ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜 作:ラディ@小説家もどき
「じゃあその煩わしさを振り払って攻略に参加するため、札幌に来たってことですか?」
私はさらに暗木さんへと尋ねる。
「んー、まあ大体そうだけど……正直言っちゃうとそんなに私は攻略にも前のめりじゃあないのよね」
さらりと、暗木さんは本音を漏らす。
「研究対象として保護されて暮らす事もできたっぽいけど、それだとマー坊を連れて行動ができないしマー坊は帰還できないタイプの戦闘ペットだからめんどくさくてね」
マー坊のタンクに触れながら語り。
「攻略者になればある程度自由意志に基づいて行動できるから攻略者になっただけなのよね」
自身の攻略者になった動機を語った。
納得感はある。
暗木さんから攻略にぱんっぱんの前のめりって姿勢は感じない。
かなりサボりたがりだし、必要以上には頑張らない。
だからといって暗木さんは攻略自体に否定的だったりはしないし、役割や必要なことをおざなりにしたりはしない。きっちりと仕事はこなす。
でも。
「だとすると……この迷宮攻略分隊での活動って、辛くないですか? こんな大規模攻略最前線独立精鋭部隊みたいな分隊に参加って」
私は暗木さんへ、思ったままに聞いてみる。
正直、迷宮攻略分隊の活動はかなりハードだ。
大規模攻略では壊災級以上のモンスターとの戦闘も全然あるし、その全てが勝利前提。
絶災級を相手にするのもいつ死んでもおかしくはない。
赤竜王との戦いも緑竜王との戦いも、いつ死んでもおかしくないような危険が伴う。
暇があれば訓練や準備、移動、準備、訓練……。
ここまで過密に攻略を行っているパーティもなかなかない。
私は正直このペースで丁度いいというか、元々ハイペースでダンジョン潜っていて千歳ダンジョン攻略も視野にいれて個人で活動していたくらいだからこのパーティの動きは心地よいくらいだけど。
暗木さんのモチベーションだと……かなりきついんじゃ……無理をさせてしまっているのかもしれない。
「んー? 全然面白いよ。色んなとこ行けるし、みんな個性的だし、乃本氏もいるし」
私の心配をよそに、さっぱりと暗木さんは答える。
「や、やっぱ……百一がいるからなんですか?」
私は暗木さんの答えに、何故か動揺しつつ重ねて問う。
前に成子ちゃんが言っていたことを思い出す。
どうにもみんな少なからず百一に好意を抱いているらしい……。
やっぱり暗木さんも百一を…………、まあ私には関係ないけどね。それに別に暗木さんがそうとも限らないし。
「ふふ、そうよ。乃本氏かっこいいからね、大好きなの」
不敵な笑みを浮かべて暗木さんは答える。
「な……っ、なななな、そ、そうなんですか、へー……」
私はクリームでドロドロになったほうじ茶ラテを飲みながら、平然を装って返す。
へ、へえー……あーそうなんだ……へー、ふーん。
「冗談よ。まあどちらかといえば好きだけど、普通に興味があるってくらい。普通に強いなーとかちんちん見たいなーとか一回くらいエッチなこと出来ないかなーくらいの感じ」
「それを普通にしないでください」
暗木さんの邪な興味に、私は冷静になって返す。
異性への性的な興味……、そりゃあ全くないわけじゃあないけど。私は今のところ妊娠する気はないしなー、全然処女のままで攻略者としての才能をフル稼働させて生きていければそれでいいのよね。
私がそんなことを考えていると。
「私、面白いことが好きでつまらないことが嫌いなの。せっかくマー坊と出会って、この国が未曾有の危機でみんなが頑張ってて、水汲みだけで人生終わらせるのは勿体ないでしょ? 絶対に楽しんだ方が良い」
堂々と暗木さんは自身の人生観を語り。
「確かに……今日めちゃくちゃ楽しかった」
私は思わず、納得の言葉を漏らす。
うん、納得だ。
エッチな下着見て、試着室ファッションショーして、今はカフェでお茶してる。完璧なショッピングだった。
久しぶりにこんなに遊んでる。
この人は遊ぶのが上手だ。
楽しいことが本当に好きなんだ。
そんな人が迷宮攻略分隊を楽しんでくれているのなら、本当にここが面白くて楽しいんだ。
「でしょう?」
納得から漏れ出た私の言葉に、暗木さんは得意気にそう言った。
ここから私たちは宿に戻って、買った洋服を里々ちゃんと成子ちゃんと多分どっかのダンジョン内でヴィオラと模擬戦をしてきたのであろうボロボロの百一と上機嫌なヴィオラ見てもらった。
そして髪を切った喜怒さんがさらに可愛くなっていて、みんなで大盛り上がりして。
暗木さんのおかげで最高の休日が過ごせた。
さあ、ここからは此花ダンジョン攻略に向けての準備だ。
なんて切り替えようにも楽しかった休日は尾を引いて、ダラダラと少しずつ私は攻略へと頭を切り替えていった。