小説部分をAI使用→修正したものを投稿
という形になります。
小説部分だけガチで苦痛なので許してクレメンス
あ、初投稿です。
第一話
【目指せ】天下泰平を成し遂げたノッブとイッチを見守るするスレPart475【世界進出】
1:名無しの転生者
ここは「原作:信長のシェフ」世界に転生した「姉小路 頼綱」と織田信長を見守るスレです
前スレ→http://xxxxxxxxxxxxx.xxx/xxx/xxxxxxx/xxxxx/xxxxxx/xxxxxxxxx/
考察スレ→http://xxxxxxxxxxxxx.xxx/xxx/xxxxxxx/xxxxx/xxxxxx/xxxxxxxxx/
300:名無しの転生者
イッチ?ちょっと説明してもらえる?
301:名無しの転生者
ネームド宣教師がもう接触してたとかさぁ…
302:名無しの転生者
考察スレにネームド宣教師一覧作っておいたでしょ!!!
303:あねこじ
すまんて
304:名無しの転生者
緊急でもいいから配信してログ残すとか色々やり方あったでしょ?
305:名無しの転生者
顔色や声色から推察出来ることって沢山あるんだからさぁ…
306:名無しの転生者
ワイらが一番許せんことはだ
宣教師相手にキめたイッチのムーブなんだ
307:名無しの転生者
どうして英語で話しかけたの?
絶対面白い反応見せてたでしょネームド宣教師は!!!!!
308:名無しの転生者
フロイス「イッチとブリテンに繋がりが…!?」
オルガン「イッチとブリテンに繋がりが…!?」
カブラル「イッチとブリテンに繋がりが…!?」
ブリカス「ワイらとイッチに繋がりが…!?」
309:名無しの転生者
あ゙ーっ!あ゙ーっ!
フロイス達の反応見たかったなー!
310:あねこじ
傍から見て分かるレベルで動揺しとったで
311:名無しの転生者
草
312:名無しの転生者
知ってた
313:名無しの転生者
ですよねー
314:名無しの転生者
ワイらもその反応を見たかったんスよイッチくん
315:名無しの転生者
おもろい反応を独り占めとか罪深いよイッチ
316:名無しの転生者
>>308
この時代はまだブリカスじゃないだろ止めてさしあげろ
317:名無しの転生者
腹芸を得意とする宣教師ですら動揺しちゃったか
さすがに極東で英語は不意打ちにすぎたか?
318:名無しの転生者
ワイはイッチが英語話せたことに驚きだよ
319:あねこじ
本場さながらのクイーンズイングリッシュやで
崇め奉れ
320:名無しの転生者
まーたそうやって調子に乗る
321:名無しの転生者
ここまでくるとイッチの前世が気になるわ
322:名無しの転生者
英語にもアメリカ訛りとか香港訛りとか、まあ色々ある
でもクイーンズイングリッシュ(上流階級の標準語)だろ?
宣教師はそれで話しかけられたんだぞ、深読みするなといっても無理じゃろ
323:名無しの転生者
英国匂わせでポルトガルの宣教師を翻弄する男イッチ
324:名無しの転生者
この時期のポルトガルってイングランドと敵対関係にあったっけ?
325:あねこじ
ワイもそれはせつじつにしりたい
326:名無しの転生者
敵対はしていなかったはず
327:名無しの転生者
>>325
ひらがなで草
328:名無しの転生者
>>325
イッチ実は結構焦ってるな?
329:名無しの転生者
>>325
表には一欠けらも動揺を見せないのに内心だとこれですよ(笑)
330:名無しの転生者
表立って敵対はしていない
だけどローマ教皇が当時のイングランド女王エリザベス一世に対して破門を宣言してる
なので表の歴史に情報は残されてないけど実は裏では…なんてことがあるかもしれない
331:名無しの転生者
表には決して残されない裏の歴史…好き
332:名無しの転生者
ワイもすこ
厨二心にキュンキュンきちゃう
333:名無しの転生者
男の子だったら好きに決まってるよなぁ!
