低身長ツインテ爆乳負けヒロインがエルドラを救うためにがんばる話 作:ピンク髪ツインテの女の子はかわいい
「ヒロト、一緒に帰りましょ!」
飴玉の鈴を鳴らしたような声に、どこにでもあるような県立高校の廊下がざわめく。
身長142cmの小さな身体でぴょこぴょこと小さく跳ねる度に、身長に不釣り合いなほどの、制服とカーディガンの二重の布地を突き出し、大きく張り出した胸部と、リボンで結えたピンク色のツインテールが揺れる。
喧騒の中心となっているその少女──フカミ・ミミは、それを意に介することもなく、どこか憂鬱そうな顔をしている男子生徒、クガ・ヒロトへと必死に呼びかけていた。
「……え、ああ。ミミか。ヒナタも一緒でよければ」
「……か、構わないわよ!」
だが、ヒロトからの返事はつれないものだった。必死になって笑顔を取り繕っているが、袖に隠れたミミの拳は震えている。
住んでいるマンションでは生まれたときから隣の部屋同士、つまるところミミとヒロトは幼馴染だ。
小さい頃は将来、ヒロトのお嫁さんになるんだと公言して憚らず、今もその好意を引きずっているミミだったが、問題はもう一人、ヒロトには幼馴染がいることだった。
「ごめんね、ミミちゃん」
「ひ、ヒナタもあたしの幼馴染で友達でしょ? 友達同士で一緒に帰るなんてふつーふつー!」
嘘である。
この女、フカミ・ミミは激しく動揺している。なぜならここ最近、もう一人の幼馴染ことムカイ・ヒナタとヒロトの距離が妙に近い気がするからだった。
ミミは、有り体にいえば、そこらのアイドルが裸足で逃げ出す美少女だ。
加えて、彼女の一挙手一投足で学校中がざわめくマドンナでもある。
しかし、恋は戦争であり、戦争とは常に悲しいものなのだ。
眼中にない男どもの恋心をいくつ射止めても、本命には届かない──そんなミミの正体を、ラノベや漫画、アニメに親しんできた人間なら一目で看破できるだろう。
それすなわち、負けヒロイン。
恋愛という孤独な戦いで勝利者となれなかった哀しき生き物につけられるその称号を、ミミは戴いているのである。
無論、本人は認めていないが。
「ヒロト、今日はGBNやってくの?」
「……そのつもりだけど」
「ふふーん、わかったわ。いつもの場所探しでしょ? じゃあ、特別にあたしも付き合ってあげる!」
「……別に無理に付き合わなくても」
「……」
自分の探し物に、同行人は不要だ。ヒロトは少なくともそう考えている。
ミミがなにかと理由をつけてついてくるのも正直なところ、勘弁してほしかった。
しかし、断ると、ミミはこうして大きな瞳をうるうると涙で潤ませて泣きそうな顔をするから、結局なあなあで認めざるを得なくなってしまうのである。
「……わかった。それじゃ、行こう」
「ありがと、ヒロト!」
曇った泣き顔が一転、微笑みとなって大輪の花のように咲き誇る。
良くも悪くも、ミミは感情が顔によく出るタイプだった。
ヒナタは、そんなコントじみた二人のやり取りを見て、「仲がいいんだなあ」とぼんやり考えていた。
自らが好意を寄せる男にアイドルすらも裸足で逃げ出す美少女が距離を詰めてもなに一つ動揺を見せない──その、凪いだ心は紛れもない、
△▼△
『なんだよあの化け物!?』
『クソッ、よりにもよってバスターライフル持ってきたときにヤタノカガミ持ちなんて!』
黄金に輝く、ゲルズゲーの下半身にアカツキの上半身を乗せ、ついでにレジェンドガンダムのバックパックを背負ったサバイバルミッションのボスを前に、二人のプレイヤーが逃走していた。
アレックスとジムスナイパーⅡ。どちらも「ポケットの中の戦争」に出てくる機体だが、ジムスナイパーⅡはウイングガンダムのバスターライフルを、アレックスはケンプファーのショットガンを保持している。
ビーム攻撃を吸収・反射するヤタノカガミに対して、バスターライフルは無力だといえるが、実弾兵装で固めているはずであるアレックスの方も動きが鈍い。
