格ゲーの悪の組織のナンバー2やってます   作:テムテムLvMAX

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間違って投稿してたがあれはすまんかった

今回はシリアスなのでご注意を。


四天王外伝 かわいいどくどくリヴィちゃん

 リヴィちゃんのお父さんとお母さんはお医者さんでしたの。

 

 いつも、いつも二人はリヴィにこう言ってました。

 

 “いい子で居てね”

 

 だからリヴィはいつもいい子でいました、いい子にしていたの、お父さんとお母さんを真似て、誰かを助ける人になるの、誰かを救う人になるの、そう思いながら。

 

 そしたらお父さんもお母さんもいっぱい褒めてくれて、リヴィも嬉しくて、あの時は一番幸せだった。

 

 頑張れば褒めてくれる、出来なかったら助けてくれる、ダメだとは言わないけれどいけないことは叱ってくれた、リヴィちゃんの大好きなお父さんとお母さん。

 

 誕生日には大好きなお花もいっぱいくれるの、誕生日にはスズランがお部屋いっぱいにあって、スズランを飾ったジュースも好きだったの。

 

 でもある日、二人とも病院から離れられなくなって、リヴィちゃんが一人でお留守番していたの……あの日はなぜか無性に淋しくて、お父さんとお母さんを待ち切れなくて、病院まで歩いていったの……歩いて行ける距離だから特に迷わず到着。

 

 

 そしたら、お父さんが病院の入り口で泣いていて、思わず近寄って「なぜ泣いているの?」と聞いたら「二人とも、許してくれ」と返ってきた、何も分からないよ、とも言ってしまうと余計に泣いてしまいそうな空気があったから、言わなかった。

 

 お母さんは入院している、病気だから家に帰ることができないんだと言って聞かされて……でも面会はいつまでも出来なかったんですの……

 

 それから、1週間、お母さんが病院から帰ってきたんですの。

 

 

「許してくれ……許してくれ……」

 

「お母さん……動かないの……?」

 

「許してくれ……僕は……」

 

 

 冷たくなったお母さんに、お父さんは泣きながら謝る姿は今でも忘れられないの。

 リヴィちゃんはお母さんを起こそうとして軽く何回か揺さぶったの、お母さんのお腹の辺りを何回か……そしたら、目眩がして倒れて……何かの声を……聞いた。

 

 

「あぁ目覚めたのか、リヴィ……良かった……お父さんにはもう君しか居ないんだ……良かった……」

 

 

 2年間も植物状態で眠っていたと、お父さんに聞かされて、リヴィは頭が痛くなったの、あの時、気絶する前にお母さんに触れていた時……

 

 “あー、うー”

 

 赤ん坊の声が聞こえてきたの、きっと幻聴なのに、その場にいない声だったのに、リヴィは何時までも覚えてる、その子が誰だったかも、わかったような気がしたの。

 

 

「お父さん」

 

「なんだいリヴィ」

 

「妹……だったの」

 

「!? …………あ、あああああ! ……許してくれ……許してくれ……!」

 

 

 お父さんはリヴィちゃんに優しくしてくれたの、ずっと……ずっと……

 

 リヴィちゃんが大きくなるまでお父さんは育ててくれたの、医者をやめて、別の仕事に変わっても、毎日白衣を見つめて泣いていた、お母さんの写真の前で「許してくれ」と呟いていた。

 

 そして毎日がそんな様子だったから……疲れ切って、涙も枯れて、自分の首を絞めてしまった。

 

 

 “不甲斐ない父を許してくれ”そう書かれた手紙とともにスズランの花瓶が置かれていたの。

 

 

 最後まで、お父さんは何かを許してほしそうだったの……リヴィは何もしていないの、されてもいないの、お父さんはずっといい子だったのに……リヴィには分からない。

 

 でも、リヴィにも、わかることは一つあるの。

 

 もう生きていけない、その程度のことを。

 

 水も電気も止められて、リヴィちゃんは何も出来なくて、最後に残ったのはスズランの花瓶、お父さんの形見だけ。

 