ワイは♀(TS)だけど
334:名無しの転生者
TSで草
335:名無しの転生者
ほんま転生者にも色々おるよな
336:あねこじ
ふーむ
ならワイの匂わせによって向こうからアクションが返ってくる可能性があるってことかな?
337:名無しの転生者
それは絶対にある、ただしイッチに気付かれないように動くはず
あいつら現地調査は徹底的にするし
338:名無しの転生者
当時自分らの後ろ盾になってくれてるポルトガルに対しても「日本人の奴隷貿易はやめてクレメンス」と抗議した
その抗議は現地調査をきちんとした結果「日本人を粗末に扱ってたら教えを広められない」と分かったからだし
339:名無しの転生者
神の教えを世界に広めるためなら庇護者相手だろうと文句を言う宣教師
340:名無しの転生者
あの時代の海を命賭けて渡ってたからなあいつら
現代の宗教家とは気合が違うよ気合が
341:名無しの転生者
イッチの背後に潜むイングランドを躍起になって探すぞ
342:あねこじ
そんなものはいないって言ったらどんな顔するやろなぁ…
343:名無しの転生者
草
344:名無しの転生者
それはちょっと面白そうだけど「どうやって英語を知った」という問題が出るんよ
345:名無しの転生者
宣教師連中には存在しない英国の影を追わせておけばいいさ
346:名無しの転生者
イングランドの名前でたから思いついたんだけどさ
ここのイッチも結構なブリカスムーブかましてないか?
347:名無しの転生者
ん?
348:名無しの転生者
イッチのこれまでを振り返ると否定できない
349:名無しの転生者
1.米ころがしや味噌等の生活必需品転売で銭稼ぎ
2.米不足などで畿内および地方都市は機能不全に陥る
3.大量の飢餓が発生し、100万人近い平民が氏ぬ
4.1番~3番の結果、時の幕府が忠臣に滅ぼされる
5.敵に回すと面倒な存在(朝廷)を銭で味方化
6.隣国の武田に米を安く売って味方化(元は武田の米)
7.富山、七尾攻略のための大義名分を朝廷から銭で購入(治罰綸旨)
8.イッチ単独で三好の足軽を二千人以上殺した結果「二条の三好塚」が作られる
9.イッチ「十四年という無駄な時間、本当にご苦労様でした」
350:名無しの転生者
3が邪悪すぎる
ここだけでイッチのアンチになってもおかしくないレベル
351:名無しの転生者
9番はそれ単体だと意味不明
背景を理解したら人の心はないんか案件になる
352:名無しの転生者
7番はその後もエグい
当時当主だった神保さんと能登畠山さんは、捨扶持を与えられた上で地元で生かされてた
その彼らの目の前で超スピード!で開発・発展されていく富山と能登半島
小京都と呼ばれるレベルになった元自分の国を見て「ここはもう我らの国ではない…」と心が完全に折れてしまった
353:名無しの転生者
経済制裁染みた物資の転売←イッチの仕業だと誰も気付かれていない
武田に元武田の米を売る←買い占めたのがイッチだと気付かれていない
最高権威者である朝廷と仲が良い←銭で得た好感度
やっぱりフィクサーじゃないか!
354:名無しの転生者
これブリカスとどこか違うねん!一緒や!
355:名無しの転生者
イッチは戦国時代のブリカスだった…?
356:名無しの転生者
英国「この時代の私達はブリカスじゃないぞいい加減にしろ!」
357:名無しの転生者
イッチと同一視されると女王陛下も憤死するからやめてもろて
358:名無しの転生者
やっぱりゲームシステム系転生者ってどこかおかしいなって
359:あねこじ
ワイはワイが生き残るために全力を尽くしただけやししゃーないやん?
