであるという。SRTの面々はその言葉を聞き、思わず視線がケースへと集中する。一方のカヤはそんな視線を気に留めること無くケースの表面に刻まれている文言を読み―――その瞬間、ケースから電子音が鳴り始めた。

 

 

『パスワード承認。アクセス者、現連邦生徒会防衛室、不知火カヤ室長。アクセス権限確認。声紋照合―――99%一致。確認完了、聖櫃の封印を解除します』

 

「音声認識なの!?」

 

 

 アナウンス音声にクルミが驚きの声を上げると同時に、ケース―――聖櫃からロックが外れる音が聞こえ、その蓋が自動的に開いていく。果たして何が出てくるのか、ゴクリと誰かが息を呑む。

 

 

 

 ―――聖櫃の中に収められていたのは、ただ一つの何の変哲もないスマートウォッチであった。

 

 

 

 一体これは何なのかと皆して首を傾げる中、カヤはそれを手に取り顔の近くに持っていくと、何か変わった点は無いかとじっくりねっとり眺めていくが―――結局、これは見た所普通のスマートウォッチでしか無いようだ。ただ、シッテムの箱のように見た目こそ普通だが中身はオーパーツの可能性だってある。

 

 

「……これについては私の方で調査を行います。よろしいですね?」

 

「そうですね、我々にはそちらに割くリソースは無いので、カヤ室長にやってもらえるのなら我々としても有難い話ではありますが……」

 

「気にする必要はありませんよカンナ、趣味みたいなものですから」

 

 

 結局、このスマートウォッチの調査についてはSRTやヴァルキューレの手を離れ、カヤが担当することに決まる。仕事を増やしてしまったことに対し申し訳なさそうなカンナであるが、カヤとしては()()連邦生徒会長の残したモノの調査が大手を振ってできるのだからむしろ願ったりであった。

 

 しかし、この謎のスマートウォッチを巡る話は本筋ではない。あくまで今回の本題はミレニアム自治区での調査を行うための訓示。スマートウォッチを聖櫃に戻した後、カヤは改めてSRT及びヴァルキューレの生徒と向き合い宣言する。 

 

 

「質問がないのであれば、説明は以上になります。SRT及びヴァルキューレの合同チームはミレニアムに潜伏していると思われる容疑者を発見、確保してください。そうすれば今のキヴォトスの混乱に終止符が打たれることでしょう」

 

「了解しました防衛室長、直ちに準備に入ります」

 

 

 かくして賽は投げられた(alea iacta est)シャーレの先生(マイケル・ウィルソン)を巡り連邦生徒会と他学園が対立する中、学園自治の前提を覆すSRT及びヴァルキューレによって行われる”ウルフハント作戦”は、もしこの情報が露呈すれば辛うじて体裁を保っている連邦生徒会の統治が崩壊する可能性が極めて高い。

 

 当然、リンにはこういう決断は下せない。実行するにはあまりにもリスクが高すぎ、極めて保守的な態度で業務に当たる彼女には判断を下す以前に、そういう発想に至れないかもしれない。しかし、たとえ何もしなくともこの状態が続けば連邦生徒会と各学園の対立は致命的なレベルにまで至るだろう。この事態をなんとかしない限り、連邦生徒会には明日はない。

 

 

(シャーレの先生……連邦生徒会長が呼び寄せたという大人。あの人が来てからというもの、キヴォトスではあまりにも多くの出来事が起こりすぎている)

 

 

 カヤが思い出すのは、アビドス事件から始まったシャーレの活動の数々。百鬼夜行、レッドウィンター、ミレニアム、そしてトリニティ……シャーレの先生(マイケル・ウィルソン)は何時も周囲の予想を超えた活躍をしていた。どのような事態であっても最後までやり通し、己の力だけでなく周囲の人々の協力を得て事件を解決に導く―――それはまるで超人のようでもあった。

 

 超人―――かつてキヴォトスでその称号が相応しかったのは、今は失踪している連邦生徒会長ただ一人。カヤは己の心の奥底からにじみ出る暗い感情を自覚する。

 

 

(もしかして、嫉妬しているんでしょうか私は……?)

