1571年10月。史実の歴史においては、地中海を揺るがす未曾有の大海戦──「レパントの海戦」が勃発した刻である。
本来の歴史におけるこの戦いは、カトリック諸国による連合艦隊が、当時絶大な威容を誇っていたオスマン帝国を潰走させた一戦として知られる。地中海の覇者として君臨していた絶対的強国・オスマン帝国の不敗神話が打ち砕かれたという報せは、ヨーロッパ全土へと瞬く間に広がり、キリスト教世界に大いなる歓喜と希望をもたらした。
しかし、この世界において繰り広げられたレパントの海戦は、全く異なる結末を辿ることとなる。勝者なき激戦――実質的な「連合艦隊の敗北」に等しい悲惨な引き分けに終わったのである。
連合艦隊を敗北へと破滅させた最大の要因、それはスペインが抱いていた狂おしいまでの「焦燥」であった。
異変の発端は、同じカトリック国であり同盟国でもあるポルトガル王国の急速な台頭にあった。極東との“貿易”によってもたらされた未曾有の巨万の富。ポルトガルはその莫大な資金を本国のみならず各地の拠点へ惜しみなく投じ、わずか数年のうちに圧倒的な繁栄の果実を実らせつつあった。まさに「黄金時代」と呼ぶにふさわしい勢いで国力を伸ばすポルトガルに対し、焦りを募らせたのが過度の警戒感を抱くスペインだ。このままでは力関係が完全に逆転しかねないという恐怖が、スペインの指導層を包み込んでいたのである。
そうした渦中、ローマ教皇ピウス5世より「オスマン帝国討伐」の聖なる要請が齎される。スペインはこの好機に飛びついた。地中海の宿敵たるオスマン帝国を打倒し、その海権を完全に手中に収めれば、ポルトガルの繁栄をも凌駕する絶対的な黄金期を確立できる──そう確信したのである。
故にこの敗北は必然であったと言わざるを得ない。焦燥と功名心に苛まれたスペイン軍は、本来の巧みな艦隊運動や戦術的統制を欠き、猪突猛進のごとき愚直な用兵に終始してしまった。功を焦るあまりの戦略的失敗であった。
それでもなお軍事大国スペインの底力は凄まじく、オスマン海軍に対しても甚大な打撃を与え尽くした。これによりオスマン帝国側も艦隊の再建には少なくとも一年以上の歳月を要する事態となり、地中海は不気味な膠着状態へと陥ることとなる。
これがこの世界における「レパントの海戦」の事実であり、真実であった。
7700:名無しの転生者
ねーねーイッチ、質問があんだけど
ノッブはいつ海外遠征すんの?
7701:名無しの転生者
そういやそんな話もあったな
7702:名無しの転生者
原作だと「明に出兵しようと思う」て光秀に言って、それが後の本能寺に繋がった
この世界だと森パパや信盛のおかげでそれがなくなった
7703:名無しの転生者
光秀「許せなかった…!信長様が何も知らない未来の民草に暗君扱いされるだなんて……!」
信盛「おいおい 上様には盟友の姉小路様がいるでしょうが」
森パパ「我らと姉小路様が上様を支える ある意味“最強”だ」
7704:名無しの転生者
信盛と森パパがノッブ家臣団を上手くまとめてくれたんだよねすごくない?
7705:名無しの転生者
そのシーンを配信で見たかった…
7706:名無しの転生者
無茶言うなw
いや気持ちは分かるけどな
7707:名無しの転生者
転生者から遠く離れた場所も配信出来るようになればなー
7708:あねこじ
正直言えばワイも見たかった
海外遠征はまだ、つーかワイがストップさせてる
ちょっと検証したいことがあんのよ
7709:名無しの転生者
お?
7710:名無しの転生者
検証とな?
7711:名無しの転生者
それってイッチの検証スレで言ってたアレか?