『ガトリングすら通んねえのかよお!?』
アレックスを操るダイバーは腕部の90mmガトリングガンを展開して、ゲテモノじみたボスエネミーに弾幕砲火を叩き込むが、それすら素の装甲を前に弾き返されていた。
堅牢、堅固。
そんな言葉を体現したようなボスを前に、二人がとうとう袋小路まで追い詰められたところで、あらかじめ仕掛けられていた「それ」は起動した。
『──!?』
『あ、アッザムリーダー……?』
小型のアッザムリーダーが、ゲテモノを捕縛する。
屈強なボスエネミーですら動きを止めるその造り込みに、ジムスナイパーⅡのダイバーは感嘆の息をつく。
呆然と二人がその光景を眺めている刹那、天から二つの星が降り注いだ。
「……」
「そこのアレックスとスナⅡ! 巻き込まれ事故が怖かったらどいてなさい!」
ヒロトの操るガンプラ、「コアガンダム」がゲテモノの直上を取った。
そして、着地を挟んだもう一機のガンプラ──ヒロトのコアガンダムとよく似通っているその機体、ミミの駆る「コアガンダム1.5」は地面を蹴り上げ、ビームサーベルを引き抜いてボスエネミーへと猛進する。
ヤタノカガミは照射ビームや単射ビームに対しては無敵を誇るが、ビームサーベルに対しては耐性を持たない。
それゆえにこのゲテモノボスを倒すのであれば、ドラグーンの弾幕砲火を掻い潜って懐に潜る必要がある。
しかし、わかっていても実行できるダイバーは少ない。
なぜなら、これはゲームだとわかっていても、自らに伸びる死の射線へと飛び込んでいく勇気は、中々持ち得ないものだからだ。
『い、イカれてやがる……!』
「イカれてるんじゃないわよ、あんたがチキってるだけ! その腕ガトとショットガンとビームサーベルは飾り? 行くわよヒロト!」
「了解、ミミ」
ヒロトのコアガンダムがボスエネミーの顔面を踏み砕くと同時に、ビームサーベルを上部から突き入れる。
続いて、ミミのコアガンダム1.5が正中線を捉えてビームサーベルを胴体へと突き刺す。
相応に作り込まれた2機のガンプラ、その攻撃を急所にもらったとあっては、さしものゲテモノであっても、ひとたまりもなく沈黙せざるを得なかった。
『あ、あんたら、すげえんだな……なあ、よかったら俺らのフォースに』
『やめとけ』
思わず、ヒロトとミミにフォース──他ゲーでいうところのクランへ加入することを持ちかけようとしたアレックスとスナⅡコンビの片割れを、その相方が止める。
『なんでだよ、あいつら強かったろ?』
『……確かに強かったさ。でもあいつらは俺らを囮に使ったんだ。それも、躊躇なくな』
既に2人からは遠ざかって、バトルフィールドである荒れた断崖を双眼鏡で観察しているヒロトと、その傍らに佇むミミを一瞥し、男は呆れたように続ける。
『そして俺を煽ってきたデカ乳ツインテのメスガキはそれを止めようともしなかった。要するに、フォース戦に向いてねーんだよ、あいつら』
オープンチャンネルでの会話であったため、そのやり取りはヒロトにもミミにも聞こえていた。
だが、ミミは気に留めることもせず、ただ遠く、空を眺めているヒロトに寄り添い続ける。
少なくとも──こうしている間は、二人きりでいられるから。
今だけは、たとえ彼が空を見上げているその理由を知らずとも、恋敵であるヒナタを抜きにして、ヒロトと、ヒロトが教えてくれたこのGBNという世界を旅することができるから。
オリ主ちゃんは生まれた時から敗北者じゃけえ
ひとくちキャラ紹介
名前:ミミ/フカミ・ミミ(深海 美々)
機体名:コアガンダム1.5(アイズ)→???
年齢:15
性別:女
身長:142cm
バスト:Iカップ
ダイバールック:萌え袖のゴスロリドレス。
髪の色:ピンク
髪型:リボンで括ったツインテール
目の色:青
ダイバーランク:A