 

 

 卓越した実務能力、初対面の生徒からすら信頼を得られるカリスマ、そして圧倒的な武力。己に無いものを全て持つシャーレの先生(マイケル・ウィルソン)()()連邦生徒会長が頼ったという人物。競争相手として見てしまえば、そのあまりにも圧倒的なレベル差に妬むほか無い。かつて、副大統領だった男(リチャード・ホーク)ですら嫉妬の末にクーデターを起こしたほどである。多感な年頃の少女であるカヤが嫉妬心を抱くのも無理はないだろうが―――

 

 

(……いいえ、そんな事があるはずがない。私は超人になる女、多少能力に優れているからと言って他人を妬むようでは超人とは到底言えない。私の行いは全てはキヴォトスのためのもの、そこに私心を挟む余地などありはしません)

 

 

 カヤは己の頭に過った疑問を否定し、あくまで自分はキヴォトスのために動いているのだと強く意識する。そうだと信じなければ、自分がただの矮小な存在でしかないと認めることになってしまうのだ。

 

 彼女には夢がある。失踪した連邦生徒会長の代わりとして、自分自身が超人に至るという夢が。そのために出来ることなら何だってやる決意がある。綺麗事だけで世の中を回せるわけではない事は彼女自身良く知っていた。そういう意志の強さこそが超人に至る前提条件―――彼女はそう考えている。

 

 

(……多少の誹りは甘んじて受けましょう。全ては必要な犠牲なのですから)

 

 

 今回のウルフハント作戦だってそうだ。非合法活動という裏の仕事をこなさねば、連邦生徒会は生き残ることが出来ない。だが、それは即ちシャーレの先生(マイケル・ウィルソン)と狐坂ワカモを逮捕することであり、事件の首謀者(カイザー)の思う壺であるように見えた―――が、実のところ彼女はカイザーの言うことを聞くつもりなどもとより無い。

 

 

(そもそも、この混乱の原因はカイザーによるシャーレの先生に対する報復活動が発端。防衛室がカイザーとの癒着を続けていたのはヴァルキューレの活動資金捻出という正当な理由がありましたが、カイザーそのものがキヴォトスのリスクとなるならば、切り捨てる必要がある)

 

 

 カイザーと防衛室の癒着の歴史は長く、彼女が連邦生徒会に入ったときには既にズブズブの関係になって久しかった。そんな中、防衛室長まで上り詰めた彼女は当然カイザーが防衛室にどのような利益をもたらしてきたのか、そしてどのような不利益を隠蔽しようとしたのかを知っていた。

 

 だが、現状のカイザーは防衛室に利益をもたらす事はできないにも関わらず、そのくせ以前と同様に不利な案件のもみ消しなどを要求してくるふてぶてしさがある。何故そんな事が出来るのか、それは癒着していたという事実をネタに強請っているのだ。はっきり言って寄生虫以下の存在に成り下がっているといって過言ではない。

 

 

(……このウルフハント作戦で私が成果を上げれば、その功績を盾にカイザーを切り捨てることだって出来るはず。ええ、そうすれば邪魔者はいなくなり、私の望むキヴォトスの実現にはずみがつくというもの!)

 

 

 いい加減目障りとなってきたカイザーの排除とシャーレ(競争相手)の弱体化、双方を実現するのがこのウルフハント作戦の真の目的。もし完全に成功すれば、リンを押しのけて連邦生徒会長代行の座におさまることだって夢ではないだろう。成功すれば、だが。

 

 

(まあ……まずは先生を見つけてもらわないことには何も始まりませんが)

 

 

 無論、このプランはSRTがミレニアム自治区で先生(マイケル)を見つけないことには画餅で終わる話である。だが、彼女が目指すべき未来のためには、たとえそれが針に糸を通すレベルであってもこの計画を完遂するほか無いと考えていた。出来ることならカイザーとの癒着関係は先生に知られること無く闇に葬りたいが、流石にそれは高望みし過ぎだろうか。

