ある日。日曜日。俺はおデジとテレビを見ていた。おデジはウマ娘ちゃんがいないということに諦めてはいるがそれでも興味は枯れなかったらしい。競馬に興味を持った。
「へーあれがウマなんですね。」
「そうだな。あれに人が乗ってレースするんだ。」
「向こうだと馬券ってウイニングライブの優先購入チケットなんですけどこっちではお金を賭けるっていうのは不思議です。」
「まぁな。ちょっと賭けてみるか。」
俺もスマホを新しくしたので。アプリ馬券パークを起動。とりあえずパドックの中継で見た良さそうな3連単を100円で3000円ほど。こんなもんだろ。
「へー。」
「まぁこれで当たればいいんだが。11番が1番人気だが、調子良さそうなの7番なんだよな。簡単に調べると7番はダートから転向で芝初めて。牝馬だが牡馬とかなりやりあってて強さはお墨付き。11番は転厩初戦で不安が残るな・・・でもこの距離は得意距離でこの距離では無敗。でもこれは他の馬が弱かった感じがするんだよな。騎手との折り合いも悪そうだし。」
「ふーん・・・でも勝つの。3番だと思いますよ。」
「え?」
「3番のウマは体付きを見ても1番良いです。それだけで決まる訳ではないですけど・・・目ですよ。」
「目?」
「はい。あの・・・動物なんですが・・・わかるんです。あの目。向こうでレースを見てた時に、ああいう目をしてるウマ娘ちゃんは例外無く物凄く強いです。」
「そうなのか・・・」
3番の馬は・・・13番人気。よしこれも単勝買っとくか。おデジが言うから1000円。123倍で勝てばすごいぞ。
「まーでもあたしはウマについてはわかりませんし。結果はどうなるやら・・・」
「いいじゃないか。単勝買っといたぞ。1000円賭けたからこれ勝てば新しい8K液タブの資金にしような。」
「おお!」
そして始まったレース。結果は、3番の馬が大外ぶん回しで差し切りで勝った。すげぇな。3連単は全部ハズレ。
「おおお勝ちましたよ!!やっぱりウマ娘ちゃんと同じく目で語るんですねぇ!!!」
「あ、ああ・・・」
「うふふ・・・8K液タブに一歩近づきました!」
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「ふむむ・・・こっちはダート1200は初めて・・・でも血統からこの距離はイケるはず・・・あーでも前日の雨で砂が少々状態が悪いか・・・そう考えると道悪が得意な6番がイケる・・・?でも中央から転向で初戦・・・中央での戦績はイマイチ・・・しかも芝・・・ダートは適正ありますかね・・・9番は牡馬牝馬混合戦で結構成績残してますね・・・でもこれは父母ともに中距離タイプ・・・あ、でも父父と母母は短距離馬だ。それに9番は全部雨での好成績!決めた!9番を予想します!」
おデジは地方競馬にハマったようだ。おデジは馬券を買えないので。俺はおデジの予想を耳に入れて馬券を買う。俺も自分で考えた馬券を買った。3連単で100円を2000円分。
「うふふ・・・9番は7番人気・・・勝てば美味しいですね。液タブに近づきます。」
「まぁ勝てばな。」
「ふふふ・・・」
まぁ・・・いいか。馬券買うのは我慢してね。
「ギャンブルなんだから程々にな。」
「わかってますよぉ。液タブ買うまでです。」
⏰
そして1週間後。
「ふひ・・・ふひひ・・・」
「嘘だろ・・・」
おデジはあっという間に液タブ代を競馬で稼いだ。ウマ娘には馬の見る目があるのか?どうなってんだ・・・
「これで8K液タブが・・・!」
「まぁいいか。」
「うへへ・・・」
ヨドアシカメラで液タブを注文した。まぁおデジがこれで競馬止めるならいいかな。
「よぉーし。もっと描くぞぉー!」
「はいはい。」
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ある日。ちょっと問題が起きた。
「なんだこれ。」
「なんでしょう・・・」
なにやら荷物が届いたのだ。おデジ宛てに。だが伝票も貼ってなければ。誰が届けたのかもわからない。急に現れたのだ。
