ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜   作:ラディ@小説家もどき

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02多分

 確かに……これってどういう扱いなんだろ。

 ダンジョンなら消失させて終わりだけど、これは四国が絡まったダンジョンだ。

 緑竜王を討伐しても、四国の形がこのままだったら……。

 

「基本的に元に戻るというか緑の現実改変に影響受けた場所は現実に書き換わる。だが迷宮になる前に魔獣に壊されたものやら勝手に朽ちたものは戻らん」

 

 ヴィオラちゃんは百一さんに前抱っこでぴったりとくっつきながら、淡々とダンジョンの仕様を語る。

 

 流石絶災級モンスター……攻略隊が把握できてないような情報がポロポロ出てくる。色々と詳しく聞きたいけど、ヴィオラちゃんは気分でしかお喋りしない。話したいことしか話さないし、飽きたらオチ手前でも黙るから聴取は難しい。

 

「そりゃあ良かった……これを復興するのは大変過ぎるぞ」

 

 心底安心しながらヴィオラちゃんの尻尾を撫でて、百一さんがそう漏らす。 

 

「――――! 止まれ!」

 

 尻尾を撫でられてうっとりしていたヴィオラちゃんは、突然鋭く停車を命じる。

 

 私はブレーキを踏み込んでダビンチを停車させた。

 

 同時、凄まじく揺れる。

 地震……いや、地面がうねるように動いている。

 

 目の前の道がぐにゃぐにゃに曲がって。

 溶けて抜け落ちるように大きな穴が空いて。

 その大穴から、巨大な影が天高く伸びる。

 

 札幌駅の北口んとこにあるビルのように、(そび)え立つ。

 ムカデのような、爬虫類のような、異形。

 

 ああ、聞いていた通りの見た目だ。

 間違いない、これが四国ダンジョンの絶災級ボス。

 

 緑竜王だ。

 

「あれぇ? 黒の気配があったんだけどー。あ! 居た! 黒だ! あれぇ? そんな小さかったっけ?」

 

 脳に直接、甲高い無邪気な緑竜王の声が響く。

 

「久しいな……相変わらずの馬鹿な大きさだ。気持ちが悪い」

 

 驚くことなく、抱っこから浮き上がってヴィオラちゃんは腕を組みながら返す。

 

「ひどぉーいっ! でも遊びに来てくれて嬉しー! みんな全然出てこないから! 暇だったの!」

 

 高層ビルのような巨体をくねらせ、頭部をこちらに下げながら嬉々として緑竜王が言う。

 

「一緒に人殺して遊ぶ? いっぱい壊す? それとも殺し合う? やっぱり全部やる?」

 

 ドーム状にまん丸な目玉をこちらに合わせて、緑竜王はヴィオラちゃんに尋ねる?

 

 とてつもないプレッシャーだ。

 怖いとかを通り越して、理解が追いついていない。

 

 こんな巨大な、価値観も世界観も何一つ噛み合う気がしない。

 虫カゴを覗く人を、虫カゴの中から見ているような。

 

 絶対的で圧倒的な、差。

 

 ああ、もう私の人生は相手の気分次第なんだ。

 絶望すら出来ない、諦めるとかじゃなくて先が見えない。

 こんなの成立してない……サイズ差というより生きている世界が違う。

 

「あー強いて言うなら殺し合うというか貴様を殺すのだが、今日はやめておこう。気分じゃあない」

 

 完全に臆した私とは違い、全く臆さずヴィオラちゃんは気怠げに緑竜王へと返す。

 

「そうなの? そうなんだ! そうだっけ? まあ、今は遊び相手がいるからね! ほらっ!」

 

 緑竜王がそう言った、その時。

 

 積み重ねられた民家の塔を突き破るように、小さな……いや相対的に小さな。

 

 一つの人影が、緑竜王に向かって飛び出す。

 

 ボロ布を纏い。

 真っ黒な髪。

 

 凄まじい勢いのままに、緑竜王の頭を素手で殴り抜けた。

 

 モンスター人間。

 あれが……、確かに人の動きじゃあない。

 

 殴られた頭は弾かれ、緑竜王は体勢を立て直すために地響きを立ててうねる。

 

「――成子! 全速離脱だ‼」

 

「りりりょ、了解……っ‼」

 

 私は百一さんの声で、私はそう言いながらバックギアからターンを決めてアクセルベタ踏みで離脱する。   

 

 その間にも、景色がうねって地形が変化して。

 背後から凄まじい破壊音が轟く。

 

 サイドミラーからちらりと、大災害のような戦闘が見える。

 

 巻き込まれたら終わりだ……!

 最高速でトンズラぶっこく!

 

 そんな中、身を乗り出してミライちゃん双眼鏡で大災害を覗く。

 

 やっぱすんげえな、こんなとんでもない状況で偵察を続けるって…………Sランクやべえー。

 

「……なんなの……あれ」

 

 私が感心しながら『高機動車』をぶっ飛ばしているところで、ミライちゃんが呟く。

 

「あれ……やっぱり人間だ。しかも……いや、断定は出来ないけど」

 

 双眼鏡を下ろしながらミライちゃんは。

 

「多分…………()()

 

 そんな99.999パーセントあり得ないことを、述べた。

 

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