360:名無しの転生者
それは本当にそう
361:名無しの転生者
イッチの転生先の環境が悪すぎた
北に龍、東に虎、そして南にゃ謀略上手の蝮ときた
なりふりなんて構ってられん
362:名無しの転生者
転生特典で出来る米ころがしが現実にもしっかり影響あって助かった感
あれがなかったらイッチは間違いなくカモられてたゾ
363:名無しの転生者
時代と特典が噛み合ってて良かったなイッチ
364:名無しの転生者
これでジョブに縛られない特典だったらなおよかったんだけどな~
365:名無しの転生者
ああ、それはあるな
大名の状態でも商人で出来ることが可能だったらもっと効率よく金稼ぎ出来たのに
366:名無しの転生者
砂糖座が作れたんだから、それのちょっとした応用で販路とかにも干渉出来たら良かったのにね
367:あねこじ
確かに転生特典で販路に干渉出来たらなとは思う
でも前世ワイは商人プレイを三回しかやってないから正しく把握してないんだよね
だから仮に干渉出来たとしても上手く利用出来ないと思うわ
368:名無しの転生者
商人プレイやらない人だったか
慣れると面白いんだけどねあれ
369:名無しの転生者
慣れると月収50万とか普通になる
370:名無しの転生者
立志伝5には存在しない土地に城や砦を建てることが出来るのに…
371:名無しの転生者
商売やりたかったら商人やれってこったな
372:名無しの転生者
大名なのに並みの商人以上に銭を稼いでいるんですがそれは
373:名無しの転生者
話をグイっと戻すけどさ
宣教師、というかポルトガルはどう動いてくると思う?
374:名無しの転生者
今のポルトガルの国力がわからんことには予想とか難しくない?
375:名無しの転生者
イッチから金銀財宝搾取(提供)したおかげで、史実とは違って資金には困ってないだろうし
376:名無しの転生者
宣教師達→イッチの領地で布教しつつ、協力者と思わしき英国人(存在しない)を追う
ポルトガル→手に入れた財宝を使って占領済みの国に投資し領地開発を行う
史実情報とかイッチ世界の情報とかを参考にした予想だとこんな感じ?
377:名無しの転生者
ちなみにイッチ、いま何ねん?
378:あねこじ
今?1572年よ
379:名無しの転生者
むーん…史実だとその一年前にレパント海戦があったんだが…
380:名無しの転生者
レパント海戦?
381:名無しの転生者
キリスト教連合艦隊VSオスマン艦隊の大戦争じゃんね
ちな連合側にスペインがいる
382:名無しの転生者
史実ではその戦争にポルトガルは参戦しなかったが…
383:名無しの転生者
イッチの世界でも参戦は無くない?立地的に考えて
384:名無しの転生者
当時のポルトガルは神聖同盟に入ってないからなぁ
385:名無しの転生者
神聖同盟…くっ!
ワイの厨二心に響く…!
386:名無しの転生者
草
387:名無しの転生者
分かるマン!
388:名無しの転生者
厨二はいいね──厨二は心を潤してくれる──邪気眼の生み出した文化の極みだよ──
389:名無しの転生
横線使いすぎ定期
390:名無しの転生
中二ラノベでよく見かけるやつやん元気しとん?
391:名無しの転生
厨二なのか中二なのかどっちかにしろ!
392:名無しの転生
どっちもどっちも…どっちもどっちも!
393:名無しの転生
そのセリフは最終話で全滅するフラグになりかねんからやめろ!
394:名無しの転生
なんでスパイ物から新選組になっちゃったのん…?
395:あねこじ
今の子にバクシンガーの話しても通じるのか…?
396:名無しの転生
バクシン!?
397:名無しの転生
バクシン!!
398:名無しの転生
バクシンシーン!!!
399:名無しの転生
そっちは違うバクシンでしょ!!!
400:名無しの転生
ウマ娘くそなつい
そしてもうやれないとなると悲しい…(@FFT世界転生者)
1572年 夏。
海は凪いでいた。水平線の彼方からゆっくりと近づいてくる黒い影――それは一隻の交易船だった。
船首に掲げられているのはポルトガル王国の紋章。しかし、その甲板に立つ男の胸に去来する思いは、祖国の栄光でも布教という高邁な理想でもなかった。
(……日本が、イングランドと繋がっている?)
