トリントン基地演習場
Cグループ第二試合 スタートエリア
赤い大地に3機のモビルスーツが整然と並んでいた。
装甲強化型ジムを先頭に、ガンダム・ピクシーが中央、陸戦型ジムが右翼を固める——それが北米代表「ウィッチハント隊」の布陣だった。
コクピット内でバリー・アボット大尉は、灰色の短髪に軽く汗を浮かべながら、隊内通信を開いた。
厳つい顔に刻まれた皺が、今日の試合への緊張を物語っている。
「リリス、ルイザ。配置完了したな。機体状況はどうだ?」
最初に返ってきたのは、ルイザ・ルイス准尉のやや興奮気味の声だった。
「陸戦型ジム、問題ありません!リリス中尉のお下がり、今日もばっちり動きます!」
ルイザの蜂蜜色の瞳が、コクピットモニターに映るピクシーの背中を熱っぽく見つめていた。
栗色のセミロングを後ろでまとめ、頰にそばかすを浮かべた彼女の顔には、憧れの先輩と同じ戦場に立てる喜びがはっきり表れていた。
続いて、リリス・エイデン中尉の落ち着いた声が返ってきた。
「ピクシーも完調よ、バリー大尉。」
その声には、かつてのような冷たい棘はなかった。
一年戦争の終盤、宿敵アルマ・シュティルナーとの和解を経て、彼女の口調は明らかに柔らかくなっていた。
ラベンダー色の髪を軽く揺らし、額の古い傷跡を指でそっと撫でる仕草も、今は静かな習慣のように見える。バリーは満足げに頷き、太い眉をわずかに緩めた。
「よし。ルイザ、お前はいつも通り堅実に援護を頼む。リリス……無理はするなよ。今日は『勝つ』だけが目的じゃない。俺達の戦い方を見せてやるんだ。」
「了解です、大尉。」
「ええ、わかってるわ。」
二人の返事を聞いたバリーは、満足げに頷いたその時——ビーッ、という通信着信音がバリーのコンソールに響いた。
「……外部通信か?」
バリーは眉を寄せ、応答ボタンを押した。
「こちらウィッチハント隊、バリー・アボットだ。」
通信画面に映ったのは、ペガサス級強襲揚陸艦『バイアリーターク』のオペレーター、ナタリア中尉だった。
彼女は少し呆れたような、困ったような表情を浮かべている。
「大尉、すみません。相手の赤い三巨星から、試合開始前の通信が入っています。……繋げてもよろしいですか?」
バリーは一瞬目を細め、すぐに察したように苦笑を浮かべた。
「ああ、繋げてくれ。」
ナタリアが通信を切り替えると、すぐに威勢の良い女性の声がコクピット内に響き渡った。
「よぉーし、聞こえてるわね! ウィッチハント隊の魔女狩りさんたち!特にリリス・エイデン中尉!!」
鮮やかな赤髪をなびかせ、マロビ・ブレイドン曹長の茶色い瞳がモニター越しにギラギラと輝いていた。
「今日こそ決着よ!あんたが使ってるその『赤』、どっちが『赤』に相応しいか——この試合で、はっきりさせてやるんだからね!!一年戦争の因縁ごと、全部清算してやるわ!覚悟しなさい!!」
通信が一瞬、静まり返った。
バリー・アボット大尉は、灰色の短髪に手をやりながら呆然と瞬きをした。
リリスから事前に「熱い子がいる」とは聞いていたが、ここまでストレートに宣戦布告されるとは思っていなかった。
その隣——ガンダム・ピクシーのコクピットでは、リリス・エイデンがクスクスと小さく笑いを漏らしていた。
ラベンダー色の髪を軽く揺らし、額の傷跡を指でなぞりながら、どこか楽しげに呟く。
「ふふ……相変わらず元気ね、あの子。」
一方、陸戦型ジムのコクピットに座るルイザ・ルイス准尉は、真っ赤になって怒りを露わにした。
蜂蜜色の瞳を吊り上げ、栗色の髪を揺らして即座に通信回線に食いついた。
「ちょっと待ちなさいよ! 失礼な言い草ね!あなたの勝手に決めつけてるだけでしょ!?しかも試合前にいきなり宣戦布告って……! マナーのない人ですね!」
ルイザの声は完全にキレ気味だった。
リリスを心から慕っている彼女にとって、先輩を「勝手に使ってる」などと言われたのは我慢の限界を超えていた。
すると、赤い三巨星側から慌てた声が割り込んできた。
「待て待て、マロビ!すみません、うちの曹長がまた勝手なことを……!」
明るい金髪のミディアムヘアを揺らし、ラルフ・ザブカ中尉が慌てて謝罪する。
青い瞳に困り切った色が浮かんでいた。
「本当に申し訳ありません! マロビは……その、熱くなりやすい性格でして……。」
