連合艦隊敗北という衝撃的な報せが届いた瞬間、ポルトガル摂政エンリケはこれを「絶好の好機」と見定めた。
彼はフランスおよびローマ教皇庁へ矢継ぎ早に使者を派遣し「艦隊の再建資金を全面的に支援する」という破格の提案を提示したのである。しかし、その甘美な申し出の裏には、大きな対価が要求されていた。
「日本の国家承認、および同国における外交・交易権の完全なる独占」
ポルトガルに繁栄をもたらしている最大の源泉は、極東の島国 日本との交易。この黄金のパイプラインを不可侵の利権として法的に固めることこそが、エンリケの狙いであった。
この要求に対し、同盟国であるスペインは深い苦悩に陥った。本音を言えば極東の権益をポルトガルに独占されるなど断固として拒否したいところ。しかしここで無下に突っぱねてしまえばポルトガルとの関係が決定的に悪化しかねない。何より、オスマン海軍に敗北した今のスペインには、強硬な態度を押し通せるほどの余力も立場も残されていなかったのである。
さらに、敗戦によって背水の陣へと追い詰められていたローマ教皇ピウス5世は、異教徒打倒のための資金を確実に確保すべく、迷うことなくポルトガルの要求を受諾した。教皇庁の後押しという決定打を受け、保留を続けていたスペインもついにポルトガルの条件を受け入れる決断を下したのである。
外交における勝利を確実なものとしたポルトガルは、間髪を入れず第二の一手を打つ。
莫大な資金を投入して大量の傭兵団を買い叩き、オスマン帝国の背後――その広大な穀倉地帯への破滅的な焦土作戦を命じたのである。
当時のヨーロッパにおける傭兵とは、実質的に「野盗」と何ら変わらぬ残忍な無頼漢の集団であった。金銭さえ積まれれば相手が絶対的な大帝国であろうと躊躇なく牙を剥く彼らにとって、ポルトガルが提示した報奨金は魅惑的すぎた。全メンバーが一年遊んで暮らせるほどの破格の大金に眼を眩ませた傭兵団は、過激かつ組織的な破壊工作を展開。オスマン帝国の補給拠点や農村地帯を徹底的に焼き払い、帝国機能に深刻な打撃を与えることに成功した。
オスマン帝国が艦隊再建に一年以上もの歳月を費やさざるを得なかった真の理由――それは、自国領内を荒らし回る巨大な傭兵団の鎮圧に忙殺されたからにほかならない。
ポルトガルは自ら正規軍を動かすことなく、富の力のみで大帝国オスマンの足枷となり、地中海の均衡すらも裏から支配したのである。
9900:名無しの転生者
そういやイッチ、新一族の女衆はどうなったん?
9901:名無しの転生者
あ、それはワイも気になる
9902:あねこじ
新一族の男衆とくっついたよ
さすがに外に出すワケにはいかんからこうなった
9903:名無しの転生者
それはしゃーない
9904:名無しの転生者
普通の結果すぎて残念なようなほっとしたような
9905:名無しの転生者
正直イッチが娶ると思ってた
9906:名無しの転生者
ワイも
9907:名無しの転生者
その世界でも続々と結婚ラッシュが続きますねェ
確かケンもナツさん&よーこさんと結婚したんでしょ?
9908:名無しの転生者
結婚式は配信で見たかった(原作ファン)
9909:あねこじ
無茶言うなw
ワイが式場に入るだけで空気が凍るわw
9910:名無しの転生者
イッチがただの上司だったらそんなでもないけど、今はもうガチ貴族だしな
9911:名無しの転生者
例えるなら、下請け会社の平社員の結婚式に本社の会長が出席するみたいなもんだしな
9912:名無しの転生者
アカン!(式場の空気が)死ぬゥ!
9913:名無しの転生者
(式場の空気が)冷えっ冷えやぞ!
9914:名無しの転生者
イッチも偉くなったもんやなぁ(しみじみ)
9915:名無しの転生者
偉い分仕事も増えたけどな!(蝦夷探題)
9916:名無しの転生者
朝廷もよく許可を出したな
9917:名無しの転生者
京からめっちゃ遠い辺境オブ辺境だから許可出したんじゃね?