アレッサンドロ・ヴァリニャーノは、潮風に黒い修道服をはためかせながら、遠く霞む陸地を見つめていた。
本来、彼がこの極東の地に降り立つのはまだ先のことだった。しかし、イエズス会本部に届いた報告書はあまりに不可解で、かつ切迫しており、予定を大幅に繰り上げざるを得なかったのだ。
(あのような報告、無視できるはずがない)
ヴァリニャーノは小さくため息を漏らす。イエズス会から派遣された彼の真の使命は、この極東の島国に巣食う“異常”の解明にあった。
船はやがて港へと滑り込んでいく。九州は博多。かつては南蛮貿易の拠点として大いに賑わったこの地も、今やどこか陰りを帯びていた。原因は昨年に発覚した“ある事件”にある。
(日本人奴隷の海外輸出……それが引き金となり布教が止まったらしいが)
ヴァリニャーノの眉間に深い皺が刻まれる。カトリックの威信に関わるこの問題は大きな波紋を呼び、支払わされた代償はあまりにも大きかった。
港に降り立ったヴァリニャーノを出迎えたのは、三人の宣教師だった。先頭に立つのは、この地の日本準管区長を務めるフランシスコ・カブラル。その後ろには、ルイス・フロイスとニェッキ・ソルド・オルガンティーノの姿がある。
『ようこそヴァリニャーノ。長旅ご苦労であった』
『カブラル。貴方も元気そうで何よりです』
交わした挨拶の裏で、ヴァリニャーノは内心の違和感を拭えずにいた。
かつて耳にしていたカブラルは、日本人を露骨に見下し、その傲慢さゆえに現場と衝突を繰り返していた男のはずだった。しかし、いま目の前に立つ男の表情に、そうした高慢さは欠片も見当たらない。
(妥協を余儀なくされたのか、それとも……屈服させられたのか)
異教徒を蔑めば、この国の支配者たちが即座に刃を突き立ててくる。天下人 織田信長。そしてその盟友でありながら異国の言葉――イングランドの言葉を自在に操るという大名 姉小路頼綱。
彼らが本格的に牙を剥けば、布教はおろか教会の存在そのものが断ち切られる。カブラルがその現実を正しく恐れているのは、せめてもの救いだった。
『早速ですが情報の共有を。近くに話が出来る場所はありますか?』
『うむ、案内しよう』
カブラルに導かれ、ヴァリニャーノは港近くの修道院へと足を運んだ。質素だが清潔に保たれた建物である。
通された一室には、簡素な木製の机と椅子が並んでいた。全員が席に着くと、カブラルが重々しく口を開く。
『まずは現状の報告からだ。……主の教えを広める道は、甚だ厳しい』
『やはり奴隷輸出の問題ですか』
『そうだ。昨年の冬、強欲な商人どもが日本人を奴隷として海外へ連れ出していた事実が発覚した。織田信長は激怒し、関与した商人の追放を即座に命じたのだ。そのあおりを受け、我々の布教活動も大幅な制限を課されることとなった』
ヴァリニャーノは静かに頷く。信長という男の果断さは本国にも届いていたが、対応があまりにも迅速かつ苛烈だった。その結果、南蛮商人の影響力は一気に失墜し、布教の領域も九州の一角へと押し込められることになってしまったのだ。
『現在、布教が許されているのは九州の一部のみ。本州への立ち入りは事実上不可能となっている』
『……事態は予想以上に深刻ですね』
ヴァリニャーノが苦々しく顎を撫でていると、カブラルは静かに首を振った。
『ただし一つだけ例外がある』
『例外?』
『そうだ。姉小路頼綱の領内に限っては、なぜか我々の活動が咎められない』
ヴァリニャーノは思わず顔を上げた。カブラルの瞳には隠しきれない困惑の色が浮かんでいる。
無理もない。姉小路頼綱ーー望めば天下すら手中に収められたはずの力を持ちながら、信長の傍らに立ち続け、遠い異国の言語を理解する男。
『なぜ彼だけが我々を容認するのです?』
『わかりません。我々もその意図を測りかねております』
フロイスが言葉を挟んだ。その表情には、観察者としての複雑な色の混じった影がある。
『頼綱殿は我々に対して極めて好意的です。しかしそれは、彼が主の教えに救いを求めているからではありません。もっと別の……別の何かを感じるのです』
