我らゲヘナ学園バイト部!   作:CoCoチキ

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六話 甘くて苦〜い飲み物はどうかな?

 

 「ヤッホー!カフェオレとイチゴケーキをおくれ!マスター!」

 「他の客も居るんだから静かに開けなっていつも言ってるでしょ!」

 「おっと…ゴメンよ?」

 

 店のカウンターで肘を着いて座ってる翼のある店主が私の注意した後立ち上がりコーヒーメーカーに手を付ける。

 

 正直こんな遠い場所に来るお客なんて私みたいな変わり者しか来ないと思うと言いたいけど言ったらしばかれるから言わないよ!

 

 「あんたも相変わらずも物好きよね。態々ゲヘナを離れてまでここに来るんだからさ。ゲヘナの方が美味いもん沢山あるんじゃないの?」

 「う〜んどうだろうね?毎日コレでもかと言うホドには美食研究会に爆破されるから。美味しいモノがたくさんあるかどうかは微妙だね」

 「それが事実ならゲヘナの料理人は商魂逞しいわね。私だったら一回爆破されただけで店畳むわ」

 「それは困るよ!せっかく見つけた憩いの場所なのに!」

 「マジにならないでよ。ただの冗談だって」

 

 トリニティの端っこにあるこの喫茶店はゲヘナ生もトリニティ生も中々来ない上に静かな店内に流れるこのジャズ風の音楽がゆったりとさせてくれるんだ。畳まれたらどうしようかと思ったよ。トリニティはスイーツが美味しいけどゲヘナ生ってだけで売ってくれない店が多くてさ。

 

 「ほんとあんたって変わってる。ツノ付きなのにハネ付きの店が好きだとかさ」

 「はっはっは!ツノだとかハネだとかくだらないコトを気にしてたらバイトなんて出来ないさ!」

 

 店主がカフェオレとケーキを置くと深くため息を吐いてまた椅子に座り込んだ。

 

 「くだらないって、そんな一言で済ませられる関係じゃないと思うけど…でもあんたからすればくだらない事か…羨ましいわそうやって考えられる事が」

 「だってそうじゃないか。くだらないコトで争ってるせいでこんなに美味しいカフェオレとケーキを食べられないだなんて人生の半分は損してる」

 

 紅茶だって良い飲み物なのに私も周りにはあんまり飲む人居ないんだよねぇ。悲しいなぁ。食べ物に罪はないのにね。種族が違うってだけでああだのこうだの否定されちゃうんだから。

 

 「やっぱり此処に来ていらしたのね!野蛮なツノ付きめ!」

 「んん?」

 

 ケーキを食べてると後ろから声を掛けられる。

 

 「あ、マスターの妹ちゃんじゃないか。はい!イチゴあげる」

 「あむ…むぐむぐ…ゴクン……そんな手で誤魔化されませんわよ!いつもいつも卑劣な手段で誤魔化そうとしてこれだからツノ付きは!」

 「卑劣って言うかあんたが差し出された苺を素直に食べただけでしょ」

 

 ほんと素直だなこの子はツノ付きめツノ付きめって言ってる割には私の事を追い出そうとしないし。あれかな?せめてたくさんお金を置いてけって事なのかな?

 

 「お姉様は騙されているのですわ!これはこのブナシメジの常套手段!こうしてわたくしたちに餌付けをして少しずつトリニティの情報を抜き取ろうと言う魂胆に違いありませんわ!」

 「ブナシメジって言われるのは初めてだな私、ソレって罵倒なのかい?」

 

 新しい罵倒を試してるのかな?いまいちピンと来ないけど。

 

 「汚泥のような飲み物と言えどお姉様が淹れればそれはもう天にも昇る程の美味しさに変わりますわ。その秘訣を探りにこのお店の来たに決まっていますわ!わたくしは騙されませんわよーーー!」

 「はいもう一口どうぞ」

 「あむ…むぐむぐ…ゴクン…ですからわたくしがこのブナシメジを見張っているのですわ!こうしてわたくしが見張っている以上このトリニティで好きにはさせませんわ!お姉様、わたくしにもカフェオレを一つくださいな」

