「それじゃあ今日もお願いね。ノクス」
「…ふ〜む、別に構わないよ。けど私にはあまり効果がないと思うのだけど」
今日も万魔殿に配達をして無事に終わった後、サツキさんに追加の頼まれ事をされたので軽い気持ちで引き受ける。
「それじゃあそこに座ってちょうだい。そう、そして出来るだけリラックスして。この五円玉を見て」
「………ふむふむ」
万魔殿でバイトをすると偶に頼まれるけれど、催眠術に掛かった事はない。掛かる人には掛かるらしいけどね。
「あなたはだんだん万魔殿に所属したくな〜る……したくな〜る……どう?」
「残念ながらイマもサキも私はバイト部から離れる気にはならないねぇ」
「…変ね。オンライン講座ではこうしたら簡単に掛かるって解説してたからいけると思ったのに」
「催眠師さん?それヤラセとかCGとかで騙されてるんじゃ…どこで見たの?」
「キヴォチューブよ」
あぁ〜…うん。どうなんだろう。あのサイトって意外な掘り出し物があったりするからなんとも言えない。ただ今のを見るにハズレっぽい気はする。
「それじゃあ今度はこっちの本に書かれてた方法を試してみようかしら」
「どんな本なんだい?」
「これよ!」
何々?「猿でも出来る簡単催眠術!これであなたも立派な催眠術師!」………何コレ。本当に効果があるの?逆にこれで掛かる人を探すのが難しくない?
「それじゃあ今度はこっちのペンライトを見てちょうだい。このペンライトの光に集中して…そうすると意識が飛んでいく…」
ペンライト式の催眠療法だったか〜
「意識が飛んでふか〜い催眠状態に入っていく…とても気持ちの良い催眠状態に入っていく…どんどんふか〜く入っていく……3秒数えたらあなたはプリンを買いたくなる」
う〜ん。やっぱり私には効かないみたいだねぇ。催眠術って想像力が豊かだったり集中出来る人が入りやすいって聞くから。私はあれこれ考えちゃう上に興味があっちこっちに移っちゃうからダメなのかもしれないね。っていうかプリンって可愛らしい催眠を掛けるな…この先輩。
「3…2…1……はい!今度はどうかしら?」
「え〜っと…うん、残念だけどまた掛かってないよ」
「………おかしいわね」
顎に手を当てて手に持ってるペンを見つめるサツキさんを私はなんとも言えない顔で見るそもそも掛ける対象を間違ってるのでは?
「試しに自分自身に掛けて見たらどうかな?自分で体験したら催眠状態に掛けるコツを掴めるかもよ」
「…その手があったわね!それじゃあノクス、このペンライトで私に催眠を掛けてちょうだい!私の催眠術を受けてきたあなたなら出来る筈よ!」
「ムチャクチャな!?」
確かに今まで受けてきたけども!だからって催眠を掛けれるって言う意味じゃないからね!?やるけどさ!
私はサツキさんからペンライト受け取って渋々催眠を掛ける。
「……どうして後ろに立ったの?」
「囁き声なら掛かりやすくなるんじゃないかと思ってダメ元で」
「そう。ならお願いするわ」
「は〜い」
ペンライトを持った手をサツキさんの前に持っていってライトを当てる。そして耳元の顔を近付けて小さく囁く。
「私の声をヨク聞いて…キミはこれからこの明かりをジ〜っと見つめるんだ…そう、そのまま見つめ続けて…そしたらキミの意識はどんどん深く入っていく…自分の奥底に深く……深く入っていく」
あ、段々目がとろんとしてきた。嘘でしょ?私でも半信半疑でやってるのにこんな簡単に掛かるの?凄いな猿でも出来る簡単催眠術。でもなんの催眠を掛けよう…サツキさんがいつも言ってるあれで良いか。
「私がイマから3つ数えたらキミはとても強くなる。さぁ…深く息を吸って……ワン…ツー…スリー」
「…!」
最後に指をパチンと鳴らしてサツキさんを起こす。サツキさんはゆっくりと瞬きをしてから体を見渡して首を傾げる。
「本当に掛かったの?」
「私が掛けたのは単純に強くなるって催眠だから…何かを軽く殴るとかしたら効果が出てるか分かると思うよ。試しに壁を軽くポンって叩いてみておくれ」
「……そうね。それじゃあ…えい」
−ドゴォ!
「「えっ」」
サツキさんが握り拳を作って軽〜く叩くと万魔殿の壁が音を立てて崩れ落ちた。目の前で起きた出来事が信じられなくて何度も目を擦っては穴が空いた場所を見る私とは対照的にサツキさんは催眠術が成功した事に喜んでニッコニコの笑顔を私に向けてくる。
「やっぱりこの本は本物だったんだわ!見てちょうだいノクス!成功したわ!」
「あ、あぁ…そうだね…私もビックリさ」
プラシーボ効果とかそう言うのではなく本当に成功したんだ。いや…強くなり過ぎでは!?とても強くなるとは言ったけど壁を粉砕するほど強くなる必要はないじゃないか!
「今度早速別の人に試してみるわね!今日は本当にありがとう!…あ、でもこの壊れた壁はどうしようかしら……」
「おい!今の騒音はなんだ!?一体ここで何をして…万魔殿の壁に穴が空いてるだとぉ!?」
マコトさんに見つかった後は言うまでもなくサツキさんと私は叱られてしまった。ただ内容が斜め上の「どうせなら空崎ヒナに弱くなる催眠術を掛けろ!」と壊れた壁以外の理由で叱られてた。催眠術に関してはむしろ成功させたことを褒められて追加ボーナスを貰った。良いのだろうかこんな事でボーナスを貰っても……。
−−−ただ分かった事と言えば今度サツキさんに催眠術を掛ける時は何か壊しても良い物を用意してから掛けるべきだってことだ
名前:ノクス
フルネーム:嘘字盡ノクス
レアリティ:⭐︎3
役割: STRIKER
ポジション: BACK
クラス:サポーター
武器種:MG(FG42降下猟兵銃)
EX:ブルート・フェアトラーク:コスト4
演出: 懐から契約書とペンを取り出しサインをしてから放り投げる
自身の体力25%を消費して仲間一人のEXスキル67.9%増加、命中率13.9%増加、会心値を17.9%増加(20秒間)
NS: オマケをあげるよ!
30秒毎に味方1人にマーカーを付け会心ダメージ率を23.6%増加(20秒間)
PS: 私に任せたまえ!
HPを26.6%増加
SS: 契約はご利用的にね?
EXスキルを3回使用する毎に体力を20%回復
簡単キャラ紹介
ゲヘナ学園2年でバイト部の部長。ゲヘナ学園に入学するなり即座にバイト部を設立しキヴォトスのあちらこちらで働いている。トリニティとゲヘナの確執や因縁などには全く興味がなくトリニティでもよく働いている
#Picrew #名もなき女の子メーカーにて作成
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【挿絵表示】