格ゲーの悪の組織のナンバー2やってます   作:テムテムLvMAX

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19コンボ目 犬と鳥

 人が行き交う大都市の交差点に俺とカエディが立つ。

 カエディが俺の護衛をする約束で日本侵攻についてきたのだから、まず日本の空気に慣れてもらうと言うことで連れてきた、大都市東京のスーパー交差点である例のあの場所に。

 

 右も左も前も後ろも人人人、普通に考えてこんな所人が住む環境じゃないよなと、ゆとりある環境で育った元田舎者の俺は思ったりする、カエディもこの人の多さに少し圧倒されているようだ、大丈夫、俺もそうだったから存分に驚いとけよ。

 

 

「ここが日本、か……良いところじゃねぇか、なぁ……人が多すぎるってのは気に入らねぇけど」

 

「そうだろうな、俺もこれはつらい」

 

「でも良い生活してたんだろ」

 

「いいや全く、普通さ普通」

 

「ホントかよ……ナンバー2のくせに前歴が普通なワケねぇだろ」

 

 

 うるせぇ俺以外が全員ぶっ飛び過ぎなんだよ、分かるか問題児? アナタが一番の問題児だよ? 今だってそうだ、この問題児はルックスだけは一丁前に整えてやがる、俺が側に立ってるにも関わらず貫禄出てるのはカエディの方だ、従ってカエディがリーダーに見えてしまう。

 

 俺か? 俺は苦労した分生え際が後退した気分だよ、コイツの手綱取りでな! 

 

 

「うわぁ〜すっごい美形の人いるよ……」

「アイドル? モデル……? すご……」

「男装か……あ、違う……男だ……!」

「……やるな、アイツ♂」

 

 

 現在進行系で行き交う人々がカエディに釘付けだ、最後のだけは少し毛色が違うが……まぁ似たようなもんだ。

 

 カエディは荒い言葉遣いと野性味溢れる戦い方をするが見た目は真逆でな、ともすればお嬢様にも見えないことはないんだ、キレやすく落ち着きのない猛獣みたいなもんだから品性や気品さとは無縁だけど。

 

 

「もう良いだろ、違う所へ行こうぜ」

 

「ああ、次はアキバだが」

 

「人が多いンだろ! 辞めてくれよ……分かったから、作戦練りにアジトへ帰ろーぜ、かったりー」

 

「はいはい」

 

 

 人の多さにくたびれたカエディを引き連れ、日本に作り上げたドミニオン日本攻略基地へと帰還する、基地の位置は首都東京、第二の首都大阪へのアクセスと基地の秘匿性を考慮し奈良の山奥に作り上げた、この位置取りは俺が提案したが、それ以外は優秀な黒服一号と二号に任せてある。

 

 今日が初めてその基地へと入るとあって俺もカエディも少しばかりソワソワとしている、秘密基地を作った男子諸兄らには心当たりがあるだろう、このソワソワ感に。

 

 東京から新幹線で奈良に向かい、そこから迎えの車に乗り換え、すぐに基地へとたどり着いた。

 

 

「所要時間は1時間位か、高速道路を使えば車でも同じ時間でたどり着けるなぁ、さっさとトーキョーを叩いてこの国を機能不全にしちまえば楽な仕事になるなぁナインライン様よ」

 

「あぁ、だが、そう簡単には行かない……」

 

「んだよ、暗いな?」

 

「思うところがあるのさ、さぁ中へ行こう、続きを聞かせてやる」

 

 

 色々とあるのさ、この立場だと色々な、ただのナンバー2じゃねぇ前世持ちのナンバー2だからな俺は……。

 さてと、そろそろ中へ入ろう。

 手下たちに案内させて基地へと入るとそこは……なんだこれは……? 

 

 

「……なんだぁ? おい……画廊かこりゃ」

 

「いやなん……これ……?」

 

 

基地に入ってすぐ絵画が並んだ白い廊下がドンと目に入った、カーペットは赤く奥まで続いている、この光景どこかで見たな、具体的にはテキサスあたりで。

 

奥から歩いてきた、誰かが、もう少し近づいて来てやっと気がついた、サンティだ。

 

 

「ナインライン様、おかえりなさいませ」

 

「誰だてめぇは」

 

「サンディと申します、お見知り置きを」

 

 

 サンディさんなんでここに……あと黒服一号と二号はなんで彼女の後ろに控えているのかなぁ〜おっかしいなぁ……この基地のことは彼女に伝えてないはずなのになぁ〜〜……

 

 

「どうぞ奥へとお進みください、お茶の支度が出来ております」

 

「サンディどうしてここにいるんだ?」

 

「あら? 私はナインライン様の側用人でございますよ?」

 

「ナインラインよぉ、オレから一言言うなら……やったなお前」

 

「何を!?」

 

「とぼけてんじゃねぇ、お前……実は女好きだってのは分かってる分かってる……じゃあオレは適当に部屋見つけてくるわぁ……後は2人でネッチョリやってな……ククク」

 

「あっ! テメーっ! 勘違いだってバカヤロー! と言うかネッチョリってなんだよネッチョリって!」

 

 

 え? なんで気が付かれた? どこでバレた……? 

 サンディの方はどう反応してるんだと見てみれば、カエディと軽く会釈して、その後少し急ぎ目にこちらへと寄ってきた。

 

 

「あの、バラされました?」

 

「いやいや」

 

「じゃああの男の……感覚だけで見抜かれたようですね」

 

「感覚かぁ……」

 

 

 なるほど……カエディ、お前すごいヤツだったんだな、煽り散らかすだけが仕事のビジュアル担当かと思ってたよ(精一杯の皮肉)。

 

 

「所でサンディ、どうしてここに?」

 

「一応支部長の娘ですので色々とツテを使いまして……こうして日本にいるのです、今後は私が基地運営に携わりますので、お役に立てるかと」

 

「黒服一号二号に任せてたんだが……」

 

「もちろん許可を貰いましたよ」

 

「そうなのか二人とも」

 

 

 そう二人に聞いてみれば頷いて答えた、どうやら本当に正式にこの基地に来たみたいだな、元々知らせるつもりだったけど、基地運営に関わるのかぁ……なんか一気に不安になってきたな。

 

 頑張って手綱握ろう、うん。

 

 犬と鳥か……次はなんだろうな、ウナギか?

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