 

 

(……こうなればもうライブ感で突っ走るほかありませんね。先生の動きなんて予想できるものではありませんし。チェスだったら2手3手先だって読めるのですが……はぁ)

 

 

 円陣を組み、話し合いを始めるSRTとカンナの姿を眺めながらカヤは心のなかで大きくため息を付く。彼女達がうまくやってくれることを祈りつつ、彼女はチェスと違って予想できぬ盤面にキリキリと胃が痛むのを感じて僅かに顔を引き攣らせた。

 

 

 

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”その、コユキという生徒について詳しく教えてくれないか”

 

 

 リオの口によって明らかにされた凄腕ハッカー、黒崎コユキ。問題児であるということがセミナーの3人の口から語られているが、先生(マイケル)にとっては果たして何処まで額面通りに受け取っていいのか分からないため、さらなる情報を得るべく質問をする。

 

 3人は互いに顔を見合わせ、果たして何処まで話すべきかと悩んでいるが―――それに対し横からヒマリが割り込んだ。

 

 

「彼女に関して言えば、暗号解読のスペシャリストです。話を聞く限りではどのような暗号であっても直感的に解読できるとか……」

 

「それは物理的な暗号鍵であっても、ですか?」

 

「はい、それにRSA暗号ですら瞬時に解読可能という話もあります」

 

「それは……尋常ではありませんね」

 

 

 ヒマリの説明にワカモは絶句する。彼女自身、電子的な知識に関しては人並み以上に持ち合わせているため、RSA暗号を解読するというその説明に度肝を抜かされていた。普通に考えれば、それは人間の脳で出来る限界をとうに越えている。

 

 

「……それで、だ。それだけの能力を持ちながら、あいつはそれが特別なことだという自覚が一切無い。まるでRPGゲームで勇者が民家のタンスや壺からアイテムを漁る感覚でネットから金を抜き出すんだ、とてもじゃないが始末に負えねえよ」

 

「そのコユキですが、9日前に勾留していた反省室から脱走して行方をくらましたんです。その翌日にミレニアムのメインサーバーに不正アクセスがあって機密情報が抜かれかけて……慌ててLANを引き抜いたから被害は辛うじて殆ど出ませんでしたけれども」

 

「その際、セキュリティが体をなしてなかったことから不正アクセスはコユキの犯行だと推測しているわ。そういう事があったから今、ミレニアムのシステムは完全にオフラインで運用しているのよ……そうでもしないと被害を防げないの」

 

「お陰で業務が滞って滞って……本当に、見つけたらただじゃおかないわ!」

 

「こっちだってドローン巡回が出来なくなっているから人間が回らないといけなくなっている。うちは機械だよりで今まで運営していたからなぁ、マンパワーが足りないんだわ」

 

 

 そして、コユキがどうして問題なのかと語るセミナーの面々。何故ミレニアムのシステムがオフラインで運用されていたのかという事実も判明し、同時に彼は確信する。監視カメラのシステムにハッキングを仕掛けたのはコユキに間違いない。それほどの能力を持つ人間が同時に二人以上いるとは思えないのだが……同時に、彼女が何故連邦生徒会のシステムにハッキングを仕掛けたのか、その理由が分からないでいた。

 

 

”……コユキは単独で行っていると思うか?”

 

「先生、それはどういう意味かしら?」

 

 

 先生(マイケル)の質問に、リオは最初その意図を測りかねていた。コユキという人間は集団生活に適した性格をしていないというのは、生徒会長であるリオが一番良く知っている。そんなコユキがまるで他人と一緒に動いているなど、普通に考えてありえない。そう、()()()()()()()

 

 

”1つ確認したいが、コユキはどうして以前に金を盗んだ?”

 

「それは……コユキは運試しが好きなんです。それでギャンブルにお金をつぎ込むために……」

 

”予想以上に碌でもない理由だな!?”