 

「お父さん……お母さん……リヴィ、いい子にしてるから……ずっと……いい子にしてるから……」

 

 

 無性に喉が渇いて、でも水は出なくて……眼の前にあったスズランの花瓶に、僅かに残った水を見つけて……思わず飲んでしまったの……。

 

 

「うぅ……くる……しぃ……」

 

 

 大好きなスズランが大好きじゃなくなる、スズランに毒があるという話を誰かに聞いたことがあったのに、大好きが大好きじゃなくなることを恐れて、忘れていた。

 

 朦朧とする意識の中で、このまま眠れば、お父さんとお母さんの所へ行けるかもしれないと思って目を閉じたの。

 

 

 “いい子でいるのよリヴィ”

 

 “君は……助ける人になるんだろ? ”

 

 “あー、だー”

 

 

 温かい夢を見たの。

 

 リヴィに笑いかけてくれるお父さん、お母さん、そして小さな体でリヴィにしがみついている、妹……そのどれもが愛おしくて、このままでいたいと思っていたのに。

 

 

 このままじゃ、お母さんもお父さんも、妹も、リヴィが居なくなったら誰が思い出せるんだろう、そう思ったら体の奥から力が湧いてきて……いつの間にか気分は良くなっていた。

 

 

「そう……リヴィちゃん、まだ……会えないのね」

 

 

 スズランの花を一口食べる、とても苦く、甘く、良い香りがした……きっと間違った感想なの、でもリヴィはそう思ったの、だからこれでいい、リヴィちゃんは毒なんだから、毒、お父さんを殺した毒なの。

 

 

 きれいな花も、幸せだと思っていた時も、分からない“毒”があるの、その毒はきっと見過ごしてはいけない、お父さんがそうだったように長い苦しみを味わうことになる、スズランがそうだったように死を見ることになる、でも向き合わなければ、知らなければならない時がある。

 

 お父さんはきっとお母さんとそのお腹の妹を助けられなかった事をずっと悔いていた、それはお父さんにとって凄まじい猛毒だったの、その上にリヴィちゃんもお父さんの毒になってしまったの、毒に耐えられなかったお父さんは死んでしまった、リヴィのせい、でもリヴィは生きるの、家族を忘れないために。

 

 不幸の毒で悲しい最期を送ってしまった哀れな家族がいたということを忘れない為に。

 

 

 

 

 それから……色々とあって。

 

 

 

 

「リヴィ、その力を我らドミニオンのために……使ってみないか? 世界を変えよう、共に、お前のような不幸なものを生まない世界を作るのだ……」

 

 

 アクダーマ総統に助けられ。

 

 

「リヴィ、その……ぬいぐるみは好きか? オレので良けりゃくれてやるぜ?」

 

「私はラウム、……その年で怖がる素振りもないとはな、何か欲しいものがあれば……遠慮なく言っていい」

 

「はぁいリヴィちゃん……色々あったのは聞いているわ、四天王なんだから仲良くしましょう? さみしい時は何時でも添い寝、してあげるわね」

 

 

 四天王の皆がいて。

 

 

「んんっ……リヴィ、肩車ならしてやったろう」

 

「お兄さんの肩がいいんですの!」

 

「……わかった、ナンバー2なのになぁ……」

 

「あはははは! 高いですの!」

 

 

 ナインラインのお兄さんがいる、そんなドミニオンが家族なんですの、リヴィちゃんの本当の家族はもういません、でも忘れません、リヴィちゃんは毒です、でも毒使いなんです、だからこれからのリヴィは……もう二度と不幸の毒で家族が死なないようにする事、それがリヴィちゃんの生き方なんですの。

 

 

「コラ、暴れないでリヴィ、いい子にしてくれ」

 

「……ふふ、リヴィちゃんはずっといい子ですよ!」

 

 

ええ!そうです!リヴィちゃんはずっと“いい子”ですよ!




本編に出すまでもないがキャラには必要な話は外伝として出すのが良いか。
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