転生したら超次元サッカーの世界だった件について   作:山野彩

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帝国学園との試合前の出来事です。


12.帝国学園との試合(地区大会決勝)

決勝戦当日、帝国学園に到着した雷門イレブン達。

 

 

「気をつけろ!バスに細工してきた奴らだ。壁が迫ってくるかもしれないぞ!!」

 

 

「監督が選手を揶揄うなんて!!」

 

 

 

響監督に揶揄われながらも雷門イレブンに用意されたロッカールームに到着した円堂達。中から出てきたのは鬼道だった。

 

 

 

「無事についたみたいだな。」

 

 

「なんだよ!まるで俺たちが事故に遭えば良かったみたいないい方しやがって!!」

 

 

「安心しろ。何もしていない。」

 

 

(ロッカーが安全かどうか調べてくれたのかも…」

 

 

 

ロッカールームで準備する雷門イレブン達。帝国学園に対する不信感が拭えないでいた。

 

 

 

「ちょっとお手洗いに行ってくるね。」

 

 

 

「何があるかわからん。気をつけて行けよ。」

 

 

 

響監督に忠告され、頷く彩。しかし…

 

 

 

「どこだ…ここ…広すぎない?」

 

 

 

トイレから戻ろうとした彩は広すぎる帝国学園で道に迷っていた。

すると、ある男性が彩の前に現れる。

 

 

「山野彩くん、だったね?初めまして。私は帝国学園の総帥、影山零治。」

 

 

 

 

(影山!?まさかこんなところで会ってしまうなんて!)

 

 

 

「帝国学園の総帥が、私なんかに何のようで…?」

 

 

 

「雷門中との練習試合の時、君の化身を見せてもらったよ。実に素晴らしいものだった。私が君に会いにきたのは、是非その力を我が帝国学園の為に使って欲しいと思ってね。ようするにスカウトしにきたんだよ。世界でも化身を使う選手がいるとは聞いていたが、実際に見たのは円堂守と山野彩、君達が初めてだ。」

 

 

 

「せっかくのお誘い、ありがたいですが、お断りさせていただきます。私は守や一郎太達がいる雷門中でサッカーをしたいんです。」

 

 

 

「おやおや。残念だ。君が我が帝国学園に来た際には貴重な人材として隅々まで検査しようと思ったのに。ねぇ?異世界からきた転生者よ。」

 

 

 

 

「……!?なぜ、それを……!?」

 

 

 

彩が驚きに目を見開く。彩がこの世界に転生したのを知っているのは神様であるユウとゴッドエデンに住むシュウだけなのだ。円堂や風丸にも話した事はなかった。

 

 

 

「なぁに、君の保護者である神城ユウは私の知り合いの財閥社長のライバルでもあってね。財閥社長からの依頼で神城の周辺を調べてみたら君の事が出てきて、パソコン等調べたら転生者だと書いてあったんだ。最初は半信半疑だったが、帝国学園との練習試合で化身をみて確信したよ。」

 

 

 

まさかの事態に彩は思わず後ずさってしまう。

 

 

(どうしよう!?どこに逃げれば…!!)

 

 

 

「そんなに警戒しなくてもいいさ。雷門中にいたいのなら好きなだけいればいい。私が欲しいのは君が操れる化身の能力。君は遅かれ早かれ、私の元に来るだろうからね。それまでせいぜい雷門中でのサッカーを楽しむ事だ。あっはっはっはっはっ。」

 

 

そう言って影山は去っていく。緊張感が一気にほぐれて脱力した彩は床にへたり込んでしまった。

 

 

(き、緊張したぁぁぁ。何もなくてよかった!けど、冷や汗が止まらないっ。まだ心臓がバクバクいってる…)

 

 

 

「「大丈夫かっ!?」」

 

 

その時、源田と佐久間が現れた。帝国のロッカールームに戻ろうとしたら影山と山野が話しているのを壁から見ていたのだ。少し距離があった為、話し声までは聞き取れなかったが。

 

 

「えっ、うん。大丈夫。ありがとう。」

 

 

源田に差し伸ばされた手を掴み、立ち上がる。

 

 

「お前、雷門イレブンの山野だったな?こんなところで何をしていたんだ?ここは帝国のロッカールームの近くだぞ?」

 

 

