異世界転生から3年。人間だけど、魔王軍幹部としてダラダラしてます 作:ラハズ みゝ
(じゃあ私から行くからね!)
リオンは
動きが単純。どこを狙ってどのような攻撃をするのか、おおよそ見当をつけられる。
"まず一人、落とした"と幹部らは確信していた。
(《
一瞬にも満たない僅かな時間で、リオンの背後は一面中が光に包まれた。
――――速い。リオンの攻撃準備は既に終わっていた。低速化しているにも関わらず、
この程度の魔力出力であれば、魔王軍幹部らは訳なく攻撃を対処できるだろう。問題は、魔王軍幹部らが集合していることにある。
魔王軍幹部は各々が広大な土地を支配下に置き、
しかしそこには、そもそも連携を取っていない者が居た――――。
リオンによって放たれた数多の光の矢は、凄まじい速度でありながら、直線上に走っていなかった。その全ては渦を描きながら、一人の男の元へ集束していたのだ。
《
光はギルシュの裂けた口から取り込まれた。
(めちゃくちゃじゃんか! 全部吸い込まれたよ!?)
リオンは自身の攻撃をすっかり吸収されてしまったので驚嘆する他なかった。ルヴァンも少し考える。
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もしそうであれば、これからルヴァンらがどのような攻撃を仕掛けようと、ひたすらギルシュに吸収されて何もできない。
(もう少し調べる必要があるな。トーゴ、やってくれ)
(了解)
トーゴは動き出す。――――ところが。
魔王軍幹部らが一手速かった。
(《
ルヴァンらの足元に草が生い茂っていた。
(いつの間に!?)
リオンはギルシュに気を取られていた。
ギルシュがリオンの攻撃を吸収している時、既にフランシールが
緑が広がる中に、ルヴァンらは一輪の赤い花を見つけた――――否、彼らの視線は強制的に足元の赤い花へと動かされたのだ。
(まずい、攻撃されるぞ!)
トーゴは視線を幹部に向けようとするが、できない。
この世界には視認できない魔法や、音を媒体とした
故に、魔王軍幹部総勢を相手に視界を制限されたルヴァンらの現状は致命的であった。
ルヴァンは生い茂る草一面を
フランシールの
この瞬間、魔王軍幹部らと侵入者らの戦闘は幕を下ろした。ルヴァンらは視覚情報を得ることに必死だった。
ルヴァンらの視線の先には、"オッドアイ"を鮮やかに輝かせたカタストロが居た――――。
ルヴァンの視界は暗転した。
それまでと時間の流れがまるで違う。――というよりは、
そして、それまで居た空間とは全く異なる景色が、暗闇の部屋で照明をつけたようにパッと広がった――――――――。
――――――――時間にしてコンマ五秒足らずのこと。しかしルヴァンにはその何百倍もの時間に感じられた。体感でおよそ数分間、彼の意識は"空想世界"に閉じ込められていた。
その後、ルヴァンの身体中で"ひび"が生じ始めた。肉体が崩壊していっているのだ。同時に青い炎も消えていく。
(なるほどね‥‥‥。カタストロの
ルヴァンは一人で納得した。
魔王軍の存在は有名であり、数百年顔ぶれの変わらない幹部らの能力も世俗的に噂されている。その能力を自身の肉体を以て理解した瞬間であった。
トーゴとリオンもまた、肉体の崩壊が進んでいた。
カタストロの
カタストロは魔王軍幹部の中で抜きん出て速く敵を殺せる。何せ、目を合わせた時点で
侵入者が突入した時にカタストロが
ルヴァンは最期に攻撃を仕掛けようとするが、それよりも肉体の崩壊が速かった。
一度カタストロの
肉体の崩壊が始まっているにも関わらず、攻撃できる者が居た。
《
肉体が崩壊し切るより速く、リオンは比較的ひびが少ない左手に光を纏わせた。その左手は、カタストロが気づく隙をも与えずに彼女の首元へ向かった――――。
リオンの攻撃は、"赤い障壁"によって防がれた。