ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜   作:ラディ@小説家もどき

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4・落ちこぼれ先輩、立ち上がる
01Eランク攻略者


 私、(しま)(しま)(なる)()は攻略者学校の三年生です。

 

 三年生、つまり最終学年で来年には攻略者として攻略隊に入隊することになるのですが。

 

「はーい注目! 今日の小規模ダンジョン攻略講習の引率を務める向水(むこうみず)ミライです。皆さんの攻略指揮も務めますのでー……よろしくお願いします!」

 

 学校近くの訓練用小規模ダンジョンの入口前で、これから講習を受ける私たちに向けて今回の担当者である向水ミライさんが元気よくそう述べる。

 

 今回はついに向水さんか……。

 攻略者学校始まって以来の()()、二年生でAランク攻略者として攻略隊にも所属している。

 過不足なくぴったりと天才の人だ。

 

 私とは全然違う。

 

「Eランクになった皆さんには実際にダンジョン内での行動の基礎や立ち回り、それと実戦を体験してもらいます」

 

 そのまま向水さんは本講習の説明を始める。

 

 この講習はEランク攻略者が最初に受ける実技講習だ。

 小規模ダンジョンで戦闘ペットを用いて、実際に攻略を行うというもの。

 

 攻略者ランクは一番下がFで一番上がSの七段階評価。

 Fは攻略者学校に入学と同時に付与されて、戦闘ペットを得るとEになる。

 まあこのあたりは一年生、または専門的な攻略支援職を志す人たちのランク帯。

 

 実際にダンジョン攻略を行うのはDより上の攻略隊所属の攻略者。

 基本的には在学中にDかCランクになって、卒業後に攻略隊へと入隊する。

 

 そんな中、私は三年生唯一のEランク……つまり落ちこぼれです。

 

 攻略支援コースででもなく。

 純然たる事実なので、謙遜でも卑屈でもない。

 私は攻略者学校において落ちていて零れている。

 

 ただただ能力値が足らずに、昇格できていないのです。

 

 走れば転び、テストは赤点。

 身長は百五十センチ、握力二十キロ。

 シャトルランは最初に脱落、長距離走は完走する頃には誰もいない。

 

 だから入学からずっとEランクのままの私が落ちこぼれなのは、過不足なく純然たる事実でしかない。

 

 今日は十二回目の小規模ダンジョン攻略の実技講習の日。

 流石に慣れたというか、でもまさか二年生に引率されてしまうなんて……まあ向水さんは例外か。

 例外といえば、今回の技能講習はいつもと違うことがある。

 

「こんなちんけな迷宮なら主様一人で三分もあれば落とせるのではないか?」

 

「三分じゃあ無理だろ……、それより向水って結構凄かったんだな」

 

 謎の美女が背中から絡みつくように抱きつきがら男性に対して尋ね、男性は呆れながら返す。

 

 そう、今回の講習には世にも珍しい男性攻略者が参加している。

 

 ()(もと)(もも)(かず)

 一年生に編入してきた、男性の攻略者。

 本当に珍しい、実際私は初めて男性を見ました。

 

 なんてぼんやりと乃本さんを観察していると。

 

「なっ! あんたこの講習受けるの? っていうか誰それ……?」

 

「そりゃあ受けるだろ授業なんだから。こいつは……ほら、離れろ動きづらいだろ」

 

 先程まで挨拶をしていた向水さんが乃本さんへと声をかけ、乃本さんも気さくに返す。

 

 お二人は面識があるようですね。

 

「あーなんだ小娘、羨ましいのか? 譲る気はないぞ」

 

「なあっ⁉ そそそそんなわけないでしょ! 誰なのよ! あなた! もう講習始まるんだからちゃんとしなさい! ちゃんと! それとあんたは戦闘禁止、最後尾で支援に徹しなさい!」

 

「了解した。ほら、離れろって」

 

 謎の美女と向水さんと乃本さんは楽しそうに談笑する。

 

 というか本当に誰なんでしょう……。

 改めて見ると……背も高い、スタイルが良すぎる。おっぱいもおしりも私の八倍以上はあるのに腰周りは私と変わらない。学校指定のジャージがパツパツ……私これかなりオーバーサイズなんだけど。

 こんな人学校にいたかな……? 見たことない……見たことあったら流石に記憶に残ると思うけど。

 

 なんてことを考えつつも、講習はスタート。

 

 進行はもちろん徒歩、歩幅の狭い私は当然のように進行の最後尾を歩いているが。

 

 さらに私の少し後ろに、無視ができない気配を感じる……。

 そっか最後尾で支援と言われていたから私を追い抜けないんだ……申し訳なくなってきた。

 

「…………あの、私に合わせてゆっくり歩かなくて大丈夫です。先に行って下さい」

 

 私は振り返って、ゆっくりと後ろを歩く乃本さんに声をかける。

 

「ん、いや俺は適正ペースで進行している。俺より遅れが出たらサポートするつもりだ」

 

 あっけらかんと乃本さんは歩みを止めずにそう返す。

 

「主様がさくっと皆殺しにしてくれば良いのに、また三十年かかるぞ」

 

 隣を歩く謎の弩級美女もゆっくりと歩きながら気だるげに言う。

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