ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜   作:ラディ@小説家もどき

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02訃報を告げる

 ヴィオラが人の姿に成れることも、本来なら協議されるべきことではあるが気づいていないフリをしている。あと多分人間形態のモデルが九十九なのでギリギリ守秘義務にかこつけられるのもあるが。

 

 攻略隊の優先順位は迷宮災害の根絶が最優先であり、それ以外の問題は迷宮災害のない安全な社会でじっくりと向き合って行けばいい。

 

 全部終わってから改めて、解決すれば良いのだ。

 

 だから今後も迷宮攻略分隊に起こる、特異な現象は攻略に差し支えない限りは揉み消す。

 

 全部終わってからから、俺の首を切れば良いだけだ。元自衛官の攻略隊関係者による暴走で片付ければいい。

 

「……了、攻略を遂行します」

 

 乃本は俺の意図を汲んで、了解する。

 

 俺は自衛隊の指揮系統でいうなら全然上官にあたる。つまり乃本は基本的に俺の決定は絶対だ。乃本は二階級特進しているとはいえ陸士長だ、俺のが全然偉い。

 

 まあ日ノ本特殊防衛人造超人の階級はかなり特殊な上がり方をするからあれだが、乃本の場合は単純に十八歳で入隊して即作戦群入りしてすぐに消息不明から死亡扱いになったので低いままなんだよな。

 

 本来なら多分全然幹部相当だろうし全然上官になっていただろう。九十九は年下だが当時は俺と同じ二等陸尉だったので、どっかで何かしらの調整はされてるっぽい。

 

「……それと、もう一つ。モンスター人間についてなんですが――」

 

 乃本はモンスター人間について語る。

 

 身体操作や身体能力から見ると、あれは日ノ本特殊防衛人造超人である確率が高いとのこと。

 でも、乃本の知らない者で所属もわからなかった。

 

 百一番より後に日ノ本特殊防衛人造超人が造られたりしたのか、もしくは。

 

「――九十九と百太郎は死にましたか?」

 

 乃本はもう一つの可能性について問う。

 

 新型でないなら既存の日ノ本特殊防衛人造超人が動いている可能性も考えて然りだ。

 

 ……そういや前回は半端な感じで終わって、伝えきれてなかったな。

 

「九十九は死んだ。百太郎……百番のことは知らない」

 

 俺は乃本に訃報を告げる。

 

 間違いなく九十九は死んだ。

 これ以上なく日本のために命を使い切った。

 最後の一秒まで、日本のために生きて死んだ。

 

 立派だった。

 俺に出来なかった。

 無様に生き延びちまった、だから俺は乃本が日本のために命を使い切るのに邪魔なものは全て排除する。

 

「そうですか」

 

 乃本は姉の死を淡白に受け入れる。

 

 日ノ本特殊防衛人造超人に心理的な動揺はない。

 でも悲しまないわけでも、辛くないわけでもない。

 俺はそれを知っている。

 

 でも、俺がこれ以上感傷に浸すようなことをわざわざ言うのは乃本の邪魔でしかない。

 日ノ本特殊防衛人造超人は悲しみや苦しみなんかに負けるような、ヤワな造りをしていない。

 慰めや寄り添いなんてものは、不要だ。

 俺の中の悲しみや後悔を共感してもらおうなんて意味のないこともやらない。

 

「だが、あのモンスター人間が日ノ本特殊防衛人造超人というのなら…………心当たりはある」

 

 俺は気にせずに、話を続けることにする。

 

「あれは――――」

 

「百一! あの弩級美女なんとかして! うし太郎と里々だけじゃもたない! なんなのあれ⁉ 強すぎるわよ!」

 

 乃本へ心当たりを告げようとしたところに、近くから向水の声が入る。

 

「この話は別の機会にしよう。少なくとも現状において優先度の高い話ではない」

 

 俺は即座に会話を打ち切る。

 

 日ノ本特殊防衛人造超人については国家機密。

 外部に話が漏れることがあり得るのなら、この話は出来ない。

 

「了、継続して大規模ダンジョン攻略を進行します」

 

 乃本も察して、そう返して通信を終えた。

 

「…………ふーっ」

 

 俺は通信ログを削除しながら一息つく。

 

 伝えきれなかったか……まあそのうち伝える必要はあるが、さして重要でもない。

 

 日ノ本特殊防衛人造超人、番外については。

 

 何とか保護して攻略作戦に参加させたいが、あれを相手に保護させようなんてのは……流石に乃本の負担が大き過ぎる。

 

 あれの性能は九十九と遜色ないはず。

 

 目的もどうせ同じだ。

 そのうちまた接触する機会もある。

 あれはあれでダンジョン攻略に乗り出しているのなら……まあそのうちチャンスは来るだろう。

 多分話の通じない相手ではあるが乃本なら、乃本だけがどうにかできるはずだ。

 

「つーか……、生きてたんなら言えよ馬鹿野郎……」

 

 俺はそう呟いて、煙草に火を点ける。

 

 最高の気分だ。

 進行は順調、面倒事くらい握り潰すさ。

 

 日本さえ取り戻せれば、俺はどうなっても良い。

 

 さあ次は大阪、此花ダンジョン。

 ここから後半戦だ。

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