「ダンボールに直書きですよこれ。」
「怪しすぎる。」
とりあえず開ける。母ちゃんは危ないので2階に避難してもらった。よし。
「・・・。」
「ひぃええ・・・」
バリっとカッターで封を切る。中身は・・・
「なんだこれ。」
「瓶・・・?」
中には・・・何やら液体の入った瓶。そして手紙。
「おデジ手紙読んで。」
「はい。」
ウマ娘の体に未練が無くなったら飲んでね。
ダーレーアラビアン
「誰だこいつ。」
「私も知りません・・・」
多分・・・ウマ娘。そして多分・・・次元を超えて来てる。なんだこれ。
「ウマ娘の体に未練が無くなったら・・・?どういうことなんだ。」
「なんかやばそうですし。捨てましょう。」
「いや、おデジの身になんかあった時、向こうに帰る時の手がかりになるかもしれない。残しておこう。」
「帰りませんよ!?」
「万が一だ。」
「・・・はい。」
うむ。だがなんだこの怪しい多分薬は。向こうでタキオンが作って飛ばしてきたのか?だがそうなら手紙にタキオンって書くし・・・謎だ。
「賞味期限はあるのだろうか・・・」
「まぁほっといていいんじゃないでしょうか。」
「・・・だな。」
放置決定。怪しすぎる。
「さて、今日は何しようか。」
「あ、そうそうあの、あなた?」
「なんだ?」
「あたしの下着を作ってくれるって言ったヘタコスプレイヤー・・・美坂さんなんですが・・・やっぱり計測して作りたいと言ってて・・・家に招いても大丈夫でしょうか。」
「その・・・普通の下着を改造するのはだめなのか?」
「尻尾は敏感で・・・ちゃんと作られてないと・・・刺激が強すぎて・・・」
「・・・なるほど。」
「すみません・・・」
「いいよ。じゃあうちに呼ぶか。信用出来るんだろ?」
「オーダーメイドの下着を作る職人さんだそうで、口は硬いと思います。」
「わかった。調整しよう。」
「お願いします。」
おデジの服に関しては死活問題だ。ウマ娘用の服なんてあるわけない。この世界では作ってもらうしかない。というかズボン履けないしね。尻尾隠さなきゃならないから。
「じゃあ美坂さんに連絡しますね〜」
「ああ。」
とりあえず自分でなんとかしたのは良い。おデジの存在は隠さなきゃならないが、完全に隠してしまうとおデジの生活がままならない。難しいな・・・
「・・・お。」
「どうした?」
「コミッションの依頼が来たんですよ。ちょっとパソコン借りますね。」
「おう。」
「ただ・・・」
「ただ?」
「癖が強い・・・注文で・・・」
「断ってもいいんだぞ。」
「いえ断る様な内容では無いんですが・・・」
「が?」
「見てくださいよ。」
「どれどれ・・・」
内容は・・・R-18ではないが確かにクセが強い。まぁおデジの年齢も性別も知らないからの内容だろうけど・・・
「あはは・・・描くの?」
「描きます。こういうのも描けると実力が付くと思いますので。」
「そうか。」
コミッション・・・最初は反対したが、絶対に年齢も性別も種族も明かさないという条件で許可した。まぁ自分でお金を稼ぎたいと思うのは良いことだろう。
「バリバリやりますよー」
「頑張れよ。」
そうしておデジは俺の部屋に突撃した。これはおデジのパソコンも用意してやった方が良さそうだな。お金はあるし。
「ぎゃーーーーーーーー!!!!!」
「どうした!!!」
俺の部屋から絶叫が聞こえた。なんだ!?
「おデジ!!!!」
「あ、あなたぁ〜〜〜!」
「何があった・・・?」
「あた、あたしの習作達がぁ〜〜〜!!!」
おデジは真っ白になったフォルダを前に涙を流していた。
「あーあ・・・消しちゃったのか。ゴミ箱には無いのか?」
「なんか・・・クリーンナップ?してメモリ容量を空ける?ってのを実行したら・・・」
「あー・・・」
俺のデータは大したものは無い。ゲームが少々入ってるだけ。
「ああああ〜〜〜〜〜!!!!」
「あーあ。」
「あ・・・ああ・・・あああ・・・」
おデジは真っ白に燃え尽きた。まぁ・・・頑張れ。