不定期になると思いますが頑張っていくので宜しくお願いします。
………多少キャラの口調や性格が違うと思っても、大目に見てくれると助かります。
――――ある冬の雪の降る日、アリス・マーガトロイドは、一人で人里のある方向へと歩を進めていた。
特に理由があった訳でも、やりたいことがあったわけでもない。
ただ何となく外を歩きたい様な気分になって、その感覚に従って外に出ただけの事。
なので、行く宛も無いままに、ただ何となく人里の方へと歩いている。
…………それらは全て偶然で、だからこそ、『それ』に気付く事が出来たのも偶然だったのだろう。
「あれは………人?いや…………妖怪、かしら?」
視界の端、木に背中を預ける様にして倒れ込んでいる、一つの小さな影。
少し遠いせいか、何となく人の姿をしている、ということしか分からない『それ』は、一瞬人間と見間違ってしまうが、注意してみれば確かに、妖怪だけが持っている力である、妖力が感じられる。
その事を確認したアリスは、少しだけ警戒しながらも、人影の方へと近付いて行く。
こんな天気の中、雪を被って倒れているから、恐らく意識は無いのだろうが、それでも襲い掛かってくる可能性はゼロではない。警戒するのに越した事は無いだろう。
そんなことを思いながら、はっきりと姿が見える所まで近付いたアリスは、
「…………綺麗」
倒れているその姿に、目を奪われて離せなくなった。
その人影は、少女の姿をしていた。
絹糸を思わせるような蒼銀の長髪を持った、まだあどけなさの残る、幼い顔立ち。背中からは、今降り積もっている雪を固めたような純白の翼が広がっている。
その姿はまるで、お伽噺に登場する天使の様で。アリスはつい数秒前までの警戒も完全に忘れて、金縛りに瞬き一つせずに少女を見つめていた。
「…………ぅ……あ………」
と、そこで、少女を見つめていたアリスの耳に入ってきた苦しげな声が、アリスの意識を現実へと引き戻す。
声の主は、間違いなく目の前に倒れている少女だ。
………どうしてすぐに気付かなかったのだろうか?
アリスはそう思いながら、慌てて少女の元へと駆け寄り、体のあちらこちらに積もっている雪を丁寧に落としてやる。
少女の着ている簡素な白い服は、どう見ても冬を過ごすものではない。
その上、着ている服はボロボロで、見たところ、既に怪我は治っているようだが、服に幾つかの血と思われる赤黒い染みが広がっている。
「………はぁ……仕方がない、か」
最後に、少女の意識が完全に無いことを確認したアリスは、一つ溜め息を吐いてから、ゆっくりと少女を背負う。
アリスの首に少しだけ当たった少女の腕は、まるで雪を持っているかのように酷く冷たく、反対に、力無くアリスの肩に落ちた顔は、酷く熱を帯びていた。
「…………ん?」
元来た道を戻ろうと、一歩踏み出したアリスの足にかつん、と何か棒のようなものが当たる。
アリスは一度しゃがむと、ひょいとその棒のような何かを拾う。
「これ、この子の持ち物かしら?」
アリスは、拾った棒のようなもの………刀を見てそう呟くと、片手になってしまったせいで背中から落ちかかっている少女を背負い直す。
そしてそのままゆっくりと、自身の家のある『魔法の森』の方へと歩き始めた。