ウィリーことウィリアム・マッチオ軍曹も、サングラスの奥で目を細めながらフォローに入った。しかしマロビ本人は全く悪びれず、胸を張って言い返した。
「謝らないでよ、隊長!ウィリー!これは私達のアイデンティティーに関わる大事なことなんだから!『赤』はあたしたち、赤い三巨星の象徴なのよ!絶対に譲れないの!!」
ルイザはますますムキになり、通信回線に向かってさらに声を張り上げようとした。
「ちょっと、アイデンティティーって——!」
その瞬間、リリス・エイデンが柔らかい笑い声とともに割って入った。
「ルイザ、そこまで怒らなくていいわ。……ふふ、可愛げがあるじゃない。マロビ・ブレイドン曹長の宣戦布告、なかなか味があるわね。」
リリスの声は穏やかで、どこか楽しげだった。
マロビは「可愛げがある」と言われた瞬間、顔を真っ赤にして食いついた。
「か、可愛げ!?誰が可愛げよ!『赤』を賭けた真剣勝負なのよ!?」
「マロビ、落ち着け……。」
「そうだよ、試合前に熱くなりすぎだって……。」
ラルフとウィリーが慌ててマロビをなだめる声が聞こえてきた。
ルイザも、リリスに「そこまで怒らなくていい」と言われたことで、ようやく肩の力を抜いた。
「……わかりました、中尉。でも、次に何か言われたら絶対に許しませんからね。」
リリスがルイザを宥める穏やかな声と、ルイザが素直に「わかりました」と返す様子を聞いていたバリー・アボット大尉は、装甲強化型ジムのコクピットでニヤニヤと笑いを堪えきれずにいた。
厳つい顔に珍しく緩んだ表情が浮かんでいる。
ルイザはそれに気づき、不思議そうに尋ねた。
「……大尉? どうしてニヤニヤ笑ってるんですか?」
バリーは肩を震わせながら、からかうような口調で答えた。
「いや……あのリリスが、後輩のルイザを宥めてるなんてな。一年戦争の頃はあんな冷徹で、誰にも心を開かない感じだったのに……。今じゃすっかり先輩らしく、後輩を諭すようになるなんて。成長したもんだ。」
その言葉を聞いた瞬間、リリスのピクシーのコクピットで、頰が一瞬で真っ赤に染まった。
ラベンダー色の髪の間から覗く耳まで赤くなり、慌てて弁解する。
「大尉、からかわないでください!私はただ……ルイザがムキになりすぎて、試合に集中できなくなったら困ると思って……別に、成長したとか、そんなんじゃないんですから!」
バリーはますます楽しげに笑った。
「ははっ、照れるなよ。素直に成長したって認めろ。お前がああいう風に変わったのを見てるのも、隊長として悪くない気分だ。」
「だから、からかわないでってば……!」
リリスが珍しく声を上ずらせて抗議する様子に、バリーの笑いがさらに深くなる。
ルイザは二人のやり取りを聞きながら、首を傾げた。
蜂蜜色の瞳に純粋な疑問符が浮かぶ。
「……? どういうことですか?」
ルイザが首を傾げている中、リリスは軽く咳払いをしてから、もう一度通信回線を開いた。
「……マロビ・ブレイドン曹長、聞こえるかしら?」
少し間を置いて、リリスは穏やかだがはっきりとした声で続けた。
「あなたが『赤』にかける情熱は、分かったわ。でもね、私のパーソナルカラーは誰にも譲れないの。この『赤』いパーソナルカラーは、一年戦争を駆け抜けた私の誇りなのだから。」
その言葉を言い終えた瞬間、リリスはコクピットの中で静かに目を細めた。
——ケープカナベラル基地。
宿敵だった「北米の魔女」のアルマ・シュティルナーとの最後の邂逅。
互いに刃を収め、投降を受け入れたあの日。
あの激しい戦いの記憶は、今でも鮮明に残っている。
もう二度と彼女と刃を交えることはない。
しかし、このピクシーに纏う「赤」は、あの戦争を生き抜いた自分自身の証。
誰にも、簡単に譲る気はなかった。
リリスの言葉が終わると、通信の向こうから少し間が空いた。
やがて、マロビ・ブレイドン曹長の声が、わずかにトーンを変えて返ってきた。
「……じゃあ、私と真剣勝負してくれるってことですか?」
その声には、先ほどの勢いとは違う、純粋な喜びと期待が混じっていた。
リリスは穏やかに、しかしはっきり答えた。
「ええ、もちろん。あなたの『赤』にかける思い、真剣に応えるわ。」
それを聞いたマロビは、嬉しそうに声を弾ませた。
「ふふっ……! わかった!ありがと、リリス!
