ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜 作:ラディ@小説家もどき
「――任せろ……っ!」
僕は心で爆発させた炎を目から揺らしながら乃本へと返して、立ち上がる。
「っ待……、ち……が、おまえじゃ――――」
乃本がまだ何か言っていたが無視して、他の回復役に任せ。
僕は緑竜王へと、走り出す。
「勇往邁進ッ‼ エスメラルダァァァアアアアアア――――――ッ‼」
僕は猛り、エスメラルダの中に半身を埋める。
ほぼ同時に隆起した地面へエスメラルダを伸ばして貼り付け、エスメラルダが縮むのを利用して一気に飛ぶ。
柔らかく、軟らかく、頑丈。
伸びて貼り付いて離さず縮む。
攻撃性能は乏しい、俊敏性も運動性もない。
でも僕がいる。
そうだエスメラルダ、僕と共に行こう。
「っ……里々ィ――――――ッ‼ 僕を投げろォオ――――――ォォオオォッ‼」
緑竜王の周りを跳び回って牽制していた里々へと叫ぶ。
一瞬里々は驚いた顔をしたが、私の熱を感じ取り真摯な眼差しで頷く。
里々は伸ばしたエスメラルダを掴んで、僕を振り回し。
そのまま緑竜王の頭部へと投げつける。
「ェェェエエスメラァァァアっゴボォボボボォォオオォォォォォ――――――ォォォォオオオッ‼」
勢いのまま、僕はエスメラルダに包まれて緑竜王の大きな口から。
体内へと飛び込んだ。
こいつを殺す方法は脳幹を撃ち抜くか、循環器系……つまり心臓を潰すこと。
見た目がムカデなので脊椎動物的な心臓があるかは不明だが、モンスターには大なり小なり必ず核となる部分が存在する。
こんな巨体を外部から核の位置を見つけるのは不可能だ。
でも中からなら。
エスメラルダが緑竜王を診察して、身体の構造や損傷の情報が頭に流れ込んでくる。
MRIやX線検査のように、緑竜王の全てが見えて視えて診れる。
ああ、どんどん思考が、意識が、エスメラルダに溶けていく。
より直感的に、僕の思いとエスメラルダの思いが混ざり合う。
心が溢れ、身体も、邪魔な服も、ああ全てが溶けて混ざる。
ここで、僕の身体が変化する。
髪が伸び、色も黒から色が抜けていく。
エスメラルダに溶けるように、脱色される。
今までにない現象だ。
でも不思議と恐怖も驚きもない。
憧れのロングヘアに対するときめきくらいしかない。
ああ、僕はエスメラルダと混ざったんだなって受け入れてしまっている。
口内からエスメラルダをガブガブと飲んで、毛穴や眼球や膣やら穴という穴でエスメラルダを取り込んで混ざり合う。
モンスターと混ざる……。ああ里々すまん、モンスター人間は実在した。僕がそれになった。
全く悪い気はしない。
全てが上手くいく気がする、絶好調だ。
真っ暗の中でも足をぶつけずトイレまで行ける実家のように、緑竜王の内部構造を完全に理解している。
そして、緑竜王の内部に核を見つける。
直径四メーター、球体が壁に埋まったようなドーム状で脈動している。
大きい……いや、百メーターもある巨大生物の心臓部としては小さいか。
エスメラルダを内壁に貼り付けて固定、核部分は真っ直ぐ、正面。
「……っボボボゴォボボボゴボボボボボボボ――――ォォッ‼」
雄叫びを上げて、核部分に中段突きを放つ。
エスメラルダには爪も牙も角もない。
丸くて柔らかくて、優しい子だ。
だから攻撃は僕がやる。
僕の拳で、こいつは殺す。
ああ、エスメラルダを通じてあらゆる身体の状態が見るだけで診れる。
僕の身体の中を通る力の流れも手に取るように感じられる。
そして自在に操れる。
喜怒家で矯正された男としての基礎に乃本から習って謎の弩級美女に鍛えられて入り口に触れた僕の発勁が、完成した。
僕という物体の可動域や重量、筋肉や神経を最大効率で動かして。
緑竜王の核を殴る。
「……っ、ギァアァァァアアァぁぁがぁぁアガアアガガガガガガァァァアガアあ――――――ッッッッ⁉」
殴ったところで緑竜王の絶叫が体内に響き渡り、凄まじい勢いで揺さぶられるというか振り回される。
緑竜王が身を捩って暴れ散らかしているのだろう。
上下前後左右と、めちゃくちゃに、高速に振られる。
だが、エスメラルダの水平維持能力と粘着力は完璧だ。
どれだけ暴れようと僕は崩れないし、エスメラルダは貼り付いて離さない。
外からもみんなが畳み掛けているだろう。
僕は止まらない。
気にせず渾身の打を通し続ける。
拳から凄まじい力が通るのがわかる。
これが勁、なるほどこれは凄い。
反動でぷちぷちと筋繊維や血管が損傷して指や手首や肩も折れたり外れたりするが、同時にエスメラルダが治癒させる。疑似的に乃本の回復能力を再現している。