 

 

 コユキについてもっと知るべく彼女が起こした問題―――横領の動機について先生(マイケル)はさらに聞くが、返ってきたのはあまりにも自分勝手な理由。思わず天を仰いでしまうが、同時に違和感の正体が判明する。

 

 

”……話を聞く限り、コユキがミレニアムのメインサーバーに侵入して機密情報を抜くのはおかしいな。彼女の能力なら直接金を引き出せばいいだろうに、換金の手間がかかる真似をするなんて()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「……!」

 

 

 先生(マイケル)の言葉を受け、同時に同じ結論に達してミレニアムのメンバーはハッとした。

 

 確かにコユキは倫理観が終わっているが、彼女の行為に悪意というものは今までは無かった。お金を盗むのも、彼女にとってパスワードなどあってないが如き故のこと。ただそこにおいてあるから手にした――――その程度の理由でしかない。

 

 だが、一方ミレニアムのメインサーバーへの攻撃と監視カメラへのハッキングはあまりにも悪意にまみれすぎている。ともすれば、その裏には指示する誰かがいるに違いない―――その推測には、ある程度の説得力があった。

 

 

「ええと、つまりコユキは―――」

 

「誰かに匿われている、ないし捕らえられている……ってことか!?」

 

「……だとすると、非常にまずいわね」

 

 

 セミナーの3人はコユキの実力を良く知っているが故に、その能力が悪人の手に渡るという最悪の可能性に顔を青くする。既に保安部やC&Cに捜索を指示しているのだが、よりマンパワーを投入する必要がありそうだ。

 

 だがそれは、ドローンシステムが停止中のミレニアムにとって大きな負担になる話でもある。そのあたりに責任を持つ立場である彼女達は大いに頭を悩ませていた。

 

 

「……ここに至ってはヴェリタスだの、セミナーだのでいがみ合っている場合ではありませんね。リオ、私達も捜索に協力します」

 

「ヒマリ……感謝するわ」

 

「リオが素直にお礼を言うなんて、明日はきっと雹でも降ってくるんでしょうかね?」

 

 

 それを見かねたヒマリはチヒロと顔を見合わせた後、アイコンタクトで意思疎通を行いセミナー相手に協力を申し出る。ヴェリタスは本来反セミナー……もとい、反ビッグシスターの組織ではあるが、最近のリオは丸くなっているし、ミレニアムのみならずキヴォトス全体の危機に直結しているとなれば主義主張で争う理由など無い。

 

 ヴェリタスが即時に協力を申し出たことにリオは驚いた様子を見せるが、猫の手も借りたいこの状況では非常に有難い事である。リツコやユウカも異論は無いようで、彼女は素直に礼を述べたのだが、ヒマリとしてはそっちのほうが驚きだ。

 

 

「コユキの足取りを調べるためにはまず監視カメラの映像を確認する必要がありますが、先生の話を聞く限りでは映像自体が改竄されている可能性がありますね……」

 

「それでも違和感を見つけることができれば、その裏にコユキが居たという話にもなる。うちの子達にも手伝わせるから一度部室に戻らせてもらうよ」

 

「はい、お願いしますチヒロ先輩。ああ、でも先生がここにいるということは……」

 

「分かってるよ、先生はあまり自分の居場所を晒したくないんでしょ? 誰が依頼したかについてはきちんと伏せておくから安心して」

 

 

 コユキの居場所を探るためにヴェリタスの全員の力を借りるべく、一人部室へと帰っていくチヒロ。その背中を見送った後、残ったメンバーは話題を変え、偽メタルウルフについての話を始める。すでにあれは偽物だとわかりきっているのだが、理解を突き合わせるのは必要なことだ。

 

 

「そう言えば、昨夜の事件も当然先生の偽物が起こしたことなんですよね? ほら、トリニティとD.U.の境界線あたりで……」

 

”少なくともここ1週間私は廃墟から出ていない。お陰で運動不足でね、ワカモの作ってくれたご飯が美味しいものだから体重が増えてしまったよ、ハハハ”

 

「あなた様……」

 

(先生はジョークを言っているつもりだろうが、ワカモの奴真に受けてんな……)

 

 

