格ゲーの悪の組織のナンバー2やってます   作:テムテムLvMAX

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悲しみを背負って格ゲーしてんだよこっちは!


14コンボ目 鍛えた俺よりCPUの方が強い

「これウマーい! アンヌも食べるです?」

 

「お……恐れ多いです……それにどっ……ってあぁ! ごめんなさアバババ〜〜〜ッ?!」

 

「むぎゃはははは! ひ〜! ひ〜っ!」

 

「おーい置いていくぞ、アンヌ、リヴィ……何やってんのお前たち……あとサンディ、付いてくるのは良いがそれは買いすぎだ」

 

「良いじゃありませんか! お好きですよね、春巻」

 

「ちゅんちゅん(限度があるでしょ)……」

 

 

 アメリカから飛行機で中国に上陸した俺達はサンディという新しい仲間? を加え過去最強の厄介支部である中国支部に向かっている途中だ、今は香港で昼食を物色していたのだが……

 

 アンヌとリヴィは片っ端から買い食いしてはアンヌが毒でアババってる、アンヌには可哀想だが君はもうリヴィのおもちゃだよ、でもまぁリヴィちゃんが爆笑してるので許せるよね……あっ泡吹いてる……ダメそうだな……。

 

 それと新たに加わったサンディ……彼女は俺が目を付けたものを端から端まで買い漁りもう両手に荷物が収まらず現地人を雇って荷物持ちをさせている始末……その金は何処から出てくるの? え? 貢がれてる?? 個人口座に100万ドル毎月振り込まれてる!? 誰が貢いでるの!? 副大統領やその他?! 何で? あっすっごい悪い顔……よし、聞かなかった、マフィア経由でアメリカの要人の弱みを握ってるとか聞いてない、俺には余る。

 

 

「さて……そろそろ行かないとな……」

 

 __ドンッ

 

 

「ぎやっ!」

 

「あっすまん……大丈夫か?」

 

 

 歩きながら時計を見ていたら前から歩いてくる女性に正面からぶつかってしまって、女性はよろけてコケてしまった、いけないぞナインライン歩きながら手元を見ては! 

 

 女性に手を伸ばし、立ち上がる手伝いをしようとしたが……

 

 

「あ……あ……あわ……ごめんなさい……!」

 

「行ってしまったか……」

 

 

 俺の手を取るまでもなく走り去ってしまった、しかしあの女性……見たことあったような……ないような……? 何で見たっけ……前世だったかな……

 

 もうちょっとで思い出す……うーん恐らくゲーム本編ではない……外伝だったか……? 

 

 ぐむむ……思い出そうとしても思い出せないということは、きっと必要ではないので無視するか、今は中国支部に用事を済ませに行こう。

 

 

 

「さ、来たぞ、ここだ」

 

「リヴィちゃん何人分の大きさでしょー……これ」

 

「目算でいーなら……5人前か?」

 

「これが中国文化みたいですね、うーんもっとネオンギラギラかと思いましたが」

 

「……それは偽チャイナだと思うぞ、サンディ」

 

 

 まるで香港映画のいち場面と言うか、カンフー映画に出てくるような、白い塀に囲まれ看板を備えた門が我々の目の前にある、何かの道場だと言われたほうがしっくりくるな。

 

 瓦屋根の木造建築の大きな屋敷と入り口から見える大きな中庭、そして中庭には木人が何体も立てられているので、なんというかますます香港映画じみてきた。

 

 俺が中国支部に関心していると建物の方から人がこちらに向けて歩いてくる。

 

 

「お待ちしておりました、九条師父……ナインライン様とお呼びしたほうが良いでしょうか?」

 

「構わん……君は?」

 

「これは失礼しました、拙僧はドミニオン中国支部の副部長……名をリーと言います……何もないですが精一杯おもてなしさせて頂きます」

 

 

 リーと名乗る男は僧侶であるかのように袈裟を身に着け数珠を首からぶら下げていた、それはそれで様になっているが……なんだこのエセっぽい感じは……恐らくは少林寺拳法からのそういう衣装だとは思うが……ジーンズなんだよなぁ……ズボン。

 

 ともかくこのリーという男がもてなすというのだから俺達はそれを受け入れることに、まぁ色々と付き合い方というのがあるんでね、素直で直線的な考えだけでは生きていけんのですよ。

 

 

「皆様には烏龍茶をご用意しました、良ければこの後香港を案内致しますが?」

 

「いやいい……ライジンを呼んでくれ、それが目的で来ているんだからな……」

 

「……はい、では……えー、しばしお待ちを……現在ライジンは瞑想中でして……次に目を覚ますのがいつになるやら、私達には分かりかねるのです」

 

 

 瞑想ねぇ……叩き起こして良いんじゃない? ダメ? 起こしてやろうぜめんどくさい。

 

 とでも思ってたらリヴィちゃんが俺の心を呼んだように、ひそひそと耳元でアドバイスをくれた。

 

 

「お兄さん、ここは待つのも懐の大きさを見せつけるチャンスですよ〜」

 

「なるほどな、それもそうか」

 

 

 ここで懐の大きさを見せてやろうではないか、リヴィちゃんに言われた通りその瞑想が終わるまで俺達は待ってやろう! 

 

 ちなみにどれだけ待つんだい? 

 

 

「前回の瞑想が1年ほど続いたので……今回もそれと同じくらいかと」

 

 

 1年ほどねぇ……1年……1年って……馬鹿にしてんのかこの野郎──ーッッッ! さっと起こせぇぇぇ! 1年も待ってたらヒーローたちがドミニオン潰して次回作の敵組織まで壊滅させるわボケぇぇぇぇぇ!!!! 

 

 今すぐ叩き起こせえぇぇぇぇ!!! 

 

 

「今すぐだ、今すぐ呼べ」

 

「で……ですが」

 

 

 目一杯の苛立ちとこれまでの中国支部に対する不満を込めて睨みつける、その顔は側付きの黒服1号に鬼も逃げ出す般若の面と言わしめる俺の三徹明けスマイルであった。

 

 

「お、お待ちをぉぉ!」

 

 

 

 さてと……散々サボってたんだから叩き起こされても文句言うなよ支部長殿……

 

 

「中国の支部長……一体どんな人間だろうなぁ〜サンディ」

 

「さぁ~……でも髭があって頬がこけて、頭はピカピカと光っているような気がするよ、と言うか同じ支部長として顔を知らないのアンヌ」

 

「あー……知らねぇな、アンタの親父さんがファッツマンだったことも知らなかった女だぜ!」

 

「威張るなよ……」

 

 

 ライジンが現れるまで我々はしばし談笑にふけるのであった。

 

 

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