7712:あねこじ
ここでワイの転生特典を改めて確認するぞ
転生特典は太閤立志伝5DXのゲームシステムで、ゲームで出来ることはおおよそ可能というものだ
“おおよそ”という言葉通り、何もかもという訳ではない、これは現在就いているジョブに縛られる
ワイは大名だから“大名で出来ることはおおそよ可能”という訳だな
7713:名無しの転生者
例えば職業:商人でなければ使えないものがあるみたいな話だったっけ
7714:名無しの転生者
ゲームで遊んでる時は気付かないんだよな
だって大名なら大体何でも出来ちゃうから
7715:名無しの転生者
イベコン使えたらもっと便利になるんだけどな
7716:名無しの転生者
イベコン(MOD)有りにしちまったらヤベー連中がもっとヤバくなるからやめてもろて
7717:名無しの転生者
バニラ状態ですら無法しまくってるのに…
7718:あねこじ
大名というジョブに縛られているせいで出来ないことが意外と多い
ではその逆、太閤立志伝5DXでは出来なかったのにワイが出来ることについてや
無印、DXどちらにも言えることだが、あのゲームは“城の場所は固定されている”
ゲーム内に存在しない城は築城不可なんや
例えばだけど、ゲームには佐渡島には城なんてない
でもこの世界では普通に築城可能や、もちろん特典の効果も反映される
7719:名無しの転生者
あそこに築城とか無茶を通り越した無謀だと思うけど言わんとしたことは理解出来た
7720:名無しの転生者
ぶっちゃけイッチの特典なけりゃ海外遠征なんて無理スジだよな
7721:あねこじ
そして話は「ノッブの明遠征にストップかけてる」に戻るぞ
明に遠征するのなら拠点が必要や、そしてその拠点作りはワイが担当することになっとる(ブン捕った)
“外国で”特典を使い築城した場合、その城はどうなるのか、ワイはそれを知りたい
その実験相手として蝦夷(北海道)を予定している
7722:名無しの転生者
蝦夷は…海外か?外国扱いでいいのか?
7723:名無しの転生者
この時代だと外国扱いでいいんじゃね?
7724:名無しの転生者
蝦夷ってことはアイヌ?
そこで築城するとどうなるんだ?
7725:名無しの転生者
アイヌの皆さんがひどい目にあいませんように…
7726:あねこじ
>>7724
検証予定の一つ
城レベルMAXにまで増築したら、城や城下町は日本式になるのかアイヌ式の建物になるのか
そして家族も一緒に生えてくると有名な徴兵!集まった足軽とその家族は日本人なのかアイヌ人なのか
7727:名無しの転生者
おぉー
確かにその辺りは気になるな
7728:名無しの転生者
明侵攻するならその辺りは事前に判明させておきたいわね
7729:名無しの転生者
蝦夷を支配下に置いたら畑いっぱい作れるな!
7730:名無しの転生者
そこはイッチのものになるの?
7731:あねこじ
せやで、蝦夷はワイの領土になる
ただし蝦夷全域を支配下に置いて最大レベルまで開発完了したら、ワイのもとで冷や飯食ってた神保くんと畠山くんと島津くんの三人に任せようと思う
7732:名無しの転生者
おぉ~、ここで神保と畠山が……て島津くん!?
7733:名無しの転生者
あの……その島津くんってまさかとは思いますけど島津貴久くんですか…?(小声)
7734:名無しの転生者
哀れ貴久…茶室監禁の時にイッチにヤク(万金丹)キめられたせいで死ぬことすら出来ずに…
7735:名無しの転生者
義久「父上ェ! あなたは…あなたはどこで何をしていたのですか!!」
義弘「あなたの失踪さえなければ我々はまだ武士として戦い死ぬことが出来たというのに…!」
歳久「よく覚えていない…? ふ、ふざけるなぁ!!!!」
貴久「」
7736:名無しの転生者
内城陥落時の一コマである()
7737:名無しの転生者
ここだけはしっかり配信しやがってよぉ…
7738:名無しの転生者
ワイ島津ファン、あの時だけイッチのアンチになる
7739:あねこじ
あれで貴久くんの心がポッキリ折れちゃったんだよね
可哀想に…フフ
7740:名無しの転生者
>>7739
7741:名無しの転生者
>>7739
7742:名無しの転生者
>>7739
悪魔かおのれは
悪魔だったわ
7743:名無しの転生者
>>7739
鬼畜外道にすぎるだろこいつ
7744:名無しの転生者
>>7739
ノッブを裏切った島津が悪いのはわかる
それでももっとまともな最後ってのがあっても良かったと思うんだ
7745:名無しの転生者
>>7739
ワイはむしろスッキリした
裏切りもんは惨たらしく氏ねwwwwww
7746:名無しの転生者
>>7739
ごめんワイもこれ好きwww
頃されずに生かされてるあたり最高に無様すぎて草が抑えられんwwwwww
7747:あねこじ
賛否両論ンゴねぇ…
あ、神保くん達三人はこっちを裏切ることはないと思うから安心してどうぞ
蝦夷の制圧自体は一年もあればいけるかな
戦争はさすがに避けられんだろうし、血の気の多い武将連中はそこで一旦満足してもらおうと思う
7748:名無しの転生者
>>血の気の多い武将連中
これがまあ面倒だよな
7749:名無しの転生者
平和に適応出来ない武将問題
7750:名無しの転生者
原作ノッブが明出兵決めたのもその問題があってのことだしな
7751:名無しの転生者
内乱しか経験のない国なんて世界から見たらなめられるだけだからね
7752:名無しの転生者
『外国との戦争を経験する』『血の気の多い連中を使い潰す』
「両方」やらなくっちゃあならないってのが「天下人」のつらいところだな
覚悟はいいか? わしはできてる
7753:名無しの転生者
>>7752
ノブラティ!