 先生(マイケル)言葉(ジョーク)にうっとりとするワカモはさておき、暴れているメタルウルフは偽物であるという本人の証言は得た。物的証拠は無いが、ワカモの反応からして嘘は言っていないだろう。そして、メタルウルフが偽物ということであれば、それは即ち―――

 

 

「だとすれば、一緒に行動しているワカモ、さんも……」

 

「当然、あれは真っ赤な偽物ですね。私の名を騙るだけならまあ少しは許しますが、先生の名を汚す行為に加担するとなれば絶対に許しません」

 

「お、おう、そうだな……ところで先生、一週間も機体を無整備でいて大丈夫か? SRTから逃げる時の放送を見てたが、あれ結構負荷がかかったはずだろ?」

 

 

 先程までのうっとり顔から一点、荒々しい獣性を剥き出しにた怒りの表情を浮かべるワカモ。自分の名誉はいざ知らず、愛しのシャーレの先生(マイケル・ウィルソン)の名を汚されたことには人一倍怒りを抱くのが彼女である。そんな彼女を暴発させないように気を使いつつメタルウルフの現状を聞くのは、似たようなパワードスーツユニットの使用経験があるリツコだ。

 

 実際、彼女が心配するようにSRTとのチェイスでは激しいマニューバを繰り返した結果、フレームに若干のガタが生じているのは事実だ。いくらアメリカの最新技術をふんだんに用いたとしても、物理法則がある以上金属疲労などのダメージから逃れる事は不可能である。

 

 

”まあ、確かにな。だが重整備できるような環境ではないからなぁ”

 

「……そういうことなら、エリドゥの整備スペースを提供することが出来るわ。アバンギャルド君を複数機収容できるから先生の機体なら余裕のはずよ」

 

「ふむ、清楚系病弱天才ハッカーかつ、優しくて万能で「全知」である美少女であるこの私ですが、ロボット工学の話……それも実際に手を動かす話となるとそこの二人には及びません。極めて癪ですが」

 

「エリドゥ……リオ会長が公金横領して作った未完成都市でしたよね。確かあれはセミナーが接収して再利用方法を考案中なので人目に付く場所ではありませんが……」

 

「……」

 

 

 そんな悩みを抱える彼に、リオはエリドゥでの整備を提案する。キヴォトスを襲う未曾有の危機を想定して作られたあそこならば、メタルウルフを秘密裏に整備することだって不可能ではない。とはいえ、ユウカが補足したようにエリドゥは未完成であり、さらにはリオの手を離れているため、その使用の可否は彼女の一存で決められるものではなかった。

 

 補足の際にユウカが少々呆れた顔をしていたが、それを見たリオは目をそらして知らないふりをした。エリドゥでの出来事で少々やりすぎた結果、リツコ(副会長)と合わせて権限を大幅に縮小されたのは若気の至りというべきか、今にしてみれば黒歴史みたいなものだ。

 

 

”……まあ、可能であればお願いしたいかな。偽物をぶん殴るその時に整備不良で動かなくなったら格好がつかないし”

 

 

 ミレニアムの生徒達がこんな時でも自分のために手を貸してくれるという事実にいたく感激しながら、彼はメタルウルフの整備を依頼する。全ては自分の無実を証明し、キヴォトスに平和を取り戻すため。偽物の顔面に鉄拳を叩き込むその瞬間まで、今はただ耐え忍ぶのみ。

 

 

 

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 雲1つ無い真っ青な空、巨大なヘイローが穏やかな光を放っているが―――それとは真逆に、陽光は殺意丸出しと言いたくなるくらいに暴力的な暑さをキヴォトスにもたらしている。朝9時の時点で30℃を記録する地点など、それは決して珍しいものではない。*1

 

 道行く人々―――ロボットから獣人、生徒に至るまで―――は皆、とても辛そうな顔をしている。当然だろう、直接日光を浴びていれば体感温度はそれ以上なのだから。

 

 

「あっつ~……ねえ、とりあえずどこ行こうか? コンビニで涼むのも一つの手だとおもうけど」

 