じゃあ、遠慮なく全力でぶつかっていくからね!」
マロビの声は明らかに上機嫌で、通信が切れる直前まで明るい笑い声が聞こえていた。
通信が切れた直後、ウィッチハント隊の三機のコクピットに短い沈黙が落ちた。バリー大尉が低く笑いながら言った。
「ははっ……熱い子だな、あの曹長。リリス、お前も随分と優しくなったもんだ。」
リリスは軽く肩をすくめ、柔らかな笑みを浮かべた。
「本気で『赤』に拘ってるみたいだから、ちゃんと応えてあげたいだけよ。」
ルイザはまだ少しムスッとした顔で「可愛い……ですか? あんな失礼な……」と呟いたが、リリスの穏やかな雰囲気に流され、結局「まあ……中尉がそう言うなら」と小さく納得した。
バリーが満足げに頷いた。
「よし。相手の熱意は十分伝わった。我々は我々の戦い方で応えるだけだ。集中しろよ。」
3機のモビルスーツに、再び緊張感が満ちていく。
一方、赤い三巨星の陣地では。
「やったぁ! リリスが本気で受けてくれるって!」
マロビがジムRRのコクピットでガッツポーズを決め、嬉しそうに声を上げた。
茶色い瞳がキラキラと輝いている。
ラルフ中尉は苦笑しながら。
「……お前、本当に嬉しそうだな。相手は北米のエースだぞ?油断するなよ。」
ウィリーもサングラスを直し。
「でも、あの返事……なんかいい感じだったね。マロビの『赤』、ちゃんと認めてくれたみたいで。」
マロビは拳を握りしめ、満面の笑みで叫んだ。
「もちろん! これで遠慮なく全力出せるわ!赤い三巨星の誇り、全部ぶつけてやるんだから!」
3機の赤いモビルスーツに、闘志の炎が勢いよく燃え上がった。
演習場の巨大モニターにカウントダウンが表示される。
3……三機のメインカメラが一斉に赤く点灯した。
2……ウィッチハント隊も、赤い三巨星も、互いの機体を正面から睨み合う。
1……重々しいブザーが響き渡り、試合開始を告げた。
0!!
赤い大地に砂塵が舞い上がり、Cグループ第二試合——ウィッチハント隊 vs 赤い三巨星が、ついに幕を開けた。
ブザーが鳴り響くと同時に、3機のウィッチハント隊は一斉に加速した。
先頭を切るのはリリス・エイデンのガンダム・ピクシー。
その右翼をバリー・アボット大尉の装甲強化型ジム、後方をルイザ・ルイス少尉の陸戦型ジムが固める。
3機はコロニーの残骸が無数に突き刺さるトリントンの赤い大地を、砂塵を巻き上げながら疾走した。
バリーが隊内通信で冷静に指示を飛ばす。
「相手には中距離支援が得意なガンキャノンがいる。
そろそろ射程に入るはずだ。注意を怠るな。」
「了解。」
「了解です!」
リリスとルイザが即座に返事をする。
その直後——先頭を疾走するリリスが、遠方の丘陵地帯に一瞬の光を発見した。
「ビームよ!」
それを聞いた瞬間、バリーとルイザは素早く判断した。
2機は近くの巨大なコロニー残骸の陰に身を滑り込ませて遮蔽を取る。
リリスだけはピクシーの高機動性を活かし、回避行動に移った。
ズバァァァンッ!!
高出力のビームが大地を抉りながら、リリスとピクシーのすぐ脇を掠めていく。
コックピット内でリリスは表情一つ変えず、むしろわずかに口元を緩めた。
余裕の笑みだった。
「次は実体弾が来るぞ!」
バリーが警告を発するのとほぼ同時に。
ドドドドドドンッ!!