7754:名無しの転生者
>>7752
色んなこと考えなくちゃいけないから天下人マジでめんどくさいな
7755:名無しの転生者
>>7752
どれか一つを集中的にやるんじゃなく、同時にすべてを進めてやんなくちゃいけないんだろ?
くっっっそめんどくさいな!!!
7756:名無しの転生者
>>7752
この二つ以外にも並行して色々準備しとるんやろ?
ストレスでハゲるわ
7757:あねこじ
ほんまノッブに天下人押し付けて正解やわ
7758:名無しの転生者
>>7757
こいつほんま
7759:名無しの転生者
>>7757
お前もがんばんだよ!!!
7760:名無しの転生者
>>7757
お前そんなんだからスレ内でフィクサー扱いされるんだぞ
7761:名無しの転生者
>>7757
最近は露骨なブリカスムーブも身に着けてきやがってよぉ…
7762:名無しの転生者
>>7757
こんなこと言ってるけど最後の一線は守ってるぞ
考察スレで三角貿易出来るかどうかの検証してる複数のスレ民いたけどイッチがガチ切れしてたし
7763:名無しの転生者
>>7762
おお
7764:名無しの転生者
>>7762
よう言うた!それでこそ男や!
7765:名無しの転生者
>>7762
ワイはイッチを信じてたよ!
7767:あねこじ
ちなみに考察しとったスレ民は全員ゲームシステム特典持ち転生者やったぞ
CK3、EU4、HoI4、Vic3の四人や
7768:名無しの転生者
うわ
7769:名無しの転生者
人間を数字でしか見れない鬼畜どもやん…
7770:名無しの転生者
こいつら全員大陸にア〇ンばら撒いたカスじゃねーか!
7771:名無しの転生者
そういやスレ主はレスしたやつがスレ持ってる場合それが分かるんだっけ
7772:名無しの転生者
でもその四人がやったことって史実ブリカスの焼き直しだしなぁ
7773:名無しの転生者
>>7772
あいつら好き勝手やったくせにそれでもブリカスの方が上とかいうね…
7774:名無しの転生者
>>7772
史実強すぎない?
7775:あねこじ
ワイの世界ではブリカスの好きにさせんぞ
7776:名無しの転生者
イッチくん!
7777:名無しの転生者
ガシッ(握手)
7778:名無しの転生者
ええぞイッチ! それでこそ主人公や!
7779:名無しの転生者
でもイッチ?
宣教師さんに英国と繋がりがある疑いかけられてるんだけど大丈夫?
7780:名無しの転生者
あ、ふーん(察し)
7781:名無しの転生者
い、イングラドはまだブリカスじゃないし…(目そらし)
7782:名無しの転生者
こっち来いよイッチ!お前もこっち来いよ!(@ロボトミ転生者)
7783:名無しの転生者
>>7782
うわぁぁぁっぁ!!!!
ハワイとソ連を地獄に作り替えた悪魔が来たぁぁぁぁぁ!!!?
7784:名無しの転生者
>>7782
帰ってお願い!!!
7785:名無しの転生者
>>7782
ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!
7786:名無しの転生者
>>7782
ユルシテ…ユルシテ…
7787:名無しの転生者
>>7782
お前その特典でアメリカを引きこもらせるとかどんだけヤベーんだよ…
7788:あねこじ
ダッ!(逃亡)
7789:名無しの転生者
>>7788
逃げるなイッチ!! 逃げるなァ!!!
