格ゲーの悪の組織のナンバー2やってます   作:テムテムLvMAX

12 / 22
当て身もぶち抜くこの一撃、対処法は次のラウンドで取り返すことだけ……


9コンボ目 ガード不可です

 薄暗い地下道、ここは壁掛けのランタンのような照明が等間隔に取り付けられているコンクリート打ちっぱなしの長い廊下のようなもの。

 

 実際はともかく、息苦しさにストレスがたまる。

 

 

「嫌な通路だな……」

 

「私がいた時より整備されてる、警戒して下さいよリヴィさん」

 

「おめーはリヴィちゃんに命令しないでね、お兄さんの話は聞いてあげる」

 

「リヴィちゃん、少しは聞いてやっても良いだろう?」

 

「ふーん」

 

 

 リヴィちゃんとアンヌ姐さんの仲も少し悪い、アンヌの方はリヴィちゃんが強さや立場は置いておいて子供なのが気に入らなさそうだし、リヴィちゃんはリヴィちゃんでアンヌの態度が気に入ってない。

 

 よって俺が緩衝材として二人をとりなしているんだが、会話を重ねる毎にリヴィの当たりが強くなるし、アンヌは言葉には出さないが鬱憤が溜まり続けている。

 

 ギスギスしないでよね! ナンバー2はメンタル雑魚だから女子の剣幕に恐れおののくしかない! 怖い! でも帰るわけにも行かない! 辛い! 

 

 居心地の悪さを感じながらも止まらず歩き続け、ついに地下道の終端に辿り着いた、それは金色の大扉で、グスタフと言う人間の趣味の悪さを端的に表している、そんな気がした。

 

 

「この奥だ、ナインライン」

 

「確かに5人くらいの気配を感じますよ、でも、みんなリヴィちゃんより弱そうですぅ〜」

 

「俺のサイキックパワーで向こうを探ってみるか?」

 

「いや、そんなチマチマしなくて良い、こっちは四天王が付いてるんだぜ? 正面から殴り込んでも問題ねぇ!」

 

 

 __ばごぉん! 

 

 

 アンヌは扉を蹴り破りカットラスを肩に担ぎながら堂々と部屋へ侵入する、まさに海賊女王と言うべきオーラが見て取れた。

 

 

「おら、来てやったぞ……グスタフ」

 

「誰かと思えばアンヌか」

 

 

 扉の奥は絵画が飾られた部屋だった、その奥には黒の高級ソファに腰掛ける白いスーツの男がいた、アンヌや俺やリヴィを見ても物怖じせず見返してくる、奴の胆力は相当なものだ。

 

 あの男がグスタフなんだな。

 

 

「ようやく戻る気になったか? アンヌ」

 

「誰が戻るかよバァカ、過去の因縁にケリつけに来たんだよ」

 

 

 キレるアンヌと対照にグスタフと言う男はずっと冷静だ、周りに立っている黒スーツの部下たちも眉一つ動かさずにこちらを警戒するにとどめていた。

 

 

「それは残念だなアンヌ、だが一匹狼だったお前にも仲間が出来たようでなにより、良ければ名前を聞いていいかな?」

 

「俺は__」

 

「お兄さん、こんな三下にいちいち答えてやる義理はねーですよ」

 

「言うねぇお嬢ちゃん、三下かどうか試してみるかい?」

 

 

 __パチン! 

 

 

 グスタフが手を叩くとグスタフを守っていた黒スーツの男たちが懐から銃を取り出し照準を合わせてくる。

 

 

「まぁ、アンヌにもう戻る気がないなら仕方ない、そいつらを殺せ」

 

 

 グスタフの言葉を合図に男たちは一斉に引き金を引く。

 

 

「チッ!」

 

 

 アンヌはその場でしゃがみ腕で顔を覆い、リヴィは俺の肩の上で頭を叩いてくる、アンヌもリヴィもサイキックパワーの持ち主なので銃弾程度は防げるだろう。

 

 

「お兄さん守ってね! 痛いのやーよ!」

 

 

 __パァン! パンパン! パパパァン! 

 

 

 連続で鳴り響く発砲音に俺はビビりながらもリヴィの注文通りに手を前に突き出しサイキックパワーの幕を張る、アンヌも包むように広めに張り出し発砲音が止むまで守る。

 

 

「た……弾が浮いてる! ボス!?」

 

「お前もサイキッカーだったのか! アンヌだけと思っていたのに!」

 

 

 グスタフもその取り巻きも慌ててどうしたのかな、まさか銃で人が殺せないから焦っているのかな? 馬鹿野郎格ゲーの人間を銃で殺せるわけねぇだろうが! 

 

 

「ナインラインもサイキッカーだったのか!」

 

「なんで拉致ったおめーが驚いてんです?」

 

「その事は後だ、グスタフが逃げようとしているぞ」

 

 

 グスタフは俺たちの入ってきた方向とは反対の出口から部下を置いて逃げようとしていた、逃げ足の速いやつだ。

 

 俺がサイキックパワーで止めた弾丸を飛ばそうと力を込めるが、それより先にリヴィが俺の肩から飛び降りて走って追いかける、取り巻き連中も忠誠心があるのかその行く手を阻む。

 

 

「ボスの所へは行かせない! 止まれガキ!」

 

「じゃま!」

 

 

 リヴィは立ち塞がる男へ向けて手を一振りする、ピッと何かの水滴が飛んでいきそれが男の顔に当たる、周りにいた男にも続けざまに飛ばして当てていくとすぐに変化が訪れた。

 

 

「ぁぁぁぁぁぁぁっ!??!!!? 痛えぇぇぇぇ!?」

 

「どうした!? ぐぅぁぁぁぁっ!」

 

「こ……このガキがぁぁぁぃぁ痛ぁぁぁぁぁぁ!」

 

 

「リヴィに道を譲らないのは、“滅っ”ですよ?」

 

 

 リヴィが毒液の滴る両手で男たちの手に触れると、触れた箇所からどんどん血の気が引いていく。

 そして男たちの目からは生気が失われていき、泡を吹いてピクリとも動かなくなっていった。

 

 

「さぁ、追いかけますよ! リヴィちゃんネズミ捕りは得意なんですよ!」

 

「うわぁ……これが四天王……なら……お前は……?」

 

 

 何故かリヴィにドン引きしたアンヌが俺を見てドン引きしてるんだが……なんで? 

 

 何か致命的に勘違いされているようにも感じるが、俺の疑問はここで置き去りにしてグスタフを追いかける事を優先した。

 

 




リヴィちゃんの毒は血が固まったり血管内に気泡ができたり神経が麻痺したりします、サイキックパワーでコントロールされているのでリヴィちゃんには一切害がありません!素敵!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。