ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜 作:ラディ@小説家もどき
マジでそろそろちゃんと褒めてやらんとな、風呂とか飯じゃなくて……あーそっか殺し合うんだっけか……。
軽い模擬戦形式の稽古くらいなら全然良いし、なんなら今すぐにでも相手してほしいくらいだが……。
マジでやるのはキツい……。
青竜王とやり合って改めて思ったが
あの『幻惑』というのがほとんど俺に効かなかったってのも大きいが、それでも分身されたり俺の記憶から読み取ったのか九十九や百太郎の幻と対峙させられたり単純に幻の爪に本物の爪を混ぜて飛ばしてきたりかなり厄介だった。
それでも全然……形態変化してこないってのはかなり気持ちが楽になる。
ヴィオラ……黒竜王の第一形態をやっとこさ攻略したところでの第二形態で全く違う戦い方をしてきた時の絶望感たるや……まだたまに夢に見て汗だくで目覚めて腹の上で丸くなったヴィオラの第二形態を見て心臓が止まりかける。
…………まあ本気は無理だがそのうち第五形態と軽い模擬戦をやろう。
とりあえず今、ヴィオラはいない。
仕方ないので一人、身体を動かしに訓練場へと向かうことにした。
「お、喜怒か。どうだ? 稽古の調子は」
稽古場で丸太に震脚から靠を繰り返す喜怒へと声を掛ける。
「乃本……、先日おまえのパートナーにしこたましごかれたからな。多少は動けるようになったぞ」
やや恨めしそうに、喜怒は俺に返す。
おーヴィオラがちゃんと稽古つけてくれたみたいだな。疑ってたわけじゃないが、喜怒からも充実した稽古だった声を聞けて良かった。
「そうか、よし打ってこい」
俺はそう言って、喜怒の習熟度を測るべく構える。
「はっ……、わかった! 行くぞ!」
喜怒は笑みを浮かべてそう返し。
同時に震脚から、
これは震脚という踏み込みで地面と繋がるような姿勢と重心移動から、靠という体当たりで地面と様々な重さを出力させるための稽古。
これが八極拳における発勁。
他にも体内での重心移動や連動と姿勢や脱力から遠心力や重量、そして思念と想像力。
鍛えてきた筋力や神経系を効率良く出力するための稽古だ。
喜怒の靠から俺の中に勁が通り、後ろ足の踵から抜けていく感覚が伝わる。
「おお凄いな、かなり出来ている。やはり元々武道経験があるのが大きい」
俺は喜怒の発勁に対して、素直な感想を述べる。
ここからは
喜怒はかなり格闘戦のセンスがある。たしか剣道もやってたらしいから
何か喜怒にあいそうな武器……まあでもあんまり携行装備を増やすと衛生治療の際に動きが重くなるから難しいか……。
なんて俺が喜怒の実力から今後の発展を考えていると。
「……だが、まだまだこれじゃあモンスターとの実戦には使えない」
喜怒はやや悔しそうにそう漏らす。
「それは仕方がないさ、自転車に乗れるようになっても競輪選手になれるわけじゃあない。訓練あるのみだ」
俺は当然のようにそう返す。
かなり早い成長速度ではあるが、それとこれとはまた別だ。
俺は日ノ本特殊防衛人造超人の中でもフィジカル面に特化した調整をされている。
オリンピックに出たら全種目で世界新記録を出せるだろうし、全種目のドーピング検査で弾かれるのが俺だ。
基礎的なスペックが違うし、俺もこれを対モンスターに仕上げるには千歳ダンジョン内で何ヶ月も実戦で死にかけながら鍛えたものだ。
俺と同じような威力になることは難しいし。
モンスターを打倒に至るのも、まだまだ先のことだ。
「そうだな……、すまん。僕はまだ力になれそうにない」
申し訳なさそうに喜怒は返すが。
「? めちゃくちゃ力になっているだろ。喜怒のように動ける衛生治療担当は頼りになり過ぎる、今回の攻略作戦でもかなり頼りにしている」
俺は喜怒の申し訳なさが理解できずに道理を話す。
そもそも喜怒は役割として衛生治療がメイン。
いざという時に備えて、格闘戦は出来たほうが良いとは思うが主力としての配置は想定していない。
喜怒と成子が無事であれば最悪の事態は回避できる、これは作戦行動においてかなり重要なことだ。
出会った当初は無茶ばかりしていて、正直話にならないと思ったが今は撤退判断や回収や治療優先の立ち回りに徹していてかなり頼れる存在となった。
この発勁に関しても、その動きをより盤石にするためのものだ。喜怒は十二分に良くやっている、不足はないと思うが。
「それは、ありがたい……でも今欲しいのは火力だろう?」
喜怒は真摯な眼差しで、俺を見てそう言った。