格ゲーの悪の組織のナンバー2やってます   作:テムテムLvMAX

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熱いバトルになったかな


16コンボ目 格ゲーの悪の組織でナンバー2やってんだよ!

 __カラカラカラ……

 

 

 縁側を一つ隔てて外と繋がるこの武道場に風に乗って聞こえてくるのはアルミ缶を利用した手作りの風鈴の音、子どもの手遊びで作ったオモチャの楽しげな音が俺たち男二人の死闘の合図となるのであった。

 

 

「死んでも文句はあるまい、ナンバー2……アクダーマ様を最も敬愛する私がッ! お前に代わってアクダーマ様の為に尽くすのだッ!」

 

 

 敵意を隠さないライジンは地面を踏み抜いたと思わせるほどの踏み込みで距離を詰めてくる、残像を残し低空を滑るような歩法はまるでゲームのワンシーンを切り取ったようだが実際に技として成立させている、その迫るライジンの気迫に押されつつも俺は距離を取るために後ろへ下がる、ライジンの出方を見ておきたいが、それを許さないライジンが攻めてくる。

 

 

「逃げるなあっ!」

 

 

 滑るような歩法から流れるように前方への踏み込みに繋げ、左足を軸足にして右膝を上げ地面を鳴らすように踏みしめ、その力を腰から肩へ肩から右の掌へ伝え、それを共に掌には周囲の気温が燃えたと錯覚するほど熱く燃える“氣”だ! 

 

 

「旋熱放!!!」

 

 

 __ドゥッッ! 

 

 

 繰り出されたの火の玉は本物の火炎と変わらない熱を持って俺を狙う、当たればタダでは済まないと考えるまでもない、背後をみれば武道場の壁がすぐそこに迫る、考える、壁に気を使う必要は無いしこのまま壁を背に戦えばまず負ける。

 

 ライジンを視界の正面に捉えたまま、左へ飛び退く。

 

 回避直後にはライジンの旋熱放が壁へと着弾。

 

 

 __ボォォン! 

 

 

 焼けた木片が飛び散り壁に大人1人が通れるほどの大穴が空いていた、恐ろしい威力だが、もっと恐ろしいのはこれだけの攻撃力を持った一撃を放っても呼吸一つ乱していない事だ。

 

 俺を待っていた……アイツはそう言ったがその事がアイツにとってどれだけ本気だったのかが、伺い知れる。

 

 

「ふん、避けたか……大人しく焼け死んでいればよかったものを」

 

「残念だが俺の死因は老衰以外の予定はないんだ」

 

「ふはは、今にその減らず口を黙らせてやる」

 

 

 一連の動きはライジンにとって小手調べというところか、ラウムの時は実力を測るための死合だった訳だが……ライジンは俺を殺すための死合をやっているわけだ、この死合に掛ける執念や思いはあの時とは比べられないな……

 

 ……死なんぞ、俺は死なん……何があっても死にたくない、誰が2度も死んでたまるか……! 

 

 

 今度は俺の番だ、ライジンへ走る! ライジンは先ほどの技で迎撃をするつもりだが……突っ走る! 

 

 

「旋熱放ッ! 二つ! 三つ! 四つ!」

 

 

 そう何度もそんな技ポンポン撃たれると困るんだが……? 

 

 だが乱れ打ちだ、俺はサイキックパワーだけは並以上の男、予知能力でもない限りこの強化した動体視力と身体能力で戦えるんだ! 

 

 

「まだまだ甘いっ!」

 

 

 1つ目を背面飛びの要領で飛んで避け、2つ目を1つ目を避けた流れでバク宙で避け天井まで飛び上がり、3つ目と4つ目は天井を蹴って回避と同時にライジンへと一気に距離を埋める! 

 

 重力と天井を蹴って勢い付けた力をそのまま右脚に込めて跳び蹴りをするが、ライジンは避けずに両手で掌底を繰り出す! 

 

 

「ふんっ!」

 

「硬いっ……!?」

 

 

 俺の跳び蹴りを安々と受け止め、そのまま足首を掴みライジンは足元へと叩きつける。

 俺は避けると思っていたので受け身が間に合わずなすがままにされる、肺から空気が強制的に叩き出され、軽く意識が曇る隙に俺の上を取ったライジンがマウントポジションからの乱打を浴びせてくる。

 

 __ゴッ! バキッ! ゴリッ! 

 

 かろうじて両腕で顔を守るがライジンの鍛えられた拳は鋼の硬さを持っているのか、どれだけサイキックパワーを防御に集中させていてもその上からダメージを通してくる。

 

 耐えられない、その一瞬の気の緩みにつけいられ顔面に重い一撃がクリーンヒットし鼻に衝撃が走る、生臭い匂いと鼻腔にあふれる血液でむせる。

 

 

「ぐはぁっ!」

 

 

 この野郎……! こうなりゃ……! 

 

 

「死ねぇ!」

 

 

 俺の意識が朦朧としているのをチャンスと見たライジンが拳を振り上げ、俺の顔面めがけて振り下ろす。

 

 その大ぶりの攻撃に俺は攻撃で迎え撃つ、ありったけのサイキックパワーを額に集め、振り下ろされた拳にぶつける! 

 

 

 __バチンッ!!! 

 

 

 ぶつかる拳と額の間に電撃が走りライジンの拳を弾き返して隙が出来た、その隙を俺は逃さず、マウントポジションのライジンの腹に拳を当て、サイキックパワーを爆発させる。

 

 

「うおぉぉぉっ!」

 

「それはっ?!」

 

 

 __ドォン! 

 

 

 ライジンの腹にライジンの使う技と同じような爆発が発生してその身体を大きく吹き飛ばす、俺は燃えた右手を庇いつつ立ち上がり、サイキックパワーで焼けた皮膚の再生を促す。

 

 見様見真似でも、案外出来る。

 

 

「ぐっ……お前……私の技を……!」

 

「簡単だったよ、分かりやすい技だ」

 

「ふざけるなぁ! 私から技も奪うのか!!」

 

「うるせえ! 被害妄想も大概にしろ!」

 

 

 さっきから話を聞いてりゃ俺の立ち位置に文句があるのかよ、だったらさっさと文句言えばよかったのにお前俺が会いに来るまで黙ってたろうが! 

 

 お前がなぁ……お前がもっと早く文句言ってくれたなら俺はナンバー2じゃなかったかもしれねぇ! ……あれ、これ俺もキレていいよな? キレていいよな! キレる! 

 

 俺がキレたら向こうもキレたのか、ライジンの気配が変わる。

 

 

「私は、今完全にお前を許さない事に決めたぞ……未来永劫許さないっ……!」

 

 

 ライジンのスイッチが切り替わったのを感じた、今までが憎悪や怒りで燃えていたならば、この切り替わった今は……冷徹で厳しい凍てつくような殺気が放たれる。

 

 

 たらりと俺の首筋に冷や汗が流れた、ライジンがより濃い“氣”を発し始めたからだ、目に見えるどころか……これでは鎧だ、生半可な攻撃はもう効かないと見て良いだろう。

 

 

 やばい、俺、死ぬかも……あれぶち抜く技持ってない……

 

 

 




もうちょっとバトルが続くんじゃ

この小説、コメディなんだけどな……
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