9918:名無しの転生者
イッチのことを信頼しているからでもある
9919:名無しの転生者
今や日本の貴族(公家)代表といったら五摂家差し置いてイッチだもんな
9920:名無しの転生者
そして五摂家とも仲が良いという
9921:あねこじ
ちょっとお前らに質問
アレッサンドロ・ヴァリニャーノが何故か日本に居る上に明日ワイと面会したいいってきたんだけどどう思う?
ちな今は1573年の夏や
9920:名無しの転生者
ヴァリニャーノ…?
原作だと最後の方に出てきたネームド宣教師だよな?
9921:名無しの転生者
検証・考察スレでキャラ一覧見てきた
アレッサンドロ・ヴァリニャーノ、1579年に来日て書いてる
9922:名無しの転生者
六年も時間が早くなってるじゃないか!
9923:名無しの転生者
「マジか」て感じと「ああやっぱり」て感じが半々
イッチが宣教師や南蛮商人相手にばら撒いた銭の影響が表面化されたんだと思うよ
9924:名無しの転生者
ヨーロッパの歴史だいぶ変わってそうだな
9925:名無しの転生者
レパントの海戦とかも史実と結果が違ってたりしてな
9926:名無しの転生者
さすがにそれはない
だってオスマン側の司令官、確か海戦の経験がまったくないヤツだろ
9927:名無しの転生者
いや、断言はよくない
転生者の世界への影響力ってかなりでかいからな
スレ主は大したことやったつもりはなくても実は…というのは結構あるんだぜ
9928:あねこじ
ヨーロッパの歴史がだいぶ変わってる可能性があるいうワケやな?
OK分かった、歴史が変わってる前提で接してみるわ
とりあえずワイの晩飯時間まで話し合いや
ヴァリニャーノに対して何を聞きたい? そしてこっちから何を開示する?
9929:名無しの転生者
聞きたいのはやっぱりヨーロッパの情勢でしょ
んで開示すべき情報ってある?
9930:名無しの転生者
蒸気機関車はノッブによって国家機密指定されとるしなぁ
9931:名無しの転生者
いや、機関車の情報は「それが結果的に利になるなら出しても構わん」と言ってたぞ?
不利益に繋がるなら出しちゃダメだけど、そうでないなら交渉の札の一つとして出してもいいということよ
9932:名無しの転生者
宣教師連中が一生懸命に機関車の写し絵描いてたんだろ?
先頭車両から出てる黒いケムリのせいで何かを燃やして動いているってことも簡単に想像出来る
ここまで情報揃ってたら再現してきそうじゃね?
9933:名無しの転生者
ヨーロッパの連中は0から1を作り出して産業革命起こしたり飛行機を作ったりしてきたからな
取っ掛かりになる0.1の情報さえあれば、それを1に変えるのなんて楽勝だろうさ
9934:名無しの転生者
なるほどなぁ、そこでノッブが言う「利」が出てくるのか
あいつらが自力で蒸気機関作る前に情報を売りつけるってのは普通に有りだな
今ならまだでかい対価を求めることだって出来るし
9935:名無しの転生者
インド方面についても聞きたいわねェ
9936:あねこじ
どんどん意見出したって
会話の流れで使えそうなのは使っていくつもりだから
あ、言わなくても分かってると思うけど配信するからね
9937:名無しの転生者
さすがイッチ! 分かってるぅ!
9938:名無しの転生者
(配信は)あたりまえだよなぁ?
