格ゲーの悪の組織のナンバー2やってます   作:テムテムLvMAX

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ガードを疎かにするといけないよという話


7コンボ目 ガードの重要性を知らない者はコンボする資格なし

「無様だねぇナンバー2?」

 

「くっ……殺せ!」

 

「はぁ? そんな事するわけねぇだろ、お前は戦利品、お宝よ!」

 

 

 くそっ、まさかくっころが通じない相手だったとはな……。

 

 ラウムに見捨てられ、拉致られて連れてこられた先は、支部長用に用意したあった私室、ただ改造されていて船室風に改築されたベッドルームのようなものになっている。

 

 だからなんだと言う話だが、徹底して海賊のように振る舞うアンヌはブレず一貫性がある、つまり我が強い人間だと言うことさ。

 

 俺は手錠を嵌められサイキックパワーを封じられ、足も縛られている、逃げることはまず無理だ。

 

 

「さーて、ナンバー2って言うからには金持ってんだろ、出しな? カードでもなんでも良いぜ?」

 

「……いや、金はない」

 

「はぁ?」

 

「待遇は良かったが資産はない」

 

「下手な嘘を……ついてるわけでもねぇな……マジかよあり得ねぇ」

 

 

 同情してくれるのかアンヌ……お前結構いい奴なんだな……いや悪い! 拉致されてるから! 

 

 アンヌが少し優しい目で俺を見るような気がする、優しく見られたからって俺の拉致が終わることはないのだが。

 

 さて……どうするか、逃げるにしても相手は逃さないつもりだろう、海賊がお宝を手放すか? 手放さないだろう。

 

 俺が帰らないと知ったら我らの総統が四天王を送り込んでくれるに違いない、それまでは休暇のつもりで捕まっているのも悪くないか……よし、それで行こう。

 

 

「アンヌ、提案がある」

 

「あーん?」

 

「俺はここで働こう」

 

「ほう? なんでかなぁ?」

 

「何もせずに捕まっているのも暇だろう」

 

「……お前ワーカーホリックだろ」

 

 

 違う、断じて違う、それが俺の処世術でもあるんだよ、悪の組織で生きていく上でな。

 

 思えばアクマーダと出会った時も拉致されてたな、俺は拉致に縁があるのか? そんな縁いらんわ! 

 

 

「ん〜〜〜面白い、なら私の執事にしてやろう」

 

「俺は事務仕事専門だが……」

 

「面は良いんだ、私の目の保養になってもらう」

 

 

 面、顔か……俺の顔がたまたま好みだったのか、言っておくがイケメンではないからな……俺。

 

 しかし執事をやれとはな……面倒な……やれと言われればやるのがナンバー2の辛いところ、やるしかない。

 

 

 

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

「ナインライン、茶」

 

「ここに」

 

 

 ある時は、カップに茶を注ぎ。

 

 

「ナインライン、肩」

 

「はい、ただいま」

 

 

 ある時は、肩をマッサージし。

 

 

「ナインライン、卵」

 

「はいただ……卵?」

 

 

 ある時は、ポーチドエッグを作り。

 

 

「ナインライン、客」

 

「はいただいま……「よう、楽しんでるかい?」帰れカエディ!」

 

 

 ある時は、来客の対応をし。

 

 

 なんとなく、一ヶ月が過ぎた。

 

 

 助けは、来なかった。

 

 

 

 

「おかしい、カエディが冷やかしに来た以来四天王が誰ひとり来ない……俺は切り捨てられたのか」

 

「ナインライン、私が面倒見てやるからな、心配するなよ」

 

 

 最近妙に態度が軟化したアンヌが俺を心配してくれるが、俺は四天王が来ないことに問題を感じているだけで、助けられないとは思ってない、むしろ来るだろう確実に。

 

 四天王を派遣してこないとなると……アクマーダ総統が直々に来てしまう、それは困る、なんか一ヶ月もここに居たら居心地良くなってきたからな……

 

 アンヌの部下たちも良く接してみると快活でハッキリした物言いで遠慮がない失礼な奴らだが、その分不明瞭な事をしないのがグッド。変に拗らせてない分1号2号より扱いやすい。

 

 

「ナインラインの兄貴! ここの計算あってますかい?」

 

