ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜 作:ラディ@小説家もどき
01愛情表現
私、里里里々は迷宮攻略分隊の近接火力を主に担当している攻略者です。
三つ。
迷宮攻略分隊は大規模ダンジョンを三つ消失させました。
たかだか三ヶ月と少しで日本から約半分の大規模ダンジョンが消えた。
まだまだ小規模や中規模のダンジョンは沢山あるし現在進行系で増えていたりもするのでしょうが、大規模ダンジョンの消失は劇的に迷宮災害の確率を減らしていくことにつながります。
でもまだ半分、次は大阪。
かつては西日本最大の都市だった場所。
ここを攻略すれば、西日本の大規模ダンジョンは全てなくなる。
残りの小規模や中規模の攻略を進めれば、西日本の復興が本格的に進むことになります。
気合い入れて行きましょう。
それは私の得意なこと、努力と根性だけで私は出来ているのだから。
さて、気合いの入った私は昨日購入したロングソードを試しに宿を出ようとしたところで。
「あー里々、すまんがちょっと待ってくれ。共有を行いたい」
高浜攻略隊から戻った百一君と向水先輩に引き留められる。
共有……、此花ダンジョンについてですね。
私は踵を返し、共有のために百一君の部屋へと入った。
「……よし、集まったな。此花ダンジョンについての情報を共有する――――」
全員が部屋に入ったところで、百一君は語り始めた。
まず、此花ダンジョンの階層は三十階層以上。
詳細なマッピングはされておらず、正確な内部構造は不明。
しかもこれは三十年前、まだ攻略者が政府公認でない頃の情報。
民間人がドローンやカメラを付けたラジコンを使って撮影した映像や、生還した人からの証言をまとめた情報である。
此花ダンジョンは三十年間、攻略が全く進んでいない。
ダンジョン探索はおろか、ダンジョン内部にすら辿り着けていない。
だから実際百階層以上の深さがあるのか、ボスモンスターが絶災級なのかもわかってない。
ただただ攻略が進まず、現状攻略不可能とされているので大規模ダンジョンに区分される。
その理由が――。
「……戦闘ペットが、使えない?」
私は共有された聞き逃がせない情報を思わず口にする。
「ええ……此花ダンジョンの周囲約五から十キロ圏内では戦闘ペットが言うことを聞かなくなる。動かなくなるってだけじゃなくて、攻略者に襲いかかるなんて事例もあるの」
向水先輩は私のつぶやきに、眉をひそめて補足説明を行う。
周囲約五から十キロ……まあまあな距離だ。
大規模ダンジョン周辺には漏れなくダンジョンから溢れたモンスターが出る。
それを戦闘ペットなしで進行するのは……困難だ。
206X年現在、女体化症候群対策と迷宮災害によって海外貿易が三十年近く止まっている。
ガソリンはないし重火器の弾薬なんかもないのです。
移動も武器も、私たちは戦闘ペットに依存している。
攻略者としての最大の武器が使えないなんて……。
「まあどういうことなのかは……ヴィオラ、教えてくれ」
私が衝撃的な話に困惑していたところで、百一君は抱っこしていたヴィオラをみんなの方に向けながら言う。
うん、困った時にはヴィオラに聞くに限ります。
「ちゅーしてくれたら話す」
こちらを向かされたヴィオラは首だけ百一君の方に向けてそう言う。
ちゅ、ちゅー……? まあ戦闘ペットへの愛情表現としてキスしたりする人は攻略者学校の同級生たちにもいましたが……百一君はそういうタイプでもないような……。
「………………ちゅー」
百一君は少し考えて断るよりもした方が早いと考えて、ヴィオラの頬へと唇をあてがう。
「うむ! あ! 主様主様、ほれ。ちゅー……よし、気分が良い。話そうじゃあないか」
大喜びのヴィオラは百一の頬にキスを返してにこやかにこちらへと向き直す。
か、可愛らしいですね。微笑ましい……、ヴィオラは絶災級相当で今までの絶災級ボスたちと同格以上の凄まじく強力な戦闘ペットであることは理解していますが。
百一君の膝の上に乗っている時はもう、ただの甘えん坊に見えて可愛らしいです。
「ここから感じる気配は黄と紫だが……まあ聞いている限り、黄の話だな……はあ……いきなり気が滅入るが……まあ良いか。ちゅーしたし」
うんざりした顔でヴィオラは語り出した。