ガンキャノンの240mm低反動キャノン砲による連続砲撃が、赤い大地を激しく叩いた。
爆風と土砂が舞い上がり、視界を覆う。
リリスとバリーは慣れた動作で的確に回避。
ピクシーは自慢の高機動で、装甲強化型ジムは軽やかなホバー移動で砲撃の合間を縫う。
ルイザの陸戦型ジムだけは、ショートシールドを構えながら必死に耐えた。
爆風が機体を揺らし、警告音がコクピットに鳴り響く。
「くっ……! なんとか凌ぎました!」
砂塵を切り裂きながら、ガンダム・ピクシーとジムRRが急速に距離を詰めていく。
しかし、互いに絶妙な間合いに入った瞬間、2機はピタリと制動をかけて停止した。
静止した2機の間に、マロビからの通信が割り込んでくる。
「へえ……! まさか本当に、一騎打ちに応じてくれるなんて思わなかったわ。チーム戦なんだから、他の2機と一緒に数で押し潰しにくるかもって、ちょっとは覚悟してたんだけどね!」
モニターに映るマロビの顔には、意外そうな、それでいて弾むような笑みが浮かんでいた。
リリスは静かに通信を開き、穏やかな、しかし芯のある声で応答した。
「あなたの『赤』にかける気持ちを、真正面から受け止めたいって言ったでしょう? だから応えたの。……それにね、私にも覚えがあるから。」
「覚え……?」
怪訝そうに首を傾げるマロビに、リリスはラベンダー色の髪を揺らしながら、少しだけ遠い目をして続けた。
「一年戦争の時、私は頭に血が上って、何度も隊長の制止を振り切っては一騎打ちに拘っていた時期があったの。周りが見えなくなって、ただ目の前の敵を倒すことしか考えていなかったわ。」
その告白を聞いたマロビは、目を丸くして驚きの声を上げた。
「嘘、リリスが!?……信じられない。今のあんたを見てると、そんな風に我を忘れて突っ走るタイプには全然見えないけどな!」
「ふふ、そうね。あなたにそう言ってもらえるなら……私はあの戦争を経て、ちゃんと変われて、少しは先輩として成長できたんだって、今ようやく実感できるわ。」
リリスの優しく、どこか誇らしげな微笑みを見て、マロビは一瞬呆気にとられた後、楽しそうに笑った。
「あははっ! なるほどね! 過去の自分を見てるみたいで、放っておけなかったわけだ! だったら、なおさら手加減なしで行かせてもらうからね!」
その時、少し離れた砂丘の向こうから、激しい実体弾の炸裂音と、ガンキャノンが放つ重厚な砲撃音が地響きとなってここまで伝わってきた。
バリーやルイザたちが、必死にラルフたちの猛攻を食い止めてくれている証拠だった。
仲間たちが作ってくれた、この最高の舞台。
2人のパイロットの視線が、再び鋭く交錯する。ガンダム・ピクシーが手にしたハイパー・バズーカをグッと持ち上げ、銃口を正面に据える。
対するジムRRも、アイアン・バンカーを構えた左腕を引き、右手の100mmマシンガンをカチリと構えた。
2機のセンサーが互いをロックオンし、本当の「真剣勝負」が始まる。
2機のメインカメラが鋭く光を放った瞬間、膠着は破られた。
マロビのジムRRが100mmマシンガンの銃口を跳ね上げ、激しい連射を浴びせる。
小気味よい金属音とともに放たれた演習用ペイント弾の嵐に対し、リリスのガンダム・ピクシーは、左腕の簡易小型シールドを滑らせるように構えて最小限の被弾面積で弾幕を受け流した。装甲の表面でペイント弾が弾け、赤い火花のようなフラッシュが走る。
「お返しよ!」
リリスはすぐさま手にしたバルザック式380mmロケット・バズーカの引き金を引いた。
重い発射音とともに放たれた模擬弾頭が、直撃コースでジムRRへと迫る。
しかしマロビは一歩も引かず、機体を右へスライドさせながら頭部の堅牢なバイザー・ユニットで爆風の衝撃を真っ向から受け止めた。
「効かないわよ!」
砂煙を割って躍り出たジムRRが、空になったマシンガンをパージし、左腕の『アイアン・バンカー』を大きく引き絞る。
3基の凶悪な爪が、ピクシーのコクピットを正確に狙っていた。
リリスはバズーカを背面にマウントする猶予はないと判断し、それをマロビの機体に向けて投げつけた。
質量兵器となったバズーカがジムRRの胸部に激突し、マロビの突撃が一瞬だけ鈍る。
そのわずかな隙に、ピクシーはバックパック左側面から主兵装を引き抜いた。
――『ツイン・ビーム・スピア』。
かつて復讐心に駆られていたリリスが、戦場を血に染める大鎌として振るっていた因縁の武器。
しかし今の彼女の手にあるそれは、先端の2本のビーム刃がまっすぐに伸びた、美しく鋭利な『ロッドモード』の槍だった。
「はあああッ!」
ピクシーの長いリーチを活かした鋭い突きが、ジムRRの肩口をかすめる。
低出力に設定されたビーム刃が装甲裏のセンサーを刺激し、マロビのモニターに『左肩駆動系・微小ダメージ』のログを刻んだ。
「このっ……長いのは厄介ね!」
マロビは舌を打ちながらも、アイアン・バンカーのパイルユニットを激しく駆動させた。
ジオンの水陸両用MSを参考にしたという3基の爪が、ピクシーのツイン・ビーム・スピアの柄を強引に噛み合わせ、へし折らんばかりの力で抑え込む。
ガガガガガッ!
