異世界転生から3年。人間だけど、魔王軍幹部としてダラダラしてます 作:ラハズ みゝ
74話 情報整理
「先の戦いではご苦労だった。まずは何より、皆の協力に感謝を述べたい」
「――いいや。まずは何より、何故ここに集まっているのかを答えろ。ここは人が
声を尖らせてダリアの感謝を否んだのはアズサだった。ダリアらが集まっているこの場所は、アズサが研究を行っている塔だったのだ。
中央にダリアが立ち、勇者一党はそれを囲う形で、壁伝いに各々寛いでいた。
「すまない。城の一室を借りる予定だったが、最近城が騒がしくてな。
ダリアは申し訳なさそうに、そして呆れた様子で説明した。
本来であれば国王も交えて今回の
人気がなく、円滑に話を進めることができそうな場所。それがアズサの研究施設であるこの塔だった。
「国王様のお人柄には参ってしまいますね~」
ミーリアの言葉にうんうんと頷くユリウス。
「それなら仕方ないですよね。大事な話し合いなので酒場を使う訳にもいかないし、ここ以外にうってつけの場所はないですよ」
そう言ってユリウスは近くの台に並んだ液体のビンを触ろうとして、アズサが急いでそれを取り上げる。
「勝手にうってつけるな。‥‥‥本当に呆れる限りだ。勝手に騒ぐのならともかく、ウチの私事が侵害されるとあってはいい加減放っておけない。直接国王に進言してくる」
我慢の限界を迎えたアズサは塔を出ようとする。
「待てアズサ。国王への文句は後からでも良いだろう。今は
止めたのはアーベルだった。アズサは怒りの形相で振り返る。
「ウチは現在進行で被害を被っているんだ!!」
* * * * *
――それからアーベルやミーリアによる必死の説得で、アズサはなんとか冷静さを取り戻した。そして、
「ひとまず、各々の戦地で起こったことを共有しよう」
そう前置きしてダリアは、沼地での戦闘で起こったことを話し出す。
「作戦開始当初、
「それは
ユリウスが言った。それに頷き、ダリアは続ける。
「何よりの変化は、やはり上位
問いかけにユリウスらは皆頷いた。
「
「やはり偶然ではなく、何者かの意図的な操作で
アーベルとミーリアの推測。それをアズサが鼻で笑った。
「
「「!?」」
アズサの衝撃的な発言にダリアらは目を丸くした。それ以上に驚きを隠せないでいるのはユリウスであった。
「もしかしてアズサは親玉に会ったの!? 僕のところでもそれっぽい男が一瞬だけ姿を現したんだけど、結局その後は会えなかったよ?」
平野にて下位
事の顛末を知るアズサにはユリウスの話が可笑しくて仕方なかったが、笑いをこらえて平静を装う。
「‥‥‥さしずめ幻覚か何かでも見せられていたのだろう。何せその親玉とはクーゲラス森林で対峙したのだからな」
「――少し待ってくれ、アズサ。兵士らはユリウス、アーベル、ミーリア、そして私をリーダーとして四つのグループに分かれて動いていた。君は一人でクーゲラス森林に向かったというのか?」
アズサの話に理解が追いつかないダリアは額を押さえながら尋ねた。
「ああ。
アズサはジト目でダリアを睨んだ。ダリアは額を押さえたまま気まずそうに目を反らし、それから首を横に振った。
「それも申し訳ないと思っているが、如何せんユリウスが忙しそうだったのだ。‥‥‥いや、随一の頭脳を持つ君にだけでも、相談しておくべきだった」
ダリアの言葉に堪らずユリウスは反応する。
「ちょっと兵士長、またそれ掘り返すんですかぁ‥‥‥」
自分に火の粉が及んだユリウスは、苦虫を噛み潰したような表情でため息をついた。
「――それで? 事は終息していると言っていたが、森では一体何があったんだ」
「ああ」
アーベルが問いかけ、アズサはクーゲラス森林で起こったことを話した。