格ゲーの悪の組織のナンバー2やってます 作:テムテムLvMAX
唐突だが悪の組織に限らず、組織というものに絶対必要な物は何でしょうか?
人 材 確 保 !
ドミニオンという組織、蓋を開ければ俺が来る以前はアクマーダのサイキックパワーによる精神同調による催眠術で言いなりになる人形“黒服”を集めていたらしい、そしてめぼしい才能を持つ者には俺のようにスカウト(誘拐)もしたいたりする。
言ってみれば誰も合意してないんだよなんだよ、組織の九割九分九厘、だから雑魚はマジで雑魚なので簡単に蹴散らされる。
しかし、アクマーダの悪のカリスマ性に惚れ、心酔する者も確かにいる、それを集め競わせ、才能を磨き合わせ、最後に残った四人を四天王と呼んで重用しているんだ。
四天王はアクマーダも一目置く実力者揃いで、原作通りだとヒーロー達との因縁がある4人だ。
こんな話をしたのも今日、今になって、初顔合わせするからだ、俺と同時期にスカウトしたって話だが……数年顔を合わせたことがないの地味にハブられてないか俺。
「ナインラインよ、四天王は我の忠実な手駒だ、お前も顔を合わせておくと良い、4人の予定が合う事は早々ない、有意義な時間にせよ」
「ええ〜同期なのに数年顔合わせてない他部署の人間みたいなもんですよ、今更顔合わせします? 悪の組織が」
「だったら問題が? それと悪の組織ではない、ドミニオンだ」
「……申し訳ありません」
アクマーダのサイキックオーラに屈して渋々と四天王と顔合わせすることに、一応俺の話聞いてくれるあたりいい奴なんだろうけどやり方が力ずくなのはやっぱ悪の親玉。
数年経って更に強くなりやがったな……俺だって事務しながら鍛えてんのに……
とにかく四天王と顔合わせしないといけない、俺としては合わせたくない、理由は明快、奴ら例外なく人生捧げる程アクマーダに入れ込んでるんだよ、原作通りなら。
つまりナンバー2の存在が許せない奴らである。
俺もサイキックパワーを持っているが戦闘特化の四天王には流石に負けるだろう、しかし舐められて無茶振りされたらスケジュール調整したりパソコンと格闘(比喩)しないといけない、俺の業務量削減のために舐められないナンバー2を演じねば!
「見た目から入るか……」
俺は自室へ戻り服を着替えた、決戦の場所となるだろう応接室へ歩みを進めた。
◆
「リヴィ、ラウム、カエディ……総統が会えっていう例のナンバー2……どう思う?」
アタシは四天王のマリア、四天王のまとめ役って所さ、今日は総統の要請でアジトに集まったが……どうにも同期って話なのに、こっちに一切話が回ってこなかったナンバー2ってのがいるらしいじゃないか……バカな話があったもんだよ、この四天王を差し置いてナンバー2を“名乗っている”とは……随分太え神経してるじゃない。
「リヴィ〜的には〜う〜ん、気に入らなかったら殺っちゃえばって感じ!」
この子は元気な末っ子気質の毒使いリヴィ、天真爛漫な少女の姿で油断させて毒で殺す暗殺者、対毒体質を備えたサイキッカーとして生まれたばかりにとある組織に攫われ、暗殺者に仕上げられた、そこを総統が助けた事でリヴィは総統に忠誠、いいえ彼女の場合は親愛かしら。
「総統閣下の世界征服に支障がなければ、私はナンバー2の存在も良いと思いますが……ですが、総統閣下の意向に背く気配あらば……即座に、この刀の錆にしましょう」
最年長のラウムはサイキックパワーを持たないただの人間、だけど類稀な剣の才能と、世の変革を望む願望は人一倍ね、過去にとある忍者と袂を分かって己の正義の為に総統の元に現れたって話。
一番お硬い男よ、話していてもつまらない、でも、総統への忠誠心は人一倍よね、いざとなったらすぐにでも各国要人を殺して回って世界大戦の引き金だって引くでしょうね。
「カエディ……だんまりなの? 一番おしゃべりさんなのに」
「ちょっと考えてたんだよ……ナンバー2って名乗るってよ……それは自分が総統の“右腕”だって言ってんのと同じだよなぁって……つまり、オレたちより強いんだろ……くくく、随分舐めた態度じゃねぇか、出会い頭にぶっ殺されても文句ねぇよな」
この粗野な男は狂狼のカエディ、サイキックパワーの出力が一番高い男で総統に次ぐ実力者と組織内で噂されるほど、このワンちゃんが拾われたのはアメリカのストリートで喧嘩に明け暮れるカエディを見つけた総統が拾ってきたのよ、餌付けして飼い慣らした上でね。
なんでこんな奴も四天王に数えられるほど取り立てられているかと言えば実力だけじゃないの、総統の作る世界に、力の支配する世界にコイツなりに希望を見出しているのよ。
「では、最後にリーダーの番だな」
「あらぁもう私の番なのね、アタシはねぇ……」
__カタ……カタ……
「いやん、そろそろナンバー2のご到着よ」
「聞こえた、足音だ……身長180前後、体重70、体型は痩せ型……ふむ、面白い……素人だ」
ラウムが足音から即座に対象の情報を予測する、いや、この場合は言い当てたのよ、ラウムはサイキックパワーに頼らない五感の扱いがずば抜けているの。
そのラウムが素人と言い切った、つまり……ナンバー2は四天王に及ばないってこと、期待外れね。
その事を聞いて喜ぶのは、カエディ。
「ほほ〜、つまり総統に取り入って右腕にしてもらったって事かぁ〜? 何も成果を上げず力も見せずにぃ〜?」
__コンコン、コン
応接室の扉からノックが聞こえてきた、それと同時にカエディの坊やが右腕を上げて待つ。
「ナインラインだ、失礼する」
そう言って入ってくる男、そして同時にカエディの右手から弾かれて飛んでいく弾丸のようなエネルギーの塊。
__パァン!
「ぐぅ……!?」
眉間にジャストで当たって、ナンバー2、ナインラインって名乗ってたっけ、優男だったけど、死んじゃった。