「うぅ〜ん、お饅頭に潰されるぅ。い、息が…苦しい!」
私はなんだかフワフワとした何かに窒息させられそうになって飛び起きる。変な夢を見た原因に目を向けると私の隣で何かを探すように手を動かしながら寝てる。ハイリが居た。
「また勝手に入ってきて。ううん、入ってくるのは構わないけどねぇ。毎回窒息しそうになるから私の頭を抱き枕にするのはやめてほしいよ」
どうしてハイリが私の家に居るかって?そりゃあこの子には合鍵を渡してるからさ。お互い家が近いし幼馴染だから気楽に会えた方が嬉しいだろう?でもこの子に軽々しく合鍵を渡したのはちょっと後悔してるよ。まさかハイリが抱き枕が無いと落ち着かないタイプだったなんてね…。
「ん〜〜」
「…あ、起きたかい?ハーブ、何度も言ってるけど私の頭を抱き抱えないでくれるかな?息が苦しくてしょうがないよ」
「……や」
「ムグッ!?」
ハイリに注意すると目を擦った後に拒否され頭を抱き抱えられた。一度だけこの子が泊まりに来た時に枕を忘れたらしくって、抱き枕が無いと寝れないなんて言ってたから代わりの物を貸そうとしたら今みたいに頭を抱き抱えられたんだよ。そしたら私の頭の抱き心地が良いみたいで時々家にやってきてはベッドに潜り込んでくるんだ。
「
「や!……スピィ」
「
ヤバい!本当に意識失いそう。どうにか呼吸する為にずらさないと、体を捻って顔の向きを反対に、って体にハイリの足が絡みついて動けない!?
「ウググ…プハ!どうにか顔をズラせた。死因が幼馴染の胸に抱かれて窒息死だなんて笑い話にもならないよ」
「さらさら…指がするする通る撫で心地……良き」
「起きてるじゃないか!」
頭を抱えてたのが今度は髪に櫛を通すみたいに絡めて撫で始めた。ちょっと自由過ぎない?この幼馴染。
「寝てる〜…スピィ…スピィ…ふふ、さらさら」
「ウソだろう!もう、今って何時なんだい?」
「さぁ?そんな事より〜せっかくのお休みなんだからお昼までぐっすり寝ようよ〜」
「それは寝過ぎじゃ?そろそろバイト禁止も解けるし次のバイトの為の準備を進めたいのだけど」
ここ数日ほとんど体を動かしてないから体が鈍っちゃいそうで心配なんだよ。
「だめ〜、ノクスは最近働きすぎ…だから今日は私と一緒にお昼寝するんだよ〜」
「だから寝過ぎだってば、そんなに寝れないよ」
「ほ〜ら、頭を撫でてたら眠くなってくるでしょ〜?」
「そんな小さな子供じゃないんだしなる筈ないさ」
…あれ?ちょっと撫でるの上手くなってる?結構心地が良い…あ、これダメかも、せっかく冴えた目がまた重く…なって。
優しく頭を包み込まれてゆっくりと撫でられる。ハイリが本気で寝かしつけようとしてるのが分かるのに体が完全に起きるのを拒んでしまった。
「イツ……こんな…テクニックを……眠い」
「ふふ、いつもお疲れ…ゆっくり休んでね」
意識が微睡んでいく中で、こんな風にハイリと昼寝をするだなんていつ振りだろうと考えていた。いつからだったっけ、こうしてゆっくりする事をしなくなったのは…偶には
−−−こんな日もあって良いよね