ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜   作:ラディ@小説家もどき

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06どさくさに紛れて

 復帰が早すぎるでしょや……っ、捕鯨砲でも倒せないの?

 

 あからさまな怒りを見せて、真っ直ぐ私に向かってモンスターは再び襲いかかる。

 

 ああ駄目だ。

 ダビンチじゃ間に合わない。

 集中力が切れて咄嗟に変形指示が出来ない。

 

 私は身長百五十センチ、体重は四十キロ、五十メートルは九秒フラット、握力は利き手で二十キロ、Aカップ。

 壊災級相当のモンスターなんかに叩かれたら一発でぺしゃんこになる。

 

 死にたくはない、でも私は攻略者だから。

 こうなることは覚悟してきている。

 

 歯ぁ食いしばって胸を張れ、根性だけで耐えて刺し違えてやる…………ッ‼

 

 私がモンスターを睨みつけ。

 モンスターが私に向かって手を振り上げたところで。

 

 とっぷりと、一瞬だけ視界が、影が落ちたように薄暗くなり。

 

 その一瞬で、私は抱きかかえられるようにモンスターの攻撃から離脱させられる。

 

 呆気に取られるも、即座に状況を理解する。

 

 ああ。

 こんなタイミングで。

 こんな窮地で。

 こんなかっこよく。

 

 現れて助けてくれるのは、一人しかいない。

 

「――よく耐えた。もう大丈夫だ」

 

 優しい笑みで抱える私の顔をのぞき込み、そう言ったのは。

 

 ボロボロの乃本さんだった。

 

 五点接地転回法にて転がるように着地をして、そのま私を掬い上げるように抱えてモンスターの攻撃から私を助けてくれた。

 

 落ちこぼれの私を、掬い上げるように救い上げた。

 

「――ィギ……⁉ グアァァァ――――」

 

 私が完全に乃本さんに見惚れて溶けていたところに、攻撃を躱されたモンスターが叫んで乃本さんの背後を狙う。

 

 が、同時に。

 

 空から巨大なヴィオラちゃんが降ってきて、そのままモンスターをぺしゃんこに踏み潰して着地する。

 

「……なんだ? こんな雑魚共相手にまだ終わってなかったのか?」

 

 モンスターを踏み潰したヴィオラちゃんは、興味なさげにそう言いながらいつもの小さい可愛らしい姿へと戻る。

 

 しゅ、瞬殺……壊災級が一撃でぺしゃんこ……やっぱりヴィオラちゃんは格が違う。

 

「少し借りるぞ」

 

 乃本さんはそう言って、私を抱えながら器用に私の通信機を取り。

 

「青竜王の討伐を完了。小倉ダンジョンの消失を確認し縞島に合流。縞島がモンスターと交戦し負傷、至急喜怒は現在地を共有しろ。近いならこのまま運ぶ」

 

 端的に、通信機に向けて乃本さんはそう言った。

 

 青竜王の討伐……いや、そうだ。

 乃本さんがここにいるということは、勝ったからた。

 

 一人……いやヴィオラちゃんとのペアだけで絶災級モンスターを討伐。こんなに早く……。

 

 ああ、やっぱりこの人は超人だ。

 最強の攻略者、私の想像通り……いや想像を遥かに超える。

 

「――ちょ……、もうやっつけたの⁉ いや……私はうし太郎に乗ってBの7からDの2に入った!」

 

「――な、成子無事なのか⁉ 僕はCの4だ!」

 

「――こちらは目視範囲で残り四体、Dの5です! 向水先輩急いでください!」

 

「――Cに現れた三体は討伐完了、避難誘導を乱丸と代わる。乱丸は成子ちゃんの治療に向かって」

 

 乃本さんの報告一気に情報共有が飛び交い。

 

「了解した。後は居住区内のモンスター掃討で作戦は完了だ! きばっていけ‼」

 

 乃本さんは力強く返すと。

 

「「「「おー!」」」」

 

 各員は大きな声で返事をする。

 

「よし……走るぞ縞島。しっかり掴まれ、ミライは自力で里々と合流できる。後は任せておけ」

 

 通信機を私のポッケに戻して、乃本さんが私に言う。

 

 それを聞いて、私の中で何かが膨らんで溢れ出す。

 

「あの……わ、私も……、下の名前で呼んで……くれますか……?」

 

 私は溢れ出した思いのままに、口に出す。

 

 ミライちゃんも里里さんも、下の名前で呼ばれている。

 なにか認められているようで……憧れていた。

 

「あ? ああ、了解だ。成子、もっとしっかり掴まれ」

 

 特に気に留めることもなく、乃本さんはそう返したので。

 

「……はい、百一さん」

 

 私は首に腕をかけて、ぐっと引き寄せるように身体を近付けてそのまま。

 

 どさくさに紛れて。

 百一さんの()()()()()()()()()()

 

 一秒未満の接触、でも偶然じゃなくて故意の恋。

 

 別に一番じゃなくて良かった。

 これは本当、ミライちゃんに話したことは嘘じゃあない。

 

 でも、堪らない達成感が私を少し欲張りにさせたんだと思う。

 今日の私は頑張ったから、このくらいは良いでしょや。

 

 百一さんのほっぺについた、血のキスマークを眺めながらそんなことを考えていた。

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