センサー感知モードの金属音がコクピットを揺らす。
至近距離、モニター越しに2人のパイロットの視線がぶつかり合った。
「捕まえた! これで終わりよ、リリス・エイデン!」
マロビが勝利を確信し、アイアン・バンカーの先端部からパイルを射出しようとしたその瞬間、リリスはフットペダルを力強く踏み込んだ。
ピクシーは力比べに応じることなく、ツイン・ビーム・スピアの可動機構を瞬時に作動させた。先端のビーム刃が直角に折れ曲がり――『サイズモード(大鎌)』へと変形する。
「なっ!?」
噛み合っていたはずの刃の角度が変わったことで、ジムRRのアイアン・バンカーが空を切った。体勢を崩したマロビの懐へ、リリスは大鎌を大きく振りかぶり、敵の武装の「隙」へと滑り込ませる。
ズバァァンッ!
激しいフラッシュビームの光が2機を包み込んだ。
ピクシーの大鎌がジムRRの右腕を綺麗になぎ払い、センサー判定が冷徹にログを弾き出す。
『右腕機能完全停止。100mmマシンガン使用不可』
「しまっ……!」
マロビが驚愕に目を見開く中、リリスはツイン・ビーム・スピアを投げ捨て、バックパックから2本のビーム・サーベルを美しく引き抜いた。
双剣の輝きが、夕暮れのようなトリントンの赤い大地に交差する。
「ここまでよ、マロビ。あなたの『赤』、しっかりと受け止めたわ。」
ピクシーの2条の光刃が、ジムRRのコクピットハッチの手前でピタリと止まった。
センサーが「完全行動不能」の判定を下し、ジムRRのメインカメラの光が静かに消灯した。
息を荒くしながらシートに深く背を預けたマロビは、しばらく呆然としていたが、やがてスッキリとした苦笑を浮かべて通信を開いた。
「……あはは、完敗! やっぱり、本物の『魔女』と戦ったのは伊達じゃないね。強かったわ、リリス!」
リリスはビーム・サーベルの出力を収め、穏やかに微笑んだ。
「ありがとう。あなたとの戦い、とても楽しかったわ。」
激闘を終えた2機の向こう側から、依然としてバリー大尉とルイザが奮闘する激しい砲声が響いてくる。リリスはすぐに表情を引き締め、愛機の機首を、未だ燃え盛る戦場へと向けた。
一方、リリスがマロビとの一騎打ちを制する少し前。
砂丘の向こう側では、バリー大尉とルイザが地獄のような弾幕の渦中に立たされていた。
ドォォォン! ドォォォン!
ウィリーのガンキャノンが放つ240mm低反動キャノン砲の連続砲撃が、容赦なく大地を揺らす。
さらに通常のビームライフルを上回る長射程を誇る専用ビームライフルから、精密なビームが鋭く撃ち込まれていた。
「くっ、正面のガトリングみたいな武器だけじゃない……! あのガンキャノン、なんて正確な射撃をしてくるの!」
ルイザの陸戦型ジムは、ショートシールドを掲げて爆風を凌ぐのが精一杯だった。
彼女たちの前に立ちはだかるのは、ラルフ・ザブカ中尉のガンダムRR(リレイジ)。
バイザーを下ろして広域索敵モードに入ったラルフは、ウィッチハント隊の動きを完璧に把握していた。
手にした超大型火器『ガトリング・リボルバズ』の砲身が高速回転し、特殊榴弾の嵐がバリーの機体を襲う。
グババババババッ!!
「ルイザ、俺の後ろに隠れろ!」
バリーの装甲強化型ジムが前に躍り出る。
機体各所に施された対爆発反応装甲が、ガトリングの直撃を受けて激しく爆ぜた。
演習用のダメージ判定システムが、着弾の衝撃を相殺したことをログに刻む。
しかし、いかに実体弾に強い追加装甲といえど、無限に耐えられるわけではない。
『警告:左肩部リアクティブ・アーマー大破。残存装甲率42%』
「チッ、さすがにこの密度で撃ち込まれると保たんな……! 索敵車両からのアシストはどうなっている!?」
バリーが叫ぶ。
随伴しているホバートラックのオペレーターから、焦燥の混じった通信が返ってきた。
「だめです、大尉! 相手のホバートラックの電子ジャミングが強固すぎます! こちらのソナー索敵、完全に潰されています!」
「相手の方が一枚上手か……!」
バリーは歯噛みした。
ラルフのガンダムRRは、ガトリングの全弾を撃ち尽くすと同時に、流れるような動作で空のシリンダーをパージ。
すぐさまバックパック左側の『2連装ロケット・バズーカ砲』へと構えた。
完全にこちらの逃げ道を塞ぐ構えだ。
「マロビが落とされるまで、この2機をここに釘付けにする!ウィリー! 畳みかけるぞ!」
赤い三巨星の連携は寸分の狂いもない。
ウィリーのガンキャノンが放つキャノン砲が、バリーたちの退路を断つように背後の小さなコロニー残骸を吹き飛ばし、凄まじい砂煙が視界をゼロにする。
その全盲の空間へ、ラルフの2連装ロケット・バズーカが吸い込まれるように放たれた。
「ルイザ、左だ! 避けろッ!!」
バリーの鋭い声が響く。
赤い三巨星の2人による波状攻撃を前に、バリーとルイザはまさに紙一重の防戦を強いられていた。
砂塵が激しく舞い散る中、ルイザはペダルを激しく踏み込み、必死に機体を回避させながら右手の100mmマシンガンを撃ち返した。
「当たって……! お願いだから当たってよ!!」
激しい銃声とともに演習用ペイント弾がガンダムRRに吸い込まれていく。
しかし、現地改修され戦後もその威容を誇る陸戦型ガンダムベースの強固な装甲はびくともせず、それどころかラルフの放つ圧倒的な弾幕に全ての火線がかき消されてしまう。
有効打を与えられない焦り、そして敬愛する先輩の戦場を守らなければならないという焦燥感が、ルイザの冷静さを奪っていった。
(なんとか……一発でもいいから隙を作らないと……!)
