ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜 作:ラディ@小説家もどき
01瀬戸内海の力強い荒波
私、里里里々は迷宮攻略分隊に属するAランク攻略者です。
先日、私はAランクへ昇格しました。
これで私も単独でのダンジョン攻略が許可されました。進行に邪魔なダンジョンは私一人でも攻略出来る、これでさらに進行速度は上がるでしょう。まだまだ未熟ではありますが、私も迷宮攻略分隊の主力として進行速度を加速していきたい所存です。
でも進行速度でいうなら、何よりこれです。
「よーし、出航!」
大きな声で縞島先輩はそう言って船を動かす。
ついに縞島先輩はダビンチを船にまで変形させることが出来るようになりました。
つまり私たちの進行に、海路という選択肢が増えたのです。これはとんでもないことです。
ダビンチは船、大型クルーザーに変形。
居住性も抜群、なんなら住めるくらいに広い。
詳しくはわかりませんが、昔ならこんな大きくてラグジュアリーな船はかなり高額だと思います。
縞島先輩のこだわりには脱帽です。瀬戸内海渡れれば別にこんなハリウッド俳優がバカンスを楽しむくらいの過剰なラグジュアリーさはいらないでしょうに。
そんな素晴らしい大型クルーザーに揺られて五時間ちょっとの快適な船旅にて、私たちは小倉から愛媛県は伊方居住区へと向かう。
のですが。
「……っぷ………………、おろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろ…………」
私は海に朝食を撒き散らす。
初めての船旅で思いっきり酔った……ああ、気持ちも悪い……。
優雅で快適な船旅のはずが……瀬戸内海の力強い荒波に対して私の三半規管が弱すぎた……。
ああ本当にきつい、なんなら赤竜王討伐戦よりきついです。
こんなにきついこと経験にないです……。
他のみなさんは大丈夫みたいです。
縞島先輩と百一君は操縦を。
向水先輩は周辺警戒を。
暗木さんと乱丸さんは船内で待機。
ヴィオラちゃんはずっと暗木さんに睨みを効かせて珍しく百一君から離れて船内にいます。
私も周辺警戒をするはずが…………船を舐めていた……、こんなのもう絶災級でしょう。
「おいおい大丈夫か里々……、いや大丈夫じゃあないか」
船から身を乗り出す私の背中を擦りながら、船内から出てきた乱丸さんが声を掛ける。
心配かけてすみません……でも気持ち悪すぎて返事もできません。胃が空っぽなのに吐き気が止まらない……視界も歪む……手足も痺れてきた……。
「――エスメラルダッ‼」
乱丸さんの声と共に、ぐだぐだにうなだれる私をエスメラルダが一気に包み込む。
「このままエスメラルダに入っていろ、揺れは僕が調整してなるべく少なくするし吐き気や目眩に関してはエスメラルダが軽減させる。伊方に到着するまで休んでいるといい」
優しく微笑みながら乱丸さんは私に向けてそう言った。
「ばぶばぼびばぶ……(助かります……)」
私はエスメラルダに包まれながら、かろうじて返して。
そのまま気絶するように眠りについた。
「……ん」
「おお、起きたか。気分はどうだ? 水飲むか?」
目を覚ますと、読書をしていた乱丸さんが私へ尋ねる。
ここは……船じゃない。どうやらここは宿……? 私が船酔いで完全ダウンしている間に伊方居住区へと到着していたようです。
「ありがとうございます。かなり良くなりました……本当にご迷惑をおかけしました」
私は水の入ったボトルを受け取りながら感謝を述べる。
ああ水が美味しい……、常温なのがちょうどいい。五臓六腑に染み渡る……。
「そんなことないよ。上陸してからはここまで乃本が抱っこして運んだしな」
「抱っ……、え? それは前抱っこなのかおんぶなのかでかなり………………あれ他のみなさんはどちらに?」
乱丸さんの返しに水をむせそうになるくらいに驚きつつも、現状について尋ねる。
「ああ、情報収集に向かった。ここは伊方、つまり四国ダンジョンの最前線だからな」
真面目な口調で、凛々しく乱丸さんは答えた。
四国ダンジョン。
三十年前に香川県に出現したダンジョンは凄まじい速さで、拡大した。
これは階層の深さではなく、水平方向。
あっという間に香川県を飲み込んで瀬戸大橋を伝って岡山を染めつつ広島を飲み込んだ。
そして、現在は徳島を飲み込み高知と愛媛の一部を飲み込んでなお拡大中。
地形は流動的に変わり、モンスターもぞろぞろと湧く。