低身長ツインテ爆乳負けヒロインがエルドラを救うためにがんばる話 作:ピンク髪ツインテの女の子はかわいい
「……まずチーム編成だけど、俺とメイ、ミミとカザミ、パルの編成で行こうと思う」
翌日、GBNにログインしたミミたちはクリエイトミッションの実行前に、簡単なブリーフィングを開いていた。
「おいおい、別に俺一人でパルのことをフォローしても構わないんだぜ、相棒? なんで爆弾娘と一緒なんだ?」
「……相棒じゃない。これで固定するわけじゃなくて、ダメだったら都度都度編成を変えていくつもりだ」
カザミの反論に対して、ヒロトは話をそう締めくくる。
要するに、暴走しがちなカザミへのフォローをミミに任せた──というよりは押しつけた形だった。
そのことに多少の罪悪感を覚えてこそいたが、同時に、ミミであれば多少カザミが問題を起こしたところでフォローできるだろう、という信頼もある。
「任せておきなさい、ヒロト。あたしがビシバシ二人を鍛えてあげるから」
「……任せた。それじゃ、行こう」
「ちょっと待て、俺が爆弾娘に鍛えられるってどういう──のわぁ!?」
カザミが反論する前にクリエイトミッションへエントリーしたミミたちは、瞬く間に専用ステージへと転送されていく。
もうわかりきっていることではあるが、カザミは紛うことなき地雷プレイヤーである。
それを矯正するのが自分の役目とあれば、全力で鞭を振るうのも辞さないのが、ミミの覚悟だった。
△▼△
「いくぜ! 俺が一人で終わらせてやる! ジャスティスサンダー……」
「前に出過ぎよこのバカ!!!!」
天高くショットランサーを構えて決めポーズをとったカザミのジャスティスナイトを、ミミのアステールガンダムが容赦なく蹴り飛ばす。
ジャスティスナイトの落下地点に陣取っていた、盾を四つ構えているリーオーNPDとカザミが衝突事故を起こして体勢を崩したのを見計らって、ミミはνコアライフルでタンク役のNPDを撃墜する。
そして、即座にバックブーストを噴かし、敵の侵入経路に一人取り残されたパルのフォローへと入った。
「わ、うわ、うわぁぁぁぁ!?」
「落ち着きなさい、パル!」
「は、はいぃ!」
「遠距離射撃の多くはね、天パのニュータイプか最強のチャンプでもない限り当たんないのよ」
敵の数と弾幕に圧倒されているパルに対して、ミミはそう断言する。
「牽制射撃にビビって体勢を崩したりしたところや、地面への着地、武器のリロード……射撃ってのは基本的にそういう『隙』を狙って撃つものなの」
「す、隙……ですか?」
「そう、だからパルはまず、無闇に逃げ回らず堂々とすることが、『隙』を相手に見せないことが大事なの。あんたの前にはあたしとカザミが盾になる形で陣取ってる。守りに関して心配する必要はないわ。だから、パルが狙うべきは──!」
片手間にリーオーNPDを撃破しつつ、意図的に「逃してやった」1機をパルの駆る「ヴァルキランダー」の射線上へとミミはそれとなく誘導した。
狙うべきは、この狭い通路を無理やり突破しようとする近接火力型、もしくは防衛拠点に到達されたら厄介なことになる遠距離砲撃型だが、砲撃型は既にミミが始末している。
残されたリーオーNPDの近接型に対して、パルは慎重に狙いを定め、ヴァルキランダーの口から火球を放つ。
「い、いっけぇぇぇ!」
火炎弾の直撃によって、リーオーNPDが爆発四散する。
任せられた10機のうち、6機は既にミミが倒していた。
これで敵の総数は7機減って3機。こちらの数と同数になったというわけだ。
「痛ててて……なにしやがる、このちびっ子爆弾娘! せっかく俺の見せ場だったってのに──」
「あんた、根本的に勘違いしてるでしょ」