「んあ? ……んーあってるが……そもそも参照したデータ間違っていないか? なんだこの遊興費1千万ドル、こんなもんバカの極みだろ」

 

「へぇ……それは姐さんのホスト代でさぁ……」

 

「……はぁ〜男漁りに余念がないなアイツ」

 

「これでも少なくなってんですぜ? これも兄貴のおかげでさぁ、だからナインラインの兄貴には期待してんですよ!」

 

「なにを?」

 

「そりゃあ姐さんとの結婚でさぁ! してくれりゃあっしらも安心出来るってもんです!」

 

 

 おお……そう来たか……そうなるのか……

 

 

「で姐さんとは良い感じなんでしょ?」 

 

「悪くはないがそうなる予定はない」

 

「でも姐さんはどうかなぁ? あっしは姐さんは兄貴に気があると思ったんですがねぇ?」

 

「下世話なやつめ、さっさと仕事に戻れ」

 

「アイアイサー!」

 

 

 

スタコラサッサという擬音が似合いそうな足運びで逃げるように去っていく。

 

 お調子者の気質な奴らばかりですぐに調子のいいことを言いたがるのは悪い所だ、それはそれとしてアンヌ、お前遊び歩いているのはどうなんだ、悪いことをしろよ悪の組織だろ!

遊びが悪いことだろと言われれば組織の負担になってるのでやめろ、やって良い悪さと悪い悪さがあるのだ、1千万ドルって支部に渡してる活動資金のほぼ全額だぞ。

 

 

 そろそろ本部に戻るべき頃合いだが、1号と2号で仕事が回っているだろうから、もう少しこの臨時休暇を楽しみたい、ついでにオーストラリア支部の不正も正して行けば臨時休暇の言い訳に出来るな。

 

 早速オーストラリア支部の全取引データを調べ上げて不審点の洗い出し、からの手持ちの権限で組織内での移動と消費をオーストラリア支部から本部の間に限って調査してみる。

 

 その作業中にアンヌが俺の部屋に入ってくる、一ヶ月で俺に親近感が湧いたのか、かなり警戒を緩めてくれている、俺も出ていく気が失せたので今更警戒されてても気分悪いだけだしな。

 

 にしても随分ラフな格好で現れた、タンクトップとホットパンツだ、君原作でセクシー担当キャラじゃなかったよね? 

 

 

「よぉ……何やってんだよ?」

 

「オーストラリア支部の不正の洗い出し」

 

「……はぁ? 上に言われた通り納めるもん納めてるだろうが」

 

「違う、物だよ物、本部に届く筈の物資が滞ってるんだ、この一ヶ月でオーストラリア支部が表立ってが不正していないことは分かった、なら誰が関与しているのか、消えた物資はどこへ行ったのか調べる必要がある」

 

「うちの部下はアホとバカだが悪いやつはいねぇ、もちろんそう言う事じゃねぇだろうが……」

 

 

 アンヌの言いたいことは分かる、しかし実際問題消えてる物がある。

 

 アンヌと会話しつつもパソコンと対話し続け俺は見つけた、違和感のある箇所を、オーストラリア支部に物品を納める外部組織とオーストラリア支部と本部を行き来する物流担当の間に、繋がりが有りそうな数字の動きを見つけた。

 

 なるほどな、仮定だが売った商品を回収してまた売りつけているのかこの外部組織、悪だねぇ悪いやつだなぁ。

 

 しかしこの外部組織の名前は見覚えがない、“バッドバルカン”とは一体どこの組織だ? アンヌにも見せてみるか。

 

 

「アンヌ、この外部組織と君の仲間の一部が癒着しているようだ、これを見たまえ」

 

「“バッドバルカン”……チッ……グスタフの野郎……! 私がテキサスで暴れてた時の雇い主、私は縁を切ったがアイツはまだ私を追っかけて……ナインライン! ケンカは得意か?」

 

「アクマーダの右腕と言われるくらいにはな」

 

「じゃあ行くか、テキサスに殴り込みだ……っ!」

 

 

 テキサスか……まぁ行くか、臨時休暇が伸びるだけさ、アメリカにも支部はあるしな、行かない理由はない。

 

テキサス支部の支部長かぁ……アメリカンマフィアを勝手に纏めて総大将やってるから聞く耳あるかなぁ……

 

 

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