東方廻現想   作:リーグルー

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はい、少し遅くなりました。すみません。
今回、少しキャラ崩壊注意です。気を付けて下さい。
後、間を開けたお陰で、少し何時もより文章が崩れているかもしれませんが、ご容赦下さい。


21; 閉じた瞳の覚妖怪

――――夢を見る。

雪の止まない人里を歩く。

こんな天気でも沢山の人が外に出ている外を、歩きながらただ何となく見続ける。

………そういえば、『あの人』と初めて会ったのも、こんな雪の降り続ける日の、こんな人里だった。

――――夢を見る。

沢山の人とすれ違う。

それでも、すれ違った人の全てが私を気にしない。

………いや、正確には、誰も私とすれ違った、ということに気付いてすらいないのだ。

そういう意味でも、この状況は『あの人』と初めて会った時と一緒だった。

もし、違うとすれば、『私』を覚えている人が何処かに居ることくらい。

――――無意識の中で、夢を見る。

ふと、自身の頭の方に手を伸ばす。

被っている帽子に付けている、一輪の花に触れる。

………これは、約束だ。

私と『あの人』が昔に交わした、この花と同じ、絶対に朽ちなくて、色褪せない、たった一つだけの約束。

あれから時間は経って、私も少しは大きくなって、『あの人』から教えてもらった色々な事も少しは上手くなって。

あの時から、あらゆるものは変わってしまったけど、それでも変わることの無い約束。

その証に触れて、私の口元は無意識に緩んでいく。

 

 

 

「………あれ?この感じ………?」

 

 

 

そこで、私は遠くの方―――森の方に、懐かしい感覚を感じ取る。

忘れる筈は無いし、間違える事も無い。

だって、この感じは間違いなく、自身の頭の上に存在している一輪の花に残っているものと、『あの人』のものと一緒なのだから。

それを理解するのと同時に、ただでさえ緩んでいた私の口元は更に緩んでいき、笑顔に変わっていく。

きっと、今の私は、他人が見れば物凄く良い笑顔を浮かべているだろう。

だって、私にとっては、この感じはそれだけの意味があるものだから。

殆ど『特別』が存在しない私の、数少ない『特別』な存在だから。

 

 

 

「………ふふふふ。やっとまた逢えるね、『師匠』」

 

 

 

堪えきれない歓喜の声を口から漏らしながら、私はそう言って、懐かしい感じのした方―――『師匠』が居る方へと向けて、飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

「………はい、スペルカードブレイクです。私の勝ちで良いですね?」

 

 

 

「………ええ、そうね。弾幕ごっこだと正直勝てる気がしないわ」

 

 

 

ライラが咲夜と行動を共にし始めてからおよそ三十分。

場所は魔法の森の入り口近くの上空。

そこでライラは、自身を『黒幕』だと言ってライラと咲夜の前に立ち塞がった妖怪――――レティ・ホワイトロックとの弾幕ごっこに丁度決着を着けていた。

結果は見ての通りと言えば見ての通り、相手に「勝てる気がしない」と言わせるほどの圧勝である。

 

 

 

「………さて、それじゃあ先に行きましょうか、咲夜さん」

 

 

 

「………貴女、もしかしなくても一人でも異変解決出来るんじゃない?」

 

 

 

ふわふわと何処かに飛び去って行ったレティを見送ってから、咲夜の方をくるりと振り返ったライラに、咲夜は少しだけ呆れたような表情でそう問い掛ける。

ライラはそれに、あはは、と笑顔を向けながら答えを返す。

 

 

 

「今回の依頼者さん曰く、私一人でも異変解決は出来るみたいなんですけど、依頼内容が『博麗の巫女の手伝い』であって『異変解決』じゃありませんから。依頼者さんにも「一人だけで異変解決はしないこと」って言われてますし」

 

 

 

「………依頼?」

 

 

 

「はい、依頼です。さっき自己紹介の時に言った通り、私は『何でも屋』ですから。………あ、何でも売ってる店、って訳じゃなくて、頼まれた事は何でもやる、って事ですよ?」

 

 

 

咲夜の疑問に対してのライラの答えに、咲夜はようやく納得がいったような顔で頷く。

正直、先程までは、ライラの自己紹介にあった『何でも屋』というのを、何でも売っている店だと思っていたのだ。

だがそれが、『どんな依頼でもこなす』というものなら、ライラがここに居る理由も、何故異変を解決しないのかも納得が出来る。

 

 

 

「成る程、中々便利な仕事をやってるのね。今度何か依頼してみようかしら?」

 

 

 