「えぇっと、トイレから雷門イレブンのロッカールームに戻ろうとしたんだけど、学園が広すぎて迷ったみたいで…お恥ずかしい。」

 

 

 

「総帥と何か話していたようだが、大丈夫なのか?」

 

 

 

「何もされてはないから大丈夫だよ。いきなり学園の先生が出てきたからびっくりしただけ。」

 

 

 

「ならいいんだが…」

 

 

 

「先輩達、何してるんです〜?」

 

 

帝国学園のロッカールームから出てきたのは準備をしていた洞面や成神達だった。

 

 

 

「あ、雷門の化身使いの山野先輩だ!」

 

 

そう言って洞面が近づいてくる。背格好が少林に似ている為、ぴょこぴょこ動いている姿が可愛くて頬が自然と緩んだ。

 

 

 

「ねぇねぇ。山野先輩、僕とLINE交換しません?僕山野先輩と仲良くなりたいんです!」

 

 

「おぃおぃ、試合前だと言うのに敵と馴れ馴れしくするんじゃねぇよ。そう言うのは試合が終わってからにしろ!!」

 

 

辺見が洞面に注意する。しかし洞面は辺見をスルーし、スマホを取り出した。

 

 

「そう言ってるから辺見先輩女子にモテないんですよ〜サッカー部の中でも人気ランキング最下位近いだけありますねw」

 

 

 

「なっっっ…!!」

 

 

図星を突かれた辺見は顔を真っ赤にした。

 

 

(さすがツンデレキャラと言われるデコ見…じゃなかった辺見。後輩にさえ弄ばれてる…)

 

 

 

すると帝国のメンバーが私の方をみて肩を振るわせている。どうしたんだろう?と思っていると我慢できなかったのか爆笑しだした。

 

 

 

「あっはっはっはっ。山野先輩、思ってることが声に出てますって。辺見先輩の事デコ見って呼ぶ人初めて見ました。笑いすぎてお腹痛い!」

 

 

 

「今まで辺見はこの面のせいで強面キャラとして近寄りがたい雰囲気だからそこまで言う人は初めてだっ。お前面白いな!」

 

 

 

「あ、ごめんなさい!!声に出てたなんて。失礼しました。」

 

 

彩がそう言うと帝国のメンバーはさらに爆笑しだす。

 

 

 

「お前らいい加減にしろ!!山野、お前もいい度胸だな。試合の時覚えてろよ!?」

 

 

 

そう言って辺見は先にグラウンドに行ってしまった。

 

 

「山野、また迷子になるといけないからグラウンドまで一緒に行こう。雷門イレブンもこの時間ならウォーミングアップしてるはずだ。」

 

 

グラウンドに到着後、帝国のメンバーに礼をいい、雷門のベンチに戻った彩を迎えたのは秋と春菜だった。

 

 

 

「彩ちゃん!中々帰ってこないから心配したのよ!?大丈夫だったの?」

 

 

 

「心配かけてごめん。トイレの後ロッカーに戻ろうとしたら道に迷っちゃって帝国イレブンの人達にグラウンドまで送って貰ってたの。」

 

 

 

「ならよかっ…「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」」

 

 

 

「「!?っ」」

 

 

 

秋と彩は宍戸の悲鳴が聞こえた為、驚いてグラウンドをみる。宍戸はフィールドに倒れており、周りには大きなボトルが何個か散乱していた

 

 

 

 

「もういたずらしましぇぇぇぇん!!」

 

 

宍戸が半泣きになりながら壁山に起こされる。どうやら壁山にちょっかいを出した時にボールを高く蹴り上げ、そのはずみでボトルが落ちてきたらしい。

 

 

 

「ったく、危ねぇな!!当たったらケガするところだぞ!帝国はちゃんと整備してるのかよ!?」

 

 

 

(確かに、サッカーボールが当たったぐらいでボトルが落ちてくるのは珍しい…なんか嫌な予感がする…)

 

 

 

 

 

「さぁ、ついに始まります!帝国学園対雷門中学との試合です!」

 

 

両チームが整列し、握手をする。鬼道が円堂に何か言っているようだ。

 

 

 

それぞれが自陣についたとき、円堂から忠告があった。

 

 

 

「みんなっ!鬼道から忠告があった。ホイッスルがなったら直ぐにゴール側に下がるんだ!!」

 

 