『何か、とは?』
ヴァリニャーノが問い返すと、今まで沈黙を守っていたオルガンティーノが静かに口を開いた。
『……彼は我々を『情報源』として飼い慣らそうとしています。領内での布教を許す見返りとして、ヨーロッパの知識や情勢を提示するよう求めてくるのです』
『ふむ……』
ただの好奇心か、それとも何らかの戦略的意図か。いずれにせよ、その男を正しく理解したいのであれば直接対峙しなければならない。
『カブラル。彼との面会は可能ですか』
『可能だ。彼と対談したいのであれば、彼と親交の深いフロイスを連れていくといい』
『分かりました。フロイス、その時は案内を頼みますよ』
『はい、謹んでお供いたします』
『では姉小路との面会にあたって──事前に聞いておきたいことがあります』
ヴァリニャーノは静かに口を開いた。穏やかな声であったが、その響きには有無を言わせぬ力が宿っていた。
『昨年、あなた方が姉小路頼綱と面会した際の詳しい報告を。書面では伝わりきらなかった部分を直接伺いたいのです』
カブラルが微かに息を呑んだ。フロイスは静かに目を伏せ、オルガンティーノだけが小さく頷いた。
『まずは蒸気機関車についてです』
ヴァリニャーノが切り出した瞬間、カブラルの眉間がピクリと跳ねた。
『カブラル。あなたは実際に乗ったそうですね』
『ああ、確かに乗ったよ』
カブラルは深く重いため息をついた。あの日の記憶が鮮明に蘇ってきたのだろう。右手にぎゅっと力を込め、あの日握りしめた座席の革の感触を確かめるように拳を作り直した。
『信じがたい話だろうが、すべて事実だ。黒い鉄の塊が、煙を吹き上げながらカラクリの力で疾走する。それも驚くべき速度で。あれは……馬車などとは比べ物にならん』
『街道もとても素晴らしいものでした』
フロイスが割って入るように口を挟んだ。
『京から金ヶ崎まで馬で移動したのですが、人も馬も極めて動きやすい街道として整備されていました。あの街道をみて、ローマの街道を思い出すほどです』
ヴァリニャーノは腕を組み、じっと二人の言葉に耳を傾けていた。
『ローマの街道はともかく──蒸気機関。それはヨーロッパにすら存在しない概念です。それをこの極東の国が生み出すとは……』
『しかも、です』
オルガンティーノが淡々とした口調で付け加える。
『あの機関車は物流と人の輸送に使われています。それは有事の際に軍の迅速な展開にも転用できるということに繋がります』
『つまり?』
『あれが存在する限り、姉小路領内への侵攻は極めて困難です。軍の展開や兵站の補給速度が、我々の常識を完全に超えています』
オルガンティーノの簡潔な分析に、ヴァリニャーノの眉が跳ね上がった。「ほう!」と短く声を漏らし、感嘆と警戒の混じった表情を浮かべる。
『では次に、作物の話を』
今度はフロイスが身を乗り出した。彼の目には、未だあの尾山の風景が焼きついて離れないのだろう。
『ヴァリニャーノ師、これはとても信じがたい話です。しかし私はこの目で見てまいりました。尾山の田畑は、まるで魔法にかかったかのように常に豊作なのです』
『常に豊作』
『はい。不作など端から存在しないかのように、米も麦も野菜も驚くほど実ります』
フロイスの声には純粋な驚嘆と、秘めきれない恐怖が混じっていた。
『農民たちに尋ねても『頼綱様が来られてから米がよく獲れるようになった』と答えるばかりで、具体的な理由を誰も知りません。ただ……』
『ただ?』
『土が違う、と。頼綱殿の領地になる以前は荒れ果てていた土地を、しかし彼はたった数年で奇跡のような肥沃な大地に変えたのだそうです』
ヴァリニャーノは静かに目を閉じた。頭の中で幾つもの可能性が渦巻く。未知の農法か、それとも……。
『砂糖座についても報告を』
再び目を開いたヴァリニャーノの声は、先ほどよりも一層硬くなっていた。今度はカブラルが重い口を開く。