「は?」
数の有利を失ったことで攻めあぐねているリーオーNPDを牽制しつつ、ミミは、冷たい視線を向けて、カザミへと全く容赦することなく言い放つ。
「キャプテンだかヒーローだかなんだか知らないけど、なりたいってんなら止めやしないわ。それは個人のプレイスタイルの話だもの。でもね、今あたしたちがやってるのはチームプレイ。個々に役割が必要なわけ」
「それがどうしたってんだよ! 俺はなぁ!」
「……あんた、本当にミッションクリアする気あんの?」
「……は?」
ミミの鋭く、冷たい言葉にカザミは思わず口を半開きにする。
自分はGBNのヒーローになりたくてロールプレイを貫いていて、ヒロトやミミといった熟練のプレイヤーにバックアップしてもらえばその達成は容易だと考えていたからだ。
だが、ミミは差し伸べてきた手を振り払うように言葉を続ける。
「本当に一人でなんとかできるってんなら、あたしも別に勇者様プレイは止めやしないわ。ダイバーの中には無双ミッションで100機近くの敵を蹴散らしたやつもいるみたいだから。でも、あんたはそうじゃない」
「……ぐ、ぐぬぬ……そ、そこまで言う権利がお前にあんのかよ!? 俺はまだ真の実力を」
「あたしが蹴っ飛ばしてなかったらタンク役がタンク役と競り合うとかいう不毛なことになってたとしても? あたしがいなかったら、あんたがタンク役にまんまと引きつけられてる間に、まだ慣れてないパルが全部の敵を相手することになったとしても?」
「……」
情け容赦のない、ミミが繰り出す正論パンチの前に、カザミは拳を握りしめて閉口する。
それをフォローするのがお前の役目だろ、と逆ギレすることもできた。
自分の勇者プレイをアシストしてくれる存在として見込んだのがミミとヒロトなのだ、それぐらいはやってもらわなければ困る、という気持ちは確かにあるが、それ以上に、心のどこかでその事実をカザミは嫌というほどに理解していたからだ。
「じゃあ、どうすりゃいいんだよ……俺は強くなりてえ! でもよ、今更俺なんかを……!」
「鍛えてやるわよ、このあたしが」
「は?」
ぎり、と握り締めていた拳を解いて、カザミはぽかんと口を開ける。
てっきり、ミミは自分に愛想を尽かしてそう言ってきたのだと思っていたからだ。
だが、ミミの目は本気だ。それは本気で自分を鍛えてやると言っているという証明にして、まだカザミを見限っていないという証拠だった。
「……俺は」
ただ、素直に首を縦に振ることはできない。
自分の積み重ねてきたものとプライドは、そう簡単にはいそうですかと譲れるものではないからだ。
しかし、心のどこかで、ミミが自分を見限っていない……つまり、「仲間」として見てくれていることを嬉しく思う気持ちも、カザミにはある。
(今更、俺なんかのことを真剣な目で見てくれるやつが貴重なのはわかってる、けどよ……俺は、俺は……!)
絆されかけた心を引き戻すようにカザミは頭の中でそう何度も繰り返す。
「ちなみにイエスノーなんて選択肢は最初からないわ。今回の練習で、あんたとパルをみっちり鍛えてあげるのが、ヒロトから預かったあたしの役目なの。さあ、今回はあたしがキャリーしたから勝っただけ! 次は役割分担して、ちゃんと勝つまでビシバシいくわよ!」
「はっ、はいぃ!」
「ちょっと待て、鬼かよこの女!?」
ミミは悩みなど知ったことかとばかりに、有無を言わさない口調で、パルとカザミへとそう言い放つ。
鬼だろうと悪魔だろうと構わない。
この即席チームをミッションクリアに導くまで、ヒロトがきっとまた、昔みたいに笑ってくれるようになるまで、そばで支えるのが、自分の役目なのだから。
ミミちゃん先生はスパルタ