ルイザは少しでも命中精度を上げようと、無意識のうちに機体の足を止め、しっかりと腰を据えてマシンガンを連射してしまった。
ベテランであるバリー大尉は、その一瞬の隙を見逃さなかった。
「ルイザ! 動きを止めるな、動けッ!!」
バリーの鋭い怒号が通信を割ったが、すでに遅かった。
丘陵の上から戦場を冷徹に見下ろしていたウィリー軍曹のガンキャノンが、完全に足を止めた陸戦型ジムの姿を完璧に捉えていた。
サングラスの奥の目が細められる。
ウィリーは躊躇なく、240mm低反動キャノン砲と専用ビーム・ライフルを同時に駆動させ、正確無比な一斉射を放った。
ズバァァァンッ!! ドドォォォンッ!!
強烈なビームと砲撃が、ルイザの陸戦型ジムの足元へピンポイントで直撃する。
激しい爆風と衝撃波が機体を容赦なく打ち据え、コックピット内に赤く明滅する警告灯と冷徹なシステム音声が響き渡った。
『警告:両脚部破損。駆動システム物理ロック。移動不可』
「嘘……あ、足が、動かない……!?」
モニターに表示された『脚部大破・行動不能』のダメージログを見て、ルイザの顔から一気に血の気が引いた。
自分が焦りのあまり最大の判断ミスを犯し、チームの足を引っ張ってしまった事実に、激しい恐怖と焦燥が彼女を支配する。
ラルフ・ザブカ中尉のガンダムRRが、動けなくなった陸戦型ジムへとゆっくりと銃口を向け、完全に照準を合わせた。
「チェックメイトだ、お嬢ちゃん。」
(……ここまで、なの……?)
ルイザは訪れるであろう撃破の判定に、思わずぎゅっと目を閉じた。
その瞬間――。
ズバァァァンッ!!
激しい電子音と共に、大気を切り裂く一筋の「赤い閃光」が、ガンダムRRの鼻先を猛烈な勢いでかすめ抜けた。
「なっ!?」
直撃コースだった一撃に対し、ラルフは野生的な直感で咄嗟に機体をサイドスラスターで回避させた。
急制動をかけながら、バイザー越しのメインカメラをビームが放たれた方向へと鋭く向ける。
砂煙の向こうから現れたのは、双眸を鋭く光らせ、バックパック右側面のビーム・ガンをこちらに突き構えた、リリス・エイデンのガンダム・ピクシーだった。
ラルフは一瞬の沈黙の後、苦笑を交えた声を通信に載せた。
「……チッ、ってことは、うちのマロビがやられたってわけか。さすがはウィッチハント隊の『魔女狩り』、いい腕をしてる!」
ラルフのガンダムRRをビーム・ガンで牽制したリリスは、そのままスラスターを吹かせて滑り込み、動けなくなったルイザの陸戦型ジムの前に愛機を庇うように立たせた。
ルイザは通信回線を通じて、絞り出すような震える声で頭を下げた。
「ごめんなさい、リリス中尉……! 私が焦って足を止めてしまったせいで、こんな……完全に足手まといになってしまいました……。」
蜂蜜色の瞳に悔し涙を浮かべるルイザに対し、リリスの声はどこまでも穏やかで、優しかった。
「誰だって、間違いは犯すわ。ルイザ。」
「え……?」
「間違いを犯したなら、それを深く反省して、未来の自分のために活かしたらそれで良いの。
幸いなことに、これはただの競技会。システムがロックされるだけで、死ぬことはないわ。……一年戦争の時はね、その間違いに気づくことすらできずに、一瞬で命を落とす仲間がたくさんいた。なら、次の戦いに今日の反省を活かしましょ。あなたにはそれができるわ。」
かつて復讐の狂気に囚われ、多くの過ちと死線を超えてきたリリスだからこそ言える言葉だった。
「……っ、はい……! ありがとうございます、中尉……!」
ルイザはリリスの温かい慰めと言葉の重みに、堪えきれずぽろぽろと涙を流しながら頷いた。
その様子をモニター越しに見ていたバリー・アボット大尉は、装甲強化型ジムのコクピットで、厳つい顔に深い笑みを浮かべていた。
(本当に、強くて優しい立派な先輩になったな、リリス……。)
かつて孤独に刃を研ぎ澄ませていた少女の、眩しいほどの精神的成長に、隊長としての誇らしさが胸を満たす。
リリスは優しくルイザを諭し終えると、すぐに戦士の顔に戻り、バリーへ通信を繋いだ。