『砂糖座。姉小路領内で生産された砂糖を一手に扱う独占的な商業ギルドだ。我々が調べた限り、あれは単なる商人の集まりではない。生産から流通、さらには価格の決定に至るまで、すべてを統制している』
『彼らは、いわゆる“南蛮渡来”の砂糖よりも遥かに安く、かつ安定した品質の品を市場に供給しています。おかげで堺や博多における砂糖の市場価値は暴落しました』
カブラルとオルガンティーノの報告に、ヴァリニャーノは顎に手を当て、しばし沈黙した。
『それはつまり、我々ポルトガルがこの国から得ていた利益の一部が、姉小路の手中に落ちたということですか』
『残念ながらその通りだ』
カブラルの答えは簡潔で、そして決定的に重かった。
『最後に――姉小路頼綱が英語を話した件について、詳しく説明を』
ヴァリニャーノは静寂を破り、最も確かめたかった問いを口にした。その声は今日一番低く、そして静かだった。
フロイスとオルガンティーノが同時に息を呑む。カブラルはあの時の衝撃を反芻しているのか、顔に消えない困惑の色を浮かべていた。
『あれは……面会の冒頭だった』
カブラルが絞り出すように語り始める。
『我々が広間に通され、着座した時のことだ。彼が現れ、こう言ったのだよ。『ようこそ、宣教師の皆様』――と。完璧なイングランドの言葉で』
『間違いなくかの国の言葉だったのですね?』
『ああ。あの抑揚の付け方は疑いようもない。フロイス、オルガンティーノ、君達も覚えているだろう?』
促された二人は深く頷いた。
『はい。私もはっきりと聞き及びました。あの瞬間は己の耳を疑いましたよ。まさか、この東洋の果てでかの国の言葉を耳にしようとは』
『耳を疑ったのは私も同じです。しかし現実に彼は流暢に話した。単なる挨拶にとどまらず、その後の我々の会話もすべて理解している素振りを見せていました』
ヴァリニャーノはゆっくりと立ち上がり、窓辺へと歩み寄った。気が付けば博多の港の向こうに夕日が沈みかけている。
『その言葉を伝授したイングランド人は見つかったのですか』
『いや、見つからない』
カブラルは首を振った。
『我々は姉小路に英語を教えた者が必ずいるはずだと考え、あらゆる手を尽くして捜索した。長崎、堺、京、そして姉小路の領内に至るまで。しかし……該当する人物はただの一人も見つからなかった』
『イングランドの商船が寄港した記録は?』
『それもない。我々が把握している限り、ポルトガルやスペイン以外の船が寄港した事実は存在しない。イングランドの船など一隻も……』
ヴァリニャーノは窓枠に手を置いた。沈みゆく夕日の赤い光が、彼の黒い修道服の裾を血のように染めていく。
(異国の船も来ず、人間もいない。ならば姉小路は……どこでその知識を得たというのか)
どれだけ考えても分からないものは分からない。ヴァリニャーノは短く「ふぅ」と息を吐くと、三人に向き直り、静かに、だが絶対の重みをもって告げた。
『これより告げるのはイエズス会の後ろ盾であるポルトガル王室からの御言葉である――姉小路頼綱の身辺を探ることを一切禁ずる。以上です』
その言葉に、三人の体が凍りついた。
今のポルトガルにとって、姉小路頼綱という存在は極めて都合の良い巨大な資金源でありパートナーだ。その“謎”を無理に暴こうとして機嫌を損ね、万が一にも関係が破綻することだけは絶対に避けねばならない。
謎は謎のままでよい。それによって利益と安寧が保たれるのであれば――それが、ポルトガル王国が下した現実的な決断であった。
ヴァリニャーノは椅子へと座り直し、静かに語り始めた。
『ポルトガル王室がこの決断を下した理由をお話しします』
1571年。それは今から約一年前の話になる。
戦争があった。歴史に名を残すほどの大きな戦争が。
そしてその戦争でポルトガルの同盟国であるスペインが……。
『まけ、た…? 教皇とスペインが!? オスマン帝国に!!?』
カブラルの悲鳴に近い叫びは修道院の外にまで響く。
日本の一角から始まった歴史の改変は、今や世界規模にまでその波紋を広げていた──。
歴史に残る一戦=レパントの海戦