格ゲーの悪の組織のナンバー2やってます 作:テムテムLvMAX
18コンボ目 世界進出ドミニオン!
巨大な地下施設の中に並ぶ無数の武装した黒服たちを見下ろすように、俺とアクダーマは演説台に立っていた。
ついに来たのだ、何が? 世界征服の時が来たのだ! 眼下に並ぶ二万の武装黒服たちがアクダーマの一声で直ぐ様行動する手筈になっている。
俺は正直ドミニオンが、引いてはアクダーマが世界をどうしたいのか、そこに興味がある……ナンバー2として俺はアクダーマを見て、出会いこそ最低だったが、本当に悪なのか、善なのか、見定めたいと思ったんだ。
アクダーマの演説が始まる時間になった、俺はナンバー2としてアクダーマの側に控えて、その演説に耳を傾ける。
「諸君、この日がやって来た……我々ドミニオンの本当の始まりだ、日陰に生きていた我々はついに表舞台へと繰り出し、我々の世界征服を始めるのだ! 手始めにとある一国を落とし拠点とする! その国とは……ここだ!」
アクダーマはマントを翻し背後にある巨大モニターを指さした。
俺の立場から把握している限りの情報を寄せ集めて考えて、侵攻する国はモナコ公国だと予想している、なんで予想かというとアクダーマは何処に攻めるとその日に決めると言っていたのだ、辞めてくれよ組織運営とかそういう所の話じゃねぇからそれ!
一応原作ゲームでもモナコ辺りだと暗示させる情報はあった、そこ変わらないだろう。
さてと、答え合わせと行こうか……俺はゆっくりと振り返り……モニターに映った文字を確認した。
「その場所とは……日本だ」
「「「「「おおぉーっ!」」」」」
武装した黒服たちはどよめき口々にアクダーマの名を呼んだ、地下施設を反響するアクダーマコールを浴びながら、俺は頭が痛くなった、たぶんこれが入院中に感じていた嫌な予感だったんだ。
よりにもよって日本かぁ、アクダーマには悪いが原作通りモナコあたりにしておけよぉ、何の気まぐれで日本を選んだのだ、アクダーマ、お前……格ゲージャパンは修羅の国だぞ?
俺が脳内ツッコミしている所でさらなる燃料が投下されていた。
「さらに、モナコ公国へも同時に侵攻する!」
「「「「ウォォォォォ──ーッッッ!」」」」
二正面作戦だってぇ!? ええい分かってて叫んでるのか黒服共め! キツイの君等だぞ?!
「日本とモナコの二点から世界を支配するのだ!」
アクダーマ、お前正気か? 急拡大は組織の分離が早まるぞ! と言うか日本を落とせる戦力ってある? あ、待て、そんな目でこっちを見るな、嫌だおい、言うんじゃねぇ!
「日本侵攻にはナインラインが筆頭となって指揮を執る! ナインラインならば日本の一つや二つ容易に落とせよう!」
「「「ウォォォォーッ!」」」
やっぱりかぁぁぁぁ……無茶振りきたな……なんでそんな事言うの、故郷を自分で落としてこいってこと? 何気に畜生じゃんアクダーマ……それとも善意で言ってる? どっちにしたって無茶振りには変わんねーよ!
「ナインライン、一言皆に言ってやれ」
「は? ああ……」
何も言う事考えてねぇよこっちは! そもそも俺の演説予定はなかったってのによぉぉぉぉ! んもぉぉぉぉ! やっぱワンマンで回ってる組織はダメだな……。
当たり障りない言葉にとどめておこう、変なこと言って余計に自分の負担増やしたくない……あーでも故郷に武力行使とか後が怖いな……俺って善人だからそんなことしたくない〜……なんとか闘わない方向で日本落としたいよねって言おう、そうしよう。
「……えー、日本は戦わずして落とす方向で考えています、君たちは切り札だ!」
「「「「ウォォォォナインラインァァァァ!」」」」
「ほう、大きく出たなナインライン、私も期待しているぞ」
……これでいいのかなぁ。
「諸君! ドミニオンの世界征服を共に成し遂げようぞ!」
アクダーマが締めの一言を言うとこの演説は終わり、早速世界征服のために行動が始まった。
アクダーマはモナコ公国支配のために半分の軍隊を連れていった、俺は日本支配のため……とりあえず悩みながら手探りでやっていくつもりだ、ひとまずやる事は日本支配のための準備をする準備か。
「とりあえず日本に拠点作ろうか、一号二号、頼めるか?」
「りょーかい!」
「早速取り掛かります、要望はございますか?」
「そうだなぁ……二号と一号の部屋でも作っときな、二人にも手伝ってもらうからさ」
「おぉ……分かりました、そのように手配します」
「二号、分かってるだろうけど穏便にな」
「もちろんです、行くよ一号」
「待ってよ〜」
拠点はこれでよし、後はどうやって日本を落とすかだよな……俺としては穏便かつ穏当にことを済ませたい、政治とか軍事で支配なんて考えてない、ただ国の指導権を欲しいだけだし政治家に接触でもして
裏から糸を引くってのもありだな。
ナンバー2って楽じゃねぇな……もうちょっと役得とかないの? ないか。
「ナインライン〜?」
「カエディか……何のようだ、今日本支配のために策を練ってるんだ、邪魔するなら摘み出すぞ」
珍しい、カエディが俺の執務室へ訪れた、アンヌにさらわれた時茶化しに来た以来の直接対面だ、いったい何をしに来たんだこいつ。
「そう邪険にするなよ、なぁ、マジな話だけど、オレを使ってくれねぇか?」
「どうした急に? 用があるならホットラインがあるからそちらから「ちげぇ」ん?」
「ちげぇんだ……これは四天王カエディじゃなくて、カエディ個人で頼んでんだ……姐さんたちに話を通したくないんだよ」
「ほーん……」
カエディ、なんかあったのか……? 日本に因縁あるとかそう言うのも無かったように思えるが……まぁ戦力は多いほうが良いか。
「分かった、カエディ、日本での活躍を期待する」
「おお! マジか! すまねぇな!」
「所で他の四天王はどう話を付けるんだ?」
「それなら問題ねぇ、姐さんたちは総統について行ったからな……後で何を言われるかわかんねぇけどな! ハハッ!」
「なら、いいか……」
「しっかり働くから心配すんなよ、邪魔するやつは全員ぶん殴ってやるぜ、ヒヒッ」
問題児め……。
さてと、俺も頑張るかねぇ、腐ってもナンバー2だから、アクダーマの期待を裏切るわけには行かないな。