ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜 作:ラディ@小説家もどき
「ああ、そうだ白……というの白竜王ということなのか? 赤竜王や青竜王と同じ七竜の」
俺はひじ枕で寝そべるヴィオラに尋ねる。
飽きたところ悪いが、女体化症候群についての話は聞いておかなくてはならない。
「ああ? 良い気分の時に気分の悪い話を……白の話はせん。七竜で最も気持ちが悪いからな」
一瞬こちらを睨みつけ、ヴィオラはへそを曲げて拒絶する。
「……いやっ、それは済まなかった! おおよその話は向水から聞いている! 一つだけ、一つだけ聞かせてくれ」
俺は慌てた様子を見せて、困ったふうに下手に出るように食い下がる。
女体化症候群は迷宮災害と並ぶ……いや今や迷宮災害を超える最重要問題だ。
迷宮災害を根絶出来ても、この感染症が蔓延している限り日本人口は減少の一途を辿り海外との流通も行えずに日本は滅ぶ。
女体化症候群に関しては三十年も迷宮災害によって余裕のない状態が続き、治療方法や対策について進んでいなかった。未だに未知の病だ。
その解決の糸口が見えたんだ。
トカゲにでも下手に出る、これで日本が救えるのなら何だってやる。
俺は下手に出て食い下がりながら。
「白竜王を殺せば女体化症候群は消えるのか?」
それを、問う。
「………………はあ。
ちらりと、ヴィオラはこちらを見て呆れるように答えた。
「しかし白の『疫病』に影響された結果はどうにもならんぞ。死んだ者が生き返らんように、女になった者はどうにもならん。つまりおまえも男に戻ることはない」
そのままヴィオラは平らな口調で、そう続ける。
「……ああ、俺のことはもうどうでもいい。後はこの国のために死ぬだけだからな……そうか、女体化症候群は……終わるのか」
俺はヴィオラの答えを噛み締めるように返す。
これはとんでもない話だ。
まあ、ヴィオラの答えにどれだけの信憑性があるのかはわからんが。ダンジョン由来、モンスターからの感染だと考えられており。
少なくとも女体化症候群の根源を特定するような仮説は存在していなかった。
それが今……、日本は再生の希望を掴んだのだ。
「まあこのまま七竜殺しの旅を続けていけばそのうち白も殺す。そしたら勝手に終わる、だからもう白の話を私に問うな。嫌いなんだ……あいつに関わる時間は限りなく無にしたいんだよ」
不機嫌そうにヴィオラは俺に付け加える。
「ああ……、済まなかった。ありがとう」
俺は震える声で、感謝を伝えた。
心からの思いが身体を震わせる、乃本の生存と同じくらいの興奮だ。
しかしまあ、それはそれとして。
「あ、そうだ向水。おまえと乃本はSランク昇格だ」
「……へ?」
俺は即座に切り替えて向水へランク昇格を通達すると、向水はマヌケな声を漏らす。
「その他隊員もAランクへ昇格、暗木に関しては拒否出来るようにBランクで止めておく。受け入れるのならその時にAランクへ昇格させる、他の隊員たちに伝えておいてくれ」
俺は淡々とランク昇格を伝える。
太白山ダンジョン攻略の時点でSランク昇格は確実だったが、鹿児島に跳ばされたり川内居住区の通信障害やらで後回しになっていた。
まあ正直な話、攻略者のランクにそれほど意味があるとは思っていないが。
結局これはダンジョン攻略における行動範囲などの許可に関するものだ。階級とは違う。
だが、これで迷宮攻略分隊に今回のような衝突は起こりにくくなるだろう。
Sランクに指図するなと突っぱねやすくはなる。
「よし、今回の報告連絡はこのくらいだな。各員よく休息を取ってくれ、本当に良くやってくれている……ありがとう。これからも頼むぞ」
俺はそう言って、通信を切った。
本当は前回半端に終わっていた九十九についても語ろうと思ったが、今回は乃本と話せないため止めておいた。
急ぐ話でもない、雑談の域にある話だ。攻略には関係ない。
その後。
玄海攻略隊による川内居住区の通信設備破壊工作も判明。
通信復旧後に川内攻略隊主導で玄海攻略隊の内部調査と小倉ダンジョン消失確認を行い、今回の件に深く関わっていた攻略者は戦闘ペットを殺処分し攻略者資格を剥奪の後に拘禁刑となった。
ここから福岡奪還……復興へ本格的に乗り出すことになる。
玄海攻略隊の馬鹿共に腸が煮えくり返るので小倉ダンジョン消失の喜びが相殺されてプラマイゼロ。
しかし、女体化症候群解決の糸口を掴んでプラスだ。
俺は一連のことを噛み締めて、煙草に火を点ける。
ああうめえ…………、超人の活躍によって劇的に日本が取り戻されていく。
大規模ダンジョンは、残り五つ。
このまま迷宮攻略分隊は、次の大規模……四国ダンジョン攻略へと動き出すのだった。