ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜 作:ラディ@小説家もどき
「――押すんじゃあない! おまえという塊がここに在るから、ぶつかった相手が飛ぶんだ!」
私は転がる半端女へ、指摘を行う。
「――肉でどうにかするんじゃない! あらゆる重さが集まった一点、この瞬間を流し込む!」
飛んで壁に激突した半端女へ、さらに指摘する。
「――想像力が足りてない! おまえという存在の重さは、肉と骨だけでなく思いと想いの重さもあるんだ! 相手を殺す、相手を破裂させる、相手を溶解させる、自身の先から世界を砕く! そういう思いと想いの重さを乗せろ‼」
私は無様に這いつくばる半端女へ、まだまだ指摘する。
「――……っ、足りん! 足りないぞおおおおおおおお‼」
私は不足だらけの半端女を、背中で飛ばす。
受け身も取れずに無様に半端女は地面で身を削りながら飛んでいく。
まだまだだな、こんなものじゃあ雑魚魔獣でも殺せない。主様の完成度には程遠い。
「か……っ、はぁ…………ぐ…………は…………」
ボロボロの半端女は苦痛の声を漏らし、立ち上がろうとするも立ち上がれない。
「ふん、これ以上は壊れるな。あの粘液玉の奴を出せ。回復しろ」
私は半端女の首根っこを掴んで起こしながら言うと、半端女は粘液玉を喚び出して身を埋める。
脆弱、この程度で動けなくなるか。
何をやっても死ぬ、これが主様から任されたことでなければ殺して終わらせるがそうもいかない。
疲れてもいないが休息にしよう。
まあ……少しずつだが出力が上がってはいる。
だが思った以上に弱い、やはり脆弱な虫けらだな。
しかしあの粘液玉…………あまりにも興味がなくて気づかなかったがあれも
人の思いと想いの重さを引き継いで、魔獣として生まれている。
まあだからなんだという話だが、別に珍しいことでもない。
迷宮転生上がりはテイムが起こりやすいしな。
「……あなたは、どうして強くなったんだ?」
粘液玉から顔を出して、休息中の私へ問いかける。
「あ? どうしてだと? …………わからん、私はずっと強かった」
答える理由はないが、私は暇潰しがてら回答する。
しかし、考えたこともなかった。
強かったから戦った。戦ったらより強くなったからまた戦った。それを繰り返してきただけだ。
その繰り返しの中で、私は主様に出会った。
それが全てだ、私が強い。強いから主様と出会い、恋に落ちた。
「はは、凄いな。過信でも慢心でもなく、事実なんだろう……負けなしなんだろうな」
粘液玉で回復されながら調子に乗って半端女は会話を続けようとする。
「負けはあるぞ、数少ないがな。勝敗と強さはまた別のものだ、強いと負けにくいだけだ。絶対じゃあない」
私は調子に乗る半端女の認識を訂正する。
敗北は存在する。
まあ主様や悪樓を含めても数える程度だし、結局私は今も生きているので命という観点でいえば厳密に敗北とはいえんのかもしれんが精神的に敗北と言わざる得ない状況は体験している。
まあかといって、相手が勝利を実感できているのかもわからんし。私に敗北を味あわせた者のほとんどは既に死んでいるだろう。
「強くても負けることがあるのか……、じゃあ弱いというのは話にならないな」
「ああ、その通り。おまえのような脆弱で半端な虫けらは話にならんな」
半端女の正しい認識に、私は同意する。
「もっと強くなって、乃本に認めてもらうんだ。僕という存在を……」
粘液玉に包まれる無様な姿で、半端女は思いの乗った言葉を漏らす。
「あー、まあ戦いの強さだけで認めてるわけでもないと思うがな。あのデク人形と小さき者は、戦いという面でいうなら虫けら以下だが。青の『幻惑』に打ち勝つ知性があった、あれは見事なものだ。その一点においては七竜に肩を並べている、凄い虫けらだ」
私は半端女へと主様の思いと、小さき者について語る。
別に認められたところでたかが知れているがな。
一番が私なのは揺るがない。
「凄いな成子は……僕じゃあ、話にならないか…………」
少し気落ちして、半端女は漏らす。
「ああそうだ。小さき者で思い出した、頬に唇を当てるのは何か意味があることなのか? 噛むわけでも舐めるわけでもなく、こう……一秒くらい当てるやつだ」
気落ちしたことにまるで気に留めず、私は私が聞きたいことを聞く。