格ゲーの悪の組織のナンバー2やってます   作:テムテムLvMAX

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戦いの流れを掴む者こそ強者である。


4コンボ目 戦いはリズムで決まるのさ

 __ラウム! お前のやり方は間違っている! 

 

 __黙れ……! ならばお前とはもうここまでだ! 

 

 

 昔の記憶が思い出される、あれは私が“奴”と違う道を進もうと決めた日でもあった、光の道を往く“奴”と日陰の道を往く私、後悔はない、むしろ良い選択をしたと安心すらした。

 

 そんな私を総統閣下は私を受け入れてくれた、総統閣下は私の事を認めてくれた、私が全力を傾けて尽くすに値するお方だ。

 

 これで良い、これが良い、今の私は四天王という仲間もいる、最年長の私に頼ってくれるし、頼りもする仲間たち……。

 

 時折、酷く寂しい夢を見るのは……何かの間違いなのか。

 

 

 そろそろ目の前の戦いに思考を戻そう、ナンバー2の実力を測る、それが今やるべきことだ。

 

 

「さて……準備はいいか?」

 

「いつでもどうぞ、俺のファイトスタイルに準備は必要ない」

 

 

 ナンバー2、ナインラインは構えていない、親指をポケットに引っ掛けるように入れて立っているだけだ、まず私なら初手で切り刻める、ナンバー2の来歴は知らないが身のこなしは本当に素人丸出しだ、一人も殺したことが無いのだろう。

 

 だが油断はしない、サイキックパワーを持っているのだからな。

 

 

「んじゃあそろそろ始めてくれよ? ほら観客を楽しませてくれよナンバー2ぅ〜」

 

「おじちゃん頑張れ〜! リヴィ応援してるよ〜!」

 

「は〜いじゃあアタシが合図するわね、死合開始〜」

 

 

 いざ、参る。

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 

 

 

「死合開始〜」

 

 

 __ザンッ! 

 

 

「くっ!」

 

 

 マリアの甘ったるい声で死合が始まる、俺は先ず出方を見るために後方へ下がりたいが、素早く踏み込んでくるラウムの刃が目に映り、その脇を転がるように避ける。頭上を薙ぎ払うように刀が通っていった。

 

 

「避けたか」

 

 

 セリフとは裏腹に回避した先に振り下ろされる刀、これも避けようと飛び退くと、先ほどまでいた場所が爆ぜた。

 

 

「刀を突き立てただけでなんて威力だ……」

 

「しゃべる暇があるのか?」

 

 

 ラウムが刀を振り回すと斬撃が飛ぶ、それを打ち消すために俺がサイキックパワーを溜めようとすると、脇に痛みが走り、体が浮いて飛んでいく。

 

 

「脇が甘いな」

 

「くっ……いつの間に……」

 

「私の飛ぶ斬撃、“飛閃翔”に目を取られていた隙に」

 

「1秒無かったが……それを隙と呼ぶのか……」

 

 

 おいおいこれ勝てるのかよ、飛び道具追い越してくるな、ズルだぞ、リアルでゲーム以上の事されたらいよいよ太刀打ち出来なくなるぞ……

 

 ゆらりと方向転換しラウムは俺に刀の切っ先を見せつける。

 

 

「次でその首落とせるな」

 

 

 予告、今の流れで俺の動きを読み切ったとでも言うのか、それともただの威嚇か、どちらにせよ俺が素直にラウムに勝てる要素はない、頭を使いなんとか生き残るんだ。

 

 そう言えば原作で対面有利だったのは“ライコウ”。サイファーと言う組織の頭目、素早い動きのテクニカルなキャラだった。

 一撃の重いラウムにライコウの動きは有利に働いた、当身の有無もあっただろう、飛び道具の性能も差があった。

 

 当身か……やってみるか……土壇場で成功なんてしないだろうが……

 

 

「はぁぁ……」

 

「今日のラウムは気合い入ってんなぁ」

 

 

 やらないと、なんか死にそうな気配がする、タメの動作に入ったラウムの闘気とも言うべきオーラが、サイキックパワーで守ったとしてもぶち抜いてくるような……いや確実にぶち抜いてくる気配がある。

 

 

「殺ッッッ!」

 

 

 突っ込んできた?! お前それ超必殺だから3ゲージ溜めろよぉ! 

 

 

「死ねぇい!」

 

 

 ギャァァァ! 当身! あーてーみー! 当身! 

 

 ここだ! 

 

 大上段から振り下ろされる防御不能の一撃に対して当身、いわゆるカウンターを合わせる! 超必殺に当身出来るのって質問に答えるとこっちも超必殺の当身なので俺が勝つ! 

 

 これがぁぁぁぁ! 当身ぃぃぃぃ!!! 

 

 

「チェストぁぁぁ!」

 

「……! 取ったぁっ!」

 

 

 両手で刃の側面を挟み込むようにして取る、これぞ真剣白刃取り! サイキックパワーで手を保護しつつ動体視力を引き上げて刀の軌道をしっかり確認してやっと成功したぜ、受け止められたが肩が外れた、重すぎる! 

 

 だが受け止めるだけが当身じゃないんだぜ、けど今回は追撃しない、相手が動揺していたからな。

 

 

「なっ……その技は……!」

 

「なにか?」

 

 

 ただの白刃取りに動揺するなんてやっぱりラウム過去引きずってるのかな、俺が組織を抜ける時誘ってやろうかな。

 

 

「ひゅー! やるねぇナンバー2! 受け止めたやつ初めてみたなぁ!」

 

「おおー凄い! リヴィちゃんナンバー2さんを褒めちゃいますよ!」

 

「あらら……どうしたの? ラウム、貴方らしくないわね」

 

 

 外野がうるさいな、動揺してる内に刀取り上げよう。

 

 

「はぁっ!」

 

「ぬっ!?」

 

 

 両手で握り刀を乱暴に取り上げる、刃を握る分にはサイキックパワーのおかげで怪我はしないようにできる。

 

 よし、これでもう勝負ありだろう、武器を取り上げられた剣士は負けを認めるしかないぞ? 

 

 

「まだやるかね」

 

「……ふ、私としたことが……降参だ」

 

 

 やれやれ……生き残ったようだな。

 

 

「ナンバー2、いやナインライン……貴方の強さを認めなければいけないようね」

 

「やっとですか、マリア、で、貴方も戦うと言い出したりしませんよね」

 

 

 牽制牽制、してかないと第2ラウンド突入しそうだからな……やめてくれよ命がけなんて人生にそう何回もしないんだよ。

 

 マリアはクスクスと笑って俺の言葉に答えた。

 

 

「やらないわよ〜流石にラウムに“手加減”出来る人間と戦いたくないわね〜」

 

 

 誰が手加減なんかするかボケーッ! そんな余裕あったらそもそも悪の組織なんかに入ってないんだよ! 

 

 

 

 

 

 

 

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