「おい、私達は物見遊山に来たわけじゃないんだぞ」

 

「うぅ、これだけの人が居ても私に気づいてくれる人なんて居ないんですね……」

 

 

 ミレニアムの中央駅から出てきて早々、肌を約ような日差しに顔をしかめる3人と、難しい顔をしている1人の少女。何処の学園の所属なのかを示す制服は着ておらず、各々がそれぞれのセンスに従う形で用意した私服に身を包んでおり、一見すれば夏休みに友人たちと一緒に遊びに来ている学生のように思える。

 

 しかし、彼女達はただの学生ではない。腕の筋肉のつき方一つを見ても、その鍛え方は普通のものではなく極めて高度なトレーニングを積んでいるというのが理解できるほど。彼女達の正体、それはSRT特殊学園の1年生、RABBIT小隊だ。

 

 

「ここが……ミレニアム自治区の中心……」

 

 

 小隊長である月雪ミヤコ―――白いワンピースドレスを着て、つば広な帽子を被った彼女が見上げる先にあるのはミレニアムサイエンススクールの中心にそびえ立つミレニアムタワー。キヴォトスの中心、そしてオーパーツの1つであるサンクトゥムタワーよりかは当然劣るものの、技術の粋を集めて建てられたこのタワーはミレニアム自治区の象徴として相応しい佇まいがあるように思えた。

 

 

(この自治区の何処かに、狐坂ワカモとシャーレの先生がいる……)

 

「……ミヤコ、あんまり思い詰めるなよ。今のお前の顔、観光客って感じじゃないからな」

 

 

 雪辱を果たさんと握る手に力が入るミヤコであるが、それを見たサキはそっと近づき耳元で囁く。ちなみにだが、彼女はブーニーハット、黒のタンクトップ、そしてミリタリースタイルのオーバーパンツという服装をしている。

 

 

「……分かっています、サキ」

 

 

 サキの指摘を受け、ミヤコは顔の筋肉を手でほぐす。今回の任務では一般人に溶け込む事が何より重要であると何度も説かれたのだが、それでもやはり何度も苦汁をなめた記憶が頭の片隅にこびりついて離れなかった。

 

 そもそも、何故RABBIT小隊がこうして私服姿でいるのか。その理由を語るのならば、まずは前日に遡るのだが―――

 

 


 

 

「今回の捜査はお前たちRABBIT小隊が主力になる」

 

 

 面と向き合う形でユキノからそう打ち明けられた時、ミヤコは彼女が何を言っているのか最初は良く理解することが出来なかった。まさか自分達のような経験が浅い1年生がこのような重要な作戦の主力になるなど、到底信じられぬものである。しかし、ユキノの表情は至って真面目そのものであり、そこに嘘が入り込む隙間など無いように思えた。

 

 

「その、それはどういうことですか。私達はまだ経験も浅く、今回のような重要な案件に……」

 

「どうやら納得が言ってないようだなミヤコ!」

 

 

 思わず反論するが、それに対し横から2年生であるトミが口を挟む。強面で厳しく、口もあまり良いとは言えぬ彼女のことをミヤコは苦手に思っているが、基本的に間違ったことは言わないという信頼も持っているため一先ず黙って彼女の言い分を聞く。

 

 

「まず最初に、かつてFOX小隊はテレビに出たこともあり名前と顔が知られている。ミレニアムの生徒会連中は頭が良い奴ばかりだからな、それがたとえ2年前のものであっても覚えている奴がいるだろう!」

 

 

 実際、FOX小隊がクロノスのインタビューを受けている映像を見てSRTを志したミヤコからすれば、トミの言葉の正しさは理解できる。一般学生はともかくとして、治安当局の担当者がFOX小隊の顔を知らないということはあまり考えられそうにない。

 

 

「そして次に、ミレニアムにはシャーレ所属の生徒が意外といる。生徒会セミナー、エージェント集団C&Cの中にそういった生徒がいてな、シャーレに駐留してた私達HOUND小隊はしっかり顔を覚えられている。そういうことだから、今回の捜査においてミレニアム自治区で顔を知られずに動けるのはお前達RABBIT小隊しかいないという話だ」