7790:名無しの転生者
>>7788
ガチのバケモン相手だと逃げるしかないよね分かるよ
7791:名無しの転生者
>>7788
貴様は自スレを裏切った!!
7792:名無しの転生者
>>7788
男イッチ、無様な逃走
7793:名無しの転生者
これワイらが知らんだけで他にもスレ主いそうだな?
7794:名無しの転生者
たぶん他にもいると思うよ(@ロボトミ転生者)
7795:名無しの転生者
特典のゲームシステム使いこなしてる転生者って少ないからなぁ
ここまでスレ伸びてたらさすがに覗いてもみるか
7796:名無しの転生者
ちなワイもおるで(@Stellaris転生者)
7797:名無しの転生者
>>7796
続々と続くカミングアウトってお前かよ!
7798:名無しの転生者
>>7796
死ね
氏ねじゃなく死ね
7799:名無しの転生者
>>7796
ウルトラマンファンのワイはお前がやったこと忘れてないからなぁ…
7800:あねこじ
いやー! なんか増えてるー!!!
1573年、安土城。
白亜の壁が陽光を反射してまばゆい。瓦屋根の連なりは日本の寺社仏閣の意匠を踏襲しながら、ところどころに南蛮風のアーチ窓が混ざっている。異国と和国の血を意図的に混ぜ合わせた、奇妙で、しかし不思議と調和のとれた建造物――セミナリヨ。
フロイスが馬の手綱を握ったまま、『ほう……』と感嘆の息を漏らした。よほど感激したのか、その瞳は少年のように輝いている。
『おお……これが安土のセミナリヨ……!』
『ええ。ですが素晴らしいのはそれだけではありません。あの城もまた息を呑むほど美しい』
ヴァリニャーノは穏やかに答えた。彼の視線はセミナリヨのさらに奥──先ほどまで謁見していた安土城の天守閣へと向けられている。
天守の最上階を見上げる二人の脳裏には、先ほど対峙した城の主の姿が鮮明に焼きついていた。
『フロイス。貴方は彼をどう思いますか』
『……先進的な考えをお持ちになったお方だと存じます』
その声は、先ほどまでの弾んだ調子から一転して沈んでいた。フロイスはセミナリヨの美しさに心を奪われつつも、その壮麗さの裏にある信長という男の威圧感を拭い去れずにいるのだ。
『ふむ。それでは少し物足りませんね。私は実に「面白い」と感じました』
『面白い、ですか?』
『ええ。織田信長という男は、必要とあらば道化すら演じきる王。そう感じました』
ヴァリニャーノは馬から降りると、セミナリヨの門へ向かって歩き始めた。フロイスも慌てて馬を降り、その後に続く。
『道化を、ですか?』
『ええ。奴隷貿易に激怒したと聞きましたが、あれは全て自国民に対する“パフォーマンス”だと思うのですよ』
ヴァリニャーノは振り向かず、前を見つめたまま歩を進める。しかし、背後に立つフロイスの空気が緊張で硬くなったのが分かった。
『演技でございますか』
『ええ。信長公は日本の民のために、分かりやすい「お怒り」を見せる必要があった。激怒してみせることで、奴隷貿易に関与した商人を国外追放する正当な大義名分を得たのです。実際、あの件で追放された連中の中には奴隷貿易以外にも目を覆いたくなるような悪行を重ねていた者が多数いましたからね……』
ヴァリニャーノは、かつて行われた凄惨な“尋問”の日々を思い出した。追放された商人たちを拘束し、一つずつ罪状を洗い出していく作業。それは反吐が出るほど汚悪なものだった。フロイスなど途中で『もう勘弁してください』と青ざめた顔で音を上げたほどだ。
『信長はあの一件を見事に“利用”したのです。極めて合法的に、悪徳商人どもを一掃するための口実として。そして同時に我々宣教師団に対する「これ以上好き勝手はさせない」という圧力でもあります』
『それで……あの布教制限が』
『ええ、実に鮮やかな手腕です。感情に任せて激怒しているように見せかけて、すべては冷静な計算の上。この国の民にとっては、これ以上なく理想的な王だと私は思いますよ』
