ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜   作:ラディ@小説家もどき

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02玄海攻略隊

「ほら多様性よ、多様性。本人たちが人間として生きたいって言ってんのに追い返すのは良くないでしょ。なんかさっきも他所から来た人に小倉の人が襲われたとか物騒なことがあったみたいとけど――」

 

 と、弁当屋が語り出したところで。

 

「わかりました。おにぎりいただきますね、お話ありがとうございました」

 

 俺は礼を言って、その場を離れた。

 

「……()()()

 

 少し歩いたところで、俺は呟く。

 

 想定していた中で……いや、想定にすら入れていなかったくらいに最悪な状況だ。

 

 玄海の攻略者たちがモンスターだと気づけていなくてモンスターの侵入を許していたのなら……まあ処分はあるが、それだけ青竜王の力が凄まじかったというだけだ。認識を改めてから対策を講じれば良い。

 

 だが、玄海攻略隊はモンスターである事実を認識している。

 

 理解ができなさすぎる。

 わかってんなら殺せ、少なくとも居住区に近づけてんじゃねえ馬鹿過ぎんだろ。

 

「そうか? うまいぞこれ。一個じゃ足らんということか?」

 

 めんたいおにぎりを平らげて、ヴィオラがおどけるように言う。

 

「ああ、ほら俺のもやるよ」

 

「おお! ありがたい、うむうまい」

 

 そう言っておにぎりを渡すと、ヴィオラは嬉々としておにぎりを頬張る。

 

 あんなに恐ろしかったのに、共鳴してからこいつをかなり可愛いく思えるようになった。

 

 災害であるモンスターを使役した途端に戦闘ペットと呼ぶのにはかなり違和感があったが……なるほど、確かに友愛を持たざるを得ない。

 

 気づいたら手足を触っていたり、頭を撫でていたりする。

 俺は今までの人生の中で愛玩目的で何か生き物を飼育することはなかった。ニワトリを育てて絞めて食ったことはあるが、あれは訓練の一環だ。

 

 共鳴現象は思っている以上に、精神的な変化を起こすようだ。

 

「……乃本さん、大丈夫なんですか? これって」

 

 小さい縞島がさらに小さくなりながら、居住区の様子を見て不安げに尋ねてくる。

 

「全く持って大丈夫じゃあないが、一旦玄海攻略隊で事情聴取を行う。なるべく俺から離れるなよ」

 

 なるべく不安にさせないように俺は、端的に返す。

 

 そのまま警戒しつつ玄海攻略隊へ。

 

「俺は札幌攻略隊所属、迷宮攻略分隊Aランク攻略者の乃本百一だ。玄海居住区の現状について話を聞きたい。会話のできるやつの中で一番偉いやつを今すぐにここに呼び出せ……。おい何してんだ、駆け足ッ‼」

 

 俺は建物に入るやいなや名乗り、近くに居た攻略者を走らせる。

 

 自衛隊ならローキックだった。

 レスポンスが遅いということは、国民が危機にさらされている時間が長くなるということ。

 即行動……だらだらしても一言発する前の呼吸段階から動き出せ。

 

「お待たせいたしました。私が玄海攻略隊の支部長を務めていますAランク攻略者の今井川です。どうも乃本さん、お噂はかねがね」

 

 三分ほど待たされて、責任者らしき今井川という女が現れ名乗る。

 

「早速だが、居住区内に複数のモンスターが侵入している。侵入を許した諸君の責任追及や事実確認は後にする。至急、居住区内のモンスターの掃討作戦ならびに住民の避難と避難所の設立。避難経路と避難誘導に関して警察との連携を行いたい」

 

 俺は三分間の無駄を取り戻すように、一気に本題を捲し立てる。

 

 最優先なのはこいつらの思惑や欠点や失敗ではなく、住民の安全だ。

 一秒でも早く解決するべきこと、こいつらのことは後回しだ。

 

「居住区にモンスター……? それは――」

 

「茶番はいい、これは決定だ。居住区内のモンスターは皆殺しにする、そして諸君から攻略指揮、ならびに防衛指揮権を剥奪し川内攻略隊に譲渡する。以後、諸君は川内攻略隊の下につけ」

 

 今井川がすっとぼけようとするのを遮り、玄海攻略隊について想定される処分を述べる。

 

「…………あの、あなたに何の権限が? 札幌のAランクとはいえ、何か権限のある役職でもなければ決定権を有しているわけではありませんよね? 一学生が……少々横柄では?」

 

 話を遮られ一方的に告げられ、今井川は苛ついた様子で返してくる。

 

 ……いや、説明しよう。確かに俺は上官ではない。

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