 

「岸洲小隊長の言う通り、我々はミレニアム当局からマークされやすい。一方RABBIT小隊は1年生ということもあり、向こうも警戒していないだろうという前提で動かせる」

 

「ですが……」

 

 

 トミとユキノの言葉の通り、両小隊のメンバーが素顔を晒してうろついていればミレニアムの治安当局は警戒を強めるだろう。連邦生徒会と各学園の対立が明確化している現状では、最悪武力衝突もありうる。だからこそ1年生が活動の主体になるという説明は確かに納得できるのだが―――連続して作戦に失敗している自分達にそのような資格があるのか、思わず表情が暗くなる。

 

 

「……月雪、お前達RABBIT小隊は1年生の中では最も優秀な成績を収めているということを忘れるな。それに、お前たちだけで何とかしろと言うつもりもない」

 

「カズミちゃんの言うとおりだよミヤコちゃん。確かに私達は少々表立って動けないけど、その分あなた達を全力で裏からサポートするから安心して貰いたいかな」

 

「カズミ先輩、ニコ先輩……」

 

 

 そんなミヤコの様子を見て、すかさずフォローするカズミとニコ。エデン条約の一件以降、この2人は彼女のメンタル面を特に気にかけていた。ネガティブな雰囲気に飲まれかけていたミヤコも、この2人がそう言うなら……という感じで気を取り直す。

 

 ミヤコのメンタル面の問題は上級生たちにとって悩みの種ではあった。1年の中では能力面で特に優秀、人格面においても今年の1年生は風倉モエのような問題児がいる中、表彰したくなるほどに品行方正であるため手放したくない人材。しかし、本人が極めて真面目であるが故に精神を病みかけているのだから世の中ままならないもの。彼女のメンタル回復のためにはとにかく成功体験を積ませる必要がある……そういうのが上級生たちの考えであった。

 

 

「一応、宿泊施設の確保はヴァルキューレの方で行っている。あまり高い宿ではないが、防諜などについては大丈夫だとは思える場所だ。足りないものがあればそちらでなんとかしてほしい」

 

 

 ミヤコが落ち着き、捜査の方向性が定まった所で控えていたカンナが口を開く。ウルフハント作戦はヴァルキューレとSRTの協同作戦という体ではあるものの、実際の所はSRTが捜査活動を行うための方便でしか無いため、ヴァルキューレから参加しているのはカンナ一人のみ。

 

 直接現場に出るわけではないため、彼女は主に後方支援と防衛室との連絡という役割を持ち今回の作戦に臨んでいた。SRTがミレニアム自治区で活動するための拠点や物資の手配など、彼女がやるべきものは決して少なくはない。だが、流石に公安局長ともあればその手の仕事はお手の物だ。

 

 

「感謝します、公安局長。ミレニアム自治区での活動は明日、我々はSRTという身分を隠蔽する都合上、全員私服を用意して作戦に臨むように。それでは、解散」

 

 

 最後にユキノが締め、ブリーフィングが終わる。ミヤコは作戦資料を穴が開く勢いで読み込んだ後―――シュレッダーへと放り込んだ。

 

 


 

 

「まずは最初の候補から調べましょう。最有力候補である廃墟は移動手段を確保しないといけないので最後で」

 

「ああ、わかった」

 

 

 気を取り直し、駅前からの移動を始めるRABBIT小隊の面々。最初の潜伏候補は中心街からそれほど離れていない裏路地であるため、タクシーやバスは使わずに徒歩での移動となる。突き刺すような日差しはやはり厳しく、日焼け止めをきちんと塗っていなければ夜にはシャワーを浴びることすら辛くなっていただろう。

 

 そうして500メートルほど歩いた後、彼女達がイヤホンに見せかけて装備しているインカムからノイズが微かにした後、ユキノの声が聞こえてきた。

 

 

『こちらはFOX1、拠点Αに設営を完了した。RABBIT小隊、そちらはどうだ?』

 