「あはは。ありがとうございます。咲夜さんは見た所凄い上客みたいですし、いつでもお待ちしてますよ~」

 

 

 

冗談めかした口調で放たれた咲夜の言葉に、ライラも冗談めかして言葉を返す。

そんな軽口の掛け合いを少し続けていると、ふとライラが何かに気が付いた様に顔を横に向けた。

 

 

 

「………どうしたの?」

 

 

 

「いえ、これまたすごく懐かしい気配がこっちに近付いて来てるので。………レミリアさんもそうですけど、私が思ってるよりも、世界って狭いんですね」

 

 

 

突然意味の分からない事を言い出したライラに咲夜は首を傾げてから、辺りの気配を探る。

………やはり、近くに誰か居るような感じはしない。

ライラの気のせいではないか、と思い、咲夜はその事をライラに言おうと口を開いて、

 

 

 

「ひっさしぶりだね!師匠~!」

 

 

 

「うん、本当に久し振りだね、こいし」

 

 

 

突如咲夜の視界の中に出現し、そのままライラに抱きついた、帽子を被り、胸の辺りにふわふわと浮いている球体から体のあちこちに管のようなものが伸びているのが特徴的な妖怪の少女と、それを受け止めて嬉しそうに妖怪の少女の頭を撫でているライラの姿に、一瞬だけ思考が停止する。

だが、それも本当に一瞬だけで、すぐに咲夜は平静を取り戻す。

………非常に癪ではあるが、咲夜にとっての初めての『友人』であり、これ以上無い程の『悪友』でもある吸血鬼(妹)のせいで、大体のどんな状況でもすぐに正気に戻れるような耐性を付けられてしまっているのだ。

 

 

 

「感動の再開、みたいな雰囲気を出してるところ悪いんだけど、この子は誰かしら?貴女の知り合いみたいだけど」

 

 

 

「答えてあげよう!私は、師匠の弟子で、『心の読めない覚妖怪』っていう「お前覚妖怪の意味分かってる?」とか言われたら何の反論も出来ない変わり種。覚妖怪(笑)の古明地こいしだよ~」

 

 

 

咲夜がライラに向けて問いかけた筈の質問に、何故か少女――――こいしの方が咲夜にビシッ!と指をさして自己紹介をする。

咲夜はそれを見て、手を頭に当ててはぁ、と溜め息を吐く。

この自己紹介のテンションといい、軽い口調で自虐を混ぜてくる感じといい、自身の種族に(笑)を付けてくるセンスといい………間違いない。

この妖怪は、紅魔館に居る咲夜の『友人』、フランドール・スカーレットの同類だ。

この手の相手は、いざという時には頼れるが、それ以外でまともに相手にしていると、兎に角面倒な相手であったりする。

 

 

 

「………むーっ、何でか分かんないけど初対面の相手に呆れられちゃった。何でかな、師匠?」

 

 

 

「貴女が面倒事を運んでくるような気がしたからよ。………ところで、何をしに来たのかしら?」

 

 

 

こいしのライラに対しての問い掛けに、咲夜が少しだけ呆れたように答えた後、問い掛ける。

こいしはその問い掛けに、少しだけ嬉しそうに笑うと、再びライラへと抱きついた。

 

 

 

「久しぶりに師匠が居る気配がしたから、師匠に甘えに来たんだよ~。その後は…………ん~、考えてなかったから、何かやるなら手伝ってもいいよ?」

 

 

 

こいしはそう言ってから、さらに甘えるようにライラを強く抱き締める。

ライラはそんなこいしに対して、笑顔を浮かべながら頭を優しく撫でる。

こいしもそれに、嬉しそうに目を細めて………二人で独自の空間を形成しだした時点で、咲夜は二人に質問するのを諦めた。

理由は簡単で、疑っている自分が馬鹿らしくなってきたからだったりする。

 

 

 

「………あぁ、うん。質問はもう良いわ。ある程度満足したら行きましょう」

 

 

 

「あはは、ありがとうございます、咲夜さん。………後どれ位してて欲しい?こいし」

 

 

 

「ん~。………今はこれ位で良いや。それじゃ、行こっか、師匠、メイドのお姉さん」

 

 

 

ライラの問い掛けに、こいしは少しだけ考えてからそう答えると、抱きついていたライラから手を離し、くるりと咲夜達が向かっていた方向へと振り返る。

ライラもこいしの隣へ向かうと、「じゃあ、行くよ」と一言告げてから、二人を先導するように魔法の森の奥へと向けて飛んでいった。




そんなこんなで、どうだったでしょうか?
何となく最後がぐだぐだした感じが否めない………
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