9939:名無しの転生者
僧だよ(激ウマギャグ)
9940:名無しの転生者
じゃ、(激寒ギャグを)流しますね…
1573年 飛騨国 松倉城。
アレッサンドロ・ヴァリニャーノとルイス・フロイスの二人は、城内にある迎賓館へと通された。
ヴァリニャーノは室内へ足を踏み入れ、室内をそれとなく見渡す。壁の装飾、調度品の配置、果ては空気感。異国の使者を迎えるに十分な格調がそこにはある。ここを治める姉小路頼綱という人物の非凡さが、室内からも如実に伝わってきた。
通された室内で静寂に包まれること約四半刻(三十分)。部屋の扉が静かに開き、ついにその男──姉小路頼綱が姿を現した。
対面直後、頼綱は極東の大名としてはあり得ざる行動に出る。視界を塞ぎ、声だけを聞けば現地の人間としか思えない、完璧な発音による流暢なイングリッシュをもって口を開いたのである。
『ようこそ松倉へ。遠路はるばるのご到着、心より歓迎しましょう』
日本人の口から発せられる流暢な英語。本来ならあり得ざる事態。
しかし機先を制したのはヴァリニャーノの方であった。
「この度は多忙の折、面談の機会を賜りまして感謝の念に堪えません。姉小路殿」
ヴァリニャーノは動揺の色を微塵も見せることなく、極めて流暢かつ格調高い「日本語」をもって、穏やかな笑みを浮かべ返答してみせた。
異国の言葉で揺さぶりを掛けようとした頼綱にとり、東洋の果てに降り立ったばかりのカトリック使節が、これほど見事に日本語を操るとは全くの想定外であった。
言葉による心理的な制圧を狙った一撃を完璧に受け流され、一瞬、頼綱の瞳の奥にわずかな驚愕の色が走る。
「……御上手ですね、日本語」
短く漏らした頼綱の口元に、どこか苦笑に似た色が浮かぶ。この一手により立ち上がりの均衡は破られ、以後の会談は穏やかな空気を保ちながらも、終始ヴァリニャーノが優勢のまま主導権を握り続けて進行していくこととなる。
【世界史も】天下泰平を成し遂げたノッブとイッチを見守るするスレPart476【変わった?】
1:名無しの転生者
ここは「原作:信長のシェフ」世界に転生した「姉小路 頼綱」と織田信長を見守るスレです
イエズス会の宣教師による接触が始まりました!
前スレ→http://xxxxxxxxxxxxx.xxx/xxx/xxxxxxx/xxxxx/xxxxxx/xxxxxxxxx/
考察スレ→http://xxxxxxxxxxxxx.xxx/xxx/xxxxxxx/xxxxx/xxxxxx/xxxxxxxxx/
301:名無しの転生者
イッチ「御上手ですね、日本語」
これ最高に無様すぎて草はえる
302:名無しの転生者
もっとマシな返し方出来なかったの?
303:名無しの転生者
イッチ俺恥ずかしいよ
304:名無しの転生者
ごめんゲラゲラ笑いながら見てる
305:名無しの転生者
検証・考察スレは「なんでアイツ日本語出来んねん!」でレスが埋まってる
306:名無しの転生
これ英語で話しかけたのも悪いよ
向こう側はイッチが英語出来るって分かってんのに
307:名無しの転生
メッキが剥がれてきちまったな~!
308:名無しの転生
イッチがやったことをそっくりそのままやり返された感
309:名無しの転生
やっぱあいつらこえーわ
310:名無しの転生
どんな理由があって日本語覚えたんだ?
さすがにイッチから一本取りたいからって理由じゃないだろ?
311:名無しの転生
やられっぱなしっていうのもさすがにムカつくな
何か仕返ししたい
312:名無しの転生
イッチ、レパントの海戦のこととか聞くなよ
メッキはがされた状態でそれを出すとどんな反応するか分からん
313:名無しの転生
今回は相手に主導権を握らせたまま帰ってもらうしかねーな
被害は最小限にとどめるようにはしとけ
314:名無しの転生
ラジオ出せば主導権握れると思うけど、それはさすがにな…
315:名無しの転生
向こうもあまり突っ込んだ話をしてきてないんだ、そのまま何事もなく会談を終わらせるよう努力するんだ!
316:名無しの転生
イッチがやってきた外交って、基本的に外交前から主導権握った状態で始まるパターンが圧倒的に多かったからな
今回のこれは貴重な経験やで
317:名無しの転生
敗北を糧に成長する…王道的な主人公やんな!
318:名無しの転生
この状態だとヨーロッパ情勢のあれそれは聞けんな、残念
319:あねこじ
ワイ氏、無事敗北
日本語で来るとか無理やて!
320:名無しの転生
草
321:名無しの転生
ほんと草
322:名無しの転生
知ってます?こいつ一時期天下人に一番近い男なんて呼ばれてたんですよ?
323:名無しの転生
しょせんイッチはチートオリ主、チートの通用しない相手には無力でしかないのだ!