「こちらRABBIT1、ミレニアム中央駅を降りて指定ポイントΑ-1へと移動中です」

 

『了解、位置を確認できた。ドローンを使いそちらを支援するが、できる限り保安部等のミレニアム当局との接触を避けるように』

 

「わかりました」

 

 

 通信が切れ、ミヤコが空を見上げるとミレニアムの空を行き交うドローンの群れの中に、明らかに自分達を追尾するように動くドローンの姿を確認する。あれはSRTの保有するクアッドコプタータイプで間違いはないと彼女は他の3名へと伝える。

 

 

「空からの目があるならまあ、道に迷うことは無いかもねぇ。くひっ、面白いことがおきるかも」

 

「変な事をするなよモエ、お前が何かしようとしたら殴ってでも止めろと先輩方から言われてるんだ」

 

「や、やだなぁ……いくら私でも、そういう破滅の方向性はゴメンだよ」

 

 

 少し浮ついた様子のモエに対し、サキは先んじて釘を差す。FOX小隊やHOUND小隊の先輩たちから強く圧をかけられていることもあり、流石の彼女も何かをする気は起きないようだ。もしやらかした場合、教育的指導(集団リンチ)が行われるのは間違いないし、最悪矯正局に放り込まれることだって十分考えられる。

 

 そんなやり取りはともかくとして、指定ポイントA-1―――中心街近くの路地裏にあるビルをミヤコたちは目指す。ここは人通りも少なく、時折不良が住み着くとされる場所であり、潜伏場所としては確かに好ましい場所ではあった。中心部にも近く、買い物をするにも不便とは言えない。

 

 

「ええっと、この先でしたよね」

 

 

 十数分ほど歩いた後、ミヤコは路地の入口に立ってその先を見る。ミレニアムでは街頭清掃をドローンに行わせているためあまりゴミが散らかってないイメージがあるが、ここは巡回をしていないのかゴミ袋が山積みになったりしている。割れ窓理論みたいなところがあるのかと思いながら彼女は路地へと踏み込んでいった。

 

 

『……待て、RABBIT1。様子がおかしい』

 

「……?」

 

 

 そのまま路地の半ばまで進んだ時、インカムから聞こえるのはカズミの声。思わず足を止めた4人の視線の先―――指定ポイントA-1と称されたビルの窓が割れ、不良(スケバン)が吹き飛ばされる。

 

 

「えっ……!?」

 

 

 突然の事態に頭が真っ白になる中、ビルの入口から姿を見せたのは―――メイド。そう、メイドだ。やや高めの身長、そしてアッシュグレーの長髪を持つその人物は、倒れた不良が身動きをしないことを確認した後―――ふいに顔をRABBIT小隊の方へと向けた。

 

 

『あれは……C&Cの一之瀬アスナ!?』

 

 

 無線機の向こうで先輩たちがどのような表情を浮かべているか分からないが、聞こえてくる声色からして相当にまずい事態が起きていることだけは何とか理解することが出来た。そして少し遅れて、眼の前のメイドがミレニアムが誇るエージェント集団Cleaning&Clearing、その中2番目に強いとされる人物であることを思い出す。

 

 

「あれれ? もしかして道に迷ったのかな?」

 

 

 ニコニコと笑みを浮かべ近づいてくるアスナの姿に、RABBIT小隊の面々は戦慄して立ち尽くすばかりであった。

 

 

To be Continued in Episode6 ”RABBIT's(兎たち) Part.Ⅱ”

*1
レッドウィンターや百鬼夜行の極地などを除く




 それぞれの思惑が入り乱れる中、物語は新たな局面を迎えます。この混乱に終止符を打ち、平和な日常を取り戻すためにあと少し耐え忍べ、マイケル・ウィルソン!

 シャーケードの杖に関しては、出せるのがこのタイミングしか無かったのでカヤに回収してもらいました。それにしてもカヤという人物は中々に表現が難しく、今回5000文字ぐらいは書き直したでしょうか。今回解釈違いを起こされたら申し訳ありません。
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