一話 ゲヘナのバイト部部長、参上!
「やぁ!風紀委員の諸君!私が手伝いにキタよ!」
「ノクスさん、今日はよろしくお願いします」
「任せたまえリボンちゃん!この私があっという間に片付けてあげようじゃないか!」
バン!と思い切り扉を開け挨拶をするとチナツちゃんに声を掛けられたから胸を張って自信満々に任せるように言う。
「今日も書類仕事の手伝いをお願いします。一人増えるだけでも大分楽になりますから」
「それじゃあお隣失礼するよ」
書類の山が築かれている席に座り山を崩さないように間に挟まれている紙を抜き取る。
「ふむふむ、コレはこっちでアレはソコで…随分とバラバラだねぇ」
なんだいこの無茶苦茶な重ね方は、まるで適当に束にして雑にドンと置いたように見えるじゃないか。まぁ、美食研究会とか温泉開発部とかの後処理書類なんだろうけどね。相変わらず凄い量だ。
「これでも今日は少ない方なんですけどね」
「それなら今日は早めに帰れるだろうねリボンちゃん、ナゼならゲヘナ学園バイト部部長であるこの私!嘘字盡ノクスが格安で助っ人にキタからさ!!」
「風紀委員としては大助かりですが、最初に提示した雇用費より安くて良かったんですか?」
「なぁに!お得意様である風紀委員への心ばかりのサービスだとも」
風紀委員には定期的に雇ってもらっているからね、このぐらいのサービスはさせておくれよ。
私が書類を片付けているのをアコちゃんがジッと見ている。なんだか照れくさいな、こう言うのを見られるのは。
「風紀委員の事務員として欲しいくらいには事務が進みますよ」
「はっはっは!腹心ちゃんにそう言ってもらえるのは嬉しいけどイマのところバイト部以外に所属するつもりはないよ」
何度かスカウトされた事はあったけども、風紀委員になっちゃったら自由に活動出来ないからねぇ。こうして雇い雇われの関係が丁度良いのさ。それはそれとして雑談してたらいつの間にか書類が無くなってしまったな……定時まではまだ時間があるしこのメチャクチャな書類たちをカテゴリー別に整理しとこうか。
「そうそう、リボンちゃん、キミ宛にあの子からお土産を預かってきてるよ」
「彼女から?」
「えっと、ドコに入れてたっけ……あぁ、コレだね。はい、古典の詩集だってさ」
私にはイマイチ何が書いてあるのかさっぱり分からなかったけど。あの子曰くチナツちゃんはこう言う本を読むのが好きなんだとか。
「詩集ですか、今度暇な時にでも読ませてもらいますね。後日私からもお礼をしますが彼女に「ありがとうございます」と伝えてください」
「良いよ〜…あ、リボンちゃん私が使っても良さそうな紙ってある?」
「?…左下の引き出しにメモ用紙が入っていますが、何に使うんですか?」
「見てたら分かるよ」
口笛をご機嫌に吹きながらメモに分類を書き込んで書類を分ける。新しい分類の書類が来たらメモを取り出しカテゴライズしていくのを繰り返す。
「こんなモノかな?本当は書類が散らばらないようカゴがハコの中にでも入れておきたかったけどね」
「…え?会話の片手間に書類を分類分けしたんですか?」
「そうとも!コレなら風紀委員長さんが確認をする時にそこそこはラクになるんじゃないかな?優先的に見て欲しい書類はココに置いて、サインとかは必要なのはコッチ…後はサインは必要だけどそこまで重要じゃないのとかにも分けてるよ」
更に細かく分類するなら美食研究会関連とか温泉開発部とか万魔殿とか色々と分けてるんだけど…ちょっとやりすぎたかも。まぁ…いっか!
「……ノクスさん、申し訳ないないですがこちらの書類も整理してもらって良いでしょうか」
「もちろんだとも!この私にお任せあれ!」
私が分けた書類に目を通したチナツちゃんが別の山を持ってきてお願いしてきたので私は胸に手を当て引き受ける。しかし、ただ終わらせるだけじゃあつまらないな…ついでに差し入れも置いていこう!これでバイト部の人気のグーンと上昇!ふっふっふ、素晴らしいアイデアじゃないか。
そう決めた私は書類をすぐに片付け差し入れを買いに行き私の居たデスクにそっと置いてから風紀委員を去った。
−−−さて、次はどこへバイトに行こうか!