「バリー大尉。あの丘の上のガンキャノン……ウィリー軍曹の相手を任せてもよろしいですか?」
バリーは頼もしい部下の提案に、不敵に鼻で笑って応じた。
「ああ、了解だ。一年戦争の時に、あの『魔女たち』が乗っていたバケモノみたいなモビルスーツどもに比べたらな。超大型の多砲身砲や、姿を消して襲ってくる狙撃機の恐怖に比べれば、ガンキャノンの1機くらい、優しくて可愛いもんだ。」
ジオン公国軍の「ノイジー・フェアリー隊」が駆ったあの規格外の重火器や凶悪なカスタム機を想起させるバリーの言葉に、リリスはくすくすと小さく笑い声を漏らした。
「ふふ、確かにそうですね。じゃあ、私はあのガンダムRRの相手をします。」
「なんだか、一年戦争の泥臭い戦場を思い出すな。」
バリーが楽しげに肩をすくめると、リリスもラベンダー色の髪を揺らしながら、不敵に、そして誇らしげに微笑んだ。
「ええ。それに――可愛い後輩のルイザに、私達の格好いいところを見せてあげなきゃいけないでしょう?」
「そいつは同感だ。年甲斐もなく張り切らせてもらうか!」
二人の闘志が完全にシンクロした瞬間、ガンダム・ピクシーと装甲強化型ジムが、激しい砂塵を巻き上げて同時に爆発的な加速を見せた。
リリスのガンダム・ピクシーは、まるで赤い大地に溶け込むかのような、鮮烈な「赤い残像」だった。
リリスが急速に間合いを詰めてくるのを察知したラルフ・ザブカ中尉は、バイザーを完全に下ろし、残されたすべての火力を一斉に解放した。
「これならどうだっ!!」
ガンダムRRの主兵装である『ガトリング・リボルバズ』の多砲身が凄まじい速度で回転を始め、同時にランドセル左側の『2連装ロケット・バズーカ砲』が火を噴く。
タンデムローリング方式による連結榴弾の連射と、大口径の実体弾が同時に放たれるという、凄まじい破壊力を持った面制圧の一斉射が赤い大地を埋め尽くした。
ドババババババッ!! ズドォォォォンッ!!
トリントンの赤い大地とコロニーの残骸に大量のペイント弾が着弾し、視界を完全に遮る爆煙の壁が構築される。
しかし、赤いピクシーはその爆煙を恐れることなく、高機動スラスターを甲高い金属音とともに限界まで駆動させた。
ピクシーは、降り注ぐペイント弾の嵐と爆風の隙間を、まるで針の穴を通すかのような神業的なステップで完全に翻弄。
弾道すら予測させないジグザグの跳躍で、ラルフの一斉射の網の目をすり抜け、凄まじい推力でその懐へと一気に滑り込んでいく。
一方、丘陵のウィリー軍曹へ向けて突撃するバリー大尉の装甲強化型ジムもまた、ベテランの冴えを見せていた。
ガンキャノンが放つ240mm低反動キャノン砲の弾幕に対し、バリーは地面を滑るような自慢のホバー走行を巧みにコントロール。
爆発の衝撃波を機体の傾きだけで受け流し、砂煙に隠れては別の方向から躍り出るという変幻自在の接近戦を展開していた。
その2人の圧倒的な動きに、ガンダムRRのコクピットでラルフはバイザーの奥の目を限界まで見開いた。
「な、なんてキレだ……! 一斉射を足を一切止めずにすり抜けてくるだと!?」
丘の上のウィリー軍曹も、照準器に捉えきれない装甲強化型ジムのホバーワークに、サングラスの奥で冷や汗を流していた。
「一発もまともに捉えさせくれないか! 噂には聞いていたが……北米の激戦で、あの本物の『北米の魔女』と渡り合ってきた連中だ。伊達じゃあないな……!」
かつて一年戦争の北米戦線で、ジオンの秘匿部隊と文字通り命を削り合ってきたウィッチハント隊。
その2人が見せる戦術と覚悟の重さに、赤い三巨星のベテラン2人は激しい驚愕と、同時に極上の戦慄を覚えていた。
ラルフの放った猛烈な一斉射を潜り抜け、至近距離へと飛び込んだリリスのガンダム・ピクシー。そこに待ち受けていたのは、ガンダムRRが左手で引き抜いた低出力モードのビーム・サーベルだった。
「懐に入れば勝ちだと思ったか! 甘いぞ、魔女狩りッ!!」
ラルフの叫びとともに、赤いガンダムRRが凄まじい豪腕でサーベルを振り下ろす。
リリスは即座に左腕の簡易小型シールドを掲げ、その一撃を受け止めた。
ギギギギギシッ……!