セミナリヨのアーチ門をくぐりながら、ヴァリニャーノは静かに言葉を重ねる。
『王とは時に民の前で道化を演じなければならない。悪行に怒り、他国の使者には威厳を示し、信頼する家臣には大きな権限を与えて領国を任せる。その全てを過不足なく、完璧に演じ分けられる者こそが真の支配者に相応しい。織田信長はその資質の持ち主なのです』
フロイスは一瞬の沈黙の後、意を決したように小さな声で尋ねた。
『……では何故“あの方”は自ら天下を取らなかったのでしょうか』
『いい質問ですね、フロイス』
ヴァリニャーノは足を止め、セミナリヨの中庭を見渡した。丹念に整えられた庭には、南蛮渡来の鮮やかな草花と、静けさを纏う日本の草木が静かに溶け合っている。まるでこの建造物そのものが、ひとつの巨大な思想を体現しているかのようだった。
『集めた情報が正しいのであれば“彼”もまた天下人に相応しい人物。なのに信長に天下を譲った。その理由を確かめることこそが私に与えられた最大の使命なのですよ』
セミナリヨでの一泊は、二人にとって極めて有意義な時間となった。
館内は清潔に保たれ、提供される食事も質素ながら味わい深い。何より、ここで学ぶ日本人の少年たちの瞳の輝きが印象的だった。彼らはラテン語を学び、西洋の学問に触れ、そして誇らしげに故郷の物語を語ってくれたのだ。
「姉小路様のところでは、お米が毎年たくさん獲れるんです!」
「砂糖だってすごく安く買えるし、道もきれいで歩きやすいんです!」
「姉小路様が納める国は、野盗や賊が一切出ないことで有名なのですよ!」
日本の学生達の口から飛び出す言葉は、どれも姉小路頼綱への深い尊敬に満ちていた。彼らにとって頼綱は雲の上の遠い大名などではなく、自分たちの暮らしを豊かにしてくれた“身近な奇跡”そのものなのだろう。
(……なるほど。カブラル達が集めた情報に、何一つ狂いはない)
ヴァリニャーノは学生の言葉に満足そうに頷きながら、脳内の羊皮紙に姉小路頼綱という男のパズルを一つひとつ嵌め込んでいった。
翌朝。朝靄が残る中、ヴァリニャーノとフロイスは飛騨国へ向けて発った。
『頼綱殿の本拠地は飛騨にあります。先の尾山も重要な拠点ですが、彼が最も長く治め、慈しんできたのは飛騨の高山です』
フロイスの説明に、ヴァリニャーノは力強く頷いた。
『信長に関しては十分に分かりました。……次は姉小路頼綱です』
『ふふ、どこか楽しそうですね、ヴァリニャーノ師?』
『ええ。何しろあの苛烈な信長が「唯一無二の盟友」として認めた男です。ただ者であるはずがありません』
ヴァリニャーノは馬を進めながら、ふと思い立ったように尋ねた。
『フロイス。貴方が直接見聞きした姉小路頼綱とは、一体どのような人物でしたか』
『……一言で表現するなら、「掴みどころのないお方」です。笑っているのに、目が笑っていない。慈悲深いのに、どこか氷のように冷たい。そして──』
フロイスは馬の手綱を握り直し、慎重に言葉を選ぶように言った。
『そして?』
『……あの方の前では、己の魂の奥底まで全てを見透かされているような錯覚に陥るのです。良い意味でも、そして恐ろしい意味でも』
ヴァリニャーノはフロイスの言葉を静かに噛み締めた。
すべてを見透かす男。信長を凌ぐほどの異能を持ちながら、あえて信長の一歩後ろに佇む男。
(王になれる力を持ちながら、あえて王にならなかった男……)
道は次第に勾配を増し、深緑の飛騨の山々へと続いていく。険しい山道を越え、渓流を渡った先に、あの常識外れの町が待っているはずだ。
ヴァリニャーノは遠く霞む山並みを見つめ、胸の中で静かに呟いた。
(姉小路頼綱。貴方がどういう人間なのか、この目で確かめてみせましょう)
信長のシェフに出てくる宣教師達、全員キャラ立ってて良いですよね
惜しむらくは活躍出来る機会が少なすぎたことでしょう
カブラルの出番が少ないのは仕方がないとしても、オルガンティーノ君の出番はもう少しあっても良かったと思うのですよ…