「その言葉、信用できるのか?罠かもしれないんだぜ?」

 

 

 

「鬼道はそう言うことをする奴じゃない。俺は鬼道を信じてる!!」

 

 

 

円堂がそう言った為、とりあえず忠告通りにホイッスルがなった後すぐにゴール付近までさがる。すると…

 

 

 

「ガラガラガラ、ガッシャっン!!」

 

 

 

ものすごい音を立ててなんと天井から鉄骨が降り注いできたのだ。鉄骨は丁度FWとMF がいる付近に突き刺さる。あのままそこにいれば大怪我間違いなしの状況だった。

 

 

 

(まさか勝つ為にここまでするなんて……!!影山は自身が勝つ為なら手段を選ばないのね!なんて恐ろしい奴!!)

 

 

影山の恐ろしさを再認識した彩。すると…

 

 

 

「危ない!!」

 

 

「えっ?きゃぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

彩の近くに突き刺さっていた鉄骨がバランスを崩して彩の方に倒れてきたのだ。突然の出来事に彩は動けないでいた。

 

 

「彩ーー!!疾風ダッシュ!!」

 

 

 

彩の背後付近にいた風丸が必死技を使い、彩を抱えて鉄骨から離れる。その直後に彩が立っていた所に鉄骨が倒れた。まさしく危機一髪だったのだ。

 

 

 

「彩!!大丈夫か!?」

 

 

 

まさかの状況に円堂達が急いで駆けつける。怪我こそなかったが、驚きと恐怖で彩の身体は震えていた。

 

 

 

「だっ、大丈夫。怪我はないし、鉄骨が倒れてくるなんて思わなくてびっくりしただけ……一郎太、ありがとう。一郎太が助けてくれなかったら私大怪我してるところだった…」

 

 

 

 

「間に合って良かったよ…ほんとに良かった。もし彩が怪我したりとかしたら、俺は…俺は…」

 

 

そう言って風丸は彩の身体をそっと抱きしめる。風丸の温もりを感じ、彩は安心して身体の震えが収まっていくのを感じた。

 

 

 

 

帝国イレブンと共に影山の元に向かう雷門イレブン達。

 

 

「総帥!!これがあなたのやり方ですか!?天に唾をすれば自分に降りかかる。あれがヒントになりました。あなたにしては軽率でしたね。」

 

 

 

「言ってる意味がわからんな。私が細工をしたという証拠でもあるのかね?」

 

 

これだけの目撃者がいるというのになおもしらばっくれる影山。

 

 

 

「あるぜ!!そいつが証拠だ!!工事関係者がお前に指示されてやったとの証言もな!!」

 

 

 

「俺はもうあなたの指示には従いません!帝国イレブンのみんなも同じ意見です!」

 

 

 

「勝手にするがいい。私ももはやお前たちに用はない!!」

 

 

「影山零治!!一緒に来てもらおうか!お前には40年分、洗いざらい吐いて貰うぞ!!」

 

 

影山は鬼瓦刑事により連れていかれたが、去り際に不気味な笑みを彩に向かって浮かべるのだった。

 

 

 

「響監督、円堂、山野、本当にすみませんでした。総帥がこんなことをしでかしたんです。俺たちに試合をする資格はありません。帝国の負けです。」

 

 

「えっ!?何いいだすんだよ!?」

 

 

「責任は取らなければいけない。」

 

 

 

「円堂。判断はお前に任せる。帝国と試合をするのかしないのかはお前の判断次第だ。」

 

 

 

「監督…へへっやるに決まってるんだろ!俺たちはサッカーをしに来たんだ!!お前たち帝国学園とな!!」

 

 

 

「そうこなくちゃ!守!私達は練習試合をしたあの時とは比べ物にならない程レベルアップしてきたの。このまま不戦敗で勝利するより、正々堂々と試合に勝って全国に行きたいしね!雷門イレブンのサッカー見せてやるわ!!」

 

 

 

「円堂、山野…ありがとう!!感謝する!!」

 

 

 

 

「グラウンドの修復も完了!!今度こそ正真正銘、フットボールフロンティア地区大会決勝の開始です!!」

 

 

 

「見せてやるぞ!生まれ変わった帝国のサッカーを!!」

 

 

 

「俺たちの熱い雷門魂!全力でぶつけてやるんだ!!」

 

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