 

 ふふふ、餌付けするって言うのは案外間違いじゃないのかも。この喫茶店に来ると必ずこの子がやってくるから。しかも一口あげれば素直に食べてくれるしついついあげたくなっちゃうんだよね。

 

 「ところでブナシメジさん?その血の滲んだ包帯は何かしら?」

 「おや?ココに来る道中で傷口が開いたかな…気にしないで。バイト中にちょっとしたミスで怪我しただけだから」

 「は〜〜やっぱりゲヘナは野蛮ですわねぇ。ほんの少し働いただけでも血が出る程の怪我をするだなんて……いつ治る予定ですの?」

 「う〜ん、手当てしてくれた子の話によれば4、5日だったかな」

 「ほほ〜う?そうですのね…」

 

 カフェオレを受け取った妹ちゃんはそれを聞いたら口をモゴモゴとさせながらカップに口を付ける。どこか安心した風に見えるのは私の気のせいかな。

 

 「ま、体力だけが取り柄の貴女なんですから当然の話ですわよね。おほほほほほ!万全な状態ではない貴女など恐るるに足りません。今日のところは見逃して差し上げましょう」

 

 う〜ん、やっぱり妹ちゃんには警戒されてるな〜大好きなお姉様に纏わり付いてると思われてるっぽいからその誤解を解ければ仲良くなれそうだけど。

 

 「素直にノクスが心配だって言えば良いじゃない。我が妹ながら面倒臭いわね〜」

 「お姉様!誰がこんなブナシメジを心配していると言ったのですか!わたくしこれっっぽっちも心配なんてしていませんことよ!」

 

 心配って言うよりこれは正面から勝ってみせるっていう自信の表れ?矜持?だと思うよ。

 

 「その足では歩くのもお辛いでしょう?貴女にはさっさとその怪我を治してもらわなければ張り合いがありませんのでわたくしが家まで送って差し上げますけれど」

 「大した傷じゃないし気にしなくて良いとも。流石にそこまでの迷惑は掛けれないからね」

 「態々送って差し上げると言っているのに不要だと!?」

 「あんたのそう言うとこが面倒臭いんだよ我が妹よ!」

 

 え、えぇ?これは何が正解なんだろう?私は多分嫌われてるんだよね?だったら別に断っても問題ないと思う…んだけど。逆に送ってもらうのが正解なの?

 

 「貴女が!怪我してるとわたくしが気にしますの!弱っている相手に勝ったところでそんなモノはただの虐めですわ!」

 「お、おぉ〜……お?…ん?」

 「で・す・か・ら!早くその怪我を治しなさいと言っているのですわ!貴女の怪我が治らなければわたくしの完全完勝とはなりませんことよ!」

 

 えっと、勝利への美学って事かな?万全の相手を正面から勝ってこそ意味がある…みたいな。

 

 「じゃ、じゃあ送ってもらおうかな?」

 「フン!最初から素直に頷いておけば良かったのですわ。貴女の理解力の無さには呆れますわね」

 「…こんな空気だけど一応そこそこの縁なんだから名前を教えてくれても良いんじゃ?ずっと妹ちゃんじゃちょっと分かりづらくあると思うよ?」

 「ブナシメジに名乗る名なんてなくってよ」

 

 私もブナシメジって名前じゃないのだけどねぇ…去年から通ってる喫茶店…そして姉妹だけれど…妹ちゃんの方は相変わらず何を考えてるのか分からないよ。

 

 「あぁ、そうですわ。この際ですし貴女がお姉様に不埒な事をしないか気が気で無いのでわたくしとモモトークを交換してもらいますわよ」

 「別に良いけれど…んんん?」

 

 嫌われてるんだよね?

 

 −−−家に送ってもらった後は妹ちゃんと何故か夜になるまでモモトークで雑談していた。しつこいようだけど嫌われてるんだよね?私

 

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