ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜 作:ラディ@小説家もどき
「危険性や脅威かどうかの精査や警戒と、人権や道徳や倫理を同列に語るんじゃあない。それは国防によって得られた安全の中で協議されるべき別の問題だ、重要で大事で大切なことだが順序は存在する。国防、安全保障は全てに優先される」
俺は、本当に国防における基礎の基礎を語る。
警戒や防衛は差別ではないし、多様性は犯罪や危険性に関してまで認めるようなものではない。
確保された安全の中で、より良くする為の活動や価値観だ。順番が違う、今はまだ安全を手にする段階にある。
「我々は公人である。その自覚が足らなすぎやしないか? 我々は日本国憲法に則り、国民の安全を保障し、国家の防衛を全うする役割を持った公人だ」
自身の身分について、当然のことを語る。
「ダンジョン並びにモンスターは現在の日本において災害や脅威と位置づけられている。人の見た目をしているから、人語を解するから、相手がこう言っているから、そんなもので日本が守れるのか? おまえらは日本国における決定に背いているんだぞ」
さらに日本における見解を改めて伝えて。
「本当に和平やら共存とやらが可能だとするのなら、調査や権限をもってその根拠や証拠を意見として提出し日本国の見解を待て。貴様らがしているのは現状、公人でありながらただ防衛を怠り国民にモンスターという災害を近づけているだけだ」
玄海攻略隊の愚行も伝え。
「恥を知れと言っている」
馬鹿にもわかるように、端的そう言った。
多分こいつらはもう駄目だ。
本件解決の後には攻略者としてはおけない、下手したら何かしらの刑事罰も受ける。
だが、まずは本件の解決が最優先だ。
それだけが伝われば良い。
しかし。
「……ええ、でも依然としてあなた方に指図される筋合いはありませんよね?」
全く伝わらなかった今井川は、半笑いで俺に返す。
「早急に居住区から出てください。下手に小倉の人や青竜王を刺激した方が住民に被害が出ることが考えられますから」
少し早口で今井川は俺たちに退去を命じる。
マジで……俺らこそこいつらの言う事聞く理由が一つもないが……流石にこれ以上は無理だ。会話が成立していない。
これより先は言葉ではなく、少なからず暴力行為が伴う。
ヴィオラもいるし、俺も指導の範囲内で納められる自信はない。
ここは大人しく退去しておくか……仕方なし。
俺は身体の真ん中で燻る真っ黒な熱を抑えながら踵を返そうとしたてころで。
「……
突然、縞島が口を開き。
「馬鹿な上にブス! もう仲良くする必要ないから言うけど、頭悪すぎるべや。もっと勉強した方がいい! あとあんた、なまらブスだべ」
目から怒りの炎を揺らして、縞島は北海道弁交じりに悪態を捲し立てる。
な、縞島……怒っていたのか? なんてストレートな悪口だ。ブスって……俺は姉がいるから兄貴と俺が禁止されてきた悪口だ。ちなみに禁を破るとマジでボッコボコにされてから施設の屋上に吊るされた。
だからってのもあるが……言い過ぎだろ……ええ……縞島そんなに怒ったのか。
「……な…………っ、ルッキズムなんて――――」
「もう行こう乃本さん、ここにいると馬鹿が伝染るしブスになる。うちの隊がみんな可愛いから自信なくなってたけど、流石に私はこれよりマシだからこれ以上ブスになりたくない」
慄く今井川を完全に無視して、縞島は怒りのままにそう言って俺の手を掴んで引く。
「……なっ⁉ 伝染るのか? これが……主様! 早く出よう! 愚かさが伝染る‼」
縞島の言葉にヴィオラも驚いて、俺に退去を促す。
こいつら……、まあいいか。ちょっとすっきりした。
なら、俺も言ってやるか。
「…………俺たちは玄海居住区からモンスターを掃討し、小倉ダンジョンを攻略して、青竜王を討伐する。諸君の協力は不要だが――」
俺は縞島に手を引かれながら首だけ振り返って、今井川に向けて。
「――邪魔だけはするな」
そう、宣言してやった。
結局、玄海攻略隊の理解は得られず。
まあこちらも向こうの主張を理解は出来なかったが。
もうどうでもいい。
俺たちはやるべきことをやるだけだ。
迷宮攻略分隊は玄海居住区外でキャンプを張り、居住区内の様子や玄海攻略隊での話を共有。
そこから俺は、改めてヴィオラから青竜王の話を聞いて。
玄海居住区内モンスター掃討ならびに小倉ダンジョン攻略作戦を脳が沸騰するまで考えて。
「――――見えた。今回は縞島、おまえの力が重要になる」
俺は、モンスター汁を啜る縞島へとそう告げたのだった。