格ゲーの悪の組織のナンバー2やってます 作:テムテムLvMAX
__ラウムとナインラインが死合をして勝敗が決した後。
「ふ……これで四天王各自、俺をナンバー2と認めると言うことで問題ないか? では俺はこれで……この部屋の片付けは手配しておこう……色々と壊してしまったからな……では」
私が負け、四天王がナンバー2、いやナインライン殿を認め命令に従う事になってしまった。
ナインライン殿が応接室を去り、残った我々四天王は皆マリアの顔色を伺った、マリアは四天王が何より自由であることを誇りに思っていたからだ、その意に反するナンバー2の存在に一番腹を立てていたのは間違いなくマリアだった。
それだけではない、マリアは……いや……これは考えるだけ野暮か……。
ともあれ、負けてしまった以上私はマリアへ頭を下げた。
「リーダー……いや、マリア、その……すまない」
「……いいのよ、ラウム、ただね……なんで総統はナンバー2を四天王から選んでくれなかったのかしら……そんな考えばかり頭に残っちゃってね……嫌よね〜」
確かにマリアの言う通りだ、なぜナンバー2にしたのだろうか、総統閣下の御心は時として計りかねるが、それにしたって四天王を結成してしばらく時を置いてから「ナンバー2を立てた、そのうち顔を合わせる」と言っていた。
四天王になんの言葉も無しに、そんな事をするのかと思ってしまった。
「リーダーかなしいの?」
「いやぁんリヴィちゃん心配しないでね」
「んでもよぉ、納得いかねぇなぁ……理由はなんとか聞き出せねぇのかよぉ?」
「総統を疑いたくはないわ、でも尽くしてきた私達を蔑ろにするような事して欲しく無かったわねぇ……」
このマリアの言葉に皆思うところあるのか、この場はすっかり静まり返って、ただ静寂の時間が流れた。
……確かにマリアの言う通りだ、我々四天王が総統閣下の元で働いて来たのは一重に総統閣下の理想の為、もしくは総統閣下の為だ、四天王の誰もが誰よりも総統閣下の側に仕えたいと願っている、それなのになぜ……そう思う事は不自然ではないはず。
不意にカエディが口を開く。
「なぁ、逆にナインラインがよぉ……四天王に選ばれなかった理由も分かんねぇんだよな……」
「確かに……カエディの言う通りか……」
「同じタイミングでドミニオンにスカウトされてんだ、それで素人ながらラウムに太刀打ちできるサイキッカーな訳だろ? でもってナンバー2に指名される忠誠心もある……先に四天王が存在してたんだからよ……こっちにまず来るはずだよなぁ……となると四天王に出来ねぇ理由があった、って考えるわなぁ……」
カエディは本能で動くタイプだが、それゆえに直感から来る考えも的を得ている事が多い、確かに先に四天王を作っているのだから四天王候補として来る方が順番として考えやすいが……わざわざナンバー2とした理由、それは何か。
カエディはどう考えているのだろうか、続く言葉を待った。
「……次期総統って、事か?」
「「「はぁっ!?」」」
「悪りぃけど突拍子もない思いつきだなぁ……こりゃ」
「いや……驚いたが、普通にあり得る話だ、組織のトップがいつまでも変わらずに生きていられる訳では無いからな、四天王だってそうだろう……いつかの為の備え、と考えるなら自然だろう」
カエディの話は的を得ている、私はなぜその考えにたどり着けなかったのか不思議なくらいだ、そう、次の総統だ、普通のことではないか、次の事を考え次の為に準備する、当たり前にある事だ。
カエディの言葉に乗っかるように私の意見を述べたが、マリアもリヴィもその考えに納得したようだった。
「そうよねぇ……次期総統って事なら普通よね、ナンバー2なんて……」
「なんでそれが思いつかなかったのか、と言えばアクマーダ総統についていこうって考えたからだなぁ俺たちが」
「どういうことですか? リヴィちゃんわかんなーい!」
「つまり、俺たちは総統個人についていこうとしたが……総統は組織全体を引っ張っていこうとしているってことだ、その組織が残るように自分の代わりを見つけないといけないんだよ」
「難しいことわかりませーん!」
「んじゃあリヴィちゃんこう覚えてね、総統の代わりにナインラインがお家を管理していくの」
「分かった!」
「オレの説明と大し変わんねぇだろ……」
「こう言うのは噛み砕いて説明するのが大事なのよ? 分かるかな子犬ちゃん?」
「(なーにが子犬ちゃんだ3桁歳の魔女がよ……)」
カエディ、顔に出ているぞ、私でも分かるのだから、今すぐ不服そうな顔をやめたほうが……あぁ、マリアの制裁を食らったか。
ともあれ、ナンバー2が必要だった理由が見つけられた、我々四天王はアクマーダ総統閣下にいつまでもついていく、しかしその時が来た時はナインライン殿を総統閣下としてついていくのか、やはり、その時になってみなければ分からないな。
「じゃあひとまず解散しましょう、それぞれやることがあるでしょうしね?」
久しぶりの四天王集合だった、また時が合えば集まりたいものだ。
それからしばらくのこと。
「む……連絡か……誰からだ……おぉナインライン殿か」
山奥での修行中にナインライン殿から呼び出しがあった、なんでもオーストラリア支部に顔合わせに向かう為、護衛として私が必要だという。
正直護衛など要らないだろう、私に勝った男なのだから。
その旨を伝えると返ってきた答えはある意味懇願とも取れる内容の文章だった。
「“ラウムで無くてはならない、一番に頼れるのはお前だけ”か……そこまで言われてはな……あいわかった」
それほどまでに私が良いと言うなら、仕方ない、私に勝った男の願いを聞いてやろうではないか、それにあの技、白刃取りの動き……私に合わせたあの動きは……サイファーと見まごう動きだった……何処かで習ったとしたらそれは……今は道を違えた身だが、一生の友情を誓った仲、気になりは……する。
いつか、願わくば……再び共に歩けないものか……