ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜 作:ラディ@小説家もどき
なんか集まって来たな……だが全員人らか。
うーむ、こいつらは潰せんからな……使役している下僕も弱すぎて相手にする気も起きない。気が乗らん。
「あー……面倒だな。私は帰るぞ、じゃあな」
私はそう言って跳び上がり。
建物の壁を蹴って屋根へと登り、第二形態になって主様の元へと飛ぶ。
人らが相手なら帰る。主様がそう言っていたからな、それに十分様子はわかった。
さっさと帰って様子を伝えて撫で回してもらおう。
「主様ー! なんか青の下僕が居たから第五形態で殺したら人らが騒ぎ出したので帰ってきた」
住処の入り口らへんで小娘共を連れた主様に飛びついて、見てきたことを端的に報告する。
なんか青の下僕が殺す前に答えてた気がしたが、理解する気がなさすぎて忘れた。居たから殺した、それが事実だ。
「なるほどな……大体わかった。滞在中は第二形態でいろ、面倒くなりそうだ。しかし……やはりあれは戦闘ペットではなくモンスターか」
主様は私を前抱っこして頬を撫でながら、眉をひそめてそう返す。
ふふふ。
最近は前抱っこがブームだ。
いつものおんぶも良いが、これはこれで主様の心拍や表情が分かるから楽しい。ぎゅーっとしとこう、ぎゅーっと。
「さっきからなんなの? 何で居住区を歩かないのか説明してほしいんだけど」
話を聞いていた小娘が、主様へと尋ねる。
「……? おいまさか小娘共には見えておらぬのか……?」
私は小娘の反応を見て、呆れすぎて慄きながら確認する。
ここからでも視界に青の下僕は入ってくるが……。
こいつらここまで脆弱だとは……やはりマシとはいえ虫けらは虫けらだな。
「えっと……居住区の人たちの中にモンスターが混ざってる件……ですか?」
やや自信なさげに、小さき者がそう述べる。
「最初は誰かが町中で戦闘ペットを出しているのかと思ってたけど、その割にはみんな問題視してないし……なんか変だなって思ってたけど誰も突っ込まないし」
明らかに青の下僕へ視線を向けて語る。
「小さき者よ、おまえは小娘共の中で一番マシだ。誇って良いぞ」
私は小さき者を褒め称える。
「ヴィオラ、どういう現象なのか教えてくれ」
主様は私を小娘共の方に向けるように後ろから抱きかかえるようにしながら、そう命じる。
うーむ、後ろから抱っこされるのも悪くないが……これは第五形態の時の方が良いな。羽が邪魔で密着度が足りん……まあ後で第五形態でも抱っこしてもらおう。
「あれは青の力だ。青竜王の『幻惑』、現実と遜色のない幻を見せる力……気持ちが悪いものだ。目的はよくわからんが、人らの住処に青は下僕を人に見せかけて混ぜている」
私は青の『幻惑』について伝える。
「……ごめん話を聞いても、全然モンスターがいるなんてわからないんだけど見分け方とかあるの?」
小娘がマヌケ面で視界に入る人らを見渡しながら問う。
「強けりゃわかる、弱いとわからん。つまりおまえみたいな脆弱な小娘にはわからん、せいぜい突然殺されてびっくりしろ」
私は小娘に格の違いを教えてやる。
「いやいやそれじゃあ乃本さんはともかく、私が見えてる理由にならないよ! 一番弱いよ、私!」
小さき者が食い気味にそんなことを言ってくる。
「……まあいい、特別に答えてやろう。全ての現実改変は思いと想いの重さの強さによって事象に影響を及ぼすことで現実を捻じ曲げている」
私は呆れつつ、小さき者へと答え始める。
まあこの私が答えてやる義理もないが特別だ。
青の『幻惑』を看破するのは、人らの中では常軌を逸している。
この一点において、小さき者は私や主様と同格ということになる。
「青の『幻惑』を超える思いと想いの重さを有していれば干渉はされんのだ。主様が白の『疫病』にも干渉されず、女にならんのと同じだ」
つらつらと小さき者へと私は語る。
強さとは、単純な技量や体躯や出力だけでは測れない。
思いと想いの重さ……心の強さ。
理を超えて現実を改変するほどの精神力も、強さには大きく関わってくる。
「ちょ、ちょっと待って! 今……さらっと女体化症候群の原因について明かされなかった……? 白の『疫病』ってなんなの……?」
小娘が私の語りに割って入る。
「……話の腰を折るな殺すぞ小娘、今は青の話だ。白の話はせん、あいつは七竜で一番気持ちが悪いから話したくもないんだ。あー気分が悪い」
話を遮られて苛つきながら小娘に返す。
白は気持ちが悪い七竜の中でも頭抜けて気持ち悪い。一つも理解できないし、したいとも思わない。