ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜 作:ラディ@小説家もどき
……なるほど、見透かされているか。
確かに今回の攻略においては火力不足だ。というか大体の攻略は火力不足。
ハチヨンとか地対空誘導弾とかは当然として、海や空からもばすばす撃って吹き飛ばしたいくらいだが。
装備もないし、そんな装備を扱い作戦を行える人員もいない。戦闘ペットでどうにかするしかない。
そして、俺がどうにかするしかない。
つまり、これに関してはもう解決済みだ。
「まあそこはなんとかすることにしたから大丈夫だよ。心配するな」
俺は喜怒を安心させるように答えるが。
「心配はするだろ……っ‼」
喜怒は即座に、声を荒げて返す。
「別におまえを侮っているわけじゃあない、乃本百一がなんとかすると言うのならなんとかなるとも思っている。そこを疑う気はない」
少し興奮を抑えて、喜怒はそのまま語り続け。
「だけど……おまえ、
俺の奥の手についても、見透かしてみせた。
「青竜王との戦いが具体的にどんなものだったかは知らない、でも服の破れ方や血の跡を見ればどんな負傷を受けたかくらいは僕にだってわかる。通常なら死に至る致命的な負傷だ」
つらつらと、喜怒は語りを続ける。
まあそうだな。
この再生能力がなかったら、俺はとっくに死んでいる。
青竜王戦では肋が弾けて自分の肺が胴から溢れ出るのを見た。ありゃあ流石に驚いた、ヴィオラが回復の隙を作ってくれなきゃ死んでいただろう。
「ヴィオラの能力なのかおまえ自身の体質なのかは知らんが、怪我が異常に早く治ることも理解している。でも不死身なわけじゃあないんだろ? 強くても死ぬ時は死ぬということを、おまえが知らないわけないだろ」
喜怒はさらに再生能力についても語る。
これもその通りだ。
強くても死ぬ時は死ぬ、九十九はわからないが多分百太郎は死んでいるだろうし。
俺より強い百太郎が死ぬのなら、俺もいつ死んでもおかしくない。
「僕たち……隊員や民間人を守るのは素晴らしいことだ。本当に助かっているし、頼もしい。でもおまえだけが無茶をし続けることでしか成立しないのなら……許容はできない」
真摯に俺へと向き合って、喜怒は意見を述べる。
「死んでる場合じゃあないだろう。死は攻略者にとって職務上のリスクの一つではあるが、命を粗末にしていいわけじゃない」
凄まじい正論を続けて。
「僕らが負担になっているなら早急に強くなる……だから無茶するな」
眉をひそめて、喜怒は俺へとそう言った。
喜怒のいうことは基本的に正しい。
ぐうの音も出ない。
だがこれはあくまでも一般的な命の話。
日ノ本特殊防衛人造超人に通常の倫理観は当てはまらない。
「すまんが……、俺の命一つで日本が救えるなら迷うことはないだろう。でも俺の命は日本のためにある、なるべく長く日本のために使えるように善処する」
俺は偽りなく、俺の中の思いを返す。
「……何がおまえをそうさせるんだ? 何故そこまで……おまえはなんなんだ?」
俺の答えに喜怒は困惑しながら尋ねる。
そりゃあ意味わからんよな。
突然現れた、出自が不明のぽっと出攻略者が命かけて大規模ダンジョンに挑んでるんだから。
「あー……まあいいか。俺は陸上自衛隊所属の自衛隊員だった――――」
喜怒の真摯な姿勢に、俺は俺を語り出す。
三十年前に千歳ダンジョンに潜って三十年間ダンジョンで戦い続けてたら怪我の治りが早くなって年を取らなくなって地上に出てきたら女体化症候群と迷宮災害で日本を無茶苦茶にされていたことを語った。
もちろん日ノ本特殊防衛人造超人については触れないし、迷宮作戦群についても伏せたが。
まあとにかく俺が、日本のために命を使い切ることしかできない根っこからの公人であることは伝わるだろう。
一般的な死生観をもっていたらできないこともある。
「乃本おまえ……いや…………稽古を頼む」
喜怒は俺の話を聞き終え言おうとした言葉を飲み込んで、構える。
「僕の言葉に力はない。僕が強くなることでしか解決しない」
静かに、身体の中で気を練り上げながらそう言って喜怒は対峙する。
へえ……、こりゃあ強くなりそうだ。
「まあそうだな。来い、鍛えてやる」
俺も構えて対峙して、そう返す。
お喋りはここまでとして、ここからはひたすら喜怒を鍛えた。
久しぶりに身体を動かし、俺も俺で調整が出来た。
そして数日後、準備は完了。
四国ダンジョン攻略作戦は決行された。