格ゲーの悪の組織のナンバー2やってます 作:テムテムLvMAX
「あれやってこれやって……なんか足りねぇ、おい黒服1号隣の資料室行って全支部の過去2年分の帳簿持ってきて」
「はっ!」
「黒服2号、“ドミニオン軍”の規模はどこまで膨らんだか把握してるか?」
「現在は目標の八割、10000人が訓練を受けすぐにでも行動可能です……装備の配給が遅れ予定よりも遅いですが」
「データ持ってきました」
「はいどもー……んーやっぱおかしいな、計算が合わねぇ帳簿が混じってんな……」
あーやだやだ、四天王を無事にやり込めたと思ったらまーた忙しくなっちゃったよ、理由は簡単、本格的に世界へ宣戦布告する為に軍備を整えているからさ、武器や衣料品、医薬品、裏ルートだけで揃えるのも一苦労だから表の流通経路も使って気付かれないようにやりくりしてたんだが、どうにも計算と合わない項目が出てきた。
こうなると何が違うのか調べないといけない、だから忙しいんだ。
「やはり支部長クラスでの不正があるに違いない……ナンバー2であるナインライン様の手を煩わせるなど……!」
「待て黒服2号、迂闊に探るとバレるぞ、それに証拠もない内に支部を探るような事して本部が信用を損なう事があっては駄目だ、他の支部の動きも見つつ静観するだけでいい」
「はっ……了解しました」
1号ちゃんは良いんだけど2号くん思想が強いんだよなぁ、そんなに世界に恨みがあるのってくらいドミニオンの活動に熱心なんだよなぁ、1号ちゃん見習って……いや見習わなくていいや、あの子バカみたいに適当になる瞬間あるし。
ま、そういう話もそこそこに昨日の話をしよう。
あの後四天王から一定の信用を貰えたらしく、マリアからいつでも四天王を呼び出せるようにホットラインを貰った、あくまでもナンバー2として要請した時のみ応じるそうだ。
四天王に関してはしばらくは様子を見つつ馬鹿なこと言い出さない限りはこちらもきちんと対応すればまず間違いないだろう。
で、残る直近の問題はさっきから言ってるように各国に散らばるドミニオン支部の実態調査と、出来れば組織体質の改善かな。
俺がここまでやる必要は無いと思うがやっとかないと俺の業務に支障が出る、と言うか出てる!
勝手に暴れて街一つぶっ壊しそうな奴らとか勝手に街を乗っ取ってドミニオン名義でマフィアの元締め紛いな事してる奴らとか逆に一切報告せずに遊んで何もしてない奴らとか平気で居るんだ、支部に。
もう全部こっちで直轄しようぜ、あいつらの話聞いてるだけで頭が痛いよ、真面目にやってる俺が馬鹿みたいじゃないか、でもアクマーダ総統が支部は支部長に任せる方針だからさぁ、そのしわ寄せは俺に来るんだよね。
ただでさえ本格的に国攻めしようとしてる前なのに誰もその事に皆で一致団結とかしない、悪の組織らしくて良いけどただただ辛い。
やっぱあれか、舐められてんだな、顔も知らないナンバー2の事舐めてんだよな、四天王だってナメナメに舐めてたんだから支部長の奴らも舐めてんだろうな……
「よし、一旦業務を切り上げて支部長たちと顔合わせしてくる、と言うことで後は任せるぞ黒服1号と2号!」
「はっ」
「了解しました!」
最初からこうすりゃよかったんだよ、何でしないのかと言えば一人じゃ怖いからってだけ、今回は助っ人呼んで支部に乗り込んでやるぜ。
◆
ドミニオンのいくつかある支部の内、主要な四つの支部には四天王が居るが、それ以外の支部にはある程度実力のある組織運営出来る人間が割り当てられている。
今日はそんな支部の一つ、ドミニオンのオーストラリア支部に来ている、一人ではないぞ、助っ人がいる。
「まさか支部の見回りに同行者として私を指名して来るとは思っても見なかった、ナンバー2……いや、ナインライン殿と今は呼ぼう」
「ラウム、来てくれたようだな、今回はお前でなければならないんだ」
「そうか……何を期待されているのか把握しかねるが、善処しよう」
うーん頼りになるぅ! ラウムを選んで正解だな!
そんなラウムと目指すのはオーストラリアはシドニーにあるドミニオン支部、支部長を務めるのはアンヌって言う女海賊風のサイキッカーだ、元はイギリスでスカウトして来たらしいが本部の空気が合わなくて支部に勝手に移ってそこの実権握って支部長やってるヤベー奴、実力主義万歳な総統はそれを認めたもんだからオーストラリア支部の統制ボロボロなんじゃないかなーって思ってんるだが……どうだろう。
オーストラリア支部に依頼していた物品が滞って居るのは事実だし、改善命令だして改善しなかったらクビにしてやろ、こちとらナンバー2よ! 抵抗してきたら? そらもうラウム先生の出番ですよ! 正面戦闘させたらクソ強いのは実感してますんで。
……どうしたんだろラウム、凄い俺を見つめてくる、なんかした?
「ラウム、何か言いたいことがあるのか?」
「その……ナインライン殿、時に……サイファーと言う名前に心当たりはあるか?」
「ぎょっ……と、してないぞ、してない……聞いたことはあるがどういう物だとは把握してない」
「そうか……ジャパン出身のナインライン殿なら何かつかんでいると思っていたんだが……」
いきなりサイファーの話されてもな……こっちは原作知識で僅かに知ってるだけなんだから……
あ、ちなみにサイファーって称号なんだよ、ドミニオンとは違う正義の為に動く裏組織“ヤシロ”の頭目に受け継がれている名前だ、ヤシロ自体は日本の戦国時代から続く忍者の一族が裏から世界を平和にしようと立ち上げた歴史の古い組織だが、サイファーと言う称号を使い始めたのは明治維新後にハーフの頭目が生まれたからだそうだ。
ラウムはそのヤシロの次期頭目候補だったが同じく頭目候補だった親友と仲違いして闇落ちって流れでドミニオンに来たわけだな。
ヤシロ周りを詳しく知りたいなら外伝作品で……と言うやつだな。
ま、こんな話を聞かせてやる義理はまだ無いのである。
「ラウム、まずはコチラの目的を優先させてもらうぞ」
「あ、あぁ、変なことを聞いたな、四天王として務めを果たそう」
いざ、オーストラリア支部へ!
どっかで四天王のプロフまとめて置いておきますね