ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜   作:ラディ@小説家もどき

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03もう馬鹿でもわかる

 さあ。

 小倉ダンジョンにて青竜王討伐戦が開始。

 玄海居住区でのモンスター掃討戦が開始。

 さらに居住区住民の避難誘導も開始。

 

 このままやり切る……っ。

 私たちは青竜王とは戦えないから、せめて乃本さんを煩わせないように居住区内のモンスターを掃討するんだ。

 

「――Aで六体討伐完了! 現在Aの1から5と9を抜けてDへと向かいます! 縞島先輩、合流を!」

 

 Aでの討伐を終えた里里さんは通信から私に合流を望む。

 

「もう向かってる! Aの5で合流できるよ!」

 

 私はダビンチを『FR軽オープンスポーツカー』にして、道交法を無視して飛ばしながら里里さんに答える。

 

「――急いでくれ! Dでもモンスターが暴れ始めているようだ……! すでに運ばれてきた重傷者一名をエスメラルダで治療中! 避難誘導自体は進んでいるが、少しずつ騒ぎが大きくなっている!」

 

 乱丸さんが状況を共有する。

 

「了解! 里里さんを拾ったぁ‼ このままアクセルベタ踏みでDに向かう‼」

 

 私は里里さんを乗せて、かっ飛ばしながら乱丸さんに答える。

 

 この人数で掃討作戦なんて無茶ではある。

 でもこれしかない、これしかないからやるしかない。

 

 騒ぎが大きくなっているということは、どんどんモンスターの『幻惑』が剥がれているということ。

 つまり、それだけ乃本さんが青竜王を追い詰めているということだ。

 

 何だかんだで何とかなってる、このまま駆け抜ける。

 

「ありがとうございます! では推してまいりますッ‼」

 

 里里さんはD区画に到着したところで、座席から飛び出すようにモンスターへと向かっていった。

 

 よし、このまま次はBに向かってミライちゃんが動けるようになったら拾ってミライちゃんもDに――――。

 

 なんて考えていたところに。

 

「――報告! 玄海攻略隊が避難誘導を妨害……っ! なんかめんどくさいのが邪魔してきている!」

 

 C区画で避難誘導中の乱丸さんから報告を受ける。

 

 ゾッとする。

 妨害……? あいつら、どこまで…………。

 混乱、もう恐怖すら感じる。

 

 なんでこんな……どうして、そこまでモンスターに肩入れを? その方が楽だから? 戦わなくても良いから? モンスターたちの見た目が美男子だから?

 

 いや……無駄か。

 馬鹿のことを考えても理解できるわけがない。

 

 つーか考えんのがもったいねえ。

 だんだん腹が立ってきた。

 落ちこぼれの私は、どうしたら良いのか考えることだけはやめなかった。

 

 だから考えればわかることを考えない思考停止の馬鹿に、邪魔されんのが我慢できない。

 

「チェンジダビンチ! ニーハン! すぐに向かいます‼」

 

 私はダビンチを『250cc自動二輪』にして、フルスロットルで発進しながら乱丸さんへと返す。

 

 何度か膝を擦るくらいにカーブでも減速せずに突っ走り。

 

「安心してください! 小倉の人は私たちを襲いません! 札幌の攻略者が彼らを刺激したことによって――」

 

「――引いぃぃ……っ込んでろブス井川ぁ‼ 頭悪いんだから黙って見てろ‼ もう馬鹿でもわかるべや‼ これは迷宮災害なの‼ あんたらが起こしたんだべさ‼ 全員逃げろ‼ 私たちでなんとかすっから‼」

 

 C区画の避難している住民に馬鹿を撒き散らしていた今井川の前に後輪を滑らしながら割り込んで、私は大声で捲し立てる。

 

「ぶ……、ブス井川…………?」

 

 今井川は凄まじくショックを受けたようで、狼狽しながら膝から崩れる。

 

「おいおい成子、言い過ぎじゃ――」

 

「言い過ぎなくらいじゃないと通じないんですよ。私はこのままBに走らせてミライちゃんを次の地点に――」

 

 私を宥めようとする乱丸さんに、私は冷静に返す。

 

 怒ってはいるけど冷静さは欠いていない、こんな馬鹿に乱されている場合じゃあない。

 

 でも、私がそれを伝え終える寸前で。

 

「避けて‼」

 

 暗木さんの声に反応して、咄嗟に屈む。

 

 ほぼ同時に、頭上を凄まじい速さで何かが通り抜けて。

 

 視線の先には、三体の半魚人型モンスター。

 

 C区画に見逃していたモンスターがいたんだ……まずい、ここは避難誘導で人が集まっているのに。

 

「……こうなったら、人間は皆殺しにすると決まっている。例外は生まれさせんぞ、虫けら共が」

 

 半魚人型の一体が、私たちに向けて敵意を隠さずにそう告げる。

 

「乱丸は避難誘導を継続! 成子ちゃんはBに急いで! ここは私が相手するから、早く行って!」

 

 暗木さんはホースを構えてモンスターたちと対峙し、こちらを見ずに言う。

 

「……たかが脆弱な人一匹で、我々を相手すると?」

 

 口を歪ませ嘲笑うように、モンスターは暗木さんへと言う。

 

「はあ……可愛くない。あるのね魚にも可愛げって。マー坊、やるよ」

 

 呆れるようにそう言いながら、暗木さんはホースからとくとくと水を出して。

 

 出来た水溜まりから一斉に、大きな水の棘を尖らせてモンスターたちに向ける。

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