324:名無しの転生
まだ会談終わってないんだから敗北宣言やめてもろて
325:名無しの転生
配信に集中してほらほらほら
326:名無しの転生
ここぞとばかりに愚弄されるイッチ
327:名無しの転生
急に 日本語で きたので
328:名無しの転生
まずはこれを乗り切らんとな
どうして日本語を覚えてきたのかとか、そういう理由を考えるのは全部後回しよ
329:名無しの転生
がんばえ~
330:名無しの転生
主導権握ってるくせに何も仕掛けてこない辺り宣教師も分かってるな
今回の会談はあくまで面通し、本番は次回以降ってところだろ
姉小路頼綱との会談を終えた翌日。ヴァリニャーノとフロイスの二人は富山の地に足を運んでいた。
彼らの目的はただ一つ。過日より宣教師たちの間で語られ、悪夢のようでもあり奇跡のようでもあると評された「蒸気機関車」への乗車であった。
富山を始発とするその鉄の巨躯は、加賀の尾山、小松、大聖寺を駆け抜け、越前の北ノ庄を終着とする。
当時、この蒸気機関車は厳重な統制下に置かれていた。一般の民への開放は許されておらず、利用できるのはごく限られた将兵や物資の輸送、そして領主の特別な許可を得た者に限られる完全許可制だった。
今回、二人にその乗車が許されたのは、前日の会談においてヴァリニャーノが頼綱から直接手に入れた特例の書状があったからに他ならない。
プラットホームに佇む守備兵へ頼綱の捺印が施された許可証を提示する。充分な検分を経て、二人はついに客車へと足を踏み入れた。
乗車前から胸の高鳴りを隠しきれずにいたヴァリニャーノであったが、やがて腹に響くような重低音とともに車体が揺れ黒煙を吹き上げて機関車が動き始めると、もはやその興奮を抑えつけることは不可能であった。
流れる景色。馬車などとは比べものにならない速度と、鉄が噛み合う圧倒的な動力の奔流。窓の外を凝視しながら、ヴァリニャーノの瞳には熱狂的な光が宿っていた。
『素晴らしい! この機関車! これこそ間違いなく我らが国王陛下が欲するであろう力ですよフロイス!』
子供のように身体を乗り出し、はしゃぎ声を上げるヴァリニャーノ。
しかし、その隣に腰掛けるフロイスの表情は対照的であった。この極東の文化と人々を愛し、深く理解しようと努めてきたフロイスの胸中には、複雑な感情が渦巻いていたのである。
(このような技術がこの極東の地で独自に生まれてしまったという事実……これをもし本国が強引に奪おうと企てたとき、この国がどのような牙を剥くか……)
無邪気に歓喜する上司の横で、フロイスは静かに目を伏せ、不気味なほどの未来の予兆に背筋を凍らせていた。
車窓の風景を眺めながら、ヴァリニャーノは姉小路頼綱との会談の記憶を静かに手繰り寄せていた。
天下を統一し、覇者として君臨するだけの軍事力と資源。時代を百年は走る異次元の先進性。宣教師たちの間で囁かれていた噂は何一つとして過張などではなかった。
自らの領地から盗賊などを駆逐して徹底した治安を確立し、衛生と医術を行き渡らせて疫病を退け、奇跡のような実りによって飢餓を根絶してみせた。その治世の結実として、領民たちが彼を「神」の如く崇拝しているというのも紛れもない事実。
それほどの力と徳を有しながら、なぜあの男は自ら天下へ名乗りを上げなかったのか。
数々の噂の真偽を確かめた上でヴァリニャーノが導き出した結論――それは極めて単純なものであった。
(姉小路頼綱。彼は自ら覇を唱える意志が根本から欠落している)
頼綱は歴史に名を刻む名君になり得る存在だ。しかし彼自身には「自らが頂点に立ち、天下を治める」という野心や欲求が致命的なまでに存在しない。それゆえに天下人 織田信長の盟友という立場で満足しているのだろう。
期せずしてヴァリニャーノは、織田信長に次ぐ二人目の「姉小路頼綱という男の真の理解者」へと至ったのである。
この異形の英傑の「人となり」を完全に把握したヴァリニャーノの胸中に使命の灯が点火した。次なる会談において己が持つ“真の使命”を果たすべく、具体策を巡らせ始めたのである。
ヴァリニャーノに課された真の使命。
それは、日本を統べる織田信長と、絶対的な技術と資質を誇る姉小路頼綱の二人を巧みに焚きつけ、その強大な軍勢の矛先を大陸──すなわち「明国」への侵攻へと向けさせることであった。
極東の怪物たちをユーラシア大陸へ解き放つ。窓の外で吐き出される蒸気機関車の黒煙を見つめながら、ヴァリニャーノの口元に冷ややかな笑みが浮かんだ。