ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜   作:ラディ@小説家もどき

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26・暗躍教師、震わせる
01イカれている


 俺、佐々崎トオルは攻略者学校の教師だ。

 

 さらに何だかんだで迷宮攻略分隊担当の情報伝達係のような位置になった。

 

 これはこれで好都合だ。

 俺には乃本……というか日ノ本特殊防衛人造超人に関する情報を秘匿させる義務がある。

 

 あいつは毛の一本、血の一滴まで国家機密だ。

 流石にもう慣れたが、攻略隊内で視聴可能なライブ配信に乃本が映るだけでひやひやするくらいだ。

 

 映像記録に残していいわけがない、まあ色々終わったらどさくさでアーカイブを根こそぎ消してやろうと思っている。

 何だかんだでそういう工作は得意になってしまった。

 

 して。

 

 迷宮攻略分隊は仙台の太白山ダンジョン攻略後、ダンジョンボスの赤竜王に鹿児島へと跳ばされた。

 

 鹿児島から川内居住区へ向かい、そこからさらに玄海居住区を経由して小倉ダンジョン攻略に乗り出す……はずだったが。

 

「居住区内に玄海攻略隊が意図的にモンスターを入れた……? 乃本の絶災級ボス単独討伐し小倉ダンジョン攻略……? 女体化症候群が白竜王によって撒かれたもの……?」

 

 俺は専用回線を用いたテレビ電話で、向水からの報告を聞いて呟く。

 

 おいおい、前回の報告からまだ一週間程度しか経ってないだろうに……。

 太白山ダンジョンも一ヶ月程度という凄まじい速さでの攻略だったが……情報量が多すぎる、想像以上だ。

 

 まず小倉ダンジョン攻略について聞きたいところだが、どうにも乃本は喜怒と共に負傷した縞島の治療を行なっているらしい。

 

 日ノ本特殊防衛人造超人はもちろん医学にも明るい、日本を守るのに使えるものは全て詰め込まれて出来上がった超人だ。喜怒のスライムも有るので任せておけば問題ないだろう。

 

 だから今は小倉ダンジョン攻略についてではなく、玄海居住区の話だ。

 

 向水のボディカメラ視点での確認しか行えておらず、小倉ダンジョン攻略と青竜王討伐は見れなかったが。

 

 その代わり、玄海居住区ならびに玄海攻略隊についてはしっかりと確認が出来たというか見てた。

 

 あの居住区の中に侵入したモンスターを、攻略隊が手引きしていただと……?

 

 しかも聞いた話によると、乃本が玄海攻略隊に事実確認や警告やモンスター掃討について提言までしたのを突っぱねられていたらしい。

 

 高い知能を有するモンスターとの共存……、共鳴現象を用いず使役ではなく言葉と信頼によって受け入れたいという狂気の思想による暴走。

 

 頭がイカれている。

 モンスターに人権を認めて、日本国民として受け入れろという話か? じゃあなんだ、この三十年勝手に日本に住み着いていた間に未納した税金をモンスターが払うってのか? 壊した街や殺した人々に対する損害賠償や慰謝料や罰金を請求して刑罰を求刑して良いってことか? もれなく死刑だ、何人殺されてると思ってんだ。

 

 モンスターは災害だ。地震や津波や台風と同じ、カテゴライズするなら獣害にあたる。

 究極にいえば駐車してる車を糞まみれにしてくる鳩やら下水を詰まらせるドブネズミやら畑を荒らすイノシシやら人里を襲う熊なんかと同じだ。

 

 そんなものに、義務を果たせないようなものに権利など与えられるわけがない。

 

 そもそも攻略者は公人だ。

 国が定めた決定に従うのは、当然とか以前の前提だ。

 

 乃本はこんなイカれた連中を相手に話をしたのか……流石超人だ、感情のコントロールが完璧にできている。俺なら殴っていた。

 

 末期すぎるだろ。

 こんな思想のやつが現れるとは、予想だにしていなかった。

 攻略隊の根っこは盗掘犯の寄せ集め、愛国心も防衛意識もないのは理解していた。

 

 しかし、迷宮災害によって苦しめられている当事者であるのでダンジョン消失や七大都市奪還に意欲的ではある。練度は低いがやる気はある。まあやる気だけで日本は守れんが、無くても守れんものだ。

 

 ただ……人の姿のモンスターを警戒すべきという話に関しては他でもない乃本自身にも当てはまる話ではあるんだがな。

 

「……乃本に替われないか? 小倉ダンジョン攻略についての詳細を聞きたいのだが」

 

 俺はテレビ通話に映る向水に尋ねる。

 

「あー百一は……まだ喜怒さんと縞島さんの治療を続け……あ、ヴィオラ! ちょっとこっち!」

 

 向水は画角の外に呼びかける。

 

「あ? 気安く呼ぶな小娘、殺す……ん? あー小汚い老いぼれのやつか、凄いな『てれびでんわ』とやらでも老いが伝わるのだな」

 

 ふよふよと浮かびながら画角内に現れた乃本の戦闘ペットであるヴィオラは、気怠げに画面の俺を見て言う。

 

 小汚い……まあその通り、俺は小汚い老いぼれだ。

 久しぶりに見たな、こんなストレートに容姿に言及する奴。

 女体化症候群の蔓延以降、元男性やら自認男性に否定的なことを言わないようにしようみたいな風潮があるが……このくらいの軽口なら面白いに入るとは思うけどな……まあこういう考え方がすでに古臭いものなんだろう。

 

 それはさておき。 

 

「ヴィオラ、君の主である乃本が青竜王とどのように戦って勝利したか、その凄まじい武功を教えてほしい」

 

 俺はヴィオラへ青竜王討伐について問う。

 

 乃本と共鳴している戦闘ペットなら、実質的に乃本と同じ戦闘経験値を有している。

 

 共鳴や戦闘ペットに関してはこの三十年で行った様々な検証によって、現在の日本では安全なものだと定めている。

 

 その大きな理由が、戦闘ペットとその主の間で思考が共有されること。

 

 これによって戦闘ペットは主での管理が可能らしい、まあ俺自身は戦闘ペットがいないので体感はしていないが政府がそう定めたのなら従うまでだ。 

 

「ほーう? なかなか気分の良い話をさせようとするじゃあないか。良いだろう、語ってやろう――――」

 

 ヴィオラは機嫌良さげに、青竜王との戦いを語り出した。

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