センサー感知モードの電子不協和音が、互いのコクピットを激しく揺らす。
かつて大破した陸戦型ガンダムを民間企業の技術でアップデートした「ふたたびの猛威(リレイジ)」と、一年戦争を最前線で駆け抜けたリリス専用の「赤いピクシー」。
トリントンの赤い大地の上で、2機の赤いガンダムが文字通り火花を散らして激突していた。
「いいパワーね……! でも、動きが直線的よ!」
リリスはラベンダー色の髪を揺らしながら、鋭い視線でレバーを引いた。
ピクシーはシールドで相手の刃を受け流すと同時に、バックパックから2本のビーム・サーベルを抜き放った。
二刀流による、目にも留まらぬ高速の連撃がガンダムRRを襲う。
シュババババンッ!!
「くっ、速い……!」
ラルフはショート・シールドを必死に掲げて防戦に回るが、リリスの剣技はガンダムRRの堅牢な装甲の「隙間」――関節部やセンサーの継ぎ目を的確に狙っていた。
低出力のビーム刃が装甲をかすめるたび、ラルフのモニターに細かなダメージログが刻まれていく。
たまらずラルフが間合いを取ろうとバックパックのメイン・スラスターを吹かせた瞬間、リリスはその一瞬の退き際を逃さなかった。
「逃がさない……!」
ピクシーの追加装甲に組み込まれた高機動スラスターが爆発的な推力を生み出し、後退するガンダムRRの頭上へと鋭く跳躍する。
空中で美しく反転しながら、リリスは2本のサーベルを十字に交差させ、ガンダムRRの胸部へと一気に振り下ろした。
ズバァァァンッ!!
強烈なフラッシュビームの光が、2機の赤いガンダムを包み込む。
ピクシーの放った一撃は、ガンダムRRの右胸部インテークから肩口の駆動系へと深く突き刺さっていた。
演習用判定システムが、冷徹な大破ログをラルフのコックピットに弾き出す。
『警告:右腕駆動系完全ロック。メインジェネレーター出力50%低下。戦闘継続困難』
ガンダムRRの右腕が力なく垂れ下がり、手にしたガトリング・リボルバズが赤い砂の上へと転がり落ちた。
ラルフはバイザーの奥で苦笑を浮かべ、操縦桿からそっと手を離した。
「……ここまで、か。見事な二刀流だ。北米の魔女とやり合ってきたってのは、伊達じゃないな……!」
時を同じくして、丘陵の上からも派手な電子爆発音が響き渡った。
バリー大尉の装甲強化型ジムが、ホバー走行でウィリーのガンキャノンの懐へと完璧に潜り込み、白兵兵装を持たないガンキャノンのゼロ距離へと迫って、ビームサーベルによる機能停止判定を突きつけたのだ。
『Cグループ第二試合、タイムアップ前――ウィッチハント隊の勝利!!』
トリントン演習場のスピーカーから、厳格な終了のアナウンスが鳴り響いた。メインカメラの光を落としたガンダムRRのコクピットで、ラルフ中尉は通信回線を開き、清々しい声でリリスに語りかけた。
「負けたよ、リリス・エイデン中尉。あんたの『赤』、確かに受け取った。最高の誇りを持った、本物のエースの赤だったよ。」
リリスはピクシーのサーベルの出力を収め、額の傷跡を指で優しくなぞりながら、モニターの向こうの好敵手へ穏やかに微笑み返した。
「ありがとう、ラルフ中尉。あなたたちの『赤い三巨星』の誇りも、とても熱くて素敵だったわ。……いい試合を、ありがとう。」
動けなくなった陸戦型ジムの中で、ルイザは2人の先輩の圧倒的な勝利と、リリスのどこまでも格好いい後ろ姿を見つめながら、涙を拭っていた。
バリー大尉も装甲強化型ジムのコクピットで「やれやれ、大役を果たしたな」と小さく息を吐き、笑顔を見せる。
トリントンの赤い夕日が、激闘を終えたモビルスーツたちを静かに照らし出していた。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
今回の話はウィッチハント隊VS赤い三巨星の話でした。
遂に連邦の「赤」枠を賭けた戦いに決着が着きました(笑)
さてさて